日本人には知られていない「イーロン・マスク3つの行動原理」ビットコイン・イーサリアムに影響を与える人物は何に影響されているのか

スティーブ・ジョブズ以来の天才とも名高い、イーロン・マスク。

彼の些細なツイートによって、いくつもの仮想通貨が価格を乱高下させている。

2021年6月4日、彼は「#Bitcoin (割れたハートの絵文字)」という、ビットコインに愛想を尽かしたともとれるツイートをした。すると、ビットコインの価格は日本円にして20万円ほども下落。投資家や事業家の間で様々な混乱を巻き起こした。

今や5700万ほどのTwitterフォロワーを抱え、2021年1月にはテスラ株の高騰によって資産が推定19兆2000億円。

一時はAmazonのジェフ・ベゾスを超えて世界一の大富豪にもなったジェフ・ベゾスは、一体どのような動機で破壊的な行動力を生み出しているのだろうか?

本記事では、イーロン・マスクを突き動かす行動原理について、日本人にはあまり知られていない観点から考察を行った。

このコラムの著者

石垣 吉規
金融庁に税制の提言や、暗号資産のシステム・セキュリティについて協議する一般社団法人、日本暗号資産ビジネス協会の準会員、株式会社カボの代表取締役。仮想通貨に関するコンテンツマーケティングを仮想通貨黎明期から行なっている。

◇イーロン・マスクの歴史

はじめに、イーロン・マスクの歴史を振り返ってみる。

彼の生まれは南アフリカ。実業家の父とモデルの母の間に生まれ、北アメリカの大学に進学するまでは南アフリカで過ごしている。

10歳でコンピューターに魅せられ、12歳のときには早くもソフトウェアの販売を始める。この時点で一般人とは感覚が違うことがお分かりいただけるだろう。

そして、高校で大学入学資格を得た後、地元のプレトリア大学、カナダのクイーンズ大学、アメリカのペンシルベニア大学を渡り歩き、物理学や工学、経済学などを学んでいる。

1995年にスタンフォードの大学院に進学した際には、なんと2日で大学を辞め、弟とともにZip2社を起業。ここからイーロン・マスクの怒涛の創業物語が開幕する。

また、彼が関わった全ての事業を説明するのは長くなるため、主要なものを以下に年表でまとめている。

(イーロン・マスク年表)
・1995年:Zip2創業
・1999年:X.com創業(後のPaypal)
・2002年:スペースX創業
・2004年:テスラに多額を投資
・2006年:ソーラーシティ創業
・2010年:テスラが株式公開
・2013年:ハイパーループ構想
・2015年:非営利団体OpenAI設立
・2020年:テスラの時価総額が自動車業界トップに

◇人類を進化させよ

イーロン・マスクが行う事業の根幹にあるのは、「人類を絶滅から防ぎ、進化させる」という、果てしない希望である。

若き日々から「クリーンエネルギー」や「宇宙」に興味のあった彼は、人生の目的を「人類の救済」に定め、大学で学んだ専門知識、そして巨額の資金を使って、本気で人類の生活を拡張させようとしているのだ。

実際、彼が創業したスペースX社は、人類を火星に連れて行くことを目標とし、2024年に火星へ有人探査機を送る計画を進めている。

日本人から見ると、火星移住はSF映画のような夢見事だと思うかもしれない。しかし、イーロン・マスクは純粋な目でその成功を望んでいる。

◇非合理システムの破壊

人類が快適に生きるためには、面倒くさい手間を省いていくことが重要だ。イーロン・マスクはその点を十分理解している。

今や3億人以上のユーザーを抱えるPayPal社の前身であるX.com社を立ち上げた理由も、オンライン銀行によって日々の面倒な作業が無くなり、人間のQOLが向上することを信じていたからであろう。彼は常に、人類が目に進むためにはどうしたらよいかを考えているのだ。

また、彼が行った事業を振り返ると、ゼロから事業を立ち上げるときは、簡単なテストタイプを出して改善していくというよりは、いきなり全体最適化を図ったようなシステムを作り上げることが多いように思える。

もちろん、その方が難易度は高くなるが、無駄な過程を減らして一気に人間の生活を変えたいという思いが、イーロン・マスクを突き動かす1つの理由なのである。

そして、寝る時間以外はほぼ働くという鬼のハードワークによって、彼は企業価値の高い事業を成し遂げてきた。

◇お金は目的ではなく手段である

イーロン・マスクは、何十回も人生を送れるような事業売却益を、何度も手にしてきた。

しかし、そのお金で楽して生きようなどとは全く考えていない。売却のたびに、財産を全て次の事業に投じ、新事業へと猛進する。

彼にとってお金とは、事業のためのツールでしかなく、稼ぐことよりも人類の進歩の方が念頭にあるのだ。

スペースXの打ち上げ失敗とテスラのロードスター開発によって、財産以上の資金が必要になった際は、友人からも多額の借金をして破産寸前まで追い込まれた。

それでも、未来を照らすため、イーロン・マスクはこう述べた。「私はこれまでもこれからも決してギブアップしない。息をしている限り、あきらめない。」

◇イーロン・マスクは未踏の境地へ

日本人から見ると、イーロン・マスクは民間ロケットを打ち上げ、前澤さんを月に連れて行ってくれるというイメージが強く、彼の原体験や動機などは把握しにくいかもしれない。

しかし、本記事で述べたように、彼には「人類を進化させ、火星移住を可能にする」という、広大な目標がある。

人類の進歩のためには、自分の時間を惜しみなく使う。

私は、今後も圧倒的な行動力で「宇宙」や「インターネット」をさらに開拓し、まだ見たことのない景色をみせてくれるのではないかと期待している。

彼の行動原理に習い、いつか私も彼のような成果を挙げてみたい。と心から思う。