M&Aの基本合意書(mou)とは?記載内容や結ぶタイミング、注意点などについて徹底解説

基本合意書とは、M&Aの円滑な実施を目的に最終契約前のタイミングで締結する書類です。

M&Aには、売り手・買い手ともにメリット・デメリットがあり、当事者同士で交渉が上手くいかなかった場合は、もちろんM&Aは成立しません。

つまり、事業譲渡などの計画が白紙に戻されるケースも少なくないのです。

こうしたリスクを軽減するために、M&Aでは様々な契約が締結され、その一つが「基本合意書(mou)」となります。

基本合意書があれば、お互いにとっても交渉がしやすくなりそうですよね。
基本合意書の作成方法や契約書ひな型、注意点なども知りたいですね。
意向表明書(LOI)との違いも気になります。

この記事では、基本合意書の特徴最終契約書との違い基本合意書を作成する際の注意点について解説します。

M&Aの基本合意書(mou)をザックリ言うと
  • M&A基本合意書とは円滑にM&Aの交渉をする為に作成する
  • M&A基本合意書と最終契約書の内容に大きな違いは無い
  • M&A基本合意書の作り方
  • M&A基本合意書を作成する際の注意点は4つ

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    M&A基本合意書(mou)とは?

    M&A基本合意書(mou)とは?

    我が社は新事業立ち上げのため、資金確保の手段としてM&Aを希望しています。自社のニーズに合う買い手も見つけました。
    M&Aが順調に進んでいけば、後は契約書を交わすだけで良いのでしょうか?

    最終契約書を作成する前に「基本合意書」を用意した方が良いです。

    こちらでは「基本合意書」について解説します。

    基本合意書とは?

    基本合意書は、「Memorandum of Understanding」と表記される場合があるので、略して「MOU」と呼ばれることもあります。

    基本合意書は、売り手・買い手が互いにM&Aを進めることを合意の上で締結する書類です。

    基本合意書を締結すれば、M&Aのプロセスを円滑化させることに役立ちます。

    ただし、絶対に売り手・買い手が作成・締結しなければいけないわけではありません。

    基本合意書を締結しないまま、M&Aを実施するケースがあっても無効とはならないのです。

    しかし、基本合意書の存在でM&Aの成否が左右することも多く、なるべく締結しておいた方が無難です。

    基本合意書の目的

    各M&A当事者が基本合意書の作成・締結する目的は次の通りです。

    売り手の目的

    売り手がM&Aを望むのは、次のような理由があります。

    • 赤字経営の解消
    • 買い手の資金提供で再起を図る
    • 経営者である自分は引退するものの、従業員の雇用はこれまで通り維持したい
    • 経営はうまくいっているが、事業の拡充のためより資金が必要

    中には、非常に深刻な理由もあります。

    売り手の場合、基本合意書で安全なM&Aを実現したいという目的があります。

    まず買い手は、M&Aを実施する売り手を調査し、手元の情報と差異が生じていないかチェックします。

    これは「デューデリジェンス」と呼ばれます。

    デューデリジェンスは、M&Aで重要なプロセスとなり、M&Aの成功率を高める上で必要な作業です。

    ただし、売り手にとっては、外部へ漏らしたくない情報も合わせて与えてしまうリスクもあります。

    売り手は内部情報が漏れてしまうリスクを避けるため、基本合意書を締結させて買い手が自社の情報を漏らさない契約(秘密保持契約)を交わす必要もあるのです。

    買い手の目的

    買い手がM&Aを望むのは、次のような理由があります。

    • 新規事業の開拓
    • 現在の事業を更に拡大・強化
    • 買収することで売り手側の優秀な人材を確保

    更なる自社の成長のためM&Aを活用する傾向があります。

    そのため、買い手が基本合意書を締結する目的は、確実なM&Aを実施する点にあります。

    買い手は「経営が行き詰った企業を助けたい」という社会貢献的な理由でM&Aを行うわけではありません。

    自社の事業拡大・新規事業の開拓等、自社の利益の拡充に資するM&Aを望んでいます。

    M&Aの交渉で多くの時間(最低3ヶ月程度)を費やし、多額の買収資金を用意したにもかかわらず、実施段階まで話も進んでおきながら売り手が態度を翻し、他社とM&A契約がなされる事態も考えられます。

    この様な事態になれば、これまで費やした時間・資金が無駄となってしまいます。

    買い手とすれば、こうしたリスク軽減のために基本合意書を締結するのです。

    そのため、基本合意書には「独占交渉権」を記載することとなります。

    独占交渉権については後述します。

    基本合意書と似た書類に「意向表明書(LOI)」がある

    基本合意書は、前述の通りM&Aの交渉を進める際に、必ずしも当事者間で作成・締結しなくとも良い書類です。

    これと似た書類として「意向表明書」があります。

    この意向表明書は「Letter of Intent」と表記される場合があるので、略して「LOI」と呼ばれます。

    なお、基本合意書のことを指す場合もあります。

    意向表明書は、M&Aの時に買い手が取引希望の意向を示す場合、取引の内容について調整を図る場合に用いられる書類です。

    意向表明書は、ほとんどのケースで、経営者同士の面談を終えたタイミングで提示されます。

    書類の内容は次の通りです。

    • 買い手から売り手への希望
    • 希望するM&Aの手法・希望価格
    • スケジュールに関する希望

    意向表明書も無理に作成する必要はないですが、その後の円滑にM&Aを進めるなら行った方が良い作業です。

    ただし、あくまで買い手の希望を書面化しただけなので法的拘束力はありません。

    売り手が合意しても・しなくても、交渉決裂となる訳ではないですが、意向表明書を作成した後に、基本合意書が作成される運びとなります。

    意向表明書は、基本合意書を準備する前段階として作成した方が良い書類と言えるでしょう。

    つまり順番としては

    1. 意向表明書作成
    2. 売り手・買い手が基本合意書を作成
    3. 最終契約書で契約内容を書面化する

    という流れが一般的です。

    次章では基本合意書と、M&Aを確実とするため取り交わす最終契約書の違いについて解説しましょう。

    M&A基本合意書と最終契約書の違い

    M&A基本合意書と最終契約書の違い

    M&Aは売り手にも買い手にも大きな影響があるので、口約束だけではとても進められません。
    内容の書面化はやはり必要不可欠な作業ですね。
    M&A基本合意書と最終契約書の違いは何なのでしょうか?

    こちらでは、基本合意書と最終契約書の違い最終契約書に記載するべき内容を解説します。

    M&A基本合意書と最終契約書の違い
    • 基本合意書と最終契約書の違い
    • そもそも最終契約書とは?
    • 最終契約書の基本的な内容
    • 当事者同士で作成・締結は可能だが

    基本合意書と最終契約書の違い

    基本合意書と最終契約書はどちらも重要な書類ですが、次のような違いがあります。

    比較 基本合意書 最終契約書
    作成目的 取引を円滑にするため 最終合意のため
    拘束力 一部あり 法的拘束力あり
    作成のタイミング M&A中盤ごろ M&A終盤ごろ

    基本合意書は、最終契約書を準備する前段階として作成した方が良い書類といえます。

    表のように、基本合意書を作成しても拘束力を伴うのは一部(M&A代金、独占交渉権)にとどまります。

    なぜなら、基本合意書はM&Aの中盤ごろに作成されるため、この段階では、まだまだ売り手・買い手が調整しきれていない内容が多いからです。

    しかし、基本合意書で売り手・買い手の意向が書面化されるため、双方の意向が固定化される効果があるのです。

    そのため、基本合意書には一部とは言え事実上の拘束力があるのです。

    M&Aの売却(買収)価格は、よく自社の経営状況や専門家のアドバイスを考慮しながら慎重に決定する必要があります。

    売却(買収)価格は、M&Aの「最重要」部分となりますので、価格の最終的な決定が難しい場合は、最終契約書に「価格調整ができる旨」を明記することもできます

    そもそも最終契約書とは?

    最終契約書とは、M&Aに関わる正式かつ最終的な契約書のことであり、「Definitive Agreement」と表記される場合があるので、略して「DA」と呼ばれることもあります。

    なお、M&Aの手法の一つである「吸収合併」の場合は、法定記載事項を含み(会社法第749条1項)、売り手・買い手の合意を得て、取締役会の決議を得た後に締結する「合併契約書」が最終契約書とされます。

    最終契約書の基本的な内容

    M&Aのケースにより、売り手・買い手で合意する内容は異なりますが、基本的に次の事項を明記します。

    どんなに双方のニーズが合致し、円満にM&Aを進めてきたとしても、書面化するべき事項は多いです。

    最終契約書の基本的な内容
    1. M&Aの対象の特定・取引金額確定・価格調整
    2. 表明保証条項
    3. 補償条項
    4. 誓約事項
    5. 前提条件
    6. 解除条件
    7. 損害賠償
    8. 秘密保持義務
    9. 公表について
    10. 競業避止義務
    11. 費用負担
    12. 裁判管轄

    M&Aの対象の特定・取引金額確定・価格調整

    M&Aの対象とその価格を決定します。

    最終契約締結時点で価格の最終的な決定が難しいならば、契約で定めた価格を事後的に調整し、一定期間終了後、最終価格を決める「価格調整条項」を定めることもできます。

    表明保証条項

    売り手が買い手に対し、主としてM&Aの対象・目的物が存在することを表明し、その内容を保証することを意味します。

    一方、買い手も法律上M&Aの対象となるものを買収できることについて、表明することになります。

    補償条項

    表明保証条項の違反、契約上の義務違反がある場合、相手方が被った損害を補償する条項も明記します。

    誓約事項

    M&Aがクロージングまたはクロージング後も、売り手・買い手が実行しなければいけない行為、逆に禁止される行為等を定めます

    そして、それらの行為の履行または不履行を義務付けます。

    例としては、「クロージングの日まで通常の方法で事業運営・財産管理を行う」ことや、「クロージングの日まで取引等に関する締結済みの契約上の地位移転の承諾書を取得する」などと言う決まりごとがあげられます。

    前提条件

    売り手・買い手が、それぞれ前提条件を満たさなかったときは、M&Aから離脱できる権利等を明記します。

    なぜなら、前提条件を満たさずクロージングしても、その後の手続きが出来なくなる場合も多いからです。

    そんなことの無いように、「互いが定められた前提条件をしっかり満たす」ことについて記載します。

    解除条件

    M&A取引期間中、売り手・買い手の財産状態・経営状態に重大な悪影響を及ぼす事態が発生した場合、買い手に契約締結を拒否する権利が与えられることです。

    もちろん、この条件を定めれば買い手は解約金・損害賠償金等の義務を負うことなく、M&A取引から外れることができます。(MAC条項)

    買い手からみれば、経営状態が安定・好調だからこそ、M&Aで他社を買収できるのであり、経営状態が大きく悪化してまでM&Aを行う理由がないからです。

    損害賠償

    売り手・買い手が、契約に関係する債務を履行しない場合、損害賠償の予定等を明記します。

    秘密保持義務

    M&Aの最終契約締結の内容、これまでの話し合いの経緯等について、その秘密の保持を明記します。

    公表について

    M&Aに関する事実を公表するなら、いつ・どのような方法で公表するのか等を明記します。

    競業避止義務

    売り手が売却した事業と同一の事業を行わないことについて明記します。

    費用負担

    M&A実行に掛かる、売り手・買い手双方の費用負担等を明記します。

    裁判管轄

    M&Aに関係する紛争が発生した場合のために合意裁判管轄を決めます。

    当事者同士で作成・締結は可能だが

    最終契約書は取引の内容が確定する最も重要な契約書です。

    作成・合意まで、売り手・買い手のみで行うことも可能です。

    しかし、M&Aは金額の規模が大きな取引になりますので、万一、契約内容に不備があっては一大事です。

    そのため、M&Aの交渉や最終契約の締結・書面化まで、M&A専門の仲介会社やM&Aの契約に明るい弁護士の力を借りて、慎重に最終契約書を作成した方が無難です。

    なお、M&A専門の仲介会社・弁護士等を利用すると、料金(着手金や月額報酬、成功報酬等)が掛かってしまうので、こちらの選定も慎重に検討する必要があります。

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    M&A基本合意書の内容と構成

    M&A基本合意書の内容と構成

    最終契約書では、これほど詳細な基本事項を明記するんですね。
    いきなり最終契約書を作成できるか不安なので、基本合意書をしっかり作成した上で、次のステップへ進みたいものですね。
    そこで、基本合意書の内容と構成をえて欲しいです。

    こちらでは、基本合意書の内容に含めるべき事項基本的な合意書の構成を解説します。

    M&A基本合意書の内容とは?

    基本合意書には、共通して次のような項目が含まれるはずです。

    • M&Aの基本条件(売却価格等)
    • M&Aのスケジュール
    • 独占交渉権
    • デューデリジェンス
    • 誓約事項
    • 法的拘束力

    なお、項目には法的拘束力があるものの、基本合意書の中で法的な制約が即座に発生するわけではありません。

    前述したように基本合意書で、事実上の拘束力を有することになるのは「M&A代金(売却価格)」「独占交渉権」になりますので、この2つを中心に見ていきましょう。

    M&A代金(売却価格)

    M&Aに関する売却(買収)価格を規定するならば、事実上、売り手・買い手を拘束することになります。

    もちろん、基本合意書の段階で今回のM&Aの代金は「〇億〇〇〇〇万円」というように、キッチリ金額を明記しても構いません。

    当然、金額を明示したら双方とも、この金額に縛られることとなるでしょう。

    買い手の場合は、提案したM&A代金について、今後行われるデューデリジェンスの結果次第で変動するという、いわば「断り書き」も付記する場合があります。

    買い手としては、調査で売り手に疑義が生じたり、買い手の経営が厳しくなったりした場合等、事情の変化があっても、M&Aの代金に拘束されるのは不利と考えるはずです。

    そのため、買い手側はM&Aの代金に幅を持たせて提案するケースが大いに想定されます。

    しかし、この提案は全く売り手に聞き入れられないわけではありません。

    M&Aの代金に幅を持たせても、その下限額が売り手の希望金額に近いならば、希望条件をとりあえず確保できたと納得し、次の段階へ進められるはずです。

    そのため、売り手・買い手の交渉を進める際に、M&Aの代金の取り決めは、具体的な金額が明記されようと、代金に幅を持たせて明記しようと、事実上、売り手・買い手を拘束するのです。

    独占交渉権

    基本合意書を作成する場合、M&Aの基本条件(売却価格等)を合意する他、買い手に対し一定期間の独占交渉権を付与することが明記されます。

    買い手からみれば自社の利益向上はもちろん、交渉中の売り手とのM&A実現の可能性が高いからこそ、希望価格や諸条件を提案・調整したり、デューデリジェンスを実施するための時間と費用をかけたり出来る訳です。

    そんな時に売り手が態度を翻し、別の買い手を探したり、別の買い手と交渉していたりするようでは、買い手は本当にM&Aが実現できるのか、とても不安になってしまいます。

    そのため、一定期間の独占交渉権を明記し、円滑にM&Aが進むよう事実上の拘束力で、売り手に好き勝手な対応をさせない制約を設けるのです。

    もちろん、独占交渉権の有効期間は20年・30年と長期間適用されるわけではなく、例えば「本日から最終契約締結までの間」という期限付きで付与されることになります。

    売り手からすれば、「最終契約締結までの期間は長くて12ヶ月くらいだから、丸1年は別の買い手と交渉できないかも」と考えておいた方が良いでしょう。

    M&A基本合意書の構成

    こちらでは基本合意書の構成について詳しく見ていきましょう。

    前述した最終契約書と似ている部分もあります。

    M&A基本合意書の構成
    1. M&Aの対象の特定・取引金額(確定していれば)
    2. 従業員等の取扱い
    3. 表明・保証
    4. デューデリジェンス
    5. 善管注意義務
    6. 誠実交渉義務・独占的交渉権
    7. 代金額修正・契約解除
    8. 契約期間
    9. 秘密保持義務
    10. 本契約の効果
    11. 協議事項
    12. 裁判管轄

    M&Aの対象の特定・取引金額(確定していれば)

    M&Aの対象とその価格(確定していれば)を明記します。

    例えば株式譲渡の場合、売り手が有する株式会社の「発行済み株式〇〇〇〇株」を、買い手が「金〇億円」にて買い取るという方針を明記します。

    その際に売り手が負担する保証債務等があれば、然るべき方法で消滅させると規定する文言、最終契約までに本件株式譲渡の件は、取締役会の承諾を得る旨の文言の明記も忘れずに行い、売り手・買い手の義務を記載します。

    従業員等の取扱い

    M&Aで従業員も買い手側に移行するのであれば、その処遇も明記しなければいけません

    雇用継続するなら、条件等も合わせてその旨を規定します。

    役員や従業員に退任・退職してもらうなら退職金額も明記します。

    表明・保証

    前述した最終契約書と同じく内容の保証を行います。

    例えば、買い手を「甲」、売り手を「乙」、売り手が有する株式会社を「丙」とするならこのように明記します。

    • 乙(売り手)および丙は丙の株式について、第三者が新株予約権等いかなる方法によっても権利を有しないことを甲に対して表明、保証する。
    • 乙および丙は、丙が知的財産権を侵害していないと甲に表明、保証する。

    等というように列記していきます。

    デューデリジェンス

    買い手の調査のために売り手等が協力することを明記します。

    協力内容については、会計処理や財務内容、将来の収益見通し、第三者との重要な契約関係や株式帰属、不動産の利用・権利状況等へ必要な協力することを規定します。

    なお、いつまで協力すれば良いのか売り手は困惑してしまうので、「基本合意書締結後〇月以内に調査する」という具体的な期間も盛り込みます

    デューデリジェンスの基本から詳しく知りたい方はこちら

    M&Aにおいてのデューデリジェンス(DD)とは?M&A最後の難関ポイントや注意点を種類別に徹底解説

    善管注意義務

    善管注意義務とは、財産について善良なる管理者の注意義務をもって保存しなければいけないという義務です。

    財産状態・損益状況を大幅に変化させる行為を列挙し、その行為をしないことが規定されます。

    例えば、新規借入や新規投融資担保権の設定、その他に従業員の賃金給与の水準の大幅な変更等の制約があげられます。

    誠実交渉義務・独占的交渉権

    売り手・買い手の誠実な努力と、前述した独占的交渉権の規定を明記します。

    代金額修正・契約解除

    買い手の調査で売り手等に違反が見つかったり、重大な瑕疵が発見されたりした場合、買収する代金を修正(減額)することも明記します。

    重大で回復困難な場合は契約解除、売り手がわざと違反した場合は損害賠償責任を負うことを盛り込みます。

    忘れずに、賠償金額の上限を「代金額の〇%」と、具体な基準を規定しておくことが大切です。

    契約期間

    交渉を長くダラダラ続けても埒が明かないので、定めた期日までに最終契約が締結できない場合、本合意は失効する旨を定めます

    ただし、売り手・買い手が「別途の契約に合意した場合は、それに従う」と明記しておいた方が柔軟な対応もできます。

    秘密保持義務

    合意の締結および合意内容を、他社・他人に漏洩される困るなら、「本合意書発効後も有効となることを確認、互いに秘密保持に努める」という規定を盛り込みます。

    本契約の効果

    当事者が、最終契約締結を強制されるものではないことの確認規定も盛り込みます。

    協議事項

    基本合意書に記載の無い事項や、基本契約の内容に疑義が生じた場合でも、お互いが誠実に話し合って解決していくことを明記します。

    裁判管轄

    M&Aに関係する紛争が発生した場合のため、合意裁判管轄を規定します。

    M&A基本合意書を作成する際の4つの注意点

    M&A基本合意書を作成する際の4つの注意点

    M&A基本合意書も、M&Aに関するトラブルを最小限とする配慮が求められますね。
    M&A基本合意書を作成する際に、気を付けるべき点があれば是非教えて下さい。

    こちらでは、M&A基本合意書の4つの注意点を紹介します。

    M&A基本合意書の4つの注意点
    • 買収金額は具体的に明記しない方が良い?
    • 基本合意書には印紙を貼るケースも
    • 弁護士だけに全てを任せるのは危険?
    • M&A専門業者の助力を得るべき?

    買収金額は具体的に明記しない方が良い?

    基本合意書の金額を明記すれば、M&A成功に向けて売り手・買い手のモチベーションは上がるはずです。

    しかし、デューディリジェンス後に思わぬ事実が発覚し、もう一度調整し直した方が良いケースは出てくる場合もあります。

    この場合を考慮し、価格に幅を持たせたりデューディリジェンスの結果によっては買収金額の変更も生じる可能性があると記載したりして、明記された金額だけで話が進まないよう工夫すると良いです。

    前述したように、「代金額修正、契約解除」の文言は忘れずに付記しておきましょう。

    基本合意書には印紙を貼るケースも

    M&Aの基本合意書は、通常ならば印紙税が課される文書(20種類)に該当しません。

    基本的に印紙は不要と考えて良いでしょう。

    しかし、基本合意書へ記載する内容により契約書とみなされることもあります。

    課税対象文書とされたならば

    • 事業譲渡→1号文書
    • 合併・吸収分割→5号文書

    となります。

    対象となる文書・起債額に必要な印紙税は以下のとおりです。(出典:国税庁ホームページ「印紙税額の一覧表 第1号文書から第20号文書まで」)

    1号文書

    記載額 税額
    未記載 200円
    ~1万円未満 非課税
    10万円以下 200円
    10万円超~50万円以下 400円
    50万円超~100万円以下 1,000円
    100万円超~500万円以下 2,000円
    500万円超~1,000万円以下 10,000円
    1,000万円超~5,000万円以下 20,000円
    5,000万円超~1億円以下 60,000円
    1億円超~5億円以下 100,000円
    5億円超~10億円以下 200,000円
    10億円超~50億円以下 400,000円
    50億円超~ 600,000円

    5号文書

    費用40,000円

    どんな内容で基本合意書を作成すれば課税されるのか、素人にはあまりよくわからないはずです。

    その場合は、弁護士等の士業専門家に相談をするか、後述する「M&A専門業者」にアドバイスをもらった方が無難です。

    弁護士だけに全てを任せるのは危険?

    デューディリジェンスの調査や算定は、自社の顧問会計士・税理士に任せるべきでしょう。

    また、M&Aの基本合意書の作成や調整は、M&Aに詳しい弁護士の助力が必要不可欠です。

    ただし、M&Aの包括的なアドバイスや調整役を期待するのは、やや荷が重いと言わざるをえません。

    会計士・税理士は数字や税金に明るくとも、M&Aの経験が豊富とは言えない方々も多いはずです。

    また、弁護士も法律に関わる合意書の作成は出来ても、M&A交渉に経験豊かな方々はなかなか見つけられないかもしれません。

    これらの士業専門家を適材適所に活用し、M&Aを円滑に進めていきたいものです。

    M&A専門業者の助力を得るべき?

    自社がM&Aを経験してきた場合は、その知識・コツが、今後のM&Aにも活かされることでしょう。

    自社のM&Aの経験をフルに発揮し、税や法律の専門家を活用しながら、円滑な交渉・基本合意書等の作成が期待できます。

    しかし、M&A未経験ならば売り手も買い手もM&A専門業者の助力を得た方が無難です。

    M&A専門業者とは?

    M&A専門に扱う仲介会社が数多く存在します。

    もちろんM&A全般を得意とし、自社のニーズに合った相手企業をマッチングしてくれたり、M&A交渉・それを書面化する「意向表明書」「基本合意書」「最終契約書」の作成のアドバイスも得られたりします。

    もちろん、M&A専門業者は何らかの条件をクリアして初めて設立できる特殊な会社と言うわけではありません。

    一般の会社と同じ設立手順を踏むだけです。

    しかし、数多くのM&Aに携わってきた経験・ノウハウを最大の武器として、売り手・買い手をサポートしていきます。

    M&A専門業者のサポートのスタイルは、それぞれ異なってきます。

    同じ担当者が案件獲得から成約まで行う専門業者もあれば、売り手・買い手ごとに担当者を分け、各クライアントの要望を調整していく専門業者もあるなど様々です。

    M&A専門業者に頼めば士業の専門家も付いてくる?

    全てのM&A専門業者が該当する訳ではないものの、弁護士や会計士・税理士が在籍している場合、士業の方々と提携している場合もあります。

    最初からM&Aの担当者に、各士業専門家が法律・税に関する取り決めのバックアップへ回る専門業者も存在します。

    また、税理士や会計士の方々が共同出資して設立されたM&A専門業者もあります。

    M&A専門業者に依頼すれば、基本合意書等の作成・アドバイスを提携の士業専門家等が担当してくれるので安心です。

    ただし、M&A専門業者に依頼する場合は、料金(着手金や月額報酬、成功報酬等)がかかります。

    M&Aのことなら、完全成功報酬型のM&A仲介、「M&Aアドバイザー」がおすすめです。

    まずは相談から無料で承っておりますので、お気軽に下記のフォームからお問い合わせください。

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      M&A基本合意書(mou)まとめ

      まとめ

      基本合意書は、あくまで基本的な事項に関する確認書類です。

      基本合意書は、特定の条項を除いて拘束力をもたせないことが特徴と言えます。

      しかし、拘束力が一部にしかないといっても、実際に基本合意を結ぶとき、事前に双方の希望する条件で、かつ弁護士やM&A専門業者も交えた上で交渉を何回か重ねて慎重に作成されます。

      そのため、基本合意の締結に向けて内容の把握はもちろん、現段階における双方の取引への意思を再確認することが肝要です。

      そうすれば、以後のプロセスをスムーズに進めることが可能となるはずです。