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生活福祉資金貸付制度の審査に通過するには?対象者から落ちる世帯の特徴もわかりやすく解説

生活福祉資金貸付制度の審査に通過するには

生活費に困っているので、国の支援制度を頼りたい

子供の教育費が用意できない…国に相談することは可能?

お金に困ったときの相談先や対策はさまざまありますが、そのうちの一つに、国が実施する公的支援制度があります。

公的支援制度のなかでも、生活に困窮している方をサポートする制度といえば、生活福祉資金貸付制度が挙げられるでしょう。

生活福祉資金貸付制度は低所得者や障害者、高齢者を主に支援する目的で設けられているため、条件に当てはまる方は積極的に利用を検討したいところです。

ポイント

しかし貸し付けには審査が行われるため、相談する際には、具体的な審査基準を確かめることが重要です。

そこで今回は、生活福祉資金貸付制度の特徴を整理した上で、審査基準のポイントを解説していきます。

この記事でわかること一覧
  • 生活福祉資金貸付制度は低所得者世帯・高齢者世帯・障害者世帯が対象の、国からお金が借りられる制度
  • 生活福祉資金貸付制度の資金ごとに異なる審査基準
  • 生活福祉資金貸付制度の資金ごとに異なる貸付条件(上限額・償還期間など)
  • 生活福祉資金貸付制度の審査に落ちる世帯の特徴
  • 生活福祉資金貸付制度の相談先や相談の流れ

※本記事では営業所に貸金業務取扱主任者を置き、財務局や都道府県に登録され、法定利率貸金業法を遵守している正規の業者を紹介しています。また当サイトのランキングは消費者金融利用者へのアンケート結果と、各消費者金融の公式サイトの最新情報を参考に独自で作成されております。

目次

生活福祉資金貸付制度の審査に通過するには?

生活福祉資金貸付制度は次に該当する方を支援し、社会参加を促す目的で設けられている国の制度です。

生活福祉資金貸付制度の対象者
  • 低所得者世帯
  • 障害者世帯
  • 高齢者世帯

生活福祉資金貸付制度の窓口である社会福祉協議会では、具体的に以下のように条件を記載しています。

  • 低所得世帯…資金の貸付けにあわせて必要な支援を受けることにより独立自活できると認められる世帯であって、必要な資金を他から借り受けることが困難な世帯(市町村民税非課税程度)。
  • 障害者世帯…身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた者(現に障害者総合支援法によるサービスを利用している等これと同程度と認められる者を含みます。)の属する世帯。
  • 高齢者世帯…65歳以上の高齢者の属する世帯(日常生活上療養または介護を要する高齢者等)。
全国社会福祉協議会「福祉の資金(貸付制度)」

そのため、生活福祉資金貸付制度は「低所得者世帯」「障害者世帯」「高齢者世帯」に該当しない方は利用できないため注意しましょう。

利用できない方の例
  • 貸金業者などからお金を借りることはできるが、せっかくなら利子なしで借りられる国の制度を頼りたいと考えている方
  • 健康状態は問題ないため働くことはできるが、面倒なのでしばらく国に助けてもらいたいと考えている方

生活福祉資金貸付制度はさまざまな事情からどうしても困窮した状況を脱することが難しい、という方を支援するセーフティーネットの一つです。

ほかの方法で困窮した状況を解決できる方は生活福祉資金貸付制度の主旨に反するため、基本的に審査に通ることはありません。

そして生活福祉資金貸付制度の制度内容について知る際には、どのような資金の種類があるのか詳しくチェックしておきましょう。

資金の種類内容
総合支援資金・生活支援費
→生活の再建のために必要な費用
・住宅入居費
→賃貸契約の際に敷金返金などの初期費用を払うための費用
・一時生活再建費
→生活再建のために一時的に必要で、日常生活費で賄えない費用(就転職に必要な費用など)
福祉資金・緊急小口資金
→緊急かつ一時的に生計維持が難しくなったときに貸し付けが可能な少額の費用
・福祉費
→技能習得・経営・住宅増改築・冠婚葬祭など日常生活で必要になる費用
教育支援資金・教育支援費
→低所得者世帯に所属する方が高等学校・大学・高等専門学校に就学するための費用
・就学支度費
→低所得者世帯に所属する方が高等学校・大学・高等専門の入学にあたって必要になる経費
不動産担保型生活資金・不動産担保型生活資金
→低所得の高齢者世帯に、居住用の持ち家を担保に生活費を貸し付けする資金
・要保護世帯向け不動産担保型生活資金
→要保護の高齢者に、居住用の持ち家を担保に生活費を貸し付けする資金

生活福祉資金貸付制度における資金の種類を見ると、生活維持において必要になるさまざまな費用を支援してもらえることがわかります。

生活に困窮しているため、子供を大学に行かせられない…

高齢ゆえに満足に働けず、生活費が足らなくて困っている…

と悩んでいる方は、生活福祉資金貸付制度での借り入れを検討してみましょう。

しかし、生活福祉資金貸付制度を利用するには審査が実施されます。

審査に落ちれば、当然ながら資金の貸し付けは受けられないなめご注意ください。

生活福祉資金貸付制度の利用を申し込むときは、審査基準として参考になるポイントを整理しておきましょう。

低所得世帯は住民税が非課税かどうかが基準

まずは、生活福祉資金貸付制度の対象世帯の一つである、低所得者世帯の審査基準から詳細を整理していきましょう。

低所得世帯って具体的にどれくらいの所得の世帯のこと?

収入が低いと感じていれば申請はできるの?

といったように、低所得者世帯の具体的な基準について疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか。

生活福祉資金貸付制度の審査に通るためには、まず低所得世帯は住民税非課税世帯に該当するかどうかが重要です。

住民税非課税世帯とは?

住民税非課税世帯とは所得が一定額以下で、住民税が課税されない世帯のことを指します。

そのため、生活福祉資金貸付制度において、低所得者世帯の定義は、おおむね住民税非課税世帯のことを指します。

住民税非課税世帯に該当するか調べるには、さらに住民税についても要点を整理しておくことが大事です。

住民税とは?

住民税とは一定以上の所得を得ている方に対して課税される、都道府県や市町村に納付する税金を指します。

住民税は次のように所得割と均等割の両方が課税される仕組みです。

均等割原則としてすべての納税義務者から均等に徴収する
所得割納税義務者の前年の所得から課税額が決まる
▼計算式
課税所得金額(前年の所得-所得控除)×税率-調整控除額-税額控除額
=所得割額

住民税非課税世帯はより厳密にいうと、上記の均等割と所得割の両方の納付義務がなくなる世帯を指します。

住民税非課税世帯になるには以下のいずれかに当てはまる必要があるため、まずはセルフチェックとして、自身が当てはまるか確かめてみてください。

住民税非課税世帯の条件は以下のいずれかに該当すること
  • 年間の所得額が所属する自治体が定める額以下
  • 未成年・障害者・寡婦・ひとり親のいずれかに該当し、年間の所得が135万円以下
  • 生活保護を受給している

なお、「年間の所得」とは、「年収」とは異なるためご注意ください。

所得所得控除後の金額を指す
会社員の場合、給与所得控除額は収入額によって変わる
年収給料・賞与を含む勤務先から支払われたすべてのお金
税金や保険料が天引きされる前の金額

給与を受け取っている方は、毎年1月頃をめどに会社から発行される源泉徴収票で、年間の所得が確認できます。

なお、住民税非課税世帯の1つ目の条件である自治体が定める所得額とは、自治体によって大きく異なる特徴です。

参考までに、いくつかの自治体の基準を見ておきましょう。

自治体住民税が課税されない方の前年の所得額
北海道函館市同一生計配偶者や扶養親族がいない場合:42万円以下
上以外の場合:32万円×(同一生計配偶者+扶養人数+1)+29万円以下
宮城県仙台市同一生計配偶者や扶養親族がいない場合:45万円以下
上以外の場合:35万円×人数(同一生計配偶者+人数+1)+21万円以下
東京都千代田区同一生計配偶者や扶養親族がいない場合:45万円以下
上以外の場合:35万円×人数(同一生計配偶者+人数+1)+21万円+10万円以下
静岡県浜松市同一生計配偶者や扶養親族がいない場合:41万円5,000円以下
上以外の場合:31万5,000円×人数(同一生計配偶者+人数+1)+10万円+18万9,000円以下
高知県四万十市同一生計配偶者や扶養親族がいない場合:38万円以下
上以外の場合:28万円×人数(同一生計配偶者+人数+1)+26万8,000円以下
福岡県久留米市同一生計配偶者や扶養親族がいない場合:41万円5,000円以下
上以外の場合:31万5,000円×人数(同一生計配偶者+人数+1)+10万円+18万9,000円以下
ポイント

自治体によって所得額には微妙に違いがあるため、住民税非課税世帯に該当するか調べるときは注意が必要です。

細かな収入制限を定めている市区町村もある

基本的に、生活福祉資金貸付制度で貸し付けを受けるためには、自身が住民税非課税世帯に該当する必要があります。

しかし、市区町村によっては、細かい収入制限を定めている場合もあるのが特徴です。

住民税が課税されない方でも収入制限の基準を満たさないと、自治体によっては生活福祉資金貸付制度の審査に通ることができません。

いくつか例をピックアップすると、東京都の場合は、低所得者世帯・高齢者世帯の収入基準を次のように記載しているのが特徴です。

世帯人数低所得者世帯高齢者世帯
1人191,000円223,000円
2人272,000円402,000円
3人335,000円519,000円
4人385,000円57,2000円
5人425,000円638,000円

出典:東京都社会福祉協議会「生活福祉資金貸付制度 福祉資金のご案内」

そのため、例えば、1人世帯の場合は19万1,000円以上の収入があると、「低所得者世帯」の定義から外れてしまうため要注意です。

ほかには、大阪府の場合は貸付対象となる低所得者世帯を次のように定義しています。

生活保護基準(世帯人数で異なる)以上の収入があり生活保護基準額の1.8 倍程度までの世帯

大阪府社会福祉協議会「大阪府生活福祉資金のごあんない」

大阪府における生活保護基準額目安は、以下の通りです。

1人世帯91,000円程度
2人世帯135,000円程度
3人世帯165,000円程度
4人世帯198,000円程度

出典:大阪府社会福祉協議会「大阪府生活福祉資金のごあんない」

そのため、例えば2人世帯の場合、生活福祉資金貸付制度を利用できる低所得者世帯は、以下の収入である必要です。

収入の下限13万5,000円
収入の上限24万3,000円
(13万5,000円の1.8倍)

2人世帯は13万5,000円~24万3,000円の範囲の収入の世帯のみ、低所得者世帯と認められて貸し付けが受けられる仕組みです。

このように生活福祉資金貸付制度における収入制限などの細かい条件は、自治体によって異なります。

ポイント

住民税非課税世帯であることは一つの目安としてとらえておき、実際に生活福祉資金貸付制度に申し込むときは、自治体ごとに基準をよく確認しましょう。

65歳以上の高齢者がいる世帯は年収基準が甘い

生活福祉資金貸付制度で対象となる高齢者世帯について、審査基準をチェックしてみましょう。

高齢者世帯は65歳以上という年齢の要件だけ満たせば問題ない?

高齢者世帯で少し働いているけれど、貸し付けは受けられる?

といったように、高齢者世帯の定義や条件についても、疑問に感じている方は多いでしょう。

先に結論から述べると、高齢者世帯は年収基準が甘い傾向にあります。

ポイント

低所得者世帯には収入制限や所得の基準が細かく決められていますが、多くの場合高齢者世帯は、収入の額問わず申し込めるからです。

また、収入制限がある場合でも、高齢者世帯は比較的甘い条件になりやすい傾向になります。

ここで同じように一例をチェックすると、青森県の社会福祉協議会の公式サイトでは、高齢者世帯の条件は次のように記載されているのみです。

高齢者世帯
65歳以上の高齢者が属する世帯です。

福祉ネットあおもり「生活福祉資金の貸付け」

また、香川県の社会福祉協議会では、生活福祉資金貸付制度の貸付対象としての高齢者世帯には、次のような収入の目安を記載しています。

低所得者世帯の目安額の1.7倍以下

香川県社会福祉協議会「生活福祉資金貸付制度のご案内」

たとえば、単身の低所得者世帯の場合、香川県の社会福祉協議会では、おおむね15万8,000円以下が月収の目安となります。

単身の高齢者世帯であれば、15万8,000円×1.7で、26万8,600円以内の月収であることが条件とわかるでしょう。

単身の高齢者世帯なら、年金を含めて26万8,600円以下の収入という条件を守ることは、そう難しくないはずです。

ポイント

生活福祉資金貸付制度の利用にあたって65歳以上の方が所属する高齢者世帯は、基準を満たしやすいからこそ比較的審査に通りやすいと考えられます。

高齢者世帯の審査基準は、少なくとも低所得者世帯よりも比較的に甘めです。

※あくまで傾向のため、ご注意ください。総合的な判断で、収入の基準を満たしていても、審査に落ちることはあります。

障害者手帳や療育手帳など交付されている親族と同居している世帯は貸付対象

障害者手帳を持っていて、生活福祉資金貸付制度の利用を検討しているけど、審査基準は何…?

低所得者世帯や高齢者世帯のように、障害者世帯にも収入の制限はあるの?

生活福祉資金貸付制度の貸付対象である障害者世帯についても、審査基準がわからない…と困っている方は多いでしょう。

障害者世帯にも、収入など一定の基準があるため、利用を検討する際にはしっかりとチェックしておく必要があります。

まず、社会福祉協議会全体は生活福祉資金貸付制度の貸付対象となる障害者世帯を次のように定義しているのが特徴です。

身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた者(現に障害者総合支援法によるサービスを利用している等これと同程度と認められる者を含みます。)の属する世帯。

全国社会福祉協議会「福祉の資金(貸付制度)」

身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳についての簡単な概要は、以下の表をチェックしてください。

身体障害者手帳身体機能に一定以上の障害がある方に交付される手帳
療育手帳児童相談所または知的障害者更生相談所において知的障害があると認められた方に交付される手帳
精神障害者保健福祉手帳一定の精神障害があることを認定する手帳

生活福祉資金貸付制度では、これらの交付を受けている方の単身世帯、または交付を受けている方が所属する世帯が貸付対象になります。

そのため、障害者世帯の方も生活に困っている場合や特定の費が工面できず悩んでいるときは、貸し付けを受けることが可能です。

なお、その他収入制限などの審査基準は、自治体によって異なります。

参考までにいくつかの都道府県の、障害者世帯における収入制限をチェックしてみましょう。

北海道低所得者世帯・高齢者世帯・障害者世帯共通で、年間世帯収入の上限目安あり
東京都障害者世帯の収入制限については言及なし
大阪府生活保護基準(世帯人数で異なる)以上の収入があり 生活保護基準額の1.8 倍程度までの世帯

障害者世帯の収入制限についてまったく言及していない都道府県もあれば、具体的な収入制限を審査基準の一つとして掲げている自治体もあります。

ポイント

障害者世帯も収入制限などの審査基準を満たさない場合は、貸付対象外となるケースもあるためご注意ください。

総合支援資金は6か月以上生計維持していること・離職から2年以内がポイント

生活福祉資金貸付制度における総合支援資金の種類は、次の3つです。

総合支援資金の種類
  • 生活支援費…生活再建までに必要な費用
  • 住宅入居費…賃貸契約を結ぶ際に必要な費用
  • 一時生活再建費…生活再建のために一時的に必要かつ日常生活費で賄えない費用

まずは東京都の社会福祉協議で発行している総合支援資金の案内を参考に、具体的な審査基準を見ていきましょう。

東京都の社会福祉協議会では、大前提として以下の世帯を貸付対象としています。

貸付を行うことにより自立が見込まれる世帯であること

東京都社会福祉協議会「生活福祉資金貸付制度 総合支援資金のご案内」

貸し付けを行っても自立が難しいと判断されれば、低所得者世帯、高齢者世帯、障害者世帯であっても貸し付けを受けることはできません。

それでは、貸し付けを行うことで自立が見込まれる世帯の要件を詳しく見ていきましょう。

自立が見込まれる世帯の要件
  • 申込者本人の就労収入で6か月以上生計維持しており、仕事を離職もしくは減収になってから2年以内
  • 申込者の健康状態に問題がなく、常用就職が可能であり、就活を中心としたうえで過ごせる
  • 申込者が申請の時点で65歳未満
  • 65歳以上の方が申し込む場合は、直近1年以内で就労していたこと、または就労能力や常用就職の意欲がある
  • 自営業の方が申し込む場合は、当該事業の経営を継続していない

要件をチェックした上でまとめると、借入後も働く意思のない方や、2年以上仕事をしていなかった方などは審査基準を満たすことはできません。

また、以下に該当する世帯も、総合支援資金の利用は不可となります。

総合支援資金の利用ができない世帯
  • 生活保護世帯
  • 詳しい生活状況を明らかにできない世帯
  • これから事業をスタートさせる予定の世帯
  • 債務整理をする予定または債務整理手続き中の方がいる世帯
  • 離職者支援資金や総合支援資金を12か月借り入れし、完済していない世帯
  • 反社会的勢力に該当する方が所属する世帯

これらの審査基準を踏まえた上で、申請の際には以下のような書類を提出します。

  • 申込書
  • 住民票の写し
  • 本人確認書類
  • ハローワークの相談を受けたことがわかる書類
  • 世帯収入がわかる書類
  • ほかの公的支援を受けている場合はそのことがわかる書類
  • 世帯の状況がわかる書類
  • 連帯保証人(必要な場合)の収入証明書
  • 借金がある場合は総額や返済状況がわかる書類
  • 債務整理を過去に行った世帯は手続き後の状況がわかる書類
  • 資金ごとに必要な書類(例えば住宅入居費の場合は初期費用の内訳明細書など)

貸し付けが望ましい世帯なのか間違いなく判断するために、場合によっては追加書類の提出を求められるケースもあります。

総合支援資金では、上記の書類提出と、社会福祉協議会の担当者との相談・面接のうえ、貸し付けの可否が判断される仕組みです。

福祉資金は日常生活維持には困っていない必要がある

生活福祉資金貸付制度における福祉資金には、以下の資金があります。

福祉資金の種類
  • 福祉資金…技能習得・経営・住宅増改築・冠婚葬祭など日常生活で必要になる費用
  • 緊急小口資金…緊急かつ一時的に生計維持が難しくなったときに貸し付けが可能な少額の費用

まずは、東京都の社会福祉協議会の福祉資金の案内を参考に、条件をチェックしていきましょう。

東京都の社会福祉協議会では、福祉費の貸し付けについて以下のように記載しています(緊急小口資金については後述)。

○世帯がこれまで及び今後も生計維持ができ、返済(償還)の見通しが立つ場合に貸付を行います。
○日常的に世帯の生活費が不足しているような場合は貸付を行うことはできません。

東京都社会福祉協議会「生活福祉資金貸付制度 福祉資金のご案内」

給付ではなく貸し付けのため、就労収入や給付、手当などで生計維持ができていなければ借入不可となります。

その上で、貸し付けを受けるには次の条件を満たすことが必要です。

福祉費の貸し付けを受ける条件
  • 日常生活維持には困っていないものの、特定の利用目的のためにまとまったお金が必要な状態
  • 安定的な返済の見込みがあらかじめ立てられる状況
  • 反社会的勢力に当てはまらない
ポイント

福祉費の借り入れは生活保護世帯でも可能ですが、相談はまず担当のケースワーカーに行う必要があります。

受け取っている保護費では賄えない資金使途で、福祉事務所が借り入れを認めていることが前提です。

また、生活保護世帯が福祉費の借り入れをする場合は、保護費以外の収入を返済に充てる前提で相談を行います。

ただ、次に該当する方は、上記の条件を満たす方でも借入不可となるのでお気を付けください。

福祉費の貸し付けが不可となる方
  • 収入がないもしくは少ないため、今後も生活に困窮すると見込まれる状態
  • ほかからの借り入れがある
  • すでにある借り入れの返済が滞っている
  • 債務整理をする予定または債務整理手続き中の方がいる
  • 社会福祉協議会が債権者である貸付制度の連帯保証人になっている、およびその世帯員
  • 公務員

上記の条件、審査基準を踏まえたうえで、申し込みの際には以下の書類提出と社会福祉協議会との相談・面接が必要になります。

  • 申込書
  • 住民票の写し
  • 申込者の世帯収入がわかるもの
  • 連帯借受人の収入証明
  • 連帯借受人の住民票の写し
  • 連帯保証人の収入証明
  • 連帯保証人の住民票の写し
  • 資金種類ごとに必要な書類(領収書や明細書、請求書など)
  • 借金がある方は負債の総額、残額、返済状況がわかる書類

また、緊急小口資金の利用が可能な世帯は、東京都社会福祉協議会では次のように記載しています。

緊急小口資金の利用が可能な世帯
  • 低所得者世帯である
  • 緊急かつ一時的に生計維持が困難な状況にある
  • 返済の見通しが立つ

上の条件に当てはまる上で、緊急小口資金では、さらに下記の貸付対象理由に該当することが必須となります。

  • 医療費または介護費を支払ったことなどにより臨時の生活費が必要なとき
  • 火災等の被災によって生活費が必要なとき
  • 年金、保険、公的給付等の支給開始までに必要な生活費
  • 会社からの解雇、休業等による収入減
  • 滞納していた税金、国民健康保険料、年金保険料、公共料金を支払ったことによる支出増
  • 給与などの盗難等によって生活費が必要なとき(貸付限度額5万円)
  • 事故等により損害(物損)を受けた場合による支出増
  • 社会福祉施設等からの退出に伴う賃貸住宅の入居に伴う敷金、礼金等の支払いによる支出増
  • 初回給与支給までの生活費が必要なとき
東京都社会福祉協議会「緊急小口資金のご案内」

上記の理由以外で資金を得たいときは、緊急小口資金の審査には通らないため注意が必要です。

ポイント

緊急小口資金は、あくまで「緊急かつ一時的に生活に困ったときの状況」を支援するための制度であることを理解しておきましょう。

そして申請の際には、前述の福祉費と同様の書類をそろえて手続きを行います。

また福祉費同様に緊急小口資金も、生活保護世帯や収入が恒常的に足りず困窮している方、債務整理の手続き中の方などは利用対象外です。

教育支援資金は日常生活維持は問題なく修学資金の工面に困っている前提

教育支援資金は以下のような種類があります。

教育支援資金の種類
  • 教育支援費…低所得者世帯に所属する方が高等学校・大学・高等専門学校に就学するための費用
  • 就学支度費…低所得者世帯に所属する方が高等学校・大学・高等専門の入学にあたって必要になる経費

教育支援資金の審査基準も基本的な考えは、ほかの資金と同様ですが、重要なポイント以下のとおりです。

  • 日常生活には困っていないものの、修学のための資金が工面できず困っている
  • 世帯の収入で、学校卒業まで生計を維持することができる

上記の条件を満たす方は、教育支援資金で貸し付けを受けられます。

職が安定していないため、学費だけでなく生活費にも困っている

収入も貯金も少ないので、子供が学校を卒業するまで生計が維持できるかわからない…

逆に上記のような方は、借り入れはできないため注意が必要です。

また、教育支援資金を借りる際には、民生委員が自宅を訪問し、面接を行います。

審査の一環のため、訪問の結果貸し付けが望ましくないと判断されれば、審査には落ちてしまうため要注意です。

家庭訪問で審査に落ちるケースの例
  • 教育費用が工面できないとは思えないほど派手な暮らしを送っている
  • 面接や訪問時に生活状況を詳しく明かさない部分が見られた

また、審査に当たっては、教育支援資金では、次のような書類の提出が必要になります。

  • 申込書
  • 住民票の写し
  • 申込者の世帯の収入がわかる書類
  • 学校に関する書類(募集要項やほかの奨学金制度の決定状況がわかる書類、学費が未払いであることがわかる書類、合格通知書、在学証明書など)

学校に関する書類は、具体的にどのような目的で教育支援資金を借りるのかによって異なります。

必要に応じて追加書類の提出を求められることもあり、書類が不足していると審査落ちの原因になるため注意しましょう。

不動産担保型生活資金は自治体によって評価額の基準が異なる

不動産担保型生活資金には、次の種類の資金があります。

不動産担保型生活資金の種類
  • 不動産担保型生活資金…低所得の高齢者世帯に、居住用の持ち家を担保に生活費を貸し付けする資金
  • 要保護世帯向け不動産担保型生活資金…要保護の高齢者に、居住用の持ち家を担保に生活費を貸し付けする資金
ポイント

不動産担保型生活資金は、低所得の高齢者が対象となるため、原則として65歳未満の方は利用できないことを覚えておきましょう。

また、市区町村によってはさらに細かく対象者や審査要件が定められている場合があります。

例えば、東京都の場合は、次の点に当てはまることで貸し付けを受けられるのが特徴です。

  • 世帯の構成員が65歳以上
  • 世帯員の収入が住民税非課税または均等割課税程度の低所得世帯
  • 世帯の構成が次のいずれか→①単身②夫婦のみ③①または②と申込者or配偶者の親が同居)
  • 担保に入れる不動産の評価額がおおむね1,500万円以上

しかし、福岡県では不動産担保型資金は担保に入れる不動産の評価額は1,000万円以上となります。

東京都でも貸し付けの月額によっては1,000万円ほどでも貸付対象になる場合がありますが、自治体ごとに異なる対象・条件には注意が必要です。

また、不動産担保型生活資金の貸付対象となる住民税非課税世帯についておさらいしておきましょう。

住民税非課税世帯とは何かおさらい

自治体ごとに定めている一定の額以下の所得の世帯は、原則として住民税は課税されません。

なお住民税非課税世帯といえば生活保護世帯が該当しますが、不動産担保型生活資金は、原則として生活保護世帯は貸付対象外となります。

不動産担保型資金を利用したい生活保護世帯は、代わりに要保護世帯向け不動産担保型生活資金が貸付対象になります。

要保護世帯向け不動産担保型生活資金の貸付対象
  • 生活保護を受給している
  • 申込者及び同居の配偶者が65歳以上
  • 居住用不動産の評価額が500万円以上

※不動産担保型生活資金と同様に、不動産の評価額の規定は自治体によって異なる場合があります。

不動産担保型生活資金・要保護世帯向け不動産担保型生活資金は次のような流れで進むため、審査や相談、確認などの行程はたくさんあるのが特徴です。

不動産担保型生活資金の相談から貸し付けまでの流れ
  1. 相談
  2. 事前審査
  3. 申し込み
  4. 調査・審査
  5. 契約
  6. 登記
  7. 貸付金交付
  8. 土地の再評価

不動産担保型生活資金は所有している不動産を担保に入れて借り入れをするという特性上、審査項目としてチェックすることは多くあります。

審査にあたっては、主に次のような書類や資料が必要です。

  • 住民税非課税証明書
  • 不動産の登記簿謄本
  • 不動産の公図
  • 不動産の固定資産税評価証明書
  • 不動産の測量図
  • 不動産の建物図面

さらに審査や調査の際には、不動産鑑定士による評価が行われます(評価にかかる費用は原則として自己負担)。

自身の収入状況が審査基準を満たす場合でも、不動産の状況によっては借り入れできない結果になることもあるため注意が必要です。

また、審査や不動産の調査はさまざまな観点から行われるため、必要に応じて追加書類・資料の提出を求められることもあります。

生活福祉資金貸付制度とは低所得者・高齢者・障害者が対象の貸付制度

そもそも生活福祉資金貸付制度とはどういう制度なの?

生活福祉資金貸付制度を利用して国からお金を借りる際には、そもそもどのような制度なのか具体的に知りたいと考えている方も多いでしょう。

生活福祉資金貸付制度とは?

低所得者世帯・高齢者世帯・障害者世帯を対象とした、お金の貸し付けを行う公的支援制度の一つです。

実施の主体となるのは各都道府県の社会福祉協議会で、相談窓口や手続き先は、所属する市区町村の社会福祉協議会になります。

貸し付けが可能な資金はさまざまなものがあり、就職、教育、住宅入居、一般の生活費、医療費などにあらゆる支援が受けられるのが特徴です。

生活福祉資金貸付制度には、主に次のようなメリットがあります。

生活福祉資金貸付制度のメリット
  • ほかからお金が借りられない方でも相談できる
  • 無利子または低金利で借りられる
  • 返済の猶予期間(据置期間)がある
  • 必要な分のみ支援を受けられるため借りすぎる心配がない
  • 連帯保証人を用意しなくても借りられる資金が多い
  • 国からお金を借りるため借入先として安心感がある

収入状況や年齢、過去の借り入れなどが原因で、ほかの事業者から借り入れができず困っている方は多いでしょう。

生活福祉資金貸付制度は、そういった状況に困っている世帯を救済するための、セーフティーネットの一つになります。

しかし、次のようなデメリットも存在するため、申請・利用の際には注意が必要です。

生活福祉資金貸付制度のデメリット
  • 審査や手続きに時間がかかる(長いときは数か月レベルで時間がかかる)
  • 貸付対象は低所得者世帯・高齢者世帯・障害者世帯の要件を満たす方のみ
  • 必要な分しか借り入れできない
  • 資金使途は決められている

なお、近年は特例貸付の一つとして、新型コロナウイルスに関連する貸付制度も行われていました(2022年9月で受付終了済み)。

ここからは、生活福祉資金貸付制度の資金別に、具体的な内容や貸付条件を紹介していきます。

生活福祉資金貸付制度における資金の種類一覧
  • 総合支援資金(生活支援費・住宅入居費・一時再生再建費)
  • 福祉資金(福祉費・緊急小口資金)
  • 教育支援資金(教育支援費・就学支援)
  • 不動産担保型生活資金(要保護向け含む)

総合支援資金は生活費の貸付制度

総合支援資金は、低所得者や高齢者、障害者の方が安定した生活が送れて、最終的に自立につながるよう、生活費などの貸し付けを行う資金です。

「総合支援資金」は、失業などによって生活に困窮している人が、生活を立て直し、経済的な自立を図ることができるようにするために、社会福祉協議会とハローワークなどによる支援を受けながら、社会福祉協議会から、生活支援費や住宅入居費、一時生活再建費などの貸付けを受けられる貸付制度です。

政府広報オンライン「失業して生活にお困りの方など、一時的に生活資金などが必要な方を支援するための「生活福祉資金貸付制度」があります。」

総合支援資金には、次のように3種類の資金があります。

生活福祉資金貸付制度における資金の種類一覧
  • 生活支援費
  • 住宅入居費
  • 一時生活再建費

生活支援費は生計維持が安定するまでの生活費貸し付け

ポイント

生活支援費では、生活再建までに最低限必要になる生活費の貸し付けを行います。

生活費が足りなくて困ったときは、基本的には、生活費を稼ぐ仕事を見つけるために就職活動をする流れです。

しかし、就職活動中は仕事がなく収入も途絶えてしまうため、生活支援費で、仕事が決まって収入が安定するまでの生活費を賄います。

資金の種類生活支援費
貸付限度額2人以上:月額20万円以内
単身:月額15万円以内
貸付期間:3か月~12か月(延長3回まで)
据置期間最終貸付日から6か月以内
償還期限据置期間経過後10年以内
利子連帯保証人あり:無利子
連帯保証人なし:年1.5%
連帯保証人原則必要だが、なしでも貸し付けは可能

具体的な借入額については、家計の状況をチェックした上で必要な額を算出し、社会福祉協議会と相談の末に決まります。

なお再就職後には返済が始まるため、支出が増えることを考慮し、相談の際には支出の見直しも行われる流れです。

また、現在負債を抱えている方は、負債の返済に充てる額は貸付対象外となるためご注意ください。

住宅入居費は住宅入居時の初期費用の貸し付け

ポイント

住宅入居費は、住宅に入居するにあたって必要な額を賄うために貸し付けが行われる資金です。

賃貸アパートやマンションに入居するためには、多くの場合「敷金・礼金」「保証金」「仲介手数料」などの初期費用が必要になります。

住居によっては数十万単位の多くの金額が必要になるため、総合支援資金の住宅入居費では、初期費用の工面に困っている方を支援するのが特徴です。

資金の種類住宅入居費
貸付限度額40万円以内
据置期間貸付日から6か月以内
※生活支援費とあわせて利用している場合は、生活支援費の最終貸付日が対象
償還期限据置期間経過後10年以内
利子連帯保証人あり:無利子
連帯保証人なし:年1.5%
連帯保証人原則必要だが、なしでも貸し付けは可能
住宅入居費で貸し付けが可能な費用
  • 敷金・礼金等
  • 入居にあたって当初の支払いを要する賃料、共益費等
  • 仲介手数料
  • 火災保険料
  • 入居保証料
  • その他必要な経費
  • 運送費

貸付対象世帯の方で引越しにあたって必要な費用を工面できない方は、一度自治体へ相談してみましょう。

一時生活再建費は一時的に必要な費用の貸し付け

ポイント

一時生活再建費は、一時的に必要かつ日常生活費で賄うことが難しい費用にあたります。

資金の種類一時生活再建費
貸付限度額60万円以内
据置期間貸付日から6か月以内
※生活支援費とあわせて利用している場合は、生活支援費の最終貸付日が対象
償還期限据置期間経過後10年以内
利子連帯保証人あり:無利子
連帯保証人なし:年1.5%
連帯保証人原則必要だが、なしでも貸し付けは可能

原則として貸付対象の費用には、あらかじめ規定があります。

下記の規定に当てはまらない理由の場合は、貸し付けは受けられません。

貸付対象の費用
  • 住居喪失者が住居確保給付金を利用し入居する際に必要な家具什器購入費
  • 現在住んでいる家の家賃が高いとき、生活再建のために低家賃の家に転居する場合に必要になる転居費
  • 住宅入居費で貸し付けを受ける際に不足する運送費の補填
  • 現在住んでいる家に住み続けるための契約更新料
  • 新しく就業するのに必要な準備費・技能習得費
  • 公共料金などの滞納分の支払い費用

就業のために資格取得が必要だけど、勉強のために必要な受講費・教材費が足りない

生活を立て直すために一人暮らしの家を引き払って実家に戻りたいが、転居のためにかかる費用が工面できない

といった状況で、一時生活再建費の借り入れの相談が可能です。

ただし、一時的に必要な費用で日常生活費から賄うことが難しいものと判断されれば、上記の理由に当てはまらなくても貸し付けを受けられる場合はあります。

困ったときは、まず一度相談を検討してみましょう。

福祉資金は生計維持のために必要な費用の貸付制度

生活福祉資金貸付制度における福祉資金は、生活維持のために必要な福祉費を貸し付けしたり、緊急的に必要な小口資金を貸し付けしたりします。

福祉資金には、次のように2種類の資金があります。

福祉資金一覧
  • 緊急小口資金
  • 福祉費

特に、福祉費のなかにはさまざまな内容の資金があり、資金ごとに使途、貸付条件が異なるのが特徴です。

緊急小口資金は一時的に生活に困窮する方向けの貸し付け

緊急小口資金は、緊急かつ一時的に生活に困窮している世帯に対して、最終的に自立を支援するための貸付制度です。

就職したが、給料日までお金がないため、いったん給料日までお金を借りたい

突然会社から解雇されて収入が途絶えたので、早めに借り入れしたい

といったように緊急性があり、さらに一時的にお金を必要とする世帯に対して、緊急小口資金では貸し付けの支援が行われます。

資金の種類緊急小口資金
貸付限度額10万円以内
据置期間貸付日から2か月以内
償還期限据置期間経過後12か月以内
利子無利子
連帯保証人不要

ほかの資金と比べると、緊急小口資金は限度額が低いのが特徴です。

ポイント

緊急で行う支援という性質上、10万円以上のまとまった金額の借り入れはできないため注意しましょう。

また、小口での貸し付けになるからこそ、据置期間も比較的短い特徴があります。

なお、東京都社会福祉協議会によれば、貸付対象の理由も以下のとおりです。

  • 医療費または介護費を支払ったことなどにより臨時の生活費が必要なとき
  • 火災等の被災によって生活費が必要なとき
  • 年金、保険、公的給付等の支給開始までに必要な生活費
  • 会社からの解雇、休業等による収入減
  • 滞納していた税金、国民健康保険料、年金保険料、公共料金を支払ったことによる支出増
  • 給与などの盗難等によって生活費が必要なとき(貸付限度額5万円)
  • 事故等により損害(物損)を受けた場合による支出増
  • 社会福祉施設等からの退出に伴う賃貸住宅の入居に伴う敷金、礼金等の支払いによる支出増
  • 初回給与支給までの生活費が必要なとき
東京都社会福祉協議会「緊急小口資金のご案内」

これらに該当しない理由での借り入れは、原則として認められないため注意しましょう。

また、「緊急」とはいえ審査・手続きにはしばらくの時間を要するため、貸し付けを受けるまでには最短5営業日かかります。

福祉費は日常の生活福祉のための貸し付けで資金使途が豊富

福祉費では日常的な生活・福祉のために必要な費用を貸し付けする資金になります。

貸付条件や資金使途は、費用によって異なるのが特徴です。

資金の種類上限額償還期間
出産・葬祭に必要な経費50万円3年以内
住居の移転等に必要な経費50万円3年以内
障害者用自動車の購入に必要な経費250万円8年以内
住宅の増改築、補修等に必要な経費250万円7年以内
福祉用具等の購入に必要な経費170万円8年以内
負傷又は疾病の療養に必要な経費170万円5年以内
介護サービス、障害者サービス等を受けるのに必要な経費170万円5年以内
災害を受けたことにより臨時に必要となる経費150万円7年以内
中国残留邦人等にかかる国民年金保険料の追納に必要な経費5136,000円10年以内
就職の支度に必要な経費50万円3年以内
生業を営むために必要な経費低所得者世帯:280万円
所得者世帯:460万円
低所得者世帯:7年以内
障害者世帯:9年以内
技能習得に必要な経費技能習得期間により最大580万円8年以内
その他日常生活上一時的に必要な経費50万円3年以内

※いずれも据置期間は6か月以内、利子は連帯保証人ありなら無利子、なしなら年1.5%

費用の種類が豊富なため、「こういう利用目的でも借り入れは可能だろうか」と困っているときでも相談しやすいのがポイントです。

ただし、次の世帯の方は生活福祉資金貸付制度ではなく、別の制度の利用を優先すべきと案内されるケースが多いです。

  • 母子家庭・父子家庭…母子及び父子福祉資金
  • 配偶者のいない女性世帯…女性福祉資金

福祉費は、利用目的次第でまとまった額を借り入れできる点がメリットといえるでしょう。

教育支援資金は進学・就学費用の貸付制度

教育支援資金は、進学・就学のために必要な費用の貸し付けが受けられる資金です。

資金の種類は、次の2つです。

福祉資金一覧
  • 教育支援費
  • 就学支度費

教育支援資金は据置期間が卒業後6か月まで設けられているため、しっかり準備を整えたうえで返済できるのが利点です。

また、それぞれ進学(在学)先や利用目的などによって借りられる金額は異なるため、それぞれの貸付条件や違いはチェックしておきましょう。

教育支援費は低所得者向けの学校就学費用の貸し付け

教育支援費では低所得者世帯が、学校に就学するのに必要な経費の貸し付けを受けられます。

資金の種類教育支援費
貸付限度額高校:月額35,000円以内
高専:月額60,000円以内
短大:月額60,000円以内
大学:月額65,000円以内
据置期間卒業後6か月以内
償還期限据置期間経過後20年以内
利子無利子
連帯保証人原則不要
※世帯内で連帯借受人が必要

なお、特に費用が必要と判断されれば、それぞれの上限額の1.5倍まで借り入れすることも可能になります。

1.5倍での借り入れが認められるケースは、上限額に則って借り入れすると学費が不足するときのみです。

また、就学にあたって借入申込者が、将来に対してしっかりと計画性や熱意を持っていることも条件になります。

「学費」として扱われる貸付対象の費用
  • 授業料
  • 施設費
  • 実習費
  • 同窓会費
  • 教科書代
  • 制服・体操着代
  • PTA会費
  • 修学旅行費
  • 定期代

子供を大学に行かせてあげたいが、授業料が工面できなくて困っている

といった場合などで相談が可能になります。

ただし、相談した結果、学校や地域によって優先すべき制度があれば、そちらを利用するよう案内されるケースもあるため注意が必要です。

優先制度の例
  • 奨学金
  • 各学校の授業料免除制度
  • 母子及び父子福祉資
  • 授業料軽減助成金
  • 無償化の利用

就学支度費は入学金の貸し付け

就学支援費では、低所得者世が学校入学に際して、必要になる経費をサポートする目的で貸し付けされます。

ポイント

資金使途は入学金の支払いのみと限定されている点が特徴のため、入学時のみ利用可能です。

資金の種類就学支度費
貸付限度額50万円以内
据置期間卒業後6か月以内
償還期限据置期間経過後20年以内
利子無利子
連帯保証人原則不要
※世帯内で連帯借受人が必要

原則として利用は、未払いである場合のみ可能です。

すでに支払い済みの場合は、基本的に貸し付けは受けられるため注意しましょう。

また就学支度費においても、優先利用できる制度があれば、相談の結果そちらを案内される場合があります。

不動産担保型生活資金は「国が行うリバースモーゲージ」

不動産担保型生活資金では、居住している不動産を担保に入れることで、生活資金の貸し付けが受けられます。

「不動産担保型生活資金」は、持ち家と土地があっても現金収入が少ない高齢者が、その居住用不動産を担保に生活費を借り入れることにより、世帯の自立支援を図っていく貸付制度です。高齢者の居住用不動産を担保に月額で貸付を受け、借り受けた高齢者の死亡時または融資期間終了時にその不動産を処分し返済することから「リバースモーゲージ」形式とも言われています。

神奈川県社会福祉協議会「不動産担保型生活資金のご案内」
リバースモーゲージとは?

リバースモーゲージとは自宅を担保に入れたうえで資金を借り入れし、契約者が亡くなった際に自宅を売却することで借入額を返済する形式のことです。

不動産担保型生活資金は国が実施するリバースモーゲージとも言われているのが特徴になります。

不動産担保型生活資金のメリットは自宅を手放さずに必要な生活資金が借りられるため、住み慣れた地域や家に住み続けることができる点です。

また、金利も年3%が長期プライムレートのいずれか低いほうが採用されるため、少ない負担で済むようになっている点も嬉しいところでしょう。

資金の種類不動産担保型生活資金
貸付限度額不動産の評価額の70%程度
月額30万円以内
貸付期間:借受人の死亡時までまたは貸付元利金が貸付限度額に達するまでの期間
据置期間契約の終3か月以内
償還期限据置期間終了時
利子年3%または長期プライムレート
※いずれか低いほうで決定
連帯保証人必要

不動産担保型生活資金を利用する上で注意したいのは、土地評価額の100%が借りられるわけではない点です。

また、借り入れにあたっては不動産の鑑定や登記手続きなどが必要になるため、非常に多くの時間と手間がかかります。

最短でも数か月の時間がかかることは、事前に理解しておきましょう。

なお、不動産担保型生活資金を生活保護世帯の方が利用したいときは、要保護向け不動産担保型生活資金に申し込みます。

資金の種類要保護向け不動産担保型生活資金
貸付限度額不動産の評価額の70%程度
※集合住宅は50%程度
生活扶助額の1.5倍以内
貸付期間:借受人の死亡時までまたは貸付元利金が貸付限度額に達するまでの期間
据置期間契約の終3か月以内
償還期限据置期間終了時
利子年3%または長期プライムレート
※いずれか低いほうで決定
連帯保証人不要
ポイント

通常の不動産担保型生活資金の鑑定料や登記料は自己負担ですが、要保護向け不動産担保型生活資金の場合は、それらの費用負担は免除されます。

生活福祉資金貸付制度の審査に落ちる世帯の特徴は明確

生活福祉資金貸付制度の審査に落ちないためには、そもそも審査になぜ落ちるのか、原因をよく知ることが重要になります。

とはいえ、生活福祉資金貸付制度の審査に落ちる世帯の特徴は、ほぼ明確です。

生活福祉資金貸付制度の審査に落ちる世帯の特徴一覧
  • 離職してから2年が経過している
  • 他の公的融資制度や生活保護との併用
  • 償還期限内に返済できないと判断される収入
  • すでに生活福祉資金貸付制度の連帯保証人になっている

いずれも審査基準や申込時の注意点に記載されていることのため、裏を返せばしっかり確認さえすれば審査には落ちにくくなるということです。

生活福祉資金貸付制度の審査に落ちる世帯の特徴を、それぞれチェックしていきましょう。

離職してから2年が経過している方は難易度が高い

生活福祉資金貸付制度の審査に通るためには、原則として生計維持ができる状態であることを証明する必要があります。

ポイント

生活福祉資金貸付制度は給付ではなく貸し付けのため、生計維持ができない世帯は、貸し付けしても返済されなくなるリスクがあるからです。

そのため、社会福祉協議会は生活福祉資金貸付制度の利用条件に、生計維持ができることを条件に掲げています。

たとえば、大阪府の総合支援資金の貸付対象の一部を見ると、次のようになっているのが特徴です。

1)生計中心者の失業や減収により生計の維持が困難となった低所得者世帯であること。
2)生計中心者が就労(増収)することが可能な状態にあり、求職活動等仕事に就く努力をしていること。
3)生計中心者が就労(増収)することにより世帯の自立が見込めること。
4)生計中心者が離職の日から原則として2年を超えていないこと。
もしくは、同一事業所において6ヶ月以内の減収で、3か月以内に確実な増収の見込みがあること。

大阪府生活福祉資金「総合支援資金貸付制度のごあんない」

特に、注目したいのは離職の日から原則として2年を超えていないことという点です。

2年以上仕事をしていないということは、次のような状況であることが想像できるでしょう。

  • 働こうとしても病気や怪我などの事情で働けない、または働く意思がない
  • 収入が2年以上途絶えているため、経済的に困窮しており、貸し付けによって自立を目指せる状況ではない

上記のような状態では生活福祉資金貸付制度で貸し付けしたところで返済のめどは立ちませんし、自立を促す結果には至らないでしょう。

そのため、離職してから2年経過している方は、そもそも生活福祉資金貸付制度の貸付対象から外れてしまう可能性が高く、審査にも落ちやすいと考えられます。

他の公的融資制度や生活保護とは併用できない

ポイント

生活福祉資金貸付制度は、ほかの公的支援制度や生活保護との併用はできません。

ほかの公的支援制度や生活保護を利用した状態で生活福祉資金貸付制度に申し込むと、審査には落ちてしまいます。

国の財源は無限ではないため、本当に必要な人に支援がいきわたるようにすることが大事です。

併用していない場合でも、別の制度の利用が望ましいと判断されれば、その制度を案内されるケースもあります。

例えば、東京都の教育支援費で高等学校の学費貸し付けを受ける場合は、優先制度として以下の制度を案内されることが考えられるでしょう。

  • 東京都育英資金
  • 入学支度金貸付(私立のみ)
  • 母子及び父子福祉資金
  • 授業料軽減助成金
  • 奨学給付金
  • 給付型奨学金

ただし、資金・制度によっては併用可能なものもあるため、詳細はしっかりと事前に確認しましょう。

また、生活保護世帯は、要保護向け不動産担保型生活資金を除き、原則として生活福祉資金貸付制度の利用はできません。

経済状況やケースワーカーとの相談次第で、特別に貸し付けが認められるケースもありますが、原則不可であることを理解しておきましょう。

償還期限内に返済できないと判断される収入

収入がある方でも、償還期限以内に返済できないと判断される収入であれば、生活福祉資金貸付制度の審査には落ちてしまいます。

生活福祉資金貸付制度では、返済の見込みが立てられることが、申し込みの前提条件です。

償還期限は無期限ではなく、返済額・ペースも決められているため、それを守ることができない状態では生活福祉資金貸付制度での貸し付けは受けられません。

収入はあるが、非常に低収入のため、ギリギリの状態で毎日食いつないでいる…

といった状況の方は、返済という出費が増えれば、さらに状況は悪化する可能性があります。

生活福祉資金貸付制度では、審査や面談の際に、収入証明書を提出したり家計の見直しを行ったりするのが特徴です。

その結果「償還期限内に返済できない収入状況」と判断されれば、審査には通らないためご注意ください。

ポイント

償還期限・据置期間、その他返済額などをあらかじめチェックし、問題なく返済できると自身でも判断したうえで、申し込むようにしましょう。

すでに生活福祉資金貸付制度の連帯保証人になっている

生活福祉資金貸付制度は申込者自身が生活福祉資金貸付制度の連帯保証人になっているときも、残念ながら利用できません。

生活福祉資金貸付制度の貸付対象世帯には、以下のように条件が記載されています。

社会福祉協議会が債権者である貸付制度の連帯保証人及びその世帯員ではないこと

東京都社会福祉協議会「生活福祉資金貸付制度 福祉資金のご案内」

連帯保証人には、万が一本人の返済が滞れば、代わりに返済の請求がいきます。

ポイント

連帯保証人であるということは、すでに債務を抱えている状態に準ずる状態と解釈できるでしょう。

生活福祉資金貸付制度の審査では、社会福祉協議会が本人の情報をチェックするため、すでに連帯保証人であればすぐに知られてしまいます。

すでに生活福祉資金貸付制度の連帯保証人になっている方は、ほかの借入先を検討するなどの対策が必要になるでしょう。

生活福祉資金貸付制度で利用するなら社会福祉協議会で申し込める

生活福祉資金貸付制度の相談をしたり申し込んだりするときは、窓口は各自治体の社会福祉協議会になります。

本貸付制度は、都道府県社会福祉協議会を実施主体として、県内の市区町村社会福祉協議会が窓口となって実施しています。

全国社会福祉協議会「福祉の資金(貸付制度)」
社会福祉協議会(社協)とは?

社会福祉活動推進を目的とする、非営利の民間組織です。

社会福祉協議会は民間組織のくくりではあるものの、社会福祉法に則って運営されており、行政の予算が主な資金源という特徴があります。

そのため事実上公的機関のような扱いになることが多く、生活福祉資金貸付制度も公的支援制度として取り沙汰されるのが特徴です。

生活福祉資金貸付制度について相談する際には、まず、各市区町村に設置されている市区町村社会福祉協議会に問い合わせるかたちになります。

資金の種類によっては自立相談支援機関での手続きが必要

生活福祉資金貸付制度は社会福祉協議会によって運営されていますが、資金の種類によっては、自立相談支援機関での手続きが必要な場合もあります。

総合支援資金、緊急小口資金の借入を希望される場合は、生活困窮者自立支援制度における自立相談支援事業の利用が貸付の要件となります(既に就職が内定している場合等を除く)。最初にお住まいの市区町村社協にご相談いただいた場合は、資金借受希望等をおうかがいさせていただき、自立相談支援機関の利用につながせていただきます。

全国社会福祉協議会「福祉の資金(貸付制度)」
自立相談支援機関とは?

経済的困窮や社会的孤立、家庭内の問題などを抱える方を対象とした自立相談窓口のことです(具体的な機関・窓口の名前は自治体によって異なります)。

自立相談支援機関では、相談内容の分析や自立生活のための支援プラン提案、具体的な就労支援などを行います。

相談の結果、生活福祉資金貸付制度による貸し付けが必要という判断に至れば、続いて市区町村の社会福祉協議会につなぐ流れです。

相談から貸し付けまでの流れ
  1. 自立相談支援機関に相談
  2. 貸し付けが必要と判断されれば市区町村社会福祉協議会と相談・面談
  3. 市区町村社会福祉協議会へに申し込み
  4. 都道府県社会福祉協議会が申し込み書類をチェック・審査
  5. 都道府県社会福祉協議会から貸付決定の通知
  6. 都道府県社会福祉協議会へ借用書を提出
  7. 貸し付けを受ける

参考:全国社会福祉協議会「福祉の資金(貸付制度)」

生活福祉資金貸付制度のなかでも特に総合支援資金や緊急小口資金は、すぐに社会福祉協議会と相談できるわけではないことを理解しておきましょう。

事前に必要書類を用意しておくと手続きが円滑

生活福祉資金貸付制度の申し込みの際には、多くの書類や資料が必要になります。

少しでもスムーズに生活福祉資金貸付制度の審査に通るには、申し込みの際の必要書類を事前に用意することが重要です。

必要書類の例
  • 申込書
  • 住民票の写し
  • 本人確認書類
  • 世帯収入がわかる書類(源泉徴収票・給与明細書・確定申告書など)
  • 借用書
  • ほかからの借入状況や現在の返済状況がわかる書類
  • 借り入れしたい費用の明細書や領収書
  • 連帯保証人の住民票の写し
  • 連帯保証人の本人確認書類
  • 連帯保証人の収入がわかる書類

多くの書類が必要なのは、生活福祉資金貸付制度の貸し付けが望ましい世帯なのか客観的な目線で審査するためです。

収入証明書や連帯保証人関連の書類などは、すぐに手に入れられないものも多いため、早めに準備しておくことをおすすめします。

また生活福祉資金貸付制度の審査では、必要に応じて追加書類の提出を求められることもあるため、その際には迅速に対応することが大切です。

融資までは最短でも2週間程度はかかる

生活福祉資金貸付制度で資金の貸し付けを受けるには、最短でも2週間程度はかかります。

各資金の貸付時期の目安は次の通りです。

資金の種類貸付時期の目安
総合支援資金1か月
福祉資金1か月
緊急小口資金は5日~2週間程度
教育支援資金1か月
不動産担保型生活資金6か月~

生活福祉資金貸付制度は、金融機関や貸金業者のようなスピーディーな審査・貸し付けには対応していません。

したがって「すぐにお金が必要」と急いでいる方は注意が必要です。

そこから審査のなかで追加書類を求められたり確認や問い合わせのやり取りがあったりすると、さらに貸し付けの日は遠のいてしまいます。

ポイント

少しでも貸し付けの時期を早めるためには、書類を事前にそろえる、確認の連絡にはすぐに対応するなどの対策が重要です。

まとめ

生活福祉資金貸付制度は、社会福祉協議会が実施する、低所得者世帯・高齢者世帯・障害者世帯向けの支援制度です。

「生活費が足りない」「学費が用意できない」と困ったときは、貸付条件を確認したうえで、まずは相談してみましょう。

資金の種類は多いため、さまざまな利用目的で貸し付けを受けられる可能性があります。

しかし生活福祉資金貸付制度の利用にあたっては、審査があるのが特徴です。

貸付対象・条件・基準から外れていると審査には落ちてしまうため、審査基準や審査落ちの傾向などは、事前にしっかりとチェックしておきましょう。

生活福祉資金貸付制度の審査についてまとめると
  • 生活福祉資金貸付制度は低所得者世帯・高齢者世帯・障害者世帯を対象とした公的支援制度
  • 低所得者世帯・高齢者世帯・障害者世帯に該当する方でも細かい収入制限が設けられている場合がある
  • 生活福祉資金貸付制度は資金の種類によって審査基準や貸付条件が異なる
  • 生活福祉資金貸付制度の審査に落ちる世帯は審査基準や貸付条件にそぐわない世帯
  • 生活福祉資金貸付制度の相談窓口は市区町村の社会福祉協議会(または自立相談支援機関)
この記事の監修者

宮野茉莉子

1984年生まれ。東京女子大学卒業後、野村證券に入社。ファイナンシャルプランナーとして活躍。2011年よりフリーランスでライターとして活動し、マネー分野の記事を執筆している。
得意分野:金融商品、投資
資格:2級FP技能士証券外務員一種中学高校社会科教員免許