- 看護師ってどんな仕事をしているの?
- 看護師が活躍できる職場は?
- 先輩看護師の生の声が聞きたい!
今回は、こんな疑問にお答えします。
看護師の仕事内容は幅広く、具体的にイメージがつきにくいものです。
そこで今回は、現役看護師9年目である筆者が、看護師の仕事内容を分かりやすく解説します。
この記事を読めば、看護師のリアルな働き方を知ることができますよ。
病棟以外に活躍できる職場についても詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
看護師の仕事内容とは?

看護師の仕事は『保健師助産師看護師法(保助看法)』に定められており、具体的には以下の2つが挙げられます。
それぞれについて解説します。
医師の診療の補助
看護師は、医師からの指示がある場合に限り「医行為」を行うことが可能です。
具体的には、以下のようなものが挙げられます。
- 薬の投与や管理
- 静脈注射および点滴のルート確保
- 患者さんの療養生活に関する対応(食事内容の変更、入浴介助など)
- 患者さんとその家族への説明
- 採血など
医行為は、人体に危害を及ぼすおそれのある行為です。
そのため看護師は、確かな医療知識・技術を身に付け、診療の補助にあたることが求められます。
療養上の世話
療養上の世話とは、患者さんの日常生活に対する援助のことです。
具体的には、以下のようなものが挙げられます。
- 食事介助
- 排泄援助
- 体位変換
- 移動介助
- 清潔の保持
- 環境整備
療養上の世話は、看護師が自らの判断で行うことができます。
ただし、患者さんの病状によっては、医師の意見を求めて慎重にケアにあたる必要があります。
看護師と准看護師との違いは?

看護師と准看護師では、保有免許、仕事の権限、給与に違いがあります。
看護師は、厚生労働大臣が発行する「看護師免許」を保有しているのに対して、准看護師は都道府県知事が発行する「准看護師免許」を保有しています。
看護師と准看護師の仕事内容は基本的には同じです。
ただし、看護師は自己判断で看護ケアや医療行為ができる一方で、准看護師は医師や看護師の指示がなければ業務を行えません。
仕事の権限に違いがある分、給与にも差があり、看護師の方が准看護師よりも年収が高く設定されています。
看護師 | 准看護師 | |
---|---|---|
保有免許 | 看護師免許 (厚生労働大臣が発行) | 准看護師免許 (都道府県知事が発行) |
仕事の権限 | 自己判断で看護ケアや医療行為ができる | 医師や看護師の指示のもとでのみ看護ケアや医療行為ができる |
給与(平均年収) 参考:厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」 | 508万1300円 | 418万1700円 |
そのため、准看護師で給与を上げるためには、以下の2つの方法をとるのがおすすめです。
- 待遇の良い職場を探す
- 看護師になる
なお、待遇の良い職場は、看護師転職サイトに相談すれば簡単に見つけることができます。
具体的な業務内容

看護師の具体的な業務内容には、以下のようなものが挙げられます。
それぞれについて解説します。
体温、血圧、脈拍、呼吸の測定(バイタルサイン測定)
患者さんの「体温」「血圧」「脈拍」「呼吸」の測定を行い、全身状態に異常がないかをチェックします。
1日に3回程度測定することが多いですが、急性期など状態が変化しやすい患者さんに対しては、さらに頻回な測定が必要となります。
測定した値を参考にしながら、患者さんの体に負担がかからないようケアを実践することが大切です。
また、明らかな異常が見られた場合は、医師に報告し指示を仰ぐことも必要になります。
巡回(ラウンド)
巡回(ラウンド)とは、病棟や病室内の見回りを行うことです。
患者さんの状態を小まめに把握するために行われます。
★巡回時の観察項目
- 看護師を頼れずに困っていないか
- 点滴や酸素を無断で外していないか
- 状態が急変していないか
定期的に巡回することで、患者さんの状態の変化をいち早く察知できるため、必要な処置を速やかに行えます。
特に夜勤中は看護師の数が少ないため、頻回に巡回することが大切です。
患者の食事、入浴、排泄の介助
食事、入浴、排泄の介助など、患者さんの日常生活の支援を行います。
体が不自由な患者さんも多いため、患者個人の能力に合わせて最適な介助方法を選ぶことが大切です。
例:歩けない患者さんには、車イスでトイレに向かってもらう
仮に、患者さんの能力に見合わない方法で介助してしまうと、転倒などを引き起こしかねません。
そのため、看護師として確かな医療知識を持ち、安全な介助を心がけることが求められます。
医療処置の介助
医師がスムーズに処置できるよう、流れに合わせて必要な物品を受け渡します。
また、処置を受ける患者さんに声かけを行い、不安を軽減することも役割の1つです。
処置後には、患者さんの痛みを評価し、適宜痛み止めの投与なども行います。
注射、採血
医師からの指示を受け、注射や採血を行います。
注射や採血は痛みを伴う行為であるため、安全かつスムーズに終わるよう心がけることが大切です。
そのためには、質の高い知識・技術を身につけなければいけません。
注射・採血の勉強に努めることはもちろん、看護師同士での手技の確認なども行う必要があります。
点滴
点滴の投与も看護師の役割の1つです。
点滴を投与する際には、誤投与を防ぐためにも、必ず「6つのR」を確認しましょう。
また、投与中の点滴が止まっていないか、漏れていないかを小まめにチェックすることも大切です。
内服介助
自力で薬を飲めない・管理できない患者さんの援助も、看護師の役割の1つです。
薬を袋から取り出し飲ませたり、飲み忘れがないよう1日分ごとに薬をまとめたりします。
「薬を飲みたくない」と訴える場合は、薬を飲む必要性を説明し、内服を促すこともあります。
患者の移送
歩行できない患者さんを検査室などに移送します。
車イス・ベッドなど、患者さんの病状に合わせて移送方法を選ぶことが大切です。
酸素や点滴をしている患者さんを移送する場合は、チューブを引っ掛けてしまわぬよう慎重に移動する必要があります。
患者の体位変換
寝返りがうてない患者さんの体位変換を行います。
「どの姿勢が楽なのか」を患者さんに確認しながら、ポジショニングを決めることが大切です。
同じ姿勢が長時間続くと褥瘡(床ずれ)ができるため、約2時間に1回の頻度で体位変換を行います。
体格が大きい患者さん・ルート類が多い患者さんは、介助者の負担が大きいため複数人で対応することが多いです。
ナースコール対応
ナースコールとは、患者さんが看護師に状況を伝えるために呼び出しボタンを押すことです。
患者さんからナースコールがあれば、要件を聞き対応します。
入院患者数が多いと、ナースコールがかなりの回数鳴ることになるため、素早い対応が求められます。
複数のナースコールが同時に鳴った場合は、優先順位をつけながら対応しましょう。
病室の環境整備
病室の環境整備も、看護師の役割の1つです。
病室は「患者さんの生活の場」であるため、清潔に保つことを心がけましょう。
また、患者さんの転倒を防ぐためにも、床周辺のコード類をまとめるなど整理整頓をすることも大切です。
カルテ記録
患者さんの状態や、実施したケアなどをカルテに記録します。
看護師はもちろん様々な職種のスタッフが記録を見るため、分かりやすく簡潔に記載することが大切です。
電子カルテを導入している病院が多いため、パソコン操作に慣れておくと良いでしょう。
ミーティング
病棟全体で一貫したケアを提供するために、ミーティングを行うことも多いです。
患者さんの状態や注意事項など共有し、「どう関わっていくべきか」を検討します。
そのほか、病棟のルールを定めたり起きた事故の対策を練ったりするなど、目的にあわせて様々な話し合いを行います。
多職種とのカンファレンス
患者さんに最良のケアを提供するために、多職種を招いてカンファレンスをすることもあります。
看護師は、患者さんの普段の様子や価値観を共有することが役割で、その情報をもとに多職種間で必要なケアについて話し合います。
カンファレンスで話し合われた内容はカルテに記載し、当日参加できなかったスタッフにも共有することが大切です。
各施設ごとの業務内容

ここでは、各施設ごとの業務内容について紹介します。
具体的には以下の通りです。
それぞれについて解説します。
病院
病院とは、病気を抱える患者さんを迎えて診察・治療を行う施設のことです。
20人以上の患者さんを入院させるための施設を有するものを指します。
★病院看護師の業務内容
- バイタルサインチェック
- 患者の食事、入浴、排泄の介助
- 医療処置の介助
- 注射、採血、点滴
- 患者の移送、体位変換
- 病室の環境整備
- カルテ記録
- ミーティング
- 他職種とのカンファレンス
患者さんの病状管理や日常生活の支援がメイン業務となります。
医療行為が多いため、看護師として大きくスキルアップすることが可能です。
クリニック
クリニックとは、病気を抱える患者さんを診察する小規模な医療機関のことです。
病床数(入院患者さん用のベッド)が19床以下の施設を指します。
★クリニック看護師の業務内容
- バイタルサインチェック
- 問診
- 検査の説明、治療の補助
- 注射、採血、点滴
- 心電図、レントゲン
- 医療器具の洗浄、消毒
- 薬品・備品の管理
- 診療室の清掃
- 受付・案内・電話対応
看護師の人数が少なく、幅広く業務をこなす必要があります。
また、限られた診療時間内に多くの患者さんの対応をするため、効率の良さが求められます。
訪問看護ステーション
訪問看護ステーションとは、訪問看護(看護師が利用者さんの自宅に出向き、療養生活をサポートする仕事)を提供するための施設のことです。
★訪問看護師の業務内容
- バイタルサインチェック、健康状態の観察
- 家族の支援・相談
- 日常生活の世話
- 褥瘡の予防・処置
- 点滴管理、インスリン注射
- 人工呼吸器の管理
- リハビリ
- 看取り
利用者さん一人一人と、じっくり関わることができます。
業務内容が幅広く、看護師としてスキルアップが見込める職場です。
有料老人ホーム
有料老人ホームとは「入居者に介護等のサービス」を提供する施設のことです。
★有料老人ホームの看護師の業務内容
- 入居者の健康管理
- 医療行為(注入・吸引・酸素管理など)
- 予約
- 通院介助
- 診療介助
- 外出レクリエーションの同行
- 看取り
食事介助や排泄介助などの日常生活の支援は、介護職のスタッフが担当します。
病棟と比べて落ち着いた職場であるため、利用者さんとじっくり関わることが可能です。
デイサービス
デイサービスとは、要介護者の介護を行う日帰り施設のことです。
★デイサービス看護師の業務内容
- バイタルサイン測定
- 服薬管理
- 褥瘡・創部の処置
- インシュリン注射
- レクリエーション
- 入浴介助
- 食事介助
利用者の健康管理がメイン業務であるため、医療行為は少なめです。
時間に追われる場面が少なく、比較的穏やかに働くことができます。
健診センター
健診センターとは、
- 健康診断
- 胃がん検診、子宮がん検診
など、病気の早期発見や生活習慣の見直しに努める施設のことです。
★健診センター看護師の業務内容
- 問診
- 身体測定
- 採血
- バイタルサイン測定
- 心電図検査
- 視力・聴力検査、尿検査
- 各種検診(胃がん、乳がん、内視鏡など)の診療補助・介助
- 健診結果のチェックやデータ入力、書類作成
多い場所では1日に100人以上の利用者が訪れることもあるため、効率よく業務をこなす必要があります。
また、採血の数も多いため、高い採血スキルが求められます。
一般企業
看護師は、医療機関だけに止まらず、一般企業でも活躍することができます。
★企業看護師の業務内容
- 健康診断
- 保健指導
- 集団教育
- 日々の健康相談
- メンタルヘルスケア
- 過重労働対策
- 応急処置
企業内の保健室や医務室で勤務し、従業員の健康管理をメインに行います。
残業が少なく夜勤がないため、ワークライフバランスが整いやすいです。
さらに詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてみてください。

保育園
保育園とは「保護者に代わって乳幼児を預かる」施設のことです。
★保育園看護師の業務内容
- 園児の体調管理や保健指導
- 遠足や園外保育への同行
- 保護者とのコミュニケーションや相談対応
- 保育士のサポート(保育業務)
- 応急処置
園児の体調管理がメイン業務であり、基本的には医療行為は行いません。
保護者と良好な関係を築くための、高いコミュニケーション能力が求められます。
学校(医療的ケア看護職員)
学校の看護師(医療的ケア看護職員)とは、学校において、日常的に医療的ケアが必要な児童の医行為および生活介助を行う看護師のことです。
★学校看護師の業務内容
- 登校時の健康観察
- 人工呼吸器を使用する児童・生徒の見守り
- 薬剤投与
- 医療的ケア(吸引・経管栄養・導尿など)
- 救急カートの物品点検・補充
教職員と連携しながら、児童生徒等が安全・安心に教育活動を受けられるよう援助します。
医師は常駐しておらず、医療設備も限られたもので対応する必要があるため、看護師としての高いスキルが求められます。
ここまで紹介した各施設は、看護師転職サイトに相談すれば簡単に見つけることができます。(*看護関連資格保有者のみ)
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1日の仕事の流れ

ここでは、看護師の仕事の1日の流れを紹介します。
それぞれについて解説します。
日勤の1日の流れ
日勤の1日の流れは、以下の表の通りです。
病棟看護師の働き方を例に挙げています。
時間 | 業務内容 |
---|---|
8:30 | 出勤、夜勤者の引き継ぎ、カルテでの情報収集 |
8:45 | 巡回(ラウンド)、患者さんへの挨拶 |
9:00 | バイタルサイン測定、全身状態の観察 |
10:00 | 検査の付き添い、採血、点滴、入浴介助、排泄介助、体位変換 |
11:30 | 休憩 |
12:30 | 食事介助、口腔ケア、内服介助 |
13:30 | バイタルサイン測定、全身状態の観察 |
14:30 | 検査の付き添い、採血、点滴、入浴介助、排泄介助、体位変換 |
16:00 | カルテ記録 |
16:30 | 夜勤者への申し送り |
17:00 | 退勤 |
夜勤の1日の流れ
夜勤の1日の流れは、以下の表の通りです。
夜勤(2交代制)の働き方を例に挙げています。
時間 | 業務内容 |
---|---|
16:30 | 情報収集 |
16:45 | 日勤者の引き継ぎ、巡回(ラウンド) |
17:00 | バイタルサイン測定、全身状態の観察 |
18:00 | 食事介助、口腔ケア、内服介助 ※交代で休憩(夕食) |
19:00 | 点滴、排泄介助、体位変換 |
21:00 | 内服介助、点滴 |
22:00 | 消灯、排泄介助、体位変換、カルテ記録 |
0:00 | 巡回(ラウンド)、排泄介助、体位変換 ※交代で休憩(仮眠) |
2:00 | 巡回(ラウンド)、排泄介助、体位変換 |
4:00 | 巡回(ラウンド)、排泄介助、体位変換 |
6:00 | 採血、点滴、バイタルサイン測定、全身状態の観察 |
7:30 | 食事介助、口腔ケア、内服介助 |
8:00 | カルテ記録 |
8:45 | 日勤者への申し送り |
9:00 | 退勤 |
看護師の勤務形態

看護師の勤務形態は、大きく分けて以下の2つです。
それぞれについて解説します。
日勤
日勤とは、一般的に8時〜17時の間、毎日出勤する働き方を指します。
外来やクリニックで働く看護師に多い勤務形態です。
休日の数やタイミングは施設ごとにばらつきがありますが、外来やクリニックでは土・日休みが多い傾向にあります。
★実際のシフト例
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
休み | 日勤 | 日勤 | 日勤 | 日勤 | 日勤 | 休み | 休み |
夜勤
夜勤とは、労働基準法第61条で定められている深夜業(午後10時から午前5時)を含む勤務を指します。
24時間体制で患者さんのケアにあたる施設(主に病棟)では、夜勤と日勤が混ざった勤務形態となる場合が多いです。
また、看護師が行う夜勤は、主に2種類存在します。
- 3交代制
- 2交代制
それぞれについて解説します。
3交代制
「3交代制」の勤務時間帯は以下の通りです。
- 日勤(8:30〜17:00)
- 準夜勤(16:30〜0:30)
- 深夜勤(0:00〜9:00)
1勤務は8時間で区切られており、準夜勤・深夜勤ともに月に4〜5回行うことが多いです。
★実際のシフト例
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
日勤 | 深夜勤 | 準夜勤 | 休み | 深夜勤 | 準夜勤 | 休み | 日勤 |
2交代制
「2交代制」の勤務時間帯は以下の通りです。
- 日勤(8:00〜17:00)
- 夜勤(16:30〜9:00)
日勤帯は8時間、夜勤帯は16時間で区切られており、夜勤は月に4〜5回行うことが多いです。
★実際のシフト例
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
日勤 | 夜勤入り | 夜勤明け | 休み | 夜勤入り | 夜勤明け | 休み | 日勤 |
看護師になりたい人が知っておくべきこと

ここでは、看護師になりたい人が知っておくべきことについて解説します。
具体的には、以下の通りです。
それぞれについて、解説します。
やりがい・魅力
看護師は、病気や怪我で苦しむ患者さんを一番近くで支えられる、やりがいのある仕事です。
患者さんから感謝される機会が多く、笑顔で「ありがとう。」と言われた時には強いやりがいを感じます。
また、患者さんが元気になる過程を身近で見れることも魅力の1つで、「状態改善に貢献できた」という達成感を得られることも多いです。
そのほか、
- 勉強したことが生かせたとき
- 患者さんの急変時に即座に対応できたとき
- チームプレーで患者さんを救えたとき
- 患者さんのできることが増えたとき
- 患者さんやその家族と深い信頼関係を築けたとき
- 患者さんが尊厳を保ちながら最後を迎えられたとき
などに、やりがいを感じやすいです。
さらには、「年収が高い」ことや、「家族や友人から尊敬される」ことも、やりがいにつながることが多いです。
きついと感じる瞬間
看護師は、患者さんの命を預かる責任のある仕事です。
自分のミス1つが患者さんの命を左右することもあるため、常に強いプレッシャーを感じて辛くなることもあります。
また、医療は日進月歩で発展するため、常に正しい医療知識を身につけておく必要があります。
そのため、仕事が終わってからも勉強に追われる機会が多く、心身ともに疲れやすいです。
そのほか、
- 先輩や医師から高圧的な態度を取られる
- 患者さんから心無い言葉を浴びせられる
- 業務をうまくこなせず叱られる
- 努力しているのに上手く成長しない
- 夜勤に慣れずに体に不調を感じる
などの理由から、看護師を辛いと感じてしまうことも多いです。
したがって、看護師として活躍するためには、心身ともにタフであることが必須だと言えるでしょう。
看護師の給料
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」をもとに算出すると、看護師の平均年収は「508万1300円」です。
そのため実際の手取りは、税金や社会保険料が引かれて「約380〜405万円」となります。
この数字には年間のボーナスや各種手当(夜勤手当、残業手当、通勤手当)が含まれています。
そのため、夜勤や残業が少ない職場に勤めてしまうと、平均よりも年収が下がる可能性があるため注意が必要です。
看護師の将来性
厚生労働省の統計によると、日本の高齢化率は高まる一方で、2070年には39%の水準になると推計されています。(参考:我が国の人口について)
一般的には、高齢になるほど疾患に罹患する確率が高まるため、高齢化が進むほど看護師のニーズは高まっていくと言えるでしょう。
看護師の数は増加傾向にありますが、厚生労働省の試算によると、2025年には10万~30万人不足することが予想されています。
そのため、看護師の需要がなくなるリスクは低く「将来性が高い」と言えるでしょう。
看護師になるための方法
看護師になるためには、大学または3年以上の教育を受けた後、看護師国家試験に合格する必要があります。

なお、看護師国家試験の合格率は90%前後です。
看護師国家試験の開催年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2023年(第112回) | 64,051人 | 58,152人 | 90.8% |
2022年(第111回) | 65,025人 | 59,344人 | 91.3% |
2021年(第110回) | 66,124人 | 59,769人 | 90.4% |
2020年(第109回) | 65,568人 | 58,513人 | 89.2% |
2019年(第108回) | 63,603人 | 56,767人 | 89.3% |
看護師資格取得後のキャリアプランとしては、
- 専門看護師
- 認定看護師
- 認定看護管理者
などが挙げられます。
★各資格の概要一覧表
現役看護師から読者へのメッセージ


初めまして。現役看護師9年目の田口 ひづると申します。
看護師の最大の魅力は、働き方の選択肢が多いことです。
一般的には「看護師=病棟」のイメージが強いと思いますが、実は病棟看護師以外にも様々な働き方が存在しています。
そのため、看護師資格さえ保有していれば、
- もっとのんびり働ける職場に転職する
- 今以上に患者さんとじっくり関われる職場に転職する
- 命に関わらない楽な職場に転職する
など、状況に合わせて柔軟に職場を変えることも可能です。
「今の働き方がつらい…」と感じる場合は、いま一度”理想の職場”を探してみてください。
自分に合う職場に巡り会えれば、看護師を今以上に楽しむことができますよ。
看護師関連のよくある質問

最後に、看護師関連のよくある質問とその回答を紹介します。
- 看護師と保育士はどちらが難しい?
- 国家試験の合格率は、看護師が約90%、保育士が約20%で、看護師の方が簡単だと言えます。
ただし、看護実習は大変なことが多く、乗り越えるためには心身ともにタフである必要があります。
- 看護師に求められることは何ですか?
- 看護師は命に関わる責任のある仕事です。
そのため、向上心・責任感・判断力・観察力などが求められます。
- 看護師に向いているのはどんな人?
- 看護師として活躍するためには、患者さんに親身に寄り添い良質なケアを提供することが大切です。
そのため、コミュニケーション能力が高く、世話好きな人が向いていると言えるでしょう。
看護師の仕事内容は施設によって大きく異なる

ここまで、看護師の仕事内容について詳しく解説してきました。
要点は以下の通りです。
- 看護師の仕事は、医師の診療の補助と療養上の世話
- 看護師と准看護師では、保有免許、仕事の権限、給与に違いがある
- 看護師の業務は、バイタルサイン測定からカンファレンスまで様々
- 病院以外にもたくさんの働き方がある
- 看護師は、患者さんを一番近くで支えられる、やりがいのある仕事
- 命を預かる責任があるため、つらくなることもある
- 看護師の給料は、「年収 508万1300円」
- 看護師の将来性は高い
- 看護師になるためには、看護師国家試験に受かる必要がある
看護師の働き方は多岐に渡ります。
そのため、今の働き方がつらいと感じなら、違う職場に目を向けるのも良いでしょう。
看護師の仕事内容は施設によって大きく異なります。
自分に合う職場が見つかれば、意外とあっさり活躍することもできますよ。
理想の職場を探したいなら、看護師転職サイトを利用しましょう。
おすすめの看護師転職サイトは下記の記事で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
