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ジェフベゾスが1兆円を投資するESGとは一体何?ESG投資を理解するための10個のキーワード


ジェフ・ベゾス / Getty Images

2020年2月、アマゾンの創業者ジェフベゾス氏が自らの資産100億ドル(約1兆1000億円)を投じて「ベゾス・アース・ファンド」を設立した。

ベゾス氏は地球にとって最大の脅威を気候変動とし、地球環境問題を改善する研究や開発を行う科学者、活動家、非政府組織(NGO)を支援するとしている。

最近ではこのようにESGへの投資が世界の投資における主要テーマとなっている。

GSIA(世界持続可能投資連合)の報告書によれば、2017年度末の世界のESG投資残高は30.7兆ドル(約3200兆円)と、2年前から34%増加。これは世界の投資額のおよそ3割にもなる。

国内においても、2020年7月には資産運用会社アセットマネジメントOneが運用をスタートした追加型投信「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)」は当初設定額で国内歴代2位の3830億円を集め、直近の純資産総額は 10,544 億円まで膨らんでいる。

世界各国ではグリーン戦略を表明し、日本でも菅義偉首相が就任後初めて行った施政方針演説で「民間企業に眠る240兆円の現預金、3千兆円ともいわれる海外の環境投資を呼び込む。そのための金融市場の枠組みもつくる」と表明。

長期的な運用を基本とする年金基金や保険会社などの機関投資家が中心となって行うESG投資について、その理解を深めよう。

このコラムの著者

宮野茉莉子
1984年生まれ。東京女子大学卒業後、野村證券に入社。ファイナンシャルプランナーとして活躍。2011年よりフリーランスでライターとして活動し、マネー分野の記事を執筆している。
得意分野:金融商品、投資
資格:2級FP技能士証券外務員一種中学高校社会科教員免許

■ESG投資とは? それぞれの意味の理解がスタート地点

従来の投資では企業の財務情報を見て投資判断を行うが、ESG投資では「Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)」といった非財務情報から企業の長期的な成長を評価する。

業績や財務情報などの経営状況だけでなく、地球の長期的課題である環境問題や社会問題といったESGに取り組み、企業統治に優れている企業こそ持続的成長が期待できるという考えが投資家に浸透しているのだ。

世界的な基準があるわけではなく、機関投資家はESGに関する独自の指標を設定して評価し、総合的にESG評価の高い業種へ投資していく。ESG投資を理解する上で基本となるそれぞれの分野について見てみよう。

3つの中で最も理解しやすいのが「Environment(環境)」だろう。二酸化炭素(CO2)排出量の削減や、太陽力や風力、地熱など再生可能エネルギーの利用、またリユースやリサイクルなど、環境問題に対応する企業を選別して投資する。

既に野村アセットマネジメントは企業の二酸化炭素(CO2)排出量をコストに換算し、財務情報に組み込んで投資判断に活用。2020年9月には、国内の損保で初めてSOMPOホールディングスが新規建設の石炭火力発電所への保険引き受け・投融資は原則行わないと表明するなど動きは進んでいる。

「Social(社会)」で重要視されるのが、従業員の人権対策やダイバーシティ、ワーク・ライフ・バランスの確保など、働きやすい環境づくりだ。

産休や育休、時短勤務制度や介護休といった制度を整えることは必然とされるだろう。

他にも貧困の解決や途上国への支援、児童労働問題の改善など社会問題に貢献している企業に注目が集まる。

「Governance(企業統治)」は、業績悪化に直結する不祥事の回避やリスク管理のための情報開示、社外取締役の活用など、統治がしっかりと行われている企業への投資である。

「リスクマネジメント(危機管理)」や「コンプライアンス(法令順守)」が徹底されることが求められる。

■7つの手法で行われるESG投資

実際にESG投資を行う方法として、知っておきたいのが「GSIA(世界持続可能投資連合)」が定義する7種類の手法だ。

個人がESG投資を行うには、ESG投資信託などへ投資するか、自らESGの投資対象を選別して投資することになるが、その投資手法についてもみてみよう。

ESG投資の最も古い投資手法である「ネガティブ・スクリーニング」は、化石燃料や原子力発電、たばこ、ギャンブル、アルコールなど、ESGの観点で問題のある特定の業種や企業を投資対象から除外する。今でもESG投資の多くを占める手法だ。

「国際規範スクリーニング」は、環境破壊や人権侵害など、ESGに関する国際的な規範に違反した企業を投資対象から除外する。

国際規範には「国連グローバル・コンパクト(UNGC)」や国際労働機関(ILO)が定めた児童労働や強制労働に関する条約などから、機関投資家が各自で判断する。

上記2つとは反対に、1990年代に欧州で始まった「ポジティブ(ベスト・イン・クラス)・スクリーニング」は指数算出会社が評価した「ESG指数」を活用して、ESG評価が高い企業を投資対象とする。

例えば「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス(DJSI World)」は、S&PグローバルBMIを構成する2,500銘柄の中からESGの観点で優秀な銘柄のみ選んで構成されており、毎年見直しが行われている。

自分で投資を行いた場合は、この「ESG指数」を参考にしよう。

「ESGインテグレーション」は、従来の財務情報による投資判断に加えて、ESGに関する取り組みを非財務情報として組み入れ、総合的に投資対象を決める手法。

現在広く普及している手法だが、ESGの中でもどの分野に特化するかは投資家によって判断が異なる。

「サステナビリティ・テーマ投資」はその名の通り、「サステナビリティ(持続可能性)」をテーマにした企業に投資する手法だ。

再生可能エネルギーやグリーンテクノロジー、水処理、サステナブル農業などが有名な投資対象となる。

「インパクト・コミュニティ投資」は環境問題や社会問題への解決に貢献する企業に投資を行う、比較的新しい投資手法だ。

環境や社会へインパクトのある製品やサービスを提供する企業は比較的小規模な場合もあり、非上場企業が選ばれることもある。

上記の6つの手法と異なるのが「エンゲージメント・議決権行使」で、いわゆる「アクティビスト(物言う株主)」型の戦略だ。

投資をするだけでなく、株主としてESGの課題について対話をするなどしてエンゲージメント(関係構築)を行ったり、株主総会で議決権行使を行ったりする。

ESG投資は短期で大きなリターンを得るものではなく、長期的に安定した投資を実現しやすいと言われている。

地球の長期的な課題に向き合い、的確な企業投統治を行う企業は、持続的に成長すると判断しやすいだろう。現役世代にとってESG投資は将来の資産形成を図るために最適な分野と言えよう。

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