跡取りがいない会社が選ぶべき3つの選択肢とは?後継者問題を解決するM&Aも紹介

近年跡取りがいない会社が増えています。跡取りがいない会社は後継者を探すか廃業をするか。といった重要な選択をしなければいけません。

跡取りがいないことで以下のようなことで困っていませんか?

跡取りがいないので従業員の今後が心配
跡取りを見つける方法はないの?

とはいえ、事業を継続するにも跡取りを探し出したり、これから跡取りを育てることは簡単ではありません。

しかし今では、M&Aを使って事業継承を可能にしたり、跡取り問題を解決している企業も数多くあります。

この記事の内容をざっくり言うと
  •  企業に跡取りがいない理由とは?
  • 跡取りがいない企業が選ぶべき3つの選択肢とは?
  • どうしても跡取りが見つからない場合はM&Aを検討する
  • 跡取りがいない場合に経営者が取るべき行動を紹介
  • 優良なM&A仲介業者の選び方

このようなことがわかります。

「跡取りがみつからない場合に選ぶべき選択肢3つ」も紹介しましすので、最後まで読んでいただければ跡取り問題で困っている解決のヒントになりますよ。

事業承継できない企業が増加中!跡取りがいない理由とは?

跡取り_いない
近年、跡取りがいない理由で事業承継に踏み出せず、廃業を余儀なくされる企業が増えています。

跡取り_廃業理由

出典:経済産業省HP

実際に事業承継できない理由は企業によってさまざまありますが、とくに 幅広い理由は、経営者による少子高齢化と跡取りが見つからないことです。

後継者不足になると、廃業や地域の経済力低下や従業員の失業など問題は深刻です。

ではなぜ跡取りができない、あるいは見つからないのか。まずはその原因と理由を突き止めていきます。

経営者の高齢化が多く跡取りの育成ができない

近年、経営者の平均年齢が高齢化をしています。
2020年全国社長の年齢調査によると、経営者の平均年齢は62.49歳であり平均年齢が年々増加をしている現状です。

跡取りいない_経営者年齢層

出典:東京商工リサーチ

本来であれば、経営者が引退する前に跡取りを育成し経営を任せる必要があるのですが、中小企業の場合、経営者の手腕が企業に影響する部分も多いことから、経営者は育成にリソースを割けられないケースが多いのが現状です。

そのため、経営者はなかなかリタイアできず、跡取りも探せないまま企業に残り続けるのです。

少子高齢化と人手不足

国内の少子高齢化が、跡取りが見つからない原因に拍車をかけています。

たとえば、大手企業の場合、創業者一族や外部実力者が経営を希望するケースがありますが、中小企業は大手企業より経営が安定しにくい部分があることから、「外部からの引き継ぎ希望者が現れない」「親族に経営を引き継げる子供がいない」ことがあります。

また、中小企業の働き手の減少から、「企業内で跡取りを探すことができない」現状もあることから、経営者は跡取り問題にあたまを悩ませています。

事業に将来性を感じなく跡取りを検討しない経営者が増加

日本経済の低迷や円安から受ける打撃から、事業に将来性を感じず、そのまま廃業を考える経営者も少なくはありません。

中小企業の事業承継に対するアンケートでは、60歳以上の経営者のうち、約50%以上が廃業を検討しているとの回答があり、個人事業主に限っては約70%の経営者が自分の代で経営をストップするつもりと回答をしています。

後継者_決定状況

出典:経済産業省HP

その理由は「少子高齢化で跡取りが見つからない」問題や、「事業そのものに将来性を感じない」回答が多いのです。
事業に跡取りが見つからず、なおかつ苦しい経営を喫する状態もあることから、事業をあきらめる経営者も増えている現状があります。

跡取りがいない会社が選ぶべき3つの選択肢

実際に跡取りがいない現状を把握したところで、企業側はどのような選択肢を選べばいいのか。それらを含めこれから企業側が取るべき選択肢を3つ紹介します。

選択肢 メリット デメリット
身内や社員への事業承継 ・承継後の業務や人間関係に支障が起きにくい
・事業承継に費用が抑えらる
・経営状態に進化が起きにくい
・売却益が少ない
M&A ・M&A仲介業者が跡取りを探してくれる
・売却益を得られる
・事業承継の交渉を任せられる
・引き継ぎが終わるまで期間がかかる場合も
・M&A仲介業者への費用がかかる
・適任者がくるとは限らない
廃業 ・事業のやめ時を決められる
・場合によっては手元に財産が残る
・従業員の失業
・廃業後でも借金を返済し続ける場合も

どの選択肢も企業の現状と将来性を見据えた判断になりますが、どうしても廃業を避けたいと考えるのであればM&Aを行うのが適当です。

なぜなら、経営をしながら、条件にマッチした跡取りをM&A仲介業者が見つけ出してくれるからです。
M&Aの交渉はどちらの企業にとっても、条件が不利にならないようにすり合わせを行ってくれるので、経営を維持しつつも引退の際は安心して後継者へバトンを渡せます。

次の章ではこれら3つの選択肢をさらに深堀していきます。

まずは従業員承継を検討するべき。その理由とは

跡取り_事業承継
跡取りが見つからず事業承継を考える上でまず検討したいのが、従業員に事業承継をすること。
なぜなら、事業承継後も会社経営を行いやすくなるからです。

実際、経営者自身も信頼できる従業員に事業を任せられたら、安心できると思います。

ここでは従業員に事業承継するとどのような利点があるのか。それらを深掘りしていきます。

業務をすぐに承継できる

長年企業に貢献してきた従業員を跡取りとして採用すれば、現経営者の理念に基づき経営をスムーズに承継できるでしょう。

とくに中小企業は、独自性と企業文化が行き渡っていることは多く、その点第三者が経営者となればどうしてもそれらが薄まってしまいます。

従業員承継であれば、企業で働いてきた経験と企業文化を理解しているので、守り続けてきた企業文化は損なわれる可能性は低くなります。

現経営者の立場からいうと、企業文化を守りつつ事業成長してほしいと思うことが多いので、従業員に事業承継をすればスムーズに事業を任せられるメリットがあります。

従業員や取引先からの信頼保持

従業員が事業承継できれば、従業員や取引先からの信頼も維持できる可能性があります。
なぜなら、経営者から信頼ある跡取りとして認知されるからです。

実際に、外部からの第三者が跡取りとなれば、従業員や取引先への周知といった信頼関係の構築からはじめないといけません。

つまり、周知を受け入れてもらえなければ従業員からの反発が起こり、業績悪化や取引先からの取引停止、さらには経営者が変わったことで金融機関から不審に思われて借り入れができない。などのトラブルが起こる可能性があります。

それらを回避する方法として、経営者から信頼ある従業員が事業承継するメリットは大いにあるでしょう。

会社内であれば跡取り候補が多くなる

本来事業承継は、経営者の家族や身内から選ぶことが一般的でした。
しかし、限られた身内の中から適任者を選ぶむずかしさや、そもそも跡取りとして打診しても後任を拒否されることもあるでしょう。

一方、会社内であれば、従業員すべてが跡取り対象になるため選択肢は広がります。

会社内であれば会社に貢献してきた従業員や、今後を事業を任せられる資質を持った従業員を早い段階で育成ができます。

従業員承継をする3つの方法

跡取り_従業員承継
従業員に事業承継するメリットは、会社をよく知る人物が後継者となることで事業をスムーズに任せられることです。しかしその前に株式や経営権について考えなければいけません。

ここでは従業員が株式を取得し、事業承継する方法を3つにわけて紹介します。

従業員に株式を買い取ってもらう

従業員に対して株式を売却し、経営権と会社を買い取ってもらう方法です。

経営の引き継ぎを行いやすく最もシンプルでわかりやすい方法ですが、問題は従業員が株式取得にかかる費用の額です。

中小企業でも株式取得には数千万円かかる場合もあるため、資金調達には銀行やファンドからの借り入れや、株式取得資金の分割などで解決できます。

株式を贈与または遺贈する

株式を贈与または遺贈する方法もあります。
とくに経営者に子供もいなく、遺産相続をする人がいない場合には有効です。

会社内で跡取りを探す際、役員や従業員は株式を取得する十分な資金を持っていないケースが大半です。そこで、株式贈与や遺言として後継者にゆずることがあります。

しかし、その場合贈与税が発生するので事前に考慮しておく必要があります。

経営権のみを譲渡する

跡取りに株式を譲渡せず、現経営者が株式を持ち続ける方法もあります。
跡取りには経営権があっても所有権がないため、いわゆる「経営権と所有権の分離」が起きている状態です。

跡取りとなる従業員は、経営を任されても都度所有権を持っている旧経営者に了承を取らなければならず、運営自体に支障をきたす懸念点があります。

どうしても跡取りがみつからない場合はM&Aがオススメ

M&A_跡取り

跡取りがいなくて悩んでいる企業は多くあり、とくに中小企業は顕著に出ています。

跡取り不在の企業が増えてしまうと、会社に勤める従業員だけではなく社会全体に影響を及ぼします。

しかしながら跡取りを早急に見つけたい場合、すぐにでも跡取りを見つけるのは困難です。

そこで近年はM&Aを行い事業を続ける企業が増えています。

この章ではM&Aを行うとどのようなメリットがあるのか。具体的に紹介していきます。

従業員の雇用が守れる

跡取りが見つからず廃業を余儀なくされると、従業員を解雇することになります。
解雇された従業員は職を失うことになりますから、経営者としては心苦しい決断ではないでしょうか?

その一方で、M&Aを行えば従業員の雇用は守られます。そのため、従業員はこれまでどおり仕事を続けられるメリットがあります。

今後事業が発展する可能性がある

M&Aで事業承継を行うと、他企業とのシナジー効果がうまれ、事業がより発展につながる可能性があります。

資金力がある企業にM&Aをされたら、安定した状況下で事業を進められたり、ノウハウを共有することで新しい事業が展開される可能性があります。

廃業コストが削減できる

跡取り不在であえなく廃業となった場合、すべてリセットされておさまることはありません。なぜなら、会社にかかる清算手続きや借り入れの処理、その他手続きが残っているからです。

一方でM&Aを実施すれば、廃業にかかる精算手続きや借り入れにかかるコストの削減ができます。

売却益を獲得できる

M&Aで事業承継すると、譲渡企業と譲受企業の関係性になるので売り手企業側は売却益を得られます。

もう少し噛み砕くと、廃業になれば負債が残る可能性はありますが、M&Aを行えばリタイア後の生活資金が得られるメリットがあります。

要するにM&Aで事業承継を行うことで、跡取りも資金面でもメリットがあるのです。

跡取りがいない最終手段として廃業を検討する

跡取り_廃業

跡取りが見つからず経営者の判断として廃業もひとつの選択肢です。
ですが、債務が支払えなくなる「倒産」とは違います。

倒産となればさまざまなところに影響をおよぼしますが、倒産に追い込まれる前に廃業と判断する経営者は英断ともいえるでしょう。

さらにいえば、資産を売却し債務を返済、従業員の退職金を支払えば経営者としての仕事は評価されるでしょう。
そのため、廃業をすれば経営者は今後跡取りに悩むこともなくなります。

この章では廃業をするとどのようなことが起こるのか。具体的に紹介していきます。

オーナー経営者の意思で事業を止められる

廃業の決断は、オーナー経営者であれば自分の意思で事業を止められます。

跡取りを探すことになれば、さまざまなところに取り合ったり、経営者の判断で跡取りを探し育成をしなければなりません。

経営者自身、事業を気にしながら跡取り問題にリソースを割くので、その分負担は大きくなります。オーナー経営者であれば、事業を自分の意思で止めることが可能なのは最大のメリットといえるでしょう。

資産から負債を差し引いた財産を得られる

廃業を決めると会社の土地や建物、残った在庫や機械などに換金価値がつけられ、負債を差し引いた金額が受け取れる可能性があります。

しかし、資産のほとんどは言い値はつかず、含み益がある資産には法人税がかかります。さらに精算配当する際は所得税もかかるため、多くの資産を手にすることはむずかしくなります。

廃業から得られる金額は、期待どおりの金額がつくことは稀と考えて良いでしょう。

借金がある場合、連帯保証人が肩代わりする

企業に借り入れがあれば返済をしなければいけませんが、廃業となれば収益が途絶えるため、今後は連帯保証人が支払っていくことになります。

廃業はいつでもできるとはいえ、負債は消えませんからその点も考慮する必要があります。

跡取りがいない時に経営者が行うことは

跡取り_経営者ができること
跡取りが見つからない。事業継続はまだまだしたい。そのような経営者が今からできる行動を紹介します。
廃業は避けたい。今からできることはないの?といった疑問が解決できますよ。

事業継承やM&Aなど早めに検討対策をする

跡取りが見つからなく対策を講じるにも、時間には余裕を持たせたいものです。
理由はひとつ、早めに準備をしていれば身内で事業承継できる人をじっくり検討できるからです。

仮に跡取りを指名した際、じっくりと引き継ぎをしておけば、今後の経営もうまくいく可能性が高まります。

M&Aを検討する際も、時間に余裕があれば売り手にとって有利に進められるので、焦って安値で売却をしてしまうことも避けられます。

跡取りがいない問題に直面したら、早めの事業構想が大切になります。

会社の事業価値を高める

跡取り問題では、会社の事業価値を高めることも重要なポイントになります。
実際に借り入れが多く債務超過の企業になれば、跡取りがその借金を引き継ぐので0円でも敬遠されるでしょう。

また、M&Aの場合でも企業価値が低ければ、買い手企業からは魅力的にうつらず安く買い叩かれる可能性があります。

企業の跡取りを獲得するにも、企業価値はひとつの指標として判断されるので、経営者自身が率先して企業価値を高める必要があります。

【必見】跡取り対策に最適。優良なM&A仲介業者の選び方

M&A_仲介業者
身内や会社内などでも跡取りが見つからない場合、M&Aはかなり有効な手段になるでしょう。

M&Aの依頼はM&A仲介業者を選ぶことからはじまります。しかし数ある仲介業者から自社にあったM&A仲介業者を選ぶには、それなりのポイントを抑えておくと選ぶときに迷いません。

ここではM&A仲介業者を選ぶポイントを3つ紹介します。

自社と同等の企業規模案件をこなしている

M&A仲介業者はさまざまなM&A案件をこなし、その中でとくにM&A仲介業者に求められるものがあります。
それは「経験と実績」です。

いくらM&A仲介業者の肩書きがあるとはいえ、小規模案件や大規模案件しか取り扱ったことがない仲介業者も存在します。

M&Aを依頼する以上、同規模の企業案件実績がなければM&Aが失敗に終わる可能性もあるでしょう。

そのため、M&A仲介業者を選ぶ際は、ホームページなどで実績内容をチェックし、同規模のM&A実績があるかどうかを確認しておくと安心です。

手数料が明確でわかりやすい

M&Aは手数料や着手金など項目ごとに費用がかかります。
実際、売却が成功しても、手元に資金が残るようにしなければ時間とコストがムダになってしまいます。
大切なのは、M&Aを依頼するとどの程度の出費になるのかを把握しておくことです。

M&Aの規模によっては数百万円と費用がかかることがあるため、M&A仲介業者を選ぶ時は料金体系がわかりやすい業者を選ぶ必要があります。

そのため、自社の規模に合ったM&A仲介業者が良いでしょう。

M&Aを行う企業分野の知識を持っている

M&A仲介業者はたくさんの企業ジャンルを扱っています。
その中でも、ジャンルに特化をしているM&A仲介業者も存在するので、自社のジャンルに合ったM&A仲介業者を選ぶことが重要です。

専門外であれば的確なアドバイスはもらえない可能性が高いからです。

まずはM&A仲介業者のホームページを確認して、扱ってきた企業実績と自社のジャンルを得意とするアドバイザーはいないか。などを事前に確認をしておきましょう。

まとめ

跡取りいない_まとめ

ここまで跡取りがいない時に企業が選ぶ3つの選択肢とM&Aについて紹介しました。
本記事をまとめると以下のようになります。

本記事のまとめ
  • 経営者の高齢化が進み跡取りが育成できない
  • 少子高齢化と人手不足も大きな要因
  • 跡取りがいない選択肢は「事業承継」「M&A」「廃業」
  • 中小企業はまず事業承継を検討する
  • 跡取りを見つけるために早めのM&Aや事業価値を高める
  • M&A仲介業者を選ぶ際は実績と経験をみる

現在、跡取り問題はさまざまな企業で顕著化しています。

ですが、すぐに廃業を検討しなくても、早い段階から事業承継やM&Aなどの対策をしておけば事業は継続できます。

とくに今のM&A仲介業者は、幅広いネットワークを持っているので跡取り問題の解決に大きな力になってくれるでしょう。
そのために、まずは適切なM&A仲介業者選びが大切になります。

まずは前向きに検討をしてみてはいかがでしょうか。