FX会社の比較サイトなどをみていると「約定力」という言葉を見かけませんか。
この「約定力」について、その意味を正しく理解している人はあまり多くないと思います。
この記事では、「約定力」とは何なのか、あなたのトレードにどんな影響を与えるのかという疑問について徹底解説していきます。
また、約定力を理解することよって、自分のトレードに有利なFX会社を選べるようになりますので、是非参考にしてください。
- 注文した価格でちゃんと約定させる力のこと
- せっかくいいところで注文したのに、違う価格で約定されることがある
- 何回も売買を繰り返すスキャルピング手法でその威力を発揮する
- 相場の急な値動きがあったときの損失にも関係している
- FX会社によって約定力に違いがあることは、案外見落としがちなポイント
- 約定力が高くておすすめのFX会社はGMOクリック証券
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目次
FXの約定力とは?
それでは「約定力」について詳しく説明していきます。
FXで資金を増やしていくためには、数pipsの利益獲得がとても重要です。
繰り返し取引を行う場合は、その数pipsが大きな利益になることになりますので、「約定力」によって数pipsの利益を左右することになるのです。
この約定力を理解する上で、次のような重要なヒントがいくつかありますので説明していきます。
- 約定力とは?
- 約定力を判断する基準
約定力とは?
FXトレードには、約定力と似た「約定」という言葉あります。
「約定」とは、単に売買取引が成立することをといいます。
例えば、買い注文を出した場合に、その買い注文が成立し買いポジションを持つと「買い注文が約定した」となります。
ところが、いざ約定したポジションをみたら、注文した価格と少し違っていたことがありませんか?
このように違った価格で約定されてしまう現象は、どのFX会社でも起こりうるため、どなたも経験があることと思います。
思っていた価格と違った価格でポジションを持つということは、トレードの勝率に影響するだけではなく、価格が大幅に違っていれば大きな損失に繋がることもあります。
しかし、これは不利なポジションで約定することもあれば、有利なポジションで約定することもありますので、あまり気にしていないトレーダーがほとんどです。
FXトレードにおいては、なるべく自分が注文した価格で約定した方が確実に無駄な損失は避けられます。
FXトレードにおいて、約定するポジションの違いを起こさないようにするのが「約定力」というのです。
約定力を判断する基準
この約定力を判断する基準には以下のようなものがあります。
- 自分が注文した価格で約定できるかどうか
- 注文を出して約定するまでの速さ
- スリッページがどのくらい発生するか
それでは、約定力とはどんな力なのか、次章から説明していきます。
約定力に似た用語「約定率」とは?
約定力を決定するには、いくつかの判断基準があります。
その中で「自分が注文した価格で約定できるかどうか」のことを「約定率」といいます。
約定率は「成行注文で注文した価格で約定した数」÷「成行注文数」で表す事ができます。
約定率はFX会社ごとにそれぞれ違います。
なぜFX会社ごとに違っているのでしょう。
FX会社によって約定率に違いがある理由として、以下のことが挙げられます。
- FX会社のシステムの処理能力やサーバースペック
- FX会社が提携しているカバー先金融機関の数
なぜ注文通りの価格で約定させるために、このような要因が必要なのでしょうか。
- FX会社の実際の取引について
- カバー先金融機関(カウンターパーティ)
- 注文が成立しなかった場合
FX会社の実際の取引について
FXのトレーダーは、FX会社を通して、カバー先金融機関と呼ばれる仲介金融機関に送られ取引を行っています。
つまりトレーダーのあなたが注文すると、注文価格がFX会社を通してカバー先金融機関に送られ取引が行われることになるのです。
この中間でのやり取りを行うのが、FX会社のシステムであるため、処理能力やサーバースペックなどで、取引スピードが左右されるわけです。
カバー先金融機関(カウンターパーティ)
FXトレードをする際、トレード画面に表示されている為替レート(価格)は、インターバンク市場と呼ばれる市場から送られてきた価格です。
インターバンク市場は、世界各国の金融機関や証券機関で取引されている市場であり、世界中の金融機関が取引を行っています。
国内のFX会社は、インターバンク市場と直接取引は出来ないため、カバー先金融機関と取引を行います。
例えばトレーダーからFX会社に1ドル100.00円での買い注文が100件入ったとします。
それと同時に1ドル100.00円での売り注文が50件入った場合、相殺した残りの買い注文50件をカバー先金融機関に流します。
そこで、カバー先金融機関は自社かインターバンク市場で相殺する売り注文50件を探すという流れになっています。
つまり、カバー先金融機関が多いほどレート(価格)が安定していると言えるのです。
注文が成立しなかった場合
上記のように、買い注文と売り注文を成立させ取引を行っているのですが、どうしても注文が偏ってしまうことがあります。
つまり買い注文ばかりが大量に注文され、相対する売り注文の数が大幅に足りなくなる場合など、足りない売り注文の取り合いになります。
こういう場合、システムの処理能力やサーバーのスペックが他よりも劣っていた場合に、取引が遅くなって売買が成立できないことがあります。
この場合に何が起こるかというと、その取引は売買不成立となり、注文価格とは違った価格で取引をしようとします。
これをスリッページといいます。
つまり、FX会社のシステムが弱かったり、カバー先金融機関が少なかったりすると、注文価格のずれ(スリッページ)が起きやすくなります。
注文方法には大きく分けて「成行注文」と「指値注文」がありますが、約定力が特に関係するのが「成行注文」です。
指値注文していた場合は、その指値に達しなければ単に取引が成立しないことになります。
スリッページとは?
これまで書いてきたようなさまざまな要因で、注文した価格での取引が成立せず、違った価格で取引が成立してしまうことがあります。
これを、「スリッページが起きた」または「滑った」などと言います。
また、このときの注文価格と約定価格の差のことをスリッページ幅と言います。
このスリッページ幅も、やはりFX会社によって差があります。
スリッページが起きやすい要因
実は、スリッページが起きる要因として、これまで書いてきたようなFX会社の特性があげられますが、それ以外にもスリッページが起きる要因があります。
取引量の少ない通貨での取引
一般的に、取引量が少なくなればなるほど、売買成立が難しくなるためスリッページが起きると言われています。
つまり、取引量の少ない新興国通貨(トルコリラTRYなど)で成行注文を行うと、相対する取引価格が見つからずスリッページが起きることがあります。
それからスリッページが起こりやすい時間帯というのがあります。
流動性が低い時間帯
流動性が低い時間帯とは、取引があまり行われていない時間帯のことです。
だいたい、日本時間の早朝6:00~8:00の間の時間帯がそれにあたります。
この時間帯は取引量が少ないため、取引が成立しずらくなっているため起きやすくなっています。
急激な価格変動が起こった場合
また、急激な価格変動が起こった場合にもスリッページが起きやすくなります。
例えば政治情勢などによって市場が大きな影響を受けることがあります。
経済指標の発表に大きな注目が集まっている場合など、指標の結果によってものすごく大量の注文が殺到することがあります。
よって相場が乱高下し、表示されている価格とは全くかけ離れた価格に瞬時に飛んでいたりすることもあります。
この場合もまた、取引の成立が難しくなりスリッページが起きやすくなります。
このように、取引量の少ない通貨での注文や、流動性の低い時間帯や相場の急激な変動が起きた場合でスリッページが起きやすいため、約定力は下がってしまうことになります。
スリッページの許容範囲を設定しておくと、範囲を超えた取引では成立せず注文取り消しとなり、大幅な注文価格のずれを防いでくれます。
FX取引で約定力が大切な理由
これまで説明してきました通り、約定力の低いFX会社で取引をすると、自分の思っていた価格ではなく数pipsずれた価格で約定してしまう確率が上がってしまうことが分かりました。
これを続けていくと、一体どういうことになるでしょうか。
例えばドル円を100.00円で1万通貨の買い注文を出したとします。
この時スリッページが発生し、100.03円で約定してしまいました。
その後、価格が下がってきてしまったためしかなく損切するため、99.80円で成行決済注文をします。
しかし、その時、またまたスリッページが発生してしまい、99.77円で約定してしまいました。
この場合、100.03円で買って、99.77で売っていますので、26pips=2,600円の損失になりますが、この内6pipsは、約定力の高いFX会社であれば不必要な損益だったということになります。
これを1日に10回トレードしたとすると、最大で60pips=6,000円程の無駄な損失をしてしまう可能性があるということになります。
塵も積もれば山となると言いますが、これはまさにそういう事です。
約定力が高いFX会社の選び方
約定力が理解できたのであれば、約定力が高くなる要因をもった会社を選べばいいのです。
以下のような特徴のあるFX会社を選びましょう。
- システムの処理能力が高い
- サーバーのスペックが高い
- 約定スピードが速い
- カバー先金融機関の件数が多い
以上のような特徴ですが、一般の資料では調べることのできないようなものもありますね。
つまり、約定率とカバー先の金融機関の数が評価できるFX会社がおすすめです。
FX取引に関する約定力の注意点
約定力の高いFX会社を選ぶポイントを紹介しましたので、ここからはFX取引における約定力の注意点について少しだけ解説をします。
- 約定力は通貨ペアによって変わる
- 取引のタイミングによっても約定力が変わる
- 約定力と約定率の両方を確認する
- 約定率の注意点
約定力は通貨ペアによって変わる
約定力の高いFX会社を選んでも、通貨ペアによっては約定力が低くなる場合もあります。
FX投資だけではありませんが、売がなければ買うことは出来ません。
そのため、取引数の少ない通貨では、売りがなければ買うことも出来なくなります。
通貨ペアによって約定力や約定率が変わることには注意しておきましょう。
取引のタイミングによっても約定力が変わる
取引のタイミングによっても約定力が変わります。
取引数の多い時間なのか、為替レートに影響を及ぼす出来事があるのかなど、タイミングによって約定力が変化します。
先ほども少し解説しましたように、取引数が多ければ約定しやすくなりますし、取引数が少なければ約定しにくいと言う事です。
そのため、出来るだけ取引数の多い日中に注文を入れる事や、経済指数の発表の後などは約定力が高くなると言えますので、そう言ったタイミングを狙うようにしましょう。
約定力と約定率の両方を確認する
約定力の高さを基準としてFX会社を選ぶのは重要な事ですが、約定率についても確認をしておくようにしましょう。
約定率に関しては記事の前半でも解説をしていますが、入った注文に対してどれぐらい約定させたのかというのが約定率となります。
要は、取引を成功させた数字とも言えます。
約定力が高ければ約定率も高くはなりますが、FX取引に関しては約定力だけではなく約定率も併せて確認するのも重要となります。
約定率の注意点
約定率にも注目をしなければいけませんが、約定率にはスリップページなどの数値は反映されないケースが多いです。
要は、取引を成功させた割合となりますので、取引が成功しなかったスリップページは反映されないと言う事になります。
また、売り買いの際のポジションが異なった取引でも、約定すれば約定率は上がりますので、希望のポジションで取引が出来ているかは別の話となります。
約定率が高くても、自分の希望するポジションで約定できなければ思わぬ損失を被る事にもなりかねません。
その事から、約定率だけではなく約定力なども併せて確認する必要が出てくると言う事になります。
約定力の高いおすすめFX会社5選比較
それでは、ここからは約定率の高いおすすめのFX会社を紹介していきましょう。
どこのFX会社もスリップページの低さなどを売りにしているFX会社となりますので、自分に合ったFX会社を探してみて下さい。
- マネーパートナーズ
- GMOクリック証券
- LIGHT FX
- FXブロードネット
- JFX
マネーパートナーズ
出典:10年連続「約定力」第1位獲得のお知らせ(矢野経済研究所調べ) | FX・外貨両替のマネーパートナーズ -外為を誠実に- (moneypartners.co.jp)
マネーパートナーズは、この10年間、株式会社矢野経済研究所実施の「FXサービスパフォーマンステスト」において、連続約定力1位を取っています。
FXの約定力については、他のFX会社を圧倒する勢いで差をつけています。
もちろんスキャルピングOKですが、最低取引通貨単位が1万通貨からになっています。
※ちなみに、約款では「新規注文から決済注文までの時間が十数秒以内の取引を繰り返す行為」を禁じていますが、注文間隔を20秒程開ければOKということになります。
マネーパートナーズのカバー先金融機関:19社
GMOクリック証券
出典:GMOクリック証券 – FXなど投資を身近にもっと便利にするネット証券会社 (click-sec.com)
注目すべきは、大口モード(Exモード)にて1度の注文で500万通貨まで行えます。
つまりこれは、システムの処理能力の高さと、サーバースペックの高さを意味しています。
多くの人に選ばれるFX会社であることの証明です。
GMOクリック証券のカバー先金融機関:19社
LIGHT FX
LIGHT FXは、自社で行った約定率調査において、99.9%の約定率を満たしていました。
高い処理能力を誇るシステムで、約定力は抜群です。
スプレッドが狭く、かつ約定率が高いので、低コストで安心して取引できます。
LIGHT FXのカバー先金融機関:11社
FXブロードネット
出典:FX取引を低スプレッドで提供|初心者ならFXブロードネット (fxbroadnet.com)
FXブロードネットは、取引コストが低いことが特徴です。
特にスプレッドが常に低く設定されているため、売買する際にスプレッド分の費用が低くてよいことになります。
さらに約定力も高いため、取引コストを低く設定しているFX会社です。
FXブロードネットのカバー先金融機関:7社
JFX
JFXは、約定スピード最速0.001秒を宣言しており業界最速水準であることが特徴です。
スキャルピング取引も、完全無制限で1日の取引制限もありません。
さらに、多くの人にスキャルピング専用口座として選ばれているFX会社です。
JFXのカバー取引先:1社(カバー先のヒロセ通商はカバー先が23件)
約定力の高いFX会社を選ぶメリット
約定力の高いFX会社を選ぶことには大きなメリットがいくつかあります。
ここでは、先ほど紹介した様な約定力の高いFX会社を選ぶメリットについて解説をしていきます。
スリップページが起きにくい
FX取引だけではなく、投資の分野においては、買い注文・売り注文がしっかりと約定することが重要になります。
自分が買いたいポジションでしっかりと買うことが出来て、売りたいポジションでしっかりと売ることが出来る事で、狙った利益を取りに行くことが出来ます。
約定力の低いFX会社を利用していると、買いたい・売りたいポジションで取引が出来ずに、最悪の場合にはスリップページが起こってしまうこともあります。
スリップページを起こしてしまうことで、思っていた取引が出来ないだけではなく、思わぬ損失を被る可能性もあります。
約定力の高いFX会社を利用することで、スリップページを回避する事も見込めるでしょう。
無駄な損失が少なくなる
スリップページが起きにくくなり、思った通りの取引が出来れば、思わぬ損失を被るリスクは回避しやすくなるでしょう。
そして、自分の取引したいポジションで取引がしっかりと出来ることで、狙った利益も取れると言えるでしょう。
また約定力が高ければ、思った通りのポジションで売り買いが出来る様になることで、無駄な損失を抱えると言うことも回避しやすくなると言えます。
約定力の高いFX会社を選ぶ事は、FX取引において非常に重要でありメリットも高くなるのです。
約定力に関するQ&A
FX会社の約定力に変動があるとすると、システムを入れ替えて処理能力が上がったとか、カバー先の金融機関が増えることで変動することがありますが、そこまで大きな変動は期待できません。
そのような変化がある場合は、FX会社からのお知らせがあると思いますので、ホームページなどをチェックしてみてください。
FXトレードにはいくつかトレード手法がありますが、1日に何度も売買を繰り返すスキャルピングという手法やデイトレといった手法があります。
スキャルピングを行っているトレーダーの方にとって、小さい利益を繰り返し取っていく手法のため、一回の約定で数pips取れるか取れないかが、とても重要になってきます。
約定力の低いFX会社を使って、成行注文で1日に何回も注文と決済注文を繰り返す場合、約定するたびに必要のないpipsを損していくことになり得るのです。
つまり、デイトレードやスキャルピングを行っているトレーダーにとって、FX会社の約定力は最も重視すべき特徴だと言えます。
FXの約定力についてのまとめ
ここまで約定力について説明してきましたが、ご存じの通りFXで資産を増やし続けることは当然至難の業です。
少しでも良い条件でトレードをするために見逃してはいけない重要な要素が約定力です。
最後に、今回説明した約定力についてのまとめです。
- 約定力とは、注文した価格で取引を成立させる力のこと。
- 約定力の判断基準の一つである約定率は、FX会社のシステムの処理能力やカバー先金融機関の数などで決まる。
- もし約定率が高く、約定力のあるFX会社でトレードしていたとしても、相場の流動性が低い時間帯や、取引量の少ない通貨の場合にも、スリッページが起きやすくなる。
- 相場が乱高下し、価格が不安定な場合もスリッページが発生してしまう。
- 繰り返し何度もトレードをするような、デイトレードや、スキャルピングのトレードスタイルの人にとって、約定力の高いFX会社が向いている。
\初心者でも使いやすいFX口座/
先にも書きましたが、FXで利益を出し続けることはとても難しいことです。
利益を出し続けるためには、自分のトレードスタイルに合ったFX会社を選ぶことがとても重要な事だと考えられます。
これまで長期トレードをやっていた方も、是非この機会にデイトレードや、スキャルピングトレードに挑戦してみてください。
FX会社の特徴をしっかりと理解し、FXでしっかりと利益を出し続けましょう。
