「ディーラーローンの審査は甘いのかな?」
「ディーラーローンの金利ってどのくらいだろう?相場はどのくらい?」
ディーラーローンについて、このような疑問がある方は多いかもしれません。
また、ディーラーローンとマイカーローンとの違いも気になる方もいるでしょう。
本記事を読んで、ディーラーローンの審査と金利について理解し、最適なディーラーローンを選んでください。
また、マイカーローンとの違いを理解することで、ディーラーローンを適切に使用できるでしょう。
目次
ディーラーローンの審査は通りやすい?その内容をまとめてみた
ディーラーローンは審査なしでお金を借りることができません。
審査に通る必要がある以上、ディーラーローンの審査は通りやすいかどうか気になる方も多いでしょう。
そこで、ディーラーローンの審査について解説します。
まずは審査に落ちる要因を挙げてみた
ディーラーローンに落ちる要因を知ることで、あらかじめ対策できるようにしましょう。
審査に落ちる要因がわからない方は、以下の内容を順にチェックしてみてください。
1:過去に金融事故を起こしたことがある
過去に金融事故を起こしたことがある方は信用情報に問題があるため、ディーラーローンの審査に落ちる可能性が非常に高いです。
金融事故とは、支払うべき金銭の長期的な滞納や踏み倒し、自己破産などが挙げられます。
これらの情報は、「CIC」などの信用情報機関に登録されているので、今後の審査に大きく影響してくるのです。
ディーラーローンを提供している自動車販売店と提携する信販会社または保証会社は、信用情報機関を通じてディーラーローン申込者の信用情報を確認しています。
過去に金融事故がある場合には、信販会社または保証会社はディーラーローン申込者の審査通過を認めません。
年収や地位に関係なく、過去に金融事故を起こしている方は、ディーラーローンの審査通過がかなわないと思ったほうがよいでしょう。
2:多くの金融機関からお金を借りている
多くの金融機関のローンやキャッシングでお金を借りている場合、ディーラーローンの審査通過は見込めないでしょう。
ローンやキャッシングを完済できる日が近ければ問題ありませんが、完済に時間がかかる場合も、ディーラーローンの審査に落ちる要因にもなります。
3:収入が不安定
収入が不安定という理由も、ディーラーローンの審査に落ちる要因になり得ます。
収入が常に不安定な方は突然収入がゼロになるケースがあるため、ディーラーローンを提供する自動車販売店と保証会社は不安を感じます。
ローンの支払いを踏み倒されると、保証会社は大損をしてしまいます。
そういったリスクを最小限に抑えるために、収入が不安定な方の審査通過を認めません。
4:年収が低い
年収が低いことも、ディーラーローンの審査に落ちる要因のひとつになります。
仮に収入が安定していても年収が低ければ、月々の支払いを続けることが困難になる可能性があるからです。
ただし、ディーラーローンの審査に通過できる可能性はゼロではなく、車両の購入価格(ローンの額)が低ければ審査に通過できる可能性もあります。
一概に「年収が低い=審査に落ちる」とはいえません。
5:専業主婦(主夫)やアルバイトだと厳しい
専業主婦(主夫)やアルバイトの方は、立場的な理由からディーラーローンの審査に落ちる要因となります。
その理由として、
- 専業主婦は無収入だから
- アルバイトの年収はもともと低い(※業種によっては高年収のアルバイトもある)
- 安定性がない
などが挙げられます。
特に注目するべきポイントは「専業主婦は無収入」という点です。
専業主婦であっても配偶者の収入があれば問題なさそうですが、
- 配偶者の年収がもともと低い場合がある
- 配偶者の年収が高く安定しているが、ディーラーローンを月々支払ってくれる保証がない
などの理由で難しい場合があります。
ディーラーローンの審査基準とは?本当に通りやすいのか?
ディーラーローンの審査基準は公開されていません。
インターネット上などでディーラーローンの審査は通りやすいと言いわれていますが、実際はどうなのか気になるところです。
そこで、予想されるディーラーローンの審査基準を次に挙げて、内容を解説していきます。
年収がそれなりにあること
年収がそれなりにあるかどうかは、ディーラーローンの審査基準のひとつです。
先述のとおり、どれほど年収があればよいかは、購入する車種によって異なります。
断言できませんが、年収に安定性がプラスされると、ディーラーローンの審査基準はクリアしやすくなるでしょう。
勤続年数が長いこと
勤続年数が長いことも、ディーラーローンの審査基準のひとつです。
勤続年数が長ければ収入の安定性が高いと判断され、審査通過のプラス要因になります。
個人事業主がディーラーローンを利用する場合、事業の年数が多いこともプラス要因です。
個人事業主の収入は常に不安定ではありますが、事業の年数が多いことは収入も安定していると判断されます。
金融事故を起こしていないこと
「過去に金融事故を起こしたことがある」で触れたとおり、金融事故を起こしていないことはディーラーローンの審査基準のひとつです。
金融事故を起こした時点で、ディーラーローンの審査基準は満たせないと考えたほうがいいでしょう。
虚偽申告や虚偽記載しないこと
虚偽申告や虚偽記載しないことも、ディーラーローンの審査基準のひとつです。
単純なミスであれば修正すれば問題ありませんが、意図的に虚偽の内容を申告、記載した場合にはそれが発覚した時点で審査の通過が見込めないでしょう。
対応策としては、自動車販売店の窓口で正確な書き方を教えてもらい記載することです。
バレなければいい!
という方もいるかもしれませんが、多くの場合に虚偽申告はバレます。
記載する内容は正しいものにしてください。
ディーラーローンの審査に通りやすくする6つのコツ
ここまでディーラーローンの審査基準について紹介してきました。
ここからは、自身でできるディーラーローンのコツ(対策)について紹介していきます。
できるコツとして以下の6つが挙げられます。
- 担保や保証人をたてる
- 頭金の額を多くする
- 他のローンに申込まない
- 審査結果が出るまで転職しない
- キャッシング枠をなくす
- ブラックは記録抹消まで待つしかない
それでは順に詳しくみていきましょう。
1:担保や保証人をたてる
ディーラーローンでは購入した自動車そのものが担保となるため、実質的には無担保といえるでしょう。
審査について不安に感じる方は、担保を加えることを提案してみてください。
金融事故など、ディーラーローンの審査が落ちる要因がないかぎりは審査に通りやすくなります。
また、保証人を付けるのもひとつの手です。
保証人も審査対象になるため、信用力のある方に保証人になってもらうようにするとよいでしょう。
2:頭金の額を多くする
頭金の額を増やせば、ローン額が減ります。
先述のとおり、ローン額が多くなれば審査も厳しくなる傾向にあるため、頭金の額を増やすことでハードルが下がります。
ただし、頭金を準備できない方もいるでしょう。
そのような方は、車の購入が今すぐ必要か再度よく考えてみてください。
明確な購入理由がないのであれば、少しでも頭金を貯めてください。
それだけでも、審査結果が前向きになるでしょう。
3:他のローンに申込まない
ディーラーローンに申込んだあとは、すぐに他のローンに申込みしないでください。
双方のローン審査に、悪い結果を招くことになるかもしれません。
複数ローンを短い期間に申込むと、「お金に困っている人」のレッテルを貼られる可能性があります。
このような勘違いを審査する側へ与えないためにも、ディーラーローンに申込む際は他のローンへの申込みは徹底して避けてください。
4:審査結果が出るまで転職しない
先述のとおり、勤務年数は審査基準のひとつでもあります。
そのため、転職すると勤務年数がリセットされてしまいます。
少しでも審査通過率を上げたいのであれば、審査が終わるまでは転職を避けてください。
また、申込み時の記載内容が転職前の会社だった場合、在籍確認時に転職していれば在籍確認がとれないために虚偽申告と判断されかねません。
転職にはタイミングがあるため、ローンの申込み時期を調節するとよいでしょう。
5:キャッシング枠をなくす
ディーラーローンの審査が不安であれば、自身が持っているクレジットカードのキャッシング枠の利用を検討しましょう。
キャッシング枠の設定があれば、キャッシングを利用していなくても、ローンを組む額に悪影響を与える可能性があります。
そのため、使っていないキャッシング枠は解約しておくべきです。
また、ほかにもローンの支払いが残っている場合は、審査に悪影響を及ぼすため完済させておくことで車の購入費などの大きなローンも組みやすくなります。
6:ブラックは記録抹消まで待つしかない
ここまで審査通過のためのコツ(対策)を5つ紹介してきました。
信用情報がブラックの方は、5つの対策をおこなっても審査通過は厳しいでしょう。
自身がブラックかどうかは、信用情報機関である「CIC」で確認できます。
利用手数料として1,000円が必要ですが、利用歴がわかるのであれば安いものです。
もし審査に不利な記録があった場合は、その記録が抹消されるまでに5年~10年の期間が必要です。
記録抹消までの間は、信用を地道に積み重ねていくしかありません。
ディーラーローンの金利はどれくらい?
ディーラーローンの金利は高いといわれていますが、実際にはどれほど高いのでしょうか。
ここからは、ディーラーローンの金利の内容について解説していきます。
車種によって金利が異なっていく
ディーラーローンの金利は、3%~10%が相場です。
車種により金利が変動しますが、新車は金利が低く、中古車は金利が高い傾向にあります。
マイカーローンの金利はディーラーローンより低い傾向にありますが、「金利はマイカーローンのほうが低い」という見出しで解説するため、ぜひご覧ください。
自動車メーカーが提供するディーラーローンの金利を簡単比較してみた
自動車メーカーが提供しているディーラーローンの金利は、自動車メーカーによって異なります。
自動車メーカーのディーラーローンを3つ挙げて、簡単に比較してみました。
トヨタの金利
トヨタのディーラーローンの金利は、4.8%~6.8%が相場です。
多くのディーラーローンのなかでも、トヨタのディーラーローンの金利は低く抑えられている傾向があります。
スズキの金利
スズキの金利は、3年プラン(36回払い)で2.9%~3.9%です。
トヨタの金利より低いため、新車、中古車問わず購入のハードルが低い点が特徴です。
ホンダの金利
ホンダの金利は、基本的に一律3.9%です。
変動金利ではなく固定金利であるため、支払いに対する計画を立てやすいといったメリットがあります。
ディーラーローンとマイカーローンとの違いを比較してみた
ディーラーローンと比較すると、銀行が提供しているマイカーローンの金利は安いです。
それなら、マイカーローンの方が良いのでは?
と考えるかもしれませんが、ディーラーローンとマイカーローンにはそれぞれのメリットとデメリットがあります。
そこで、ディーラーローンとマイカーローンとの違いを比較しながら、2つのローンのメリットとデメリットを分析してみます。
審査はマイカーローンのほうが比較的厳しい
審査はマイカーローンは比較的厳しく、ディーラーローンは甘いといわれています。
しかし、実際にはディーラーローンの審査も厳しいです。
審査期間は、ディーラーローンは最短即日、マイカーローンは1週間程度必要です。
そのため、すぐに自動車を購入した方は最短即日で審査が完了するディーラーローンを選びましょう。
金利はマイカーローンのほうが低い
「車種によって金利が異なっていく」という見出しで、ディーラーローンの金利の相場は3%~10%であることを説明しました。
一方、マイカーローンの金利は大体2%~4%と、低い設定です。
また、ディーラーローンは車種によって金利が変動しますが、マイカーローンの金利は一律です。
少しでも返済額を少なくしたい方は金利が低めのマイカーローンを選びましょう。
所有権を持てるのはマイカーローン
マイカーローンは自動車の所有権を持てます。
そのため、車の売却も自由におこなえます。
一方、ディーラーローンは完済するまで、車の所有権を持てません。
自由度に関するメリットも、マイカーローンのほうが上でしょう。
マイカーローンは自動車の購入が決まる前でも審査を受けることが可能
マイカーローンは、自動車の購入前でも仮審査を受けられます。
一方、ディーラーローンは、購入する車種とオプションを決めてからの審査になります。
審査に関する自由度についても、マイカーローンのほうがメリットがあるといえるでしょう。
最短即日で審査が決まるため、すぐに車が欲しい方にはディーラーローンがおすすめです。
書類の提出量が多いのはマイカーローン
マイカーローンの提出書類は多くありますが、具体的にどれくらいの書類が必要になるのかは、マイカーローンを提供している銀行によって異なります。
マイカーローンとディーラーローンに共通する必要書類は以下のものです。
- 年収を証明する書類
- 身分証明書
- 印鑑登録証明書
マイカーローンは上記3つに加え、自動車購入を証明するための見積書または注文書が必要です。
マイカーローンは担保や保証人が必要なし
マイカーローンは、基本的に担保や保証人が不要です。
ディーラーローンも基本的には同様ですが、内容により担保や保証人が必要です。
担保や保証人を加えたくないのであれば、マイカーローンのほうがよいでしょう。
ただし、マイカーローンは担保や保証人を必要としないため、利用するにはある程度の信用が必要です。
審査がより厳しくなることに注意が必要してください。
マイカーローンは繰上返済が何度でも可能
マイカーローンは、手数料不要で繰上返済が何度でも可能です。
ディーラーローンの場合は、自動車メーカーにより繰上返済ができないことがあります。
また、繰上返済ができたとしても、手数料が発生することが多くあります。
効率よく支払いをしたい方にはマイカーローンをおすすめしますが、計画的な支払いをしたい方にはディーラーローンが合っているといえます。
信用情報に不安があるならディーラーローン!対策も必須
ディーラーローンの審査と金利についての紹介と、マイカーローンとの違いを解説しました。
金利はマイカーローンのほうが得ですが、ディーラーローンは審査結果が最短即日である点がメリットです。
書類の提出量もディーラーローンのほうが少ないため、簡潔に素早く自動車を購入したいのであれば、ディーラーローンがおすすめです。
しかし、審査を通過するための対策を怠れば、審査に通る可能性がなくなるかもしれません。
紹介た対策をおこない、欲しい車を着実に手に入れましょう。
宮野茉莉子
1984年生まれ。東京女子大学卒業後、野村證券に入社。ファイナンシャルプランナーとして活躍。2011年よりフリーランスでライターとして活動し、マネー分野の記事を執筆している。
得意分野:金融商品、投資
資格:2級FP技能士、証券外務員一種、中学高校社会科教員免許