近年、投資に興味を持つ人が徐々に増えてきています。
株式投資や不動産投資など、さまざまな投資がありますが、中でも有名なのがFXです。
FXには、さまざまな取引方法があり、魅力的と言えます。
特に、ナンピンはFXの中でも代表的な取引方法でしょう。
ナンピンと聞いてピンとこなかった方は、上記のように思う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ナンピンの仕組みやメリット・デメリットなどを中心に解説します。
- 含み損になっているポジションを、さらに買ったり売ったりする行為
- リスクもリターンも大きい手法
FXのナンピントレードとは?
これからFXを始める人は特に「ナンピン」と聞いてもピンとこないのではないでしょうか。
先述したとおり、簡単にいうと含み損になっているポジションを、さらに買ったり売ったりする行為のことです。
ここでは、具体例を踏まえてナンピンについて詳しく解説します。
FXのナンピンは買い増しを行うこと
ナンピンは、損切りをせずに買い増しを行う手法です。
目的としては、含み損が出た時に損失を平均値にすることで、より利益を得やすくすることです。
この手法を反復しておこなうことで、購入時のレート平均値を下げることが可能となります。
例えば、ドル円を120円で買った時、その後レートが110円まで下がった際に、同じ数量を買い増しをおこないます。
そうすることで、平均購入価格が115円に下がるので、120円まで待たずに115円より価格が上昇すれば利益が出る仕組みです。
ただし、相場が下がってしまうと損失が大きくなることもありますので、その点注意が必要になります。
- 含み損が出た時に買い増しをおこなうことで、平均購入価格を下げる
FXのナンピンの具体例
最初に保有したポジションに対して、予想相場が反対方向に動いた場合に、さらにポジション数を増やすことで平均コストを下げられます。
具体的に例をあげるとすると、1ドル110円の相場で買いポジションを保有します。
しかし、予想していた相場の動きと反対に相場が動いてしまったため、1ドル100円になった時にさらに買いポジション保有します。
つまり、2つのロットポジションを1ドル105円で保有したことになるのです。
どういうことかというと、相場が105円まで上がれば損失はなくなり、そのまま上がりつづけて105円を上回ると利益になります。
ただし、これは利益が出た場合の例です。
相場の動きに「絶対」なんてことはあり得ませんから、もちろん99、98円…とそのまま下がり続けることもあり得ます。
下がり続けるとそのぶん、損失が膨らむので、場合によっては強制ロスカットされるほどまで行くこともあるのです。
平均購入価格を下げられるのは一見メリットに見えますが、裏にはデメリットもあることを頭に入れておきましょう。
FXのナンピンのメリット
ナンピンの基礎が把握できたら、メリット・デメリットについて知る必要があります。
知っておくことで双方をよく考えて取り組むことができるでしょう。
ナンピン手法のメリットは、主に下記の3つとなります。
- 購入レートの平均値を下げることができる
- より大きな利益を狙うことができる
- 含み損を緩和することができる
購入レートの平均値を下げることができる
先述したとおり、ナンピン手法を利用することで、平均購入レートを下げることができます。
最初に購入した時よりも安い価格で買い増しするということなので、相場が上がった時、利益は最初よりも金額が大きくなります。
すなわち、平均購入レートを下げることで、利益が出る水準を下げられるのです。
利益が出る水準を下げることができれば、相場が上昇すれば利益が出やすくなります。
上記内容を踏まえると、最初に保有したポジションの時よりも、利益幅が広がるということです。
利益幅が広がることで、大きな利益を期待できるでしょう。
- ナンピン手法は、平均購入レートを下げて利益が出る水準を下げる
- 利益幅を広げて大きな利益を期待させる
より大きな利益を狙うことができる
含み損を解消するためのナンピンですが、含み損が解消された後もポジションを持ち続ければ、利益を大きくできます。
例えば、1ドル110円とき100ドル購入し、1ドル100円にレートが落ちた時に、同じく100ドルを購入したとします。
(110+100)÷2=105円
平均購入レートは105円となります。
1ドル100円から120円まで上がった場合、利益を大きく伸ばすことが可能です。
先述したとおり、利益幅が広がる状態になるということです。
このことから、ナンピンをうまく利用することで、大きな利益を得られる場合があるのです。
- 平均購入レートを下げることで、 大きな利益を狙える
含み損を緩和することができる
ナンピンを行うことで、平均購入価格を有利な方向へ転換させることができます。
例えば、1ドル=110円のときに、100ドル購入し、1ドル=100円に下がったときに、同じく100ドル購入するとします。
平均購入価格は110+100÷2=105ドル
1ドルが100円から105円まで回復すればプラスマイナスゼロにできるのです。
従来は、100ドルのときにもったポジションの含み損は、100ドルまで価格が上がらない限りは解消できません。
しかし、100円で値動きが反発することが予測できた場合、100円のときにポジションを買い増すことで含み損の解消タイミングを早めることができます。
含み損の解消タイミングが早めることができれば、早く次のトレードを行えるということです。
つまり、目の前に大きなトレードチャンスがあっても、資金が含み損解消まで使えなければトレードはできません。
含み損の解消が早まることで、トレードチャンスを逃さないようにできるので、ナンピンの魅力的な部分と言えるでしょう。
- 含み損の解消タイミングが早ければ、トレードチャンスを掴むチャンスができる
FXのナンピンのデメリット
メリットもあればデメリットもあるのが物事です。
ナンピン手法のデメリットは、主に下記の3つとなります。
- 資金管理が難しい
- メンタルがぶれやすい
- 強制ロスカットの恐れ
資金管理が難しい
ナンピントレードで利益を得るためには、相場の上昇下降が大きく関係されます。
買いポジションを保有した際には、相場が下降しているときにポジション数を増やして上昇するのを待ちます。
相場が上昇して平均購入価格を上回った段階で決済することで、利益を得られるのです。
逆に、相場が下降し続ければ損失が膨らみますが、下降している段階はポジション数を増やさなければ利益も狙えないのが正直なところです。
また、年単位で相場が下がり続ける長期トレンドに入るケースもあります。
損切りをしないで利益を得られる手法なだけに、資金管理が難しいのです。
含み損が発生するたびに、平均購入価格を下げる目的でポジション数を増やすので、なかなか損切りができないです。
ポジション数を増やす行為は、含み損を増やすことになり、リスクも大きくなります。
- ポジション数を増やす行為は、その分リスクも大きくするということになる
メンタルがぶれやすい
ナンピンは、精神的に負担がかかりやすいとよく言われています。
例えば、最初はナンピンを考えてないポジションを保有したとしても、大きな利益に期待したり損切りをしたくないなどの気持ちからナンピンに走る傾向があります。
投資をやっている以上、「損失は避けたい」という思いがあり、相場が下落してしまうと焦ってしまうのです。
相場が下降することで「取り返したい」という心理がはたらき、ポジション数を増やします。
また、買いポジションを保有すると相場が下落した際に、平均購入価格を下げて利益を狙うため、ナンピンをしたくなるのです。
相場が上がれば良いのですが、下落が続くとそのぶん損失も膨らむため、精神的に追い込まれる感覚になってしまうでしょう。
そうなってしまうと、感情任せにトレードをおこなってしますため、結果的に、膨大な損失を抱えてしまうことになるのです。
すなわち、メンタルが左右されやすいと言えるでしょう。
- 「損失をしたくない 」という気持ちが膨大な損失を生むきっかけとなってしまう
強制ロスカットの恐れ
相場が不利な方向に動いた際、損切りをしたくないという心理がはたらく人が多いです。
損切りをしたくないという気持ちが強すぎると、損切りが遅れてしまうことになりかねません。
損切りが遅れるとかなり早いスピードで損失が膨らむので、強制ロスカットされることになります。
- 利益を期待してポジション保有
- 利益を期待してポジション保有
- 取り返すという心理がはたらき、ナンピンをおこなう
- 下落し続けてさらにナンピン
- 強制ロスカット
強制ロスカットされるまでの流れは、大抵は上記のような流れになるでしょう。
また、強制ロスカットまで行くということは、膨大な損失を出したことになります。
今後の投資に大きく影響してくるとも言えます。
- 損切りをしないと損失のペースが早まり、強制ロスカットされる可能性がある
FXのナンピンの注意点
メリットとデメリットを踏まえた上で、注意するべきことがあります。
ナンピン手法をおこなう上で注意すべき点は、主に下記の3点です。
- 初心者には向かない
- より大きな損失を生む可能性
- 損切りを徹底する
初心者には向かない
これまで、ナンピンについて解説してきましたが、正直にいうと、ナンピン手法は初心者には向かない手法です。
その理由は、どのタイミングでナンピンするべきか見極めるのが難しいからです。
そもそも、FX初心者はFXについての知識が少ない傾向にあります。
知識が薄いままナンピン手法を用いることで、正しい分析ができずに感覚に頼ってしまいがちです。
感覚に頼ってトレードをおこなうのは、しっかりとした根拠がないので、ナンピンで勝ち続けることが難しいでしょう。
また、初心者は「負けたくない」「儲かりたい」などに気持ちが先走ってしまいがちです。
つまり、メンタル的にも左右されやすいと言えます。
その結果、損切りができなくて損失を膨らませてしまうことになるので、初心者のうちからはおすすめできないです。
まずはしっかりとFXの基礎から学んでいき、着実に経験値をあげることが必要でしょう。
- 知識と経験が浅い初心者には、ナンピン手法は向いていない
より大きな損失を生む可能性
相場が不利な状況になると、損失を恐れて焦ってしまい、ポジションを増やす人が多い傾向があります。
ポジションを必要以上に増やしてしまうと、損失を膨らませてしまう原因の1つになります。
相場が有利な方向になるとうまく予測して、その通りになれば利益が見込めますが、不利な方向にまっしぐらな状況だと損失が大きくなる一方です。
損失が大きくなると投資に回す資金も底をついてしまう可能性が出てきます。
そのような状態になると、せっかく期待を持って始めたFXが楽しくなくなります。
大きな損失を避けるためにもしっかりと相場分析を怠らないようにするべきでしょう。
- ポジションを必要以上に増やし続けると、大きな損失を生む
損切りを徹底する
ナンピンは、大きな利益も期待できますが、その一方で失敗すれば大きな損失となります。
大きな損失を防ぐためにも、あらかじめ損切りルールを決めておきましょう。
損切りというと、負けを認めた的な感じに聞こえるかもしれません。
しかし、大きな損失から守ってくれる役割でもあります。
大きな損失を防ぐことで、精神的な負担も軽減でき、感情任せのトレードになりにくいです。
どんなにFXのプロトレーダーでも100%勝ち続けることなんてありません。
そういった人たちも損失は必ず出しますが、しっかりと損切りもできる分、FXで成功しているとも言えます。
自分の身を守るという意味で、自分の損切りルールは決めておくべきでしょう。
- 損切りは自分の身を守るという役割もあるため、損切りルールを徹底する
初心者におすすめなFX会社3選
ここでは、FX初心者におすすめの会社を3つ紹介します。
口座選びで迷っている方や、FXを始めてみたい方はぜひ参考にしてください。
1位:GMOクリック証券
- 大手GMOグループ運営で、安心して使える
- 大量注文してもスプレッドが原則固定
- 高水準のスワップポイントが狙える
- PC・スマホともに取引ツールが高機能
- 初心者からプロトレーダーまで幅広い人に人気
GMOクリック証券は、2020年のFX取引高が世界1位(※1)と、圧倒的な人気を誇るFX会社です。
初心者からプロトレーダーまで幅広く利用されており、スワップポイントやスプレッドなども他社と比較して優秀です。
そして、GMOクリック証券で口座を開設すると、FXだけでなく、株式やCFD、債券なども取引ができるようになります。
投資やFXを始めるなら、GMOクリック証券1つを選んでおけば間違いないでしょう。
また、「いきなり何万円も取引するのは怖い」という方のために、デモ口座も用意されています。
(*1)ファイナンス・マグネイト社調べ2020年1月~2021年12月
さらに取引数量に応じて最大30万円キャッシュバック!
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2位:LINE FX
- LINEアプリから取引できる
- 重要情報がLINEで通知される
- 1000通貨単位から取引できる
- 業界最低水準のスプレッド
- 高水準のスワップポイント
LINE FXは、LINEアプリから簡単に取引できることが大きな特徴です。
そのため、「FXをPCでやるのは難しそうだし、スマホで気軽に始めたい」という方に向いています。
最低取引単位に関しても、1000通貨という少額から始めることができるので、まさに若い世代や初心者にピッタリのFX会社でしょう。
また、FXの重要情報をLINEアプリで通知してくれるため、情報収集にも困りません。
3位:外為どっとコム
- 業界最高クラスのスワップポイント
- 高機能のPC&スマホツール
- FXオンラインセミナーを開催
- 初心者向けコンテンツが充実
外為どっとコムは、1000通貨単位での取引が可能なFX会社です。
そのため、初心者でも1万円ほどあればFX取引を始めることができます。
FXコンテンツも充実しており、セミナーや読み物など、情報収集にも困りません。
また、スワップポイントも高いと評判なので、スワップ投資で利益を狙いたい方にもおすすめできます。
FXのナンピンに関するFAQ
ナンピンについて他にも知りたいと思う方は多くいるでしょう。
実際に、ナンピンに対して多かった質問内容に対して具体的に解説します。
FXのナンピン最強って本当?
FXトレーダーさんの中には、実際に「ナンピンは最強」と思っている方が多いです。
また、初心者の方でも「最強なの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
結論から言うと、決して最強ではありません。
一見、平均購入価格を下げることで、利益を得られやすいと感じますがその分、ポジションを増やさなければいけないのです。
そうなった際に、相場が有利な方向に行けば利益を期待できますが、不利な方向にいってしまうケースも多くあります。
相場が不利な方向にいくと、それだけ損失額も大きくなるのです。
すなわち、FXのナンピンはリスクが高いので特に最強とも言えないでしょう。
- ナンピンはよく最強と言われているが、実際にはそんなことはない
FXのナンピン手法を教えて欲しい
ナンピンと言っても、手法に種類が存在します。
主に以下の3つが代表的な手法です。
- 無限ナンピン
- ナンピンマーチンゲール
- 逆張りナンピン
無限ナンピンは、相場が下がり続けている間に買い続ける手法のことです。
例えば1ドル=100円から1ドル=99円になったら買い、さらに98円になったら買い増しをおこないます。
つまり、下降トレンドが続く限り買い増しを続け、反転してある程度の値幅で利確します。
特徴としては、相場をあまり調べて予測しなくても問題ないという点です。
相場予測がめんどくさいと感じる人や初心者などには向いているとも言われています。
ナンピンマーチンゲールは、簡単にいうと、ナンピンとマーチンゲールを合わせた手法のことです。
マーチンゲールとは、負けたら倍額を買い続けるという手法です。
これをトレードで考えると、ナンピンする際に、倍のポジションを買い続けるという意味になります。
例えば、「買い」でエントリーしたとします。
相場が上昇せずに下降してしまった時に、追加でポジションを買う際に、エントリーの数を最初の数よりも倍にして保有するということです。
そうすることで、通常ナンピンよりも平均購入価格が下げられるので、少ない相場の戻りで利益を得られることができます。
逆張りナンピンとは、過去の安値をもとにして、価格が変更するポイントを狙います。
さらに、トレンドと逆方向のポジションを持って大きい利益を狙うので、大きく稼ぎたいという方には向いている手法です。
例えば、相場が下落していたとします。
その際に、過去のデータをもとにして、寝うそきに注目しながら相場が上昇するタイミングで売ります。
そうすると、大きな利益が出るのです。
上記によって、大きい利益を出すことができる点はかなり魅力的と言っても良いでしょう。
- 相場予測が面倒と感じる人にはもってこいの手法
FXのナンピンに重要なエンベロープとは?
エンベロープというのは、移動平均線からどれだけ離れたかを教えてくれる目印です。
チャートと合わせて移動平均線の剥離を見ると役立ちます。
ナンピンを行うか見極める方法の1つに、エンベロープを活用することが有効的です。
要は、移動平均線からどれだけ剥離されたかがポイントになります。
仮に、移動平均線から相場が大きく離れた場合でも、時間がたてばいずれ戻ります。
エンベロープを使うことで、移動平均線に引き寄せようとする力が測れます。
移動平均線を見て相場の流れを見て、同時に引き寄せようという力も見られるのが、エンベロープの特徴と言えるでしょう。
- エンベロープを使って移動平均線から相場の流れをみることが大切
FXのナンピントレード|まとめ
ナンピンは、大きな平均購入価格を下げられるため、利益を期待できる一方、その分のリスクは大きいです。
相場の分析をしっかりと行わなければ、損失を膨らませてしまうことになります。
特に、初心者の場合はいきなりナンピン手法を取り入れるのではなく、FXについての知識を身につけて、経験を積むことが何よりも大切です。
なれてきた頃にナンピン手法を取り入れることで、資金管理やトレードなどがうまくいくことでしょう。
ナンピンの特徴を理解して、自分にあったトレード方法を試してみてはいかがでしょうか。