「お金を借りる」ことはどうしてもネガティブなイメージが強く、不安が拭えない方も多いと思います。
カードローンも借金に違いはないので当然リスクがありますが、性質を理解して正しく使えばこの上なく便利で心強い存在です。
この記事ではカードローンが持つ危険性と対処法について、詳しく解説します。
- カードローンのリスクと対処法
- キャッシュとカードローンの違い
- カードローンの具体的な使い道
目次
カードローンの危険性と対処法
カードローンとは事業性資金を除いて、原則自由に使えるお金を借りられる金融商品です。
限度額以内であれば何度でも再審査なしで借り入れできるため、必要なとき手軽に頼れるのもカードローンの魅力です。
ただし、カードローンでの借り入れは、言い換えれば「借金」であることに変わりありません。
「手軽」というメリットがある一方、いくつか注意しておきたいデメリットも持ち合わせています。
ここでは、カードローンに潜む注意点と対処法について詳しく解説していくので、しっかりと知識をつけて正しく活用してください。
注意点➀:金利は高め
カードローンの金利は1.5~18.0%程度に設定されている場合が多いです。
金利は高いほど利息も高くなるので、返済負担が大きくなります。
金利 | |
---|---|
カードローン | 年1.5%~年18.0% |
自動車ローン | 年1.0%~年5.0% |
住宅ローン(35年固定) | 年2.0%以下 |
一般的に、自動車ローンは1.0~5.0%程度、住宅ローンは35年固定で2%以下の設定が多いです。
これらの目的別ローンとカードローンを比較するとカードローンの金利が高いことがよくわかります。
ただ、自動車ローンや住宅ローンなどの「目的別ローン」は利用目的が限定されており、それ以外の用途に使うことは認められていません。
カードローンは資金使途が原則自由に設定されているので、お金の使い道を制限されない利便性の高さがメリットです。
限度額の範囲内であれば何度でも自由に使えるため、急な飲み会が入って今すぐお金が必要になったときなども手軽にお金を工面できます。
カードローンは基本的に無担保・保証人なしで融資を受けられるので、誰でも気軽に申し込めるのもカードローンの魅力です。
上記のような利便性の高さから、カードローンの金利は目的別ローンより高めに設定されています。
できるだけ利息を抑えたい方は、低金利なカードローンを選ぶことで返済額を抑えることができます。
銀行カードローンは利息を抑えることができる
金利による利息を抑えるには、できるだけ金利を抑えることができるカードローンを活用しましょう。
カードローンの利息は「借入額×金利(年利)×借入日数÷365日」で決まるため、借入額が同じでも、金利が低いほど利息を抑えることができるからです。
カードローンには「銀行カードローン」や「消費者金融カードローン」など種類があります。
なかでも銀行カードローンは消費者金融カードよりも低金利に設定されていることが多いです。
以下の表で、大手の銀行カードローンやネット銀行カードローン、消費者金融カードローンの金利を比較しているので参考にしてください。
三井住友銀行カードローン | 年1.5%~年14.5% |
---|---|
みずほ銀行カードローン | 年2.0%〜年14.0% |
三菱UFJ銀行カードローン バンクイック | 年1.8%〜年14.6% |
横浜銀行カードローン | 年1.5%~年14.6%(変動金利) |
イオン銀行カードローン | 年3.8%〜年13.8% |
アコム | 年3.0%~年18.0% |
プロミス | 年4.5%〜年17.8% |
レイク | 年4.5%~年18.0% |
適用される最大の金利は消費者金融カードローンが18%前後であるのに対し、銀行カードローンは15%前後が一般的です。
無利息期間を活用すると一定期間の金利はゼロになる
利息による出費を節約するには、消費者金融カードローンが提供している無利息期間を利用することも有効です。
カードローンによっては、借り入れから一定期間の利息を0円にすることができる無利息期間が設けられている場合があります。
プロミスとはじめてご契約いただく際、メールアドレスをご登録いただき、あわせて書面の受取方法で、「Web明細」を選択いただいたお客さまにカードローンを30日間無利息でご利用いただけるサービスを提供しております。
出典:プロミス
はじめて自動契約機、またはお電話でお申込みの場合、「30日間無利息」「5万円まで180日間無利息」のいずれかからお選びください。
はじめてご契約かつ、契約額が200万円超の方は「30日間無利息」となります。
出典:レイク
無利息期間があるカードローンでは、契約から30日間を目安に無利息期間を設定している会社が多いです。
一時的にお金が必要になった方は、無利息期間のある銀行や消費者金融で融資を受けると総返済額を抑えることができます。
銀行・消費者金融名 | 無利息期間 | 適用基準 |
---|---|---|
プロミス | 最大30日間 | 初回利用の翌日 |
アイフル | 最大30日間 | 初回契約の翌日 |
アコム | 最大30日間 | 初回契約の翌日 |
レイク | ・最大60日間(ウェブ申し込み限定) ・最大180日間(5万円までの少額融資が対象) ※初契約かつ200万を超える融資の場合は30日間 | 初回契約日の翌日 |
東京スター銀行スターカードローンα | 最大30日間 | 初回契約日 |
プロミスレディース | 最大30日間 | 初回利用日の翌日 |
PayPay銀行カードローン | 最大30日間 | 初回利用日 |
無利息期間の起点は「契約日」に設定されていることが多く、契約後すぐにお金を借りない場合は損してしまいます。
「今すぐ使うかはわからないけど、万一に備えてカードローンを契約したい」方は「初回利用日」を起点とした銀行・消費者金融を選ぶのがおすすめです。
続いて、カードローンに潜む2つ目の危険性についてご紹介します。
注意点➁:返済が長期化すると総返済額が増える
カードローンは長期的な返済計画を立てると、総返済額が大きくなる傾向にあります。
実際に、年15.0%の金利で30万円を借りる場合に、「30日で返済する場合」と「40日で返済する場合」の利息を比較してみましょう。
利息 | |
---|---|
30日で全額返済した場合 | 30万×0.15×30日÷365日=3,698円 |
40日で全額返済した場合 | 30万×0.15×40日÷365日=4,931円 |
このように、返済が長期化するほど、本来なら支払わずに済んだかもしれない利息が発生してしまいます。
元本によりますが、利息は10日違うだけでも総返済額に大きな影響を与えるため、カードローンの返済は長期化させないようにしましょう。
できるだけ総返済額を減らしたい方は、おすすめのカードローンから自身の目的に合った借入先を見つけることが重要です。
返済シミュレーションを活用する
返済を長期化させないようにするためには、借入前に「返済シミュレーション」を用いて毎月の返済額と総返済額を確認しましょう。
カードローンを提供している銀行や消費者金融などの公式サイトには、返済シュミレーションツールが用意されています。
返済シュミレーションツールは無理がなく賢い返済計画を立てるためにも必ず活用しましょう。
- 1年後に返済を終えるには、毎月いくらの返済が必要か
- 月の返済額を3,000円とした場合の完済するまでにかかる期間 など
借入希望額・利率・毎月の返済額・返済期間などを入力するだけで簡単に試算してくれるので、無理のない返済計画が立てられます。
随時返済を利用すると借入残高を減らせる
カードローンの返済方法には、「約定返済」と「臨時返済」の2種類があります。
簡単に言うと約定返済とは毎月決まった金額を支払うこと、臨時返済は好きなタイミングで追加返済をすることです。
約定返済 | ・毎月決まった日(返済日)に決まった金額を返済していく ・月の返済額はカードローン会社によって異なる ・期日までに支払わなかった場合、遅延・延滞扱いになる |
---|---|
臨時返済 | ・約定返済とは別に、追加で返済すること ・タイミングや金額は自由に決められる・臨時返済をしなくても特に罰則等はない |
極端な話、毎月きちんと「約定返済」で定められた金額さえ返済していけば、特に問題はありません。
しかし総返済額を少しでも抑えたいのであれば、「約定返済」とは別にこまめな「臨時返済」を心がけるのが大切です。
臨時返済とは要するに任意で繰上返済を行うことで、約定返済だけで返済するよりもはやく借入残高を減らせます。
カードローンの利息は日割り計算で算出されるため、返済が1日でも早く終わればそれだけ総返済額を抑えることが可能です。
利息=「借入額×金利(年利)×借入日数÷365日(うるう年の場合は366日)」 |
もちろん無理に食費等を削って臨時返済する必要はありませんが、家計に余裕があるときは積極的に臨時返済を活用しましょう。
もう少し詳しく話すと、臨時返済の重要性はカードローン会社が採用している約定返済の方式でも変わっていきます。
約定返済の金額の決め方は2つあり、カード会社ごとにどちらか一方を採用していることが多いです。
それぞれの特徴やメリット・デメリットは以下の表を参考にしてください。
元利定額返済方式 | 残高スライド元利定額返済方式 | |
---|---|---|
特徴 | 借入残高に関係なく、返済完了まで一律の金額を返していく | 借入残高に応じて月々の返済額が変動する |
メリット | ・収支を把握できるので家計への影響が少ない ・大きい額を借りても月々の返済負担を抑えられる | ・元利定額返済方式よりも利息を抑えやすい ・返済完了が近づくにつれて月々の返済額が減り、負担が軽くなる |
デメリット | ・借入額が大きいと返済に時間がかかり、利息がかさむ ・金利が高いと元金が減らず返済が長期化しがち | ・返済額が変動するので毎月返済額を確認する必要がある ・追加の借り入れをすると翌月以降の返済額が増える |
「元利定額返済方式」を採用している場合、5万円借りようが50万円借りようが毎月の返済額は変わりません。
そのため返済負担は軽いですが、借入額に対して約定返済の金額が少ないと返済が長期化し、利息が膨らんでしまいます。
「元利定額返済方式」のカードローンを借りる場合は、可能な限り臨時返済を行うのがおすすめです。
「残高スライド元利定額返済方式」の場合、「元利定額返済方式」ほど返済が長期化するリスクはありません。
ただ余裕のある時に臨時返済をしておけば、月々の返済負担をより早く減らせます。
総返済額も抑えられて一石二鳥なので、無理のない範囲で臨時返済を行いましょう。
続いて、カードローンに潜む3つ目の危険性をご紹介します。
注意点➂:家族や勤務先に借り入れがバレる可能性がある
カードローンを利用すると、家族や知り合い、勤務先に借り入れがバレる危険性があります。
カードローンの借り入れがバレる原因は以下の通りです。
- 銀行や消費者金融からの郵送物
- 在籍確認の電話
- 遅延・延滞時の督促状 など
家族や勤務先にバレずにお金を借りるには、上記の内容について対策を練りましょう。
明細書や契約書をアプリで確認する
家族に内緒でカードローンを利用するには、明細書や契約書はアプリから確認するようにしましょう。
家族に借り入れがバレるの主な原因は、カードローンの明細書・契約書といった郵送物からです。
銀行カードローンだと郵送物は銀行名義で届くため、封筒にカードローンと記載していなければ口座の新規開設などの言い訳で乗り切れます。
消費者金融カードローンも、会社によっては利用がバレないよう社名なしで郵送してくれるので相談してみましょう。
郵送物は社名(アイフル)が入ったものが送られてくるのですか?
郵送物は社名(アイフル)の入っていない封筒で送付します。
出典:アイフル
ただし、家族が封筒を開けてしまった場合は、カードローンに関する書類が見つかるので言い逃れはできません。
家族に見つかる前に封筒を回収できるか不安な方は、明細書や契約書をアプリやウェブ上で確認できるカードローンを選ぶと安心です。
さらにダメ押しでカードレスタイプを選べば物的証拠になるカードも郵送されず、より安全性が高まります。
例えば、アイフルではWEB完結でカードローンの申し込みをすると、アプリからお金を借りることができるカードレスを選択可能です。
後日「やっぱりカードが欲しい」と思った場合、無人店舗に行けばカードを発行してもらうこともできます。
アイフルのキャッシングローンに「WEB完結」でお申込みいただいた方については、カード発行の有無を自由に選択できます。
カード発行せずご契約いただいた場合も、無人店舗にご来店いただければ、必要に応じてカードを受取りいただくことも可能です。
出典:アイフル
「家にカードが届くのは困るけど、本当にカードレスで大丈夫か不安」という方はアイフルを検討しましょう。
アイフルのカードローンは2種類あり、それぞれ金利や融資額などが異なります。
ファーストプレミアムカードローン | SuLaLi | |
---|---|---|
金利 | 3.0%~9.5% | 18.0% |
融資額 | 最大800万円 | 最大10万円 |
無利息期間 | 最大30日間 | 最大30日間 |
融資スピード | 最短20分 ※申込状況によっては希望に添いかねます | 最短20分 ※申込状況によっては希望に添いかねます |
カードレス | ◯(後から変更も可能) | ◯(後から変更も可能) |
在籍確認 | 原則× | 原則× |
申込対象 | ・アイフルの利用がはじめての方 ・満23歳以上59歳 ・継続した収入がある方 ・返済能力があると認められる方 | ・女性向け ・満20歳以上 ・継続した収入があり、返済能力を有する方 |
アイフルの無利息期間は、初回契約の翌日から最大30日間です。
「ファーストプレミアムカードローン」は金利が低く設定されていますが、アイフルを初めて利用する方しか契約できません。
23歳未満・少額融資を受けたい・過去にアイフルを利用したことがある方は「SuLaLi」を検討するのもおすすめです。
勤務先に在籍確認の電話連絡がない借入先を選ぶ
勤務先へカードローンの借り入れがバレたくない方は、電話連絡による在籍確認がないカードローンを検討しましょう。
カードローン審査では申し込むと、申告した職場で働いているか確認するため「在籍確認」が必ず行われます。
一般的な在籍確認は、カードローン会社や保証会社が職場に電話をかけて行うことが多いです。
在籍確認をすると言っても、基本的には個人名を名乗るため職場にカードローンの審査申し込みがバレる可能性は低いです。
また最近は、個人情報保護の観点から社員情報を明かさない会社も増えています。
時代の流れに沿って、勤務実態が証明できる書類で代用するカード会社もあるので不安な方は書類に対応している借入先を選んでください。
- 社員証(写真付き)のコピー
- 健康保険証(勤務先名が記載されている物)
- 勤務先発行の在籍証明書
- 給料明細書(最新の物、1~2ヵ月分程度)
- 源泉徴収票(最新年度の物) など
求められる書類は、各社によって異なります。
書類での代用が認められた場合は、指示に従って提出書類を集めましょう。
また「プロミス」などの消費者金融カードローンは、原則として電話での在籍確認を行いません。
プロミスでは、原則、お勤めの確認はお電話で行っていません。審査の結果によりお電話での確認が必要となる場合もありますが、ご連絡の際は担当者の個人名でおかけし、プロミスの名前はお伝えしていません。ご不安な点があれば、電話をする時間指定など、ご相談に応じることが可能ですので、申込後にプロミスコールにご連絡ください。
出典:プロミス
審査内容によっては例外的に電話が必要になる可能性もありますが、相談すれば時間帯の指定等ができます。
在籍確認が不安な方は、「プロミス」でのカードローン申し込みを検討してもいいでしょう。
「プロミス」カードローンの金利や融資額、申込条件等は以下の表を参考にしてください。
フリーキャッシング | レディースキャッシング | |
---|---|---|
金利 | 4.5~17.8%(新規契約の方が対象) | 4.5~17.8%(新規契約の方が対象) |
融資額 | 最大500万円 | 最大500万円 |
無利息期間 | 初回利用の翌日から最大30日間 | 初回利用の翌日から最大30日間 |
融資スピード | 最短当日 | 最短当日 |
カードレス | ◯ | ◯ |
在籍確認 | 原則× | 原則× |
申込対象 | ・18~74歳まで・安定した本人収入がある方 | ・18~74歳の女性・安定した本人収入がある方 |
事業性資金 | ◯(個人事業主の方) | ◯(個人事業主の方) |
レディースキャッシングでは、女性オペレーターが受付けを行っています。
女性専用なので、男性と話すのが苦手な方でも安心して申し込みが可能です。
プロミスのカードローンは個人事業主に限り、事業性資金としての利用も認められます。
最大金利も新規契約であれば相場よりやや低めなので、少しでも総返済額を抑えたい方・事業に使いたい方にもおすすめです。
延滞・遅延をしない
カードローンをバレないように対策をしていても、返済の延滞・遅延をしてしまうとバレる可能性が高まります。
なぜなら、カードローンの返済を延滞・遅延すると自宅に督促状が届くからです。
督促状は真っ赤な文字で「親展」と書かれていたり、場合によっては内容証明で送られてくることも珍しくありません。
家族が受け取った場合、一目でトラブルがあったと気づかれるので延滞・遅延は絶対にしないよう気をつけましょう。
延滞や遅延が心配な方は、返済日前に通知をする「メールサービス」があるカードローンを選ぶのがおすすめです。
例えば、消費者金融カードローンの「アコム」では、利用者のうっかりを予防する「eメールサービス」を行っています。
- 返済日の3日前、当日、経過後の通知
- カード更新案内
- キャンペーン情報のお知らせ
アコムの「eメールサービス」の魅力は、3段階で通知を受け取れることです。
万が一うっかり入金を忘れても早い段階で気づけるため、督促状が届く前に手を打てる可能性があります。
また、カードローンに限った話ではありませんが、返済が滞ると信用情報に事故情報が記録される危険が高いです。
一度情報が載ると延滞・遅延を解消しても、5年間は記録が消えません。
その間は新しいクレジットカードやローンの契約ができなくなるので、返済日は絶対に忘れないようにしましょう。
金利 | 3.0〜18.0% |
---|---|
融資額 | 最大800万円 |
無利息期間 | 初回契約日から30日間 |
融資スピード | 最短30分 |
カードレス | ◯ |
在籍確認 | 原則× |
申込対象 | ・申し込み時点で18歳以上(高校生を除く)の方 ・安定収入と返済能力がある方 ・当社基準を満たす方 |
事業性資金 | ◯ |
アコムのカードローンは、楽天銀行口座を持っている方向けに最短10秒で借入金を振り込むサービスを行っています。
24時間受付けかつ、ネット申し込みするだけなので、飲み会でお金が足りなくなったときも安心です。
続いて、カードローンを利用する4つ目の危険性についてご紹介します。
注意点④:他のローン審査に影響することもある
カードローンの使い方によっては、いざというときに他のカードローン審査に影響してしまうことがあります。
具体的に「カードローンの他社借入がある」「借入金額が多い」「返済が滞っている」などが、他のローン審査に影響する可能性が大きいです。
その理由は、申し込みを受けた貸金業者は申込本人の「信用情報」を確認できるからです。
個人信用情報を見れば、一定期間の間に申し込んだローン履歴・他社からの借入状況・返済実績などが全て把握できます。
そのため、過去に延滞・遅延をしていたり、複数社から借り入れがあると返済能力がないと見なされる可能性が高いです。
また、個人信用情報は返済能力の有無を診断する材料として使われるため、「見せない」という選択肢はありません。
自身の信用情報はネットや郵送で「開示請求」を行うと簡単に確認できます。
手数料は500〜1,000円程度なので、気になる方はローン審査に申し込む前に確認しておくと安心です。
信用情報機関名 | 手数料 |
---|---|
CIC | ・ネット、郵送:1,000円(税込) ・窓口:500円(税込) ※窓口での受付けは休止中 |
JICC | ・ネット、郵送:1,000円(税込) ※決済手数料を除く |
全国銀行個人信用情報センター(KSC) | ・ネット:1,000円(税込) ・郵送:1,124~1,200(税込) |
カードローンの申し込みや契約内容、借入額、返済実績も当然記録されます。
無計画な借り入れを行い、遅延・延滞すると新規クレジットカードやローン契約に通らなくなる可能性があるので注意しましょう。
完済できるように無理のない返済計画を立てる
他のローン審査に影響しないような信用情報を作るには、完済できるように無理のない返済計画を事前に立てるようにしましょう。
カードローンは上手に使えばとても便利で心強い存在ですが、利便性の高さに甘えて使いすぎないよう注意が必要です。
最近のカードローンはコンビニATMと提携していたり、指定口座に振り込みができたりといつ・どこにいても気軽に借りれる仕組みになっています。
返済が完了していなくても、限度額の範囲内であれば何度でも反復利用できるため無計画に使うと借金が膨らんで危険です。
カードローンの借り入れ前は必ず「返済シュミレーションツール」を活用し、月いくらの返済でいつ返し終わるのか把握しましょう。
また、明確な返済計画を立てるには、自分の収支を正確に理解しておくことも大切です。
家計をすべて書き出して生活に必要な金額を確認し、無理のない返済ができる範囲内でカードローンを利用してください。
延滞や遅延がないように通知サービスを利用する
不意に延滞や返済忘れがないようにするためには、通知サービスを利用するようにしましょう。
カードローンの提供会社によっては、返済日が近づくとメールで知らせてくれる「通知サービス」を用意しています。
通知サービスを利用すれば、うっかり延滞・遅延してしまうリスクが減るので信用情報への影響が抑えられて便利です。
カードローンの支払い状況はすべて信用情報に記録されていて、遅延・延滞すると信用情報に傷がつきます。
信用情報に傷が入ると「支払い能力がない」と見なされるため、記録が消えるまでの約5年間はローン審査に通りません。
特に、近いうちにマイホームを持ちたいと考えている方がブラックリスト化してしまうと計画を先送りせざるを得なくなります。
うっかりは誰にでも起こることなので、少しでも後悔を減らせるよう通知サービスを利用するのがおすすめです。
続いては、カードローンに潜む5つ目の危険性についてご紹介します。
注意点⑤:返済できなくなるリスクがある
カードローンは資金使途に指定がないので便利に活用することができますが、返済できなくなるリスクがあることも意識しておきましょう。
カードローンの限度額は範囲内であれば何度でも繰り返し利用ができます。
しかし、だからといって無計画な借り入れを繰り返すと利息が膨らみ、「債務整理」を余儀なくされるリスクがあるので注意しましょう。
債務整理を行えば借金の減額・免除が受けられますが、信用情報に記録が残ります。
いわゆるブラックリスト化した情報は5年程度残り、その間は新規クレジットカードやローンの契約ができません。
家族に内緒で借り入れを行い、債務整理をした場合は家族にも迷惑をかけることになります。
カードローンの借り入れは計画性を持って行いましょう。
おまとめローンで複数の借入先を一つにまとめられる
カードローンで返済できなくなる状況を防ぐには、複数の借り入れ先をおまとめローンで一つにすることがおすすめです。
おまとめローンでは他社の借入残高を合計した金額を「借入希望額」として提出し、審査に通ったら借入金を使って一括返済できます。
- 返済日を月1回にできる
- 総返済額を減らせる可能性がある
- 毎月の返済額を減らせる可能性がある
他社借入があると返済日が月に何度も発生するため、うっかり忘れてしまう危険が高くなります。
おまとめローンで支払日を月1回に減らすだけでも、返済はかなりスムーズになるでしょう。
また、おまとめローンは、総量規制の対象外なので本人年収の3分の1を超える額の借り入れが可能です。
一般的に、総返済額を左右する「適用金利」は借入額が多いほど低くなります。
つまり、複数社で少額ずつ借りるよりも借り入れを一本化したほうが、より低い金利を適用できる可能性が高いということです。
金利が下がると総返済額も減るので、月々の返済も負担が軽くなります。
借入先が多い方は、自身に合ったおすすめのおまとめローンを選んで返済管理を楽にしましょう。
債務整理をすると返済負担が大幅に減らすこともできる
万一、返済できない状態に陥った場合は、債務整理を検討しましょう。
債務整理とは借金の減額や免除、支払い期限の延長などを求める法的手段で、成功すれば返済負担を大幅に減らせます。
ただし、債務整理にはデメリットも伴うので、よく検討してから実行に移しましょう。
債務整理の種類と特徴については、以下の表を参考にしてください。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
自己破産 | ・税金などの公租公課や養育費、罰金を除いた全ての借金返済義務がなくなる ・弁護士に依頼した時点で取り立てや督促が止まる | ・信用情報機関に事故情報が登録される ・高額な財産は処分され、債務者に分配される ・5〜10年間はローンが組めなくなる ・一定期間、就けない職がある ・国が発行する機関紙に名前が載る ・場合によっては連帯保証人を巻き込んでしまう |
任意整理 | ・借金の減額や月々の返済額を減少できる ・遅延損害金や今後発生する利息(将来利息)を無くせる可能性がある ・各債権者との個別の和解ができる | ・信用情報機関に事故情報が登録される ・約5年間は新規クレジットカードやローン契約ができない |
民事再生 | ・高価な財産を持ち続けながら借金を大幅減額できる可能性がある ・借金が5,000万円以下であれば最低返済額を最大10分の1程度に減らせる可能性がある ・資格制限がない | ・信用情報機関に事故情報が登録される ・家を手放さない場合、住宅ローンは一切減額されない ・減額後は原則3年間で分割返済する必要がある |
どの債務整理の方法を取っても、信用情報がブラックリストに載ってしまうのは同じです。
一度ブラックリストに載ると約5年は記録が消えないため、その間は新規のクレジットカードやローン契約は行えなくなります。
なかでも、自己破産は法的にすべての借金の返済義務がなくなるため、生活の立て直しには最も効果的な方法と言えるでしょう。
ただし、家や車などの高価な財産は債権者に分配するため処分される・一定期間就けない職業があるなどのデメリットも大きいです。
マイホームを持っていて手放したくない方は、任意整理や民事再生を検討してください。
カードローンはこんなときに借りることが多い
カードローンは資金用途が制限されていないため、個人のライフスタイルに合わせた使い方ができます。
平成28年に日本貸金業協会が行った調査によると、主に以下の目的でカードローンを借りることが多いようです。
- 趣味や旅行などの娯楽費
- 食費や家賃などの生活費
- 自動車の購入費用や車検代
- 被服費
- 医療費
- ギャンブル費用(賭博代)
- 税金等や公共料金などの支払い
- 授業料や受験料などの教育関係費用
- 携帯代やネット代などの通信費
- 冠婚葬祭費用
カードローンは1万円から借りることができる商品が多く、融資スピードも早いため食費が足りない・家賃が足りない緊急時に便利です。
旅行などの娯楽に使うことも認められているため、ちょっとした息抜きをしたいときも気軽に利用できます。
なかにはギャンブルに使う方もいるなど、カードローンの使い道は自由度が高いです。
カードローンとキャッシングの違い
「キャッシング」という用語の本来の意味は「現金を借りられるサービスの総称」です。
つまり用語の定義的に言えば、現金を借りるカードローンもキャッシングサービスのひとつであることは間違いありません。
このことから「カードローン」と「クレジットカードからお金を借りるキャッシング」は混合されがちですが、2つには明確な違いがあります。
カードローン | キャッシング | |
---|---|---|
機能性 | ・現金の借入専用 | ・クレジットカードの付帯サービス ・1枚で買い物と現金借入の両方が可能 |
金利相場 | 1.5〜15.0% | 15.0〜18.0% |
限度額 | 数百万まで借りられるものが多い | 数十万までのものが多い |
反復利用 | ◯ | ◯ |
即日融資 | ◯ | × |
キャッシングは、クレジットカードの付帯するサービスの1つです。
クレジットカードは買い物に使える「ショッピング枠」とは別に、現金が引き出せる「キャッシング」機能があります。
キャッシング機能はクレジットカード会社に「キャッシング枠」の申請をし、審査に通過すると利用ができる仕組みです。
カードローンと同様に、キャッシングも限度額の範囲内であれば何度でも繰り返しお金を借りることができます。
ただし、限度額や金利等の条件は、借入専用のカードローンのほうが有利であることが多いです。
また、カードローンは即日のキャッシングに対応しているため、今すぐお金が必要な方にも適しています。
カードローンはキャッシングより金利が低め
カードローンの金利相場は、1.5〜15.0%程度です。
それに対してキャッシングは15.0〜18.0%程度の金利設定が多く、消費者金融の適用金利とほぼ変わりません。
つまり、同じ金額を借りる場合の総返済額は、カードローンのほうが低く抑えられる可能性が高いです。
ただカードローンは借入期間に応じて利息が増えていくため、計画的に返済しないとあっという間に総返済額が増えてしまいます。
キャッシングは借入前に「翌月一括払い」を選択できるため、借金をずるずる引きずってしまうリスクを減らせるのがメリットです。
カードローンは最短即日融資を受けることができる
カードローンは即日融資に対応している商品も多く、「アコム」などの消費者金融では最短30分程度で借り入れができます。
申し込んでから契約が完了するまでにどのくらい時間がかかりますか?
最短30分でご契約が完了し、お借入いただけるようになります。
出典:アコム
ご融資をお急ぎのお客さまへ(即日融資)
出典:プロミス
プロミスでは、ご融資までのお手続がWeb上で完結でき、最短25分の即日融資が可能です。
Web上でお手続いただくことで、ご自宅にいながらお申込からご融資まで完了いただけます。
一方、キャッシングはクレジットカードの付帯サービスなので、カードの発行まで最低7〜10日程度の待ち時間が必要です。
既に契約済みのクレジットカードがある場合は、ウェブサイトから「キャッシング枠の増額」の審査申し込みができます。
通常回答には3〜7日程度要しますが、利用中のクレジットカード会社によっては最短当日に結果の通知が可能です。
クレジットカードがなく、早急にお金が必要な方は即日融資に対応したおすすめの消費者金融から借入先を検討しましょう。
カードローンによくある質問
ここでは、カードローンに関する代表的な質問について解説します。
わかりやすく簡潔にまとめているので、疑問点の解決に役立ててください。
カードローンを作るだけで怖い?
結論から言うと、カードローンを作ると怖いや危ないという事実はありません。
カードローンを契約したからといって必ずお金を借りる必要はなく、原則として年会費もないので使わないまま放置しても大丈夫です。
また「カードローンを持っていると他のお金を借りる審査に通らないのでは」と心配かもしれませんが、過度な借り入れ・延滞等がなければ問題ありません。
ただしカードの盗難にあった場合は悪用されるリスクがあるため、カードの保管は安全に行いましょう。
カードレスが可能なカードローンであれば盗難に遭うこともなく、より安全に利用できます。
カードローンの金利相場は?
カードローンの金利は「利息制限法」の法律で、年利20.00%以下と定められています。
そのためカードローンの金利相場は、銀行なら3.8〜15%程度、消費者金融なら3.0〜18%程度であることが多いです。
金利が高いと総返済額も増えるため、まずはおすすめの銀行カードローンを検討してみてください。
ただ、10万円を借りる場合のような比較的短期間で返済できる場合は、無利息期間もあるため金利による影響は受けにくいです。
カードローンを利用すると多重債務になる?
多重債務とは複数の銀行や貸金業者から借り入れがあり、返済困難に陥っている状態のことです。
通常、カードローンの申し込みを受けた銀行や貸金業者は申し込み者の信用情報をチェックし、返済能力を判断します。
そのため「利用者が問題なく返済できると判断した金額」までしか契約できないのが基本です。
きちんと計画的に借り入れ・返済をしていれば多重債務になる可能性は低いと言えます。
ただカードローンは限度額の範囲以内であれば何度でも借り入れできる性質上、必要以上の借り入れをしてしまう可能性は十分あり得ます。
またカードローンの利息は日割りで計算されるので、ダラダラと借り入れを続けると総返済額が膨らみ負担が大きくなるでしょう。
複数のカードローンを利用する場合は、返済計画をしっかり立て、必要最低限での利用を心がけてください。
カードローンで借り入れする方法
基本的なカードローンの借り入れは、以下の流れで行われます。
- 申し込み
- 審査・契約
- 借り入れ
- 返済
申し込みはネット・電話・来店・郵送いずれかの方法または併用で行われることが多いです。
カードローンは一度契約すると解約するまで繰り返し利用できるため、申し込みや審査・契約の工程は最初の一回で済みます。
大抵の方は、返済と借り入れの工程を必要に応じて繰り返していくことになるでしょう。
貸金業者によって多少の差はありますが、以下ではネット申し込みを想定した各手順ごとの内容を解説するので参考にしてください。
申し込み | ・公式サイトの申し込みフォームへアクセス ・住所や職場情報など必要事項を記入する ・金融機関口座の設定をする・手続き完了通知が届く |
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審査 | ・本人確認書類などの必要書類を提出 ・審査結果の通知を待つ |
契約 | ・審査に通ったらネットや来店にて契約手続きを進める ・カードありの場合は、自宅にカードが届くのを待つ |
借り入れ | ・最寄りのATMで借り入れたい金額を引き下ろす |
返済 | ・返済日までに口座振替、ネット返済などを使って約定返済の金額を返済 ・余裕がある月は臨時返済も積極的に活用する |
カードローンの申し込みでは、借入希望額が50万円を超える・他社借入残高の合算が100万円を超える場合を除いて収入証明は不要です。
本人確認書類として認められる書類の一例は、以下が挙げられます。
- 運転免許証
- パスポート
- 健康保険証
- 住民票
- 公共料金の領収書(6ヶ月以内に発行されたもの)
基本的には、運転免許証でお金を借りることができます。
顔写真入りの身分証明証がない場合は、2種類以上のコピーが必要になる場合もあります。
まとめ
カードローンは性質をよく理解し、計画的に使えばとても便利な存在です。
使い道も自由度が高いので旅行でちょっといい宿に泊まったり、家計の足しにしたりと生活を支えてくれます。
ただし利便性に甘えて無計画な借り入れをしたり、返済をダラダラ続けると負担が大きくなるリスクもあるので気をつけましょう。

宮野茉莉子
1984年生まれ。東京女子大学卒業後、野村證券に入社。ファイナンシャルプランナーとして活躍。2011年よりフリーランスでライターとして活動し、マネー分野の記事を執筆している。
得意分野:金融商品、投資
資格:2級FP技能士、証券外務員一種、中学高校社会科教員免許