「仕入れ費用が足りなくて困っています……。」
「新規事業を拡大するために、資金を集めなくてはなりません……。」
「急な設備の故障で、まとまった資金が必要になりました……。」
事業を営んでいると、急にまとまった資金が必要になることがあります。
資金繰りに余裕のある会社はすぐに対応できるでしょうが、そのような会社は多くありません。
借入など何らかの方法で資金を集める必要があるでしょう。
そんなときにおすすめの資金調達手段が、事業ローンです。
この記事では、事業ローンとは何かということからメリット・デメリット、他の資金調達手段との違いなどについて解説します。
事業ローンは即日で資金調達できることもあるため、急に資金が必要になった事業者は必見です。
- 事業資金を借入れできるローンのことを、事業ローンと言う
- 事業ローンは別名「ビジネスローン」や「事業者ローン」と呼ばれることもある
- 法人同様、個人事業主も事業ローンを利用できる
- 事業ローンには証書型と極度額型があり、極度額型は限度額内で繰り返し利用できるというメリットがある
- 事業ローンを利用するデメリットは、金利が高くつき、必要な金額を十分に調達できない可能性があること
- 事業ローンの審査に落ちた場合は、ファクタリングの利用を検討すべき
目次
事業ローンとは? 仕組みを解説
「いったい事業ローンとは何でしょうか……?」
「個人事業主でも利用できますか……?」
「どんな仕組みのローンなのか詳しく教えてください。」
法人や個人事業主など、事業を営んでいる人が利用できるローンのことを事業ローンと言います。
名前からもわかる通り事業者向けのローンであるため、事業を営んでいない個人は利用できません。
そんな事業ローンは、別名「事業者ローン」や「ビジネスローン」と呼ばれることもあります。
様々な呼び方があるだけで、対象者や仕組みには変わりありません。
事業ローンを提供する銀行や会社によって、呼び方は様々です。
事業ローンを扱う業者とは?
「色々な呼び方があるのですね……!」
「どんな組織が事業ローンを扱っているのでしょうか?」
結論からお伝えすると、事業ローンを扱う業者は大きく分けると3種類あります。
提供元が異なると、借入難易度や融資スピード、金利などが大きく異なります。
それぞれの事業者が利用しやすいローンを探すためにも、特徴を押さえておくことが重要です。
ここからは、提供元ごとに各事業ローンの特徴を解説するので、参考にしてください。
- 銀行系
- ノンバンク系(消費者金融)
- 信販系
1.銀行系事業ローン
名前からもわかる通り、銀行系事業ローンとは銀行が提供する事業者向けローンのことを言います。
都市銀行だけでなく、地方銀行や信用金庫なども様々なローンを展開しています。
そんな銀行系の特徴は、審査が非常に厳格で融資実行までに時間がかかることです。
特に都市銀行の場合、審査が複雑で時間もかかる傾向にあります。
銀行の中でも審査難易度が異なる点に注意しましょう。
- 都市銀行
- 地方銀行
- 信用金庫
上記の他に、ネット銀行も事業ローンを展開していることがあります。
ネット銀行であれば、すべての手続きがオンラインで完結するため、上記3種類の銀行と比較すると審査難易度が下がる可能性があるでしょう。
2.ノンバンク系(消費者金融)事業ローン
銀行が行う預金業務を提供しない融資に特化した金融機関のことをノンバンク系(消費者金融)と言います。
ノンバンクが提供する事業ローンは、銀行系よりも借入しやすいと言われています。
その理由は、ノンバンクが独自の基準で審査を行っていることが関係しているからです。
銀行の場合、独自に審査を行わない代わりに、保証会社に審査を委託しています。
ノンバンクの場合、独自の審査基準を設けているため銀行よりも審査に通過しやすくなっているのです。
しかし、金利が高めに設定されている点には注意が必要でしょう。
そんな両者は、適応される法律も異なります。
銀行の場合は銀行法に該当し、ノンバンクの場合は貸金業法に該当します。
- 審査の難易度
- 該当るする法律
どちらを利用しようか迷ったら、下記を参考にしてください。
- 金利が多少高くついたとしても、早く資金を集めたい事業者
- 銀行の審査に通らないであろう事業者
3.信販系事業ローン
クレジットカードを発行する会社のことを信販会社と呼びますが、このような会社が提供する事業ローンのことを信販系事業ローンと言います。
名の知れたクレジットカード会社が提供する事業ローンということもあり、利用しやすいでしょう。
そんな信販系事業ローンは、銀行系と同じように基本的に金利が低めに設定されているという特徴があります。
なお事業ローンの利用でポイントが貯まることもあるため、お得に利用できるでしょう。
どのローンを利用するかによっても異なりますが、融資額が高めに設定されている商品もあります。
そのためまとまった事業資金が必要な場合には、利便性の高さを感じられるでしょう。
事業ローンの種類
ここまで紹介してきた事業ローンには、2種類のタイプがあります。
それぞれ契約方法が異なるので、確認しましょう。
1.証書型
ローンと聞いて多くの方が思い浮かべるのが、証書型のローンです。
基本的には毎月一定の金額を返済するため、非常にシンプルでわかりやすいローンだと言えるでしょう。
その一方で、借入を追加したい場合はまた一から申し込まなくてはならないというデメリットもあります。
追加で借り入れる必要がない場合には、最適なタイプです。
2.極度額型
契約時に設定した限度額内であれば、何度でも追加の借入ができるタイプを極度額型と言います。
また極度額型は別名、「カードローン」と言われることもあります。
追加で借入が必要になった時に限度額内で何度でも借入できるのがメリットです。
しかし、借入前にきちんとした返済計画を立てておかないと、返済できなくなるまで借入を繰り返してしまう可能性があります。
事業ローンを提供する業者としても貸し倒れリスクが高くなるため、金利が高めに設定されていることも少なくありません。
なお極度額型はスコアリングシステムによる審査を導入していることがほとんどです。
このシステムを導入するメリットは、素早い審査が可能になるため、スピーディーに融資実行される点にあります。
しかし、基準に満たないと何度申し込んでも審査に落ちてしまうというデメリットもあるため、審査落ちしそうな事業者は注意が必要でしょう。
事業ローンを利用するメリット
「ひとくちに事業ローンと言っても、提供元や種類によっても特徴が異なるのですね。」
「個人事業主も利用できるということで、もっとどんな資金調達手段なのか知りたいです!」
「ぜひ、事業ローンを利用するメリットを教えてください。」
ここからは、事業ローンを利用するメリットを解説していきます。
- 年収3分の1を超える金額を借入できる総量規制の対象外となる
- スコアリングシステムの導入によりスピーディーに借入できる
- 自宅にいながらオンラインで申し込みや契約ができる
- 基本的に担保や保証人を要求されない
1.総量規制の対象
通常、個人が借入する場合、総量規制の対象となるため年収の3分の1を超える金額を借入ができないようになっています。
しかし事業ローンの場合、総量規制の対象外となるため年収の3分の1を超える金額を借入することが可能です。
事業に必要な資金は年収の3分の1を超えることもあるため、まとまった資金を調達したい際には非常に便利でしょう。
2.スピーディーに借入できる
金利の低い銀行や、日本政策金融公庫の融資を受けることを検討中の事業者も多いでしょう。
銀行や日本政策金融公庫の融資は、条件などによっても異なりますが、融資実行までに1ヶ月前後かかることがほとんどです。
そのため急に資金が必要になった場合には、そこまで利便性の高い借入方法だとは言えません。
その点、事業ローンの場合、融資スピードに優れているというメリットがあります。
先ほど事業ローンの種類でスコアリングシステムについて解説しましたが、ほとんどの事業ローンはこのシステムを導入しています。
そのため、審査はもちろん融資実行までスピーディーに進んでいくはずです。
対応の早い事業ローンであれば即日対応してくれるため、急に資金調達が必要になった事業者の味方になってくれるでしょう。
遅くても、2週間以内には融資が実行されるはずです。
3.ネットから申し込んで契約できる
銀行や日本政策金融公庫で融資を受ける場合は、店舗に足を運んで担当者との関係を築いていく必要があります。
しかし事業ローンはネットから申し込み可能で、オンラインでの契約が可能です。
店舗に足を運ばなくてはならない場合、営業時間に合わせる必要があるなど、制限が生じます。
しかし、自宅にいながら24時間申し込み可能な事業ローンであれば、日々の業務に支障をきたさずに契約できるでしょう。
業務が忙しい事業者ほど、事業ローンを利用するメリットは大きいはずです。
4.担保や保証人を要求されないことが多い
基本的に事業ローンは、担保や保証人を要求されません。
担保や保証人を要求されないということは、申込者本人の信用次第で審査に通過できる可能性があります。
しかし銀行の事業ローンは他と比較すると審査が厳しい傾向にあるため、場合によっては担保などを要求されることもあるでしょう。
審査が甘い事業ローンを探している場合は、なるべく担保や保証人不要なローンに申し込まれることをおすすめします。
事業ローンを利用するデメリット
「まとまった事業資金が必要なので、総量規制の対象とならない点は大きなメリットだと感じました。」
「すぐにでも申し込みたいと思います!」
「しかし、やはりデメリットもあるのでしょうか……?」
これまでお伝えしてきたようにメリットが多い事業ローンですが、もちろんデメリットもあります。
申し込み前に必ずデメリットを把握しておくことが重要です。
ここからは、事前に知っておくべきデメリットを解説していくので、目を通してみてください。
- 基本的に金利が高くつくため資金繰りが厳しい場合には不向き
- 銀行の融資を受けにくくなる
- 上限額が低いため借り入れたい金額に届かない可能性がある
- 場合によっては保証を求められることがある
1.金利が高くつく
銀行や日本政策金融公庫の融資は最大金利が2%台になることがほとんどですが、事業ローンの場合、最高金利が18%近くなることがあります。
金利が高くつくというのは、事業ローン最大のデメリットだと言えるでしょう。
そのため資金繰りが悪化している事業者がまとまった資金を借入した場合、資金の調達ができたとしても高い金利に苦しむ可能性があります。
返済に遅れが出ないよう、しっかりとした返済計画を立てておくことが非常に重要です。
2.銀行で融資を受けにくくなる可能性がある
将来的に銀行で融資を受けたい事業者は、事業ローンを利用したことで審査に不利になる可能性があります。
というのも借入先を決算書に記載しなくてはならないため、銀行に事業ローンの利用を知られてしまうのです。
3.十分な金額を借入できない可能性がある
銀行などで融資を受ける場合、限度額が数千万円に設定されているため十分な金額を調達できるはずです。
しかしほとんどの事業ローンは限度額が数百万円に設定されているため、場合によっては十分な金額を調達できない可能性があります。
借入先を検討する前に、どのくらいの金額を調達したいのかきちんと検討することが重要です。
4.保証が必要になることがある
先ほど担保や保証人が基本的に不要なのが事業ローンのメリットだとお伝えしました。
しかし場合によっては、保証が必要になることもあるため注意が必要です。
特に銀行が提供する事業ローンは金利が低めで、他と比較すると良い条件で契約できます。
そのようなローンを契約する場合、信用保証協会の保証が利用条件となる可能性もあるでしょう。
とはいえ、事業者の信用によるところもあるため、一概に保証が必要になるとは言えません。
審査の甘い事業ローンはある?
「デメリットを知った上で利用を検討することが重要なのですね。」
「金利が高くつくのは多くの事業者にとって大きな打撃となりそうです……。」
「とはいえ、早急に資金が必要で困っています。審査の甘い事業ローンはありますか……?」
このように、早く資金を調達しなければならない事業者の中には、審査の甘い事業ローンがないか探している方もいるでしょう。
結論からお伝えすると、申し込んで必ず通るような事業ローンはありません。
ローンである以上、貸し倒れリスクを減らすために審査した上で返済能力が十分でない事業者を省く必要があります。
しかし、柔軟な審査をする業者もいるのはまた事実です。
ここからは、審査が甘い傾向にあると言われている事業ローンの特徴を解説するので、参考にしてください。
審査の甘い事業ローンの特徴
先ほどお伝えしたように、必ず審査に通る事業ローンはありませんが、比較的甘い審査をする事業ローンはあります。
- 小規模な事業ローンの専門業者
- 担保や保証人が不要のローン
- 他よりも金利が高めに設定されているローン
詳しく特徴を解説するので、審査に通過できそうな事業ローンに申し込みたい事業者は必見です。
1.規模の小さい専門業者
事業ローンに限った話ではありませんが、大手の方が厳しい審査基準を設けている傾向があります。
スコアリングシステムを導入している分、諸事情を加味してもらうことは難しく、ある一定の基準に満たない場合、審査落ちしてしまうでしょう。
しかし規模の小さい事業ローンの専門業者の場合、借入してもらわなくては利益を出せません。
また規模の小さい業者の場合、スコアリングシステムを導入せず、実際に人の目で確かめながら審査している可能性があります。
そのため事業者の印象次第では、柔軟に審査してくれるかもしれません。
銀行融資の審査難易度に関しても、都市銀行、地方銀行、信用金庫と、規模が小さくなるごとに審査難易度が下がっていきます。
審査通過に疑問が残る場合、小規模の事業ローン専門業者を探してみましょう。
なお、ここで事業ローンの専門業者をおすすめする理由は、事業ローンの借入に関して豊富な知識を持っている分、柔軟に審査している可能性があるからです。
長年の経験から、あらかじめ貸し倒れリスクを防ぐ知識を持っている業者も多いでしょう。
また専門業者は、事業ローンを借入してもらうことでしか利益を追求できません。
そのため他社で審査落ちする可能性の高い事業者は、最初から規模の小さい専門業者に申し込むのがおすすめなのです。
2.担保や保証人が不要のローン
保証を必要とする事業ローンよりも、担保や保証人が不要なことを売りにしている事業ローンの方が審査が甘い傾向にあります。
というのも、担保などを求めない時点である程度は柔軟な審査をしていることが予測できます。
また担保などが不要な分、事業者の信用が全てということです。
言い換えると、返済能力さえ証明できれば審査に通過できる可能性が高いということになります。
3.金利が高いローン
事業ローンを利用する上で、金利の高さがネックだと感じる事業者は多いでしょう。
しかし、審査の甘さという観点から見ると、金利が高いローンに注目すべきです。
というのも金利を高めに設定することで、貸し倒れリスクのある事業者に融資しても損が出ないようにバランスをとっている可能性があるからです。
先ほど同じ事業ローンでも銀行系の方が金利が低く、ノンバンク系の方が金利が高いとお伝えしました。
審査の厳しい銀行系は返済能力が十分な事業者にしか融資を実行しません。
しかし、高めの金利を設定しているノンバンク系は銀行系と比較すると、ある程度リスクのある事業者にも多く融資を実行していると言われています。
- 銀行系:最大15%程度
- ノンバンク系:最大18%程度
上記が、一般的な金利の目安になります。
高ければ高いというわけではなく、上限金利を超えている数値を設定している業者には気をつけましょう。
審査が甘いと宣伝する闇金に注意
審査の甘い事業ローンを探す上で、絶対に気をつけなければいけないことがあります。
それは、闇金という貸金業への登録なしに違法な金利を突きつける闇金の存在です。
最初は事業資金を借入れできたと安堵していても、後々頭を悩ますような事態に発展しまうでしょう。
どんなに急いで資金が必要でも、契約前に安全な業者かきちんと見極めることが重要です。
安全な業者か見極めるためにも、「登録貸金業者検索サービス」という金融庁の検索サービスを利用しましょう。
上記のサービスで契約したい業者の名前を入力し、検索結果がヒットすればその業者は貸金業として営業している安全な業者ということになります。
事業ローンとカードローン、キャッシングの違いとは?
「安全な業者の見分け方がわかり安堵しました……。」
「これで安心して申し込み先を選べそうです。」
「そこで、カードローンとの違いについても知っておきたいです。」
事業ローンとよく比較されるローンに、カードローンやクレジットカードのキャッシングがあります。
どの方法も店舗に足を運んだり、担当者と面談したりする必要がないため手軽さで人気のあるローンです。
しかし、3つのローンについて違いがよくわからないという方も多いでしょう。
そこでここからは、3つの違いや対象者、特徴などを詳しく解説していきます。
どんなローンがあるのか知りたい事業者はもちろん、自社にあった資金調達手段を検討中の事業者も参考にしてください。
カードローンとは? 対象者などを解説
銀行や消費者金融などが個人向けに提供するキャッシングサービスのことをカードローンと言います。
限度額の範囲内であればコンビニのATMなどから何度でも借入可能です。
なお借入したお金の資金使途は問われません。
しかし場合によっては、事業用に使用できないことがあるため、あらかじめ確認しておくことが重要です。
事業用に使用不可な場合、カードローンで借り入れたお金を生活費に回し、手元のお金を事業用に回すという選択肢もあります。
カードローンのメリットとデメリット
カードローンのメリットとデメリットを挙げると、以下のようになります。
メリット
- 借入までがスピーディー
- 限度額内であれば繰り返し利用できる
- 基本的に担保や保証人は不要
- 一般的に資金使途は問われない
デメリット
- 総量規制の対象
- 十分な金額を借入できない可能性がある
- 金利が高い
- 銀行融資の審査に悪影響を与える恐れがある
事業ローン同様、最短即日で融資を受けられるというメリットがあります。
なお資金使途を問われない商品が多いため、申込者が自由に資金使途を決められるのも大きなメリットです。
しかし、個人向けのローンであることから総量規制の対象となる点には注意が必要でしょう。
年収の3分の1を超える金額は借入できません。
そのため事業者がカードローンを利用する場合、借り入れたお金を事業用に回すのではなく、生活費の足しにする方が多いようです。
なお事業ローン同様、銀行融資の審査に悪影響を与える恐れがある点には気をつけましょう。
カードローンと事業ローンの違い
カードローンと事業ローンの違いをまとめると、以下のようになります。
- 総量規制の対象となるか否か
- 審査の難易度
- 資金使途
年収の3分の1を超える金額が必要な場合やは事業ローンを利用した方が良いでしょう。
また審査の難易度に関しては、個人向け融資であるカードローンの方が優しくなります。
クレジットカードのキャッシングとは?対象者などを解説
日頃からクレジットカードを使われている場合、事業ローンやカードローンよりもクレジットカードに付帯するキャッシング機能の方が身近に感じられるかもしれません。
クレジットカードのキャッシング枠を利用して、コンビニATMなどで借入することが可能です。
個人向けの融資であるため、限度額は低めの設定されているという特徴があります。
クレジットカードキャッシングのメリットとデメリット
クレジットカードのキャッシングのメリットとデメリットを挙げると、以下のようになります。
メリット
- 借入までがスピーディー
- 限度額内であれば繰り返し利用できる
- 基本的に担保や保証人は不要
デメリット
- 総量規制の対象
- 十分な金額を借入できない可能性がある
- 金利が高い
- 銀行融資の審査に悪影響を与える恐れがある
- 事業資金として使えないことがある
メリットに関してもデメリットに関しても、カードローンとほとんど同じことが言えます。
しかし事業資金として使えないことがあるため、事業者向けのローンとは言えないでしょう。
クレジットカードのキャッシングと事業ローンの違い
クレジットカードのキャッシングと事業ローンの大きな違いは、個人向けかそれとも事業向けかという点にあります。
事業者が資金調達したい場合は、事業ローンを利用した方が借入限度額が大きいため、利便性が高いでしょう。
あくまでもクレジットカードのキャッシングとは個人向けで、ちょっとした借入に適しているのです。
事業ローン以外の資金調達手段
「カードローンやクレジットカードのキャッシングの仕組みについてよくわかりました。」
「他にも事業資金を調達する手段はありますか……?」
「最適な資金調達手段を検討中なので、ありとあらゆる選択肢を検討したいです……。」
こんな風に、全ての資金調達手段を知った上で契約先を検討したい事業者も多いでしょう。
そこでここからは、事業ローン以外の資金調達手段を全て紹介していきます。
ぜひどんな手段があるのか比較する上で参考にしてください。
- クラウドファンディングで資金を集める
- 家族や知人など近しい人から借り入れる
- 売掛金を売却するファクタリングを利用する
1.クラウドファンディングで資金提供を募る
事業やサービスなどに賛同した人から資金を集める手段のことを、クラウドファンディングと言います。
最近メジャーになっている資金調達手段で、法人、個人問わず挑戦する人が増加中です。
新規事業の開拓時など、プロジェクトが成功するかわからない時点でクラウドファンディングを利用すれば、借金を背負わずに資金調達できるというメリットがあります。
クラウドファンディングに成功すれば、世の中に需要があるということが明確になるため、マーケティングという意味でも役立つ手段です。
そんなクラウドファンディングには3種類のタイプがあります。
- 寄付型
- 購入型
- 金融型
一つ目の寄付型とは金銭やサービスなどのリターンがないクラウドファンディングです。
まだまだ寄付型のプロジェクトは少ないものの、人々の心を掴んだり共感を集めたりできれば、資金を集められるかもしれません。
二つ目の購入型とは、プロジェクトの目標額と締め切りを設定した上で支援者を募るタイプのクラウドファンディングです。
寄付型とは異なり、支援者には商品やサービスなど何かしらの特典を用意する必要があります。
現在国内で行われているほとんどのプロジェクトは、購入型に該当します。
三つ目の金融型とは、支援者に金銭でリターンするタイプのクラウドファンディングです。
2.家族や知人から借り入れる
家族や知人から借り入れるのも一つの手段です。
この場合、身内だからと借入れ条件を取り決めないでいると、後々トラブルに発展してしまう可能性があります。
きちんといつまでに返済するのかということを取り決めることで、関係の悪化を防ぐことができるはずです。
3.ファクタリングで資金調達する
法人と取引があり、入金待ちの売掛金がある場合はファクタリングを利用するという手段もあります。
売掛け債権を売却することで、入金日を待たずに現金を手に入れられる資金調達手段のことをファクタリングと呼びます。
これまでこの記事で紹介してきた資金調達手段はどれも、借入です。
しかしこの手段は、売却なので借入ではありません。
よって金利が発生しない代わりに、利用手数料がかかります。
- 申し込んで審査を受ける
- 審査通過の連絡を受ける
- 契約に移る
- 契約終了後、手数料を差し引いた売掛金が支払われる
- 取引先から入金があったらそのままファクタリング会社に送金する
大まかな契約手順は上記の通りです。
取引先から入金があったら、その金額をそのままファクタリング会社に相談するだけなので、返済計画を立てる必要もありません。
オンラインで契約できる会社も増えてきているため、申し込みや契約で事業に支障が出ることもないでしょう。
借金にならないという意味でも手軽な資金調達手段を探している事業者には、利用をおすすめできます。
事業ローンに関してよくある質問に回答
最後に、事業ローンに関してよくある質問に回答します。
どんな場合に利用すべき手段なのか、その反対に利用しない方が良い場合についてもおわかりいただけるでしょう。
すぐに資金を調達したい場合です。
スピーディーな対応をする業者に申し込めば、即日で融資を受けられることもあるでしょう。
また、銀行融資の審査に通る見込みがないものの、資金調達が必要な事業者にも事業ローンの利用をおすすめします。
事業ローンを利用しない方が良い場合とは?
借入を増やしたくない場合や、まとまった資金を調達したい場合です。
このような場合、事業ローンを利用しても満足いく資金調達とならないでしょう。
何度かお伝えしたように事業ローンは借入となります。
そのため金利が発生し、返済期間が長引けば長引くほど資金繰りの悪化に繋がる恐れがあるのです。
また、借入可能額が銀行融資と比較すると少額に設定されています。
そのため数千万円などまとまった資金を調達しなくてはならない場合には、あまりおすすめできません。
事業ローンの審査に通るためにできる対策とは?
返済能力があることを証明したり、借入希望額を減らしたりすることをおすすめします。
「審査の甘い事業ローンの特徴」でもお伝えしたように、小規模な専門業者に申し込むこともポイントです。
その上で、返済能力があることを証明するために今後の事業計画を説明したり、赤字がある場合はその理由を明確にしたりすることが重要になるでしょう。
なお借入希望額を減らすことで、審査に通りやすくすることも可能です。
事業ローン業者からしても、いきなりまとまった金額を融資することはリスクを伴います。
まずは少額を借入した上で返済実績を積むことで、まとまった金額を借入しやすくなるでしょう。
事業ローンを利用できない事業者が資金調達する方法はある?
入金待ちの売掛金がある場合、ファクタリングを利用すると良いでしょう。
先ほどお伝えしたように、借入にならない資金調達手段です。
売掛け債権があれば利用できるため、近年中小企業や個人事業主の間で注目を集めています。
この手段の良いところは、取引先の信用次第では自社の経営状況が悪化していても利用できる点にあります。
特に下記の状態に当てはまる場合、事業ローンではなくファクタリングを利用した方が良いでしょう。
- 赤字決算
- 税金の滞納
- リスケ中
- 債務超過
このような状態に当てはまる場合、銀行融資を受けられる可能性はゼロと言えるでしょう。
審査が甘いと言われる事業ローンの場合も、審査落ちするリスクが高まります。
しかしファクタリングの場合、審査基準が取引先の信用力となるため自社の経営状況が悪化していても審査に通ることが珍しくありません。
審査落ちの不安がある事業者は、ファクタリングに申し込まれることをおすすめします。
まとめ
この記事では事業ローンについて解説してきましたが、いかがでしたか?
きっと仕組みや種類、提供元の違いによる審査難易度などについておわかりいただけたでしょう。
審査の甘い事業ローンを探しているのであれば、小規模の専門業者に申し込むのがおすすめです。
また審査に通過する確率を上げるためにも、借入希望額を減らすなどの対策をとりましょう。
事業ローンに申し込んだものの審査に通らなかった事業者は、クラウドファンディングや知人などからの借入、ファクタリングを検討されることをおすすめします。
急遽、事業資金が必要な場合はクラウドファンディングや知人からの借入に対応できません。
入金待ちの売掛金を現金化するファクタリングの利用が最適でしょう。
この記事が、事業資金に興味のある事業者の参考になれば幸いです。