- 「一人暮らしに貯金は無理」
- 「一人暮らしで貯金できるのは収入が多い人だけ」
そのような考え方の人が多いのではないでしょうか。
たしかに、一人暮らしは実家暮らしと比べると貯金が難しいですし、収入が多いほど毎月の貯金額は多くなるでしょう。
しかし、しっかりと自分の収支を把握し、節約をしていけば一人暮らしでも貯金は決して難しいことではありません。
一人暮らしで貯金ができない人に向けて、貯金ができない人の特徴の解説と、かんたんに貯金ができる3つのステップをご紹介します。
目次
一人暮らしで貯金は難しい?
一人暮らしは実家暮らしよりも支払いが多くなり、貯金が難しいのは事実です。
具体的に支払いが発生するのが、
- 家賃
- 食費
- 光熱費
- 通信費
- 娯楽費、交際費
となります。
そのほかにも消耗品などの雑費が毎月かかります。
「やっぱり一人暮らしで貯金は難しいんだ」と思った人は、上記であげた5つの費用を全て把握しているか考えてみましょう。
家賃は把握している人は多いかもしれませんが、そのほかの費用は曖昧だったのではないでしょうか。もし曖昧だった場合は、まだ見直せる可能性があるということです。
一人暮らしの毎月の平均貯金額は?
SUUMOジャーナルの調査によれば、1人暮らしの貯金額は平均で3万1,700円という結果となっています。
しかし、年収別の平均貯金額では、その額に大きな差がでました。その結果が以下の表となります。
年収 | 平均貯金額 |
250万円未満 | 9,700円 |
250~300万円未満 | 2万6,000円 |
300~350万円未満 | 3万円 |
350~400万円未満 | 2万900円 |
400~450万円未満 | 3万6,600円 |
また男女別では、男性の方が平均貯金額は多く3万6,900円となり、女性では2万6,600円という調査結果が公表されました。
この性別による平均貯金額の差は、女性が男性よりも洋服や化粧品などに使うお金が多く、なかなか貯金に回せないことが原因として考えられています。
このように、年収や性別によって貯金平均額は異なりますが、なぜ平均額以上に貯金できる人とできない人に分かれるのでしょうか。
次に貯金できない人の特徴をまとめましたので、自身がそれに当てはまるのかをチェックしてみましょう。
一人暮らしで貯金ができない人の3つの特徴
一人暮らしだと貯金ができないと悩む人がいる一方で、平均を見ると毎月3万1,700円の貯金がされていることが分かりました。
実は、貯金ができない人にはいくつかの特徴があります。
その特徴は以下の3つです。
- 「毎月の収支を把握していない」
- 「無駄遣い・衝動買いが多い」
- 「貯金の目標額が曖昧」
もし当てはまっていると感じたら見直す必要があるかもしれません。以下で詳しく解説していきます。
1. 毎月の収支を把握していない
毎月いくら収入があって、いくら支出があるのか、単純なことですが、これが把握できていなければ一人暮らしで貯金するのは難しいです。
曖昧な収支では「今月は給料ちょっと多かったから贅沢しよう」となんとなくで支出を増やしがちです。
しっかりと数字を把握することで、いくら手元に残るかが分かります。
目標も立てやすくなりますし、貯金への意識も高まります。
2. 無駄遣い・衝動買いが多い
部屋を見渡して、使っていない筋トレグッズや美容グッズはありませんか?
「趣味だから」「自分への投資だから」と自分に言い訳していろいろ買ってしまう人は要注意です。
たしかに、趣味や自分への投資は大切ですが、本当に必要なものかを考えてみましょう。
どんなに支出を見直し、節約しても無駄遣いや衝動買いが多ければマイナスになってしまいます。
何か嫌なことがあったり、ストレスが溜まると買い物をしてしまう人はとくに要注意です。
3. 貯金の目標額が曖昧
貯金の目標額は毎月の貯金額を決めるために必要ですし、モチベーションを保つためにも重要な役割があります。
なんとなく「余ったお金を貯金しよう」ではなかなか貯まりません。
毎月の貯金額が決まっていると、1、2年後にどのくらいの金額が貯まっているかも見えてきます。
その金額にあわせて自分にご褒美を用意するのもおすすめです。
目標金額は1,000万円など大きな額にすると達成までに時間がかかります。
はじめは10万円など小さい額を目標にしましょう。目標が見えていると、自然と節約や貯金に向けて動き出せます。
一人暮らしでも貯金できる!かんたんに貯められる3つのステップ
一人暮らしで貯金ができないと悩んでいる人でも、次にご紹介する3つのステップを進んでいくだけで、かんたんに貯金体質になれます。
3つ同時にに実践するのではなく、
- 「収支を把握しよう!」
- 「固定費を見直そう!」
- 「変動費を見直そう!」
の順に実践してみましょう。
特に、これまで貯金の習慣がなかった人は、焦らずに1つずつステップを進めていきましょう。
1. 収支を把握しよう!
最初のステップ、収支の把握から始めましょう。
節約や貯金に直接つながる行動ではないように感じるかもしれませんが、収支を把握するだけで貯金への意識は大きく変わります。
全ての収支を把握するのは大変な作業かもしれませんが、少しずつでも進めていきましょう。収入は、毎月の給料明細でかんたんに把握できます。
ただし、残業代やボーナスといった変動がある収入を頼りにしないようにしましょう。
変動のある収入はなくなる可能性もあるため、頼りにするのは危険です。
まずは固定費は、
- 家賃
- 光熱費
- 通信費(スマホ、インターネット)
- 車の維持費
- 保険
などです。
ほかにも習い事やジム代など、毎月支払っている費用を洗い出します。
次に変動費は、
- 食費
- 交際費
- 雑費(日用品、消耗品)
などです。
ほかにも趣味や娯楽、洋服、美容なども変動費になります。
固定費よりも把握が難しいので、はじめは分かる範囲で構いません。
これを機にレシートや領収書を貰う癖を付けましょう。
次から実際に固定費と変動費の見直しをしていきます。
2. 固定費を見直そう!
固定費は一度見直せばずっと効果を発揮してくれます。
変動費よりもかんたんに減らすことができる支出です。
毎月の固定費を1万円減らせると、1年で12万円、10年で120万円の支払いが減る計算になります。
一度見直しするだけで、これだけの効果があるのですから、しっかりと見直していきましょう。
ここでは主な固定費の家賃・光熱費・通信費・保険料を見直していきます。
家賃は交渉で安くなるかも
一人暮らしにとって家賃は支出のなかで、かなり大きな金額です。
できれば安く抑えたいところですが、契約期間中は基本は交渉はできません。
しかし、更新月のタイミングなら家賃の交渉ができます。
賃貸契約は1、2年で契約の更新になります。
その際に不動産会社や管理会社から連絡があり、家賃の変更がある場合はこのとき伝えられます。
そのタイミングで家賃の交渉をしてみましょう。
やみくもに交渉しても断られる可能性が高いです。
まずは自宅周辺の家賃相場を調べて、自宅の家賃とズレがあるかどうか確認しましょう。
あまりにも周辺の住宅が安いなら、家賃の値下げのチャンスかもしれません。
ただし、あまり強引に交渉してしまうと、関係を悪くしてしまいます。
あくまでも更新することを前提にして、家賃の交渉をしましょう。
光熱費はできるところからコツコツとがポイント
光熱費は直接生活に関わる部分なので、あまりに節約を意識してしまうと窮屈になってしまいます。
またこまめに電気を消す、お風呂ではなくシャワーで済ませるなどは、1回の行動でできる節約が数円や数十円という金額なので、なかなか効果が見えません。
ストレスにならない範囲で、できるところからコツコツと実践しましょう。
光熱費の節約法としては、
- 古い家電は買い換える
- 照明をLEDに買い換える
- 電力会社を乗り換える
などは、一度見直せばとくに生活を変える必要がないのでおすすめです。
家電の買い替えでは、古い洗濯機やエアコンの場合で電気代が年間数万円の節約にもなります。
エアコンはアパートの場合でも不動産会社や管理会社に相談すれば交換可能です。
ただし、借主の全額負担になるので、交換はよく検討してからにしましょう。
光熱費を節約できる今日から実践したい12の方法を徹底解説スマホ代は格安SIMで激安に
スマホ代に1万円近くかかっているなら、見直しが必要かもしれません。
とくにau・ドコモ・ソフトバンクの大手キャリアで契約している人は、格安SIMへの乗り換えで半額以下になる可能性もあります。
格安SIMと聞くと、「手続きが面倒くさい」「設定がよく分からないし難しそう」というイメージがあります。
しかし、格安SIMでも実店舗があるキャリアもあり、店員さんと相談しながら、自分にピッタリのプランやスマホにかんたんに乗り換えることができます。
店舗が多く、相談がしやすい格安SIMは、
- Y!mobile
- LINEモバイル
- UQ mobile
- 楽天モバイル
- イオンモバイル
などがあります。
家電量販店内などにも窓口があるため気軽に相談ができます。ぜひ一度相談して見直しをしてみましょう。
スマホ代が浮くと貯金もグッと楽になります。
車が本当に必要なのか
一人暮らしで貯金をするときに、車の維持費はかなり大きな支出です。
車の維持費をまとめると、
- ガソリン代:5000〜1万円/月
- 自動車税:軽自動車1万800円/年、1.5Lコンパクトカー3万4500円/年
- 車検費用:10万円/年
- 駐車場代:1万円/月
- 点検費用:2万円/年
- 自動車任意保険代:6万円/年
が維持費として必要です。
金額はあくまで目安で車種や走行距離にもよりますが、少なくとも年間で30万円以上の維持費が必要になります。
週末だけしか乗らないなら、レンタカーやタクシーのほうが安い場合もあります。また最近では、さらにお得に活用できる「カーシェアリング」という方法もあります。
カーシェアリングおすすめ大手4社を比較!選び方からレンタカーとの違いまで解説こういったサービスを上手く活用して、維持費のかかる車を思い切って手放すという選択肢も検討しましょう。
医療保険はしっかり把握してから入ろう
医療保険は一人ひとり最適なプランが異なるため、どれが1番とはいえません。加入しないのも選択肢の一つです。
「加入しないと入院時や手術の際に大変な金額を請求されるのでは?」と思うかもしれませんが、実際は高額療養費制度があるため、数百万などの請求は基本的にはありません。
高額療養費制度とは、ひと月の医療費が一定額を超えた場合、超えた金額が支給される制度です。
年齢と所得によって異なりますが、たとえば20歳で月収26万円以下の場合はひと月の上限額は5万7600円と決まっています。
このような制度をきちんと知ったうえで、自分にピッタリの医療保険を探してみましょう。
3. 変動費を見直そう!
次に変動費を見直していきましょう。
一度見直せばいい固定費とは違い、変動費は継続しなくては意味がありません。
一時的ではなく継続して食費や交際費を抑えるのは、予想以上に難しいことです。
ただひたすら我慢するだけの節約法では1ヶ月も持たないでしょう。
なるべくかんたんにできそうなところからの節約をおすすめします。
ここでは具体的に食費・交際費・衝動買いによる雑費の抑え方を見ていきましょう。
食費は自炊で抑える!外食は賢く使って節約しよう
一人暮らしをしていると食べるものも全て自分で管理しなくてはいけません。
食事は毎日3食、一ヶ月間で約90食にもなります。1食あたり100円抑えるだけで、一ヶ月の食費を約9000円も節約できるので貯金効果も大きいです。
食費を抑える基本は自炊をすることです。自炊は逆に高くなるといわれることがありますが、きちんと安い食材で料理を作れば、外食よりも安くなります。
料理ができない、したくない人もご飯を炊く、カット野菜を炒めるだけでも食費は大きく変わります。ぜひチャレンジしてみましょう。
慣れてきたらお弁当を作るのもおすすめです。
難しく時間のかかるイメージがありますが、おかずは冷凍物を詰めて、ご飯をよそうだけで完成です。
毎日かかる費用なだけに、節約の効果も大きくなることは間違いないでしょう。
外食については必ずしも高いわけではありません。ワンコインのランチなど安いメニューを揃えている店をいくつか見つけておくといいでしょう。
食費を徹底的に節約する12のコツ公開!無理なく続く食費の減らし方を解説断る勇気も必要!交際費はできるだけ抑える
交際費は社会人であれば誰もが悩む出費です。
「お付き合い」はある程度は必要ですが、毎週のように飲み会やランチ会ではお金がいくらあっても足りません。きちんと断ることも必要です。
断るには勇気が必要ですが、一人暮らしで節約していくには必要な行動です。
勇気をだして断りましょう。断りやすくするため、ふだんの会話で節約していることなどお金にまつわる話題をしておくと相手も無理には誘ってこないでしょう。
また、飲み会への参加は、一次会のみにしておきましょう。
二次会、三次会は予算が決まっておらず、一次会よりもお金がかかることが多いです。
周囲の人に帰る時間をあらかじめ伝えておけば、帰る際もスムーズに帰れます。
無駄遣いはしない!衝動買いを抑える考え方
どんなに固定費を見直して、食費や交際費を切り詰めても、衝動買いを繰り返しては全てが無駄になってしまいます。
しかし、欲しいものを我慢するのもストレスが溜まるものです。
そこで、必要なのが「本当に必要かどうか」を自分に問いかけることです。もっと大げさに「自分の人生に必要か」「なくては生きていけないか」でもいいでしょう。
衝動買いする前は、必ず自分に問いかける、もし少しでも躊躇するなら一旦売り場から離れましょう。
そして、一週間我慢してみましょう。本当に欲しいものなら一週間後でも欲しくてたまらないはずです。
クレジットカードを持たない、現金を財布に入れないなども有効な方法ですが、1番重要なのは考え方を改めることです。
それでも一人暮らしで貯金するのが難しいなら
貯金をする方法がわかっても、仕事が忙しく中々実行できない方や、浪費癖が強く貯金できるか不安な方もいるでしょう。そういった方は、貯金するための環境を作ってしまえばいいのです。
より具体的には、「クレジットカードを使用しない」「給料から自動積立で貯金する」という2種類の方法となります。では順に解説していきます。
クレジットカードの使用をやめる
クレジットカードは、手元の現金が不要で簡単に支払いができてしまうため、どうしてもお金に対しての価値が薄くなりがちです。
現金での支払いであれば、今日はどの程度使ってしまったのかを財布を開くたびに目で確認できますが、クレジットカードではそうもいきません。
1日の細かな出費の積み重ねや、多少大きな買い物をしたとしても、「こんなにお金を使ったのか」という感覚が薄くなってしまうのです。
クレジットカードは、ポイントも貯めることができ、有効に使用すればお得なものではありますが、浪費家の方にとっては時に罠となります。
自身に浪費癖があるのなら、クレジットカードの使用は本当に必要な時以外、使わないようにしましょう。
給料から自動積立で貯金する
自身で一定額の貯金をすることがむずかしいのであれば、銀行の自動積立定期預金を利用する方法もあります。
まずは、この方法を利用するメリットを紹介しておきますので確認してみましょう。主なメリットは以下の3点です。
- 金利が高いケースがある
- 半強制的に自動貯蓄ができる
- 手間がかからない
自動積立定期預金では、自身で決めた額を毎月の給料から、あらかじめ開設した自動積立定期預金口座へと自動振替をします。
一度の手続きさえしてしまえば、あとは自動的に毎月一定の額が貯金できるようになります。
また所属する会社に「社内預金制度」があれば、それを活用してもいいでしょう。この制度も自動積立定期預金と似ており、給料から一定の額を天引きして、会社に預けることができる仕組みです。
こういった半強制的に貯金できる方法は、浪費癖の強い一人暮らしの方にとって、とくに心強い味方となるでしょう。
毎月いくら?貯金額の目安とは
収支を把握して、固定費と変動費を見直す方法や、貯金できる環境を作る方法も把握できました。
では毎月いくら貯金すればいいのでしょうか。目安としていわれているのが、手取りの1〜2割です。
まずは手取りの1割を目指しましょう。1割だと手取りが20万円の人は毎月2万円を貯金します。
1年間続ければ24万円にもなり、貯金の習慣も身につきます。
継続していくコツとしては、給料が振り込まれる口座とは別に貯金用の口座を作っておくことです。
口座が生活費の口座と同じだと線引が曖昧になりますが、口座を分けることで現在の貯金額をはっきりと確認できます。
貯めたお金をなにに使うかも貯金のモチベーションを保つうえでは重要です。
「30万円まで貯まったら、パソコンを買おう」「100万円まで貯まったら、時計を買おう」などと決めておくのもいいでしょう。
貯金体質になれば一人暮らしでも貯金はかんたん!
一人暮らしで貯金するのが難しいといっても、
- 収支を把握する
- 固定費を見直す
- 変動費を見直す
この3つを実践すれば、誰でも貯金ができるようになります。
見直しは簡単ではありませんが、それさえクリアしてしまえば一人暮らしでも貯金はグッと楽になるでしょう。
また、そういった見直しがどうしても難しいのであれば、自動積立定期預金を上手く活用していきましょう。貯金は環境さえ整ってしまえば、そう難しくはありません。
貯金を始めるのは早ければ早いほどいいです。ぜひ3つのステップを踏んで貯金体質になりましょう。
まずは収入と支出の額の確認と、毎月いくら貯金したいのかの目標設定から始めてみてください。