家を建てたいけど、まとまったお金がなくてどうしよう?
そのような時に役に立つのが住宅ローンのつなぎ融資です。
この記事では、このような疑問を解消するために住宅ローンのつなぎ融資に関して詳しく扱っています。
住宅ローンのつなぎ融資は限られた金融機関でしか行われていないので、この記事を参考にしてしっかりと金融機関を選びましょう。
- つなぎ融資とは住宅引渡し前に必要なお金の支払いに使えるローン!
- 住宅ローンのつなぎ融資はみずほ銀行がおすすめ!
- つなぎ融資は通常の住宅ローンより金利が高いので要注意!
- つなぎ融資を検討している方は、まずは事前審査に申し込もう!
目次
住宅ローンのつなぎ融資ってそもそも何?
住宅ローン実行前に土地購入費や住宅の着工金・中間金などを融資という形で立て替えてくれるローン
つなぎ融資とは、住宅ローンで融資を受ける前に利用できる融資商品の一つです。
つなぎローンといった金融商品として提供されていることも多くなっています。
つなぎ融資は、土地購入にかかるお金や住宅の着工金、中間金としてかかるお金を用意するために活用できるのが特徴です。
つなぎ融資は、住宅ローン借入前に住宅にかかるお金を借りられるもの
一般的に住宅ローンで借り入れができるのは、住宅が引き渡しされるタイミングになります。
したがって引き渡し前に土地を買う必要があったり注文住宅の着工金を払う必要があったりするときは、別で資金を用意しなければなりません。
しかしそうは言っても誰もが資金にゆとりがあるわけではないものです。
住宅ローン前に資金繰りが難しかったら、積極的につなぎ融資を検討しよう
そのため土地購入費が必要な場合は、つなぎ融資を活用するという方法が選択肢に上がってくるという仕組みです。
住宅ローンが実行される前のつなぎとして活用されるローンのため、一般的につなぎ融資と呼ばれるようになっているというわけです。
ポイントを整理すると下記のようになります。
- 土地購入費や住宅の着工金・中間金などで必要な資金を立て替えてくれるローン
- 住宅ローンが実行される前のタイミングで利用できる
なお、つなぎ融資には事務手数料や印紙代といった費用が金利とは別で発生するため借り入れの際には注意が必要です。
また、すべての金融機関がつなぎ融資を提供しているわけではないため、活用の際には事前によく調べる必要があります。
つなぎ融資は全ての金融機関で行われていない
融資の条件や利用できる額、決められている用途なども金融機関ごとに異なるため、つなぎ融資利用の際には十分な比較検討が必要です。
上でも紹介してきたおすすめ金融機関や、以下で解説していく利用の流れや注意点などもしっかり整理したうえで、つなぎ融資活用を考えていきましょう。
住宅ローンのつなぎ融資対応の金融機関5選
まずは、つなぎ融資のローン商品を取り扱いしている金融機関を紹介していきます。
つなぎ融資ありの金融機関は下記のとおりです。
マイホームを建てるにあたってかかる土地購入費や着工金などは、つなぎ融資で借り入れできれば資金を工面することができます。
しかしつなぎ融資を利用する際には、基本的につなぎ融資+住宅ローンといったかたちで金融機関と契約する必要があるのが特徴です。
そのためつなぎ融資で金融機関を選ぶ際には、最終的な住宅ローンのことも考えつつ慎重に比較していくことが重要になります。
【比較表】住宅ローンのつなぎ融資におすすめな金融機関7選
銀行名 | 金利タイプ | 金利 | 融資限度額 |
---|---|---|---|
みずほ銀行 | 変動金利 | 0.375 | 100万〜8,000万円 |
楽天銀行 | つなぎローン | 2.64 | 500万円以上 |
横浜銀行 | 詳細は銀行へ問い合わせ | ||
イオン銀行 | 固定金利 | 店舗まで問い合わせ | 500万〜8,000万円 |
ARUHI | フラットつなぎ | 年利2.2〜15.0% | 100万〜8,000万円 |
みずほ銀行
金利タイプ | 変動金利 |
---|---|
金利 | 0.375 |
融資限度額 | 100万円~8,000万円 ※フラット35の借り入れ額以下であることが必須 |
団信保険料 | 銀行負担 |
利用条件・対象者 | ・みずほ銀行の住宅ローンの仮承認を受けている ・団信に加入できる 上記2点を満たしている人 |
他の金融機関より断然金利が安い
みずほ銀行では、つなぎ融資というよりは分割して融資する形で対応しています。
利用の際には土地購入にあたって土地+建物代金の合計額の一括融資を受けられるのが特徴。
このためつなぎ融資というよりは、どちらかというと前倒しで住宅ローンの借り入れをするという形態に近くなっています。
楽天銀行
金利タイプ | つなぎローン |
---|---|
金利 | 2.64 |
融資限度額 | 合計500万円以上 |
団信保険料 | 銀行負担 |
利用条件・対象者 | ・楽天銀行の住宅ローンの仮承認を受けている ・団信に加入できる 上記2点を満たしている人 |
事務手数料 | 110,000円 |
ネット銀行の楽天銀行でも、固定金利タイプのつなぎ融資を受け付けています。
つなぎ融資の上限は基本的に合計500万円以上となっていますが、土地購入費や着工金など用途によってそれぞれ上限が設けられています。
したがって利用する際には上限についてよく確認を行ったうえでローンを組みましょう。
ネット銀行だからネットで完結できて便利
横浜銀行
横浜銀行でもつなぎ融資の申し込み受け付けは行っています。
住宅の工事代金を一部清算する際に資金が前もって必要な場合は、フラット35の資金受け取り前に融資を受けることが可能です。
フラット35の資金を受け取る前に融資を受けることが可能
ただ、時期や融資条件、手数料等の詳細は横浜銀行へ要問い合わせとなっています。
なお、原則として取り扱いエリアは神奈川県や東京都を中心とした一部に限定されているため注意が必要です。
イオン銀行
商品名 | つなぎローン |
---|---|
金利タイプ | 固定金利 |
金利 | 詳細の金利は店舗スタッフまで |
融資限度額 | 500万円~8,000万円 |
団信保険料 | 銀行負担 |
利用条件・対象者 | ・イオン銀行の住宅ローンもしくはセカンドハウスローンの仮承認を受けている ・団信に加入できる 上記2点を満たしている人 |
事務手数料 | 無料 ※期間限定 |
イオン銀行でもつなぎローンという名前のつなぎ融資商品の提供を行っています。
住宅ローン融資前に必要な分だけ、最大2回のタイミングで融資を受けられるのが特徴です。
手数料は2022年9月時点で無料、金利は固定金利となっています。
金利が固定金利でしかも手数料が無料である
なお、手数料が無料になるのはキャンペーン実施期間だけです。
そのため利用の際にはキャンペーンの有無をあらためて確認しておきましょう。
ARUHI(フラット35)
商品名 | ARUHIフラットつなぎ |
---|---|
金利 | 実質年率2.2%~15.0% |
融資限度額 | 100万円~8,000万円 |
利用条件・対象者 | ARUHIのフラット35の仮承認を受けている |
事務手数料 | 110,000円(Aタイプの場合) |
ARUHIでは、フラット35の審査承認を受けられた人に向けてつなぎ融資商品の提供を行っています。
土地購入費・着工金・上棟金などの用途で利用可能です。
フラット35を契約している人はスムーズに借りられる
つなぎ融資のメリット・デメリット
つなぎ融資は住宅ローンの前にお金が借りられて、メリットだけが目立ちますがデメリットも当然あります。
後々後悔しないためにもメリット・デメリット両方を理解してつなぎ融資を申し込みましょう。
つなぎ融資のメリット
自己資金が少ない場合でも、注文住宅を建てることができる
つなぎ融資は住宅ローンの借入の前に土地購入や住宅の着工金、中間金としてかかるお金を借りることができます。
なので、自己資金が少ない場合でも、理想の注文住宅を建てることができます。
つなぎ融資のデメリット
- 融資手数料・収入印紙代・印鑑証明書や住民票の取得代・銀行の振込手数料などの諸費用がかかる
- 住宅ローンと比較すると金利が高い
- 住宅ローン控除が利用できない
- つなぎ融資単体での契約ができない
つなぎ融資は資金がなくても、理想の注文住宅を建てられます。
しかし、つなぎ融資単体で契約が結べないのが特に重いデメリットになってきます。
また、住宅ローンよりも金利が高いので、返済負担が高まってしまいます。
つなぎ融資がおすすめな人・おすすめできない人
つなぎ融資にもおすすめな人とおすすめできない人がいます。
ただ、おすすめできないからと言って必ずしもつなぎ融資を申し込んではいけないということではありません。
おすすめな人もおすすめできない人もつなぎ融資申し込みは慎重に検討しましょう。
つなぎ融資がおすすめな人
借入が大きくなっても、根気強く返済でき、資金が少ないけど理想な注文住宅を建てたい人
つなぎ融資がおすすめできるのは上記のような人です。
なぜなら、つなぎ融資を利用することで、返済金額が多くなるからです。
また、資金が少ないけど、理想な注文住宅を建てたい人にはおすすめです。
つなぎ融資がおすすめできない人
クレジットカードや公共料金の沈滞が1回でもある人はつなぎ融資におすすめできない
先ほど言ったようにつなぎ融資を利用することで、返済額が多くなってします。
つなぎ融資だけでなく住宅ローンのことも言えますが、1回でもクレジットカードや公共料金の沈滞がある方はおすすめできません。
住宅ローンのつなぎ融資利用の流れ
つなぎ融資を利用して土地購入の費用や家の着工金などに充てる場合は、最初に利用の流れを確認しましょう。
特につなぎ融資は住宅ローンでの融資前に利用できるものなので、融資や返済のタイミングなどが重要です。
まず簡単に流れを整理すると、次のようなステップになります。
このように、土地購入や住宅建築に必要な費用・返済計画を事前に把握し、融資申し込みをします。
その後審査に通れば、晴れて必要な費用がつなぎ融資で建て替えできるようになるという仕組みです。
それでは順に流れを見ていきましょう。
土地の購入契約を結ぶ
住宅の購入には、土地の購入契約をまず結ぶ必要があります。
つなぎ融資を受けるためには、基本的に購入したい土地の購入契約成立に向けて同時進行で手続きを進めていくようになります。
このとき、ハウスメーカーや工務店と、住宅の建築費用やプランなどもあわせてしっかりと打ち合わせを済ませましょう。
つなぎ融資は土地購入と同時進行で進めていく必要がある
建築費の返済額や時期を決める
つなぎ融資を受けるためには、何にどれだけの費用が必要で、いつまでに決済しなければならないのか明らかにしておく必要があります。
建築を担当するハウスメーカーや工務店などと細かく相談を重ねながら、必要になる費用とその内訳、期限等を整理していきましょう。
このときあわせて、各金融機関の住宅ローン・つなぎ融資の中からさまざまな商品をチェックし、どの商品が良いのかよく検討しておくことが重要です。
金利、融資の最大回数、融資可能な額の上限などの条件を詳しく見ておくこと
金融機関で住宅ローン・つなぎ融資に申し込む
土地購入や住宅の建築に必要な費用などを相談しながら、つなぎ融資の申し込みも済ませます。
原則としてつなぎ融資は住宅ローンとセットで申し込むかたちです。
つなぎ融資の融資条件の多くが、当該金融機関の住宅ローンの審査に通っていることが条件だからです。
つなぎ融資は条件で住宅ローンとセットで申し込む形になっていることが多い
なお、つなぎ融資にも当然ながら審査があります。
融資を受けられるのは審査通過後なので、審査に通らなかった場合は残念ながら融資を受けることはできなくなります。
そして審査に通ったことがわかった段階で、売買契約を行い、土地の決済・引き渡しの流れに移っていく流れです。
建築に必要な諸費用をつなぎ融資から支払う
土地購入費や着工金、中間金などの諸費用は、つなぎ融資実行によって立て替えてもらう仕組みです。
契約後は決済の期限が決められているため、つなぎ融資を行ってくれる金融機関の融資回数や額の決まりに則って支払いを行っていきます。
なお、つなぎ融資で支払いを行っている段階はまだ住宅は引き渡しの状態にはなっていないため、住宅ローンは開始されていません。
金融機関によって、融資回数や額の決まりがある
住宅完成後、住宅ローン返済開始
住宅が完成して引き渡しとなったら、今後はいよいよ住宅ローンが開始される流れになります。
このとき住宅ローンによってつなぎ融資の完済をする仕組みです。
つなぎ融資で借りたお金は住宅ローンによって返済される
このようにつなぎ融資は、その名の通り住宅ローンが始まるまでのつなぎとして融資を受けられるのが大きな特徴です。
土地購入や着工費用などの工面に困ったときは、つなぎ融資ありの金融機関から住宅ローンを検討していきましょう。
【体験談】住宅ローンのつなぎ融資3つの注意点
住宅ローンのつなぎ融資を活用する際には、いくつか前もって注意しておきたいポイントがあります。
後になって困らないためにも、住宅ローンのつなぎ融資では特に以下の3つの点において注意が必要です。
手数料や金利、つなぎ融資自体の有無などは、あらかじめよく調べておきたいポイントです。
それでは、一つひとつの注意点について詳細を解説していきます。
事務手数料が必要になる
友人につなぎ融資を勧められて、すぐに申し込んで、つなぎ融資を受けました。
しかし、手数料がこんなにもかかることを知らなくて、資金繰りが一時困難になりました。
なので、つなぎ融資を申し込まれる方は、手数料をきちんと確認することをおすすめします。
住宅ローンのつなぎ融資では、多くの場合、事務手数料が別途必要になるため要注意です。
しかも金額的には決して安い費用ではありません。
そもそもつなぎ融資自体が大きな金額が動くサービスなので、手数料自体も高額になるのは当然といえば当然でしょう。
つなぎ融資を行う場合は別途事務手数料が必要になる
なお、事務手数料の目安・相場は、税込で110,000円です。
多くの金融機関のつなぎ融資では、融資手数料として110.000円ほどの費用を設定しています。
この手数料は、基本的に初回融資の際に差し引くかたちでの支払いになります。
基本的に事務手数料は税込で110,000円かかる
つまり別途現金などで支払うのではなく、1回目の融資の際に-110,000円の状態で融資が行われるという仕組みです。
その他金融機関によっては、融資期間延長の際に別途手数料が必要になるなど細かい決まりが設けられている場合もあります。
このためつなぎ融資を利用する際には、商品概要における手数料の項目についてはよく目を通しておきましょう。
金融機関によって、手数料の種類・値段は異なるためしっかりと確認すること
なお、金融機関によっては手数料無料を強みとして謳っている場合もあります。
また、繁忙期などのタイミングで手数料が無料になるキャンペーンを実施していることも少なくありません。
このようなお得な点についても、つなぎ融資を調べる際にはよくチェックしておきましょう。
つなぎ融資は通常の住宅ローンより金利が高い
つなぎ融資の返済の時に気づいたんですけど、金利が住宅ローンよりも高くて驚きました。
住宅ローンで返済したので、返済をすることはできました。
しかし、もう少し金利が低い金融機関でつなぎ融資を借りれば、よかったなと後悔しています。
傾向として、つなぎ融資の金利は一般的な住宅ローンよりも高めに設定されています。
そのためつなぎ融資を利用した場合は、利息負担が大きくなるため、活用の際には十分検討する必要があるといえるでしょう。
検討の際には、金融機関に相談したときなどに利息・返済額のシミュレーションをしてもらえます。
住宅ローンよりも金利が高いので、しっかりと返済シミュレーションをすること
具体的にいくらの負担が出るのか前もって把握したうえで活用しないと、後になって家計を圧迫する要因になるため注意が必要です。
無理なく返済していけるのか、収支計画をしっかりと立てたうえでつなぎ融資を受けるかどうかを検討していきましょう。
4%近くの金利なら少々高め、2%前後もしくはそれ以下なら低めの金利になることを、目安として覚えておくと役立つでしょう。
つなぎ融資に対応しているかどうかは金融機関によって異なる
私はつなぎ融資を借りたかったのですが、すでに契約している住宅ローンの金融機関が扱っていなくて、つなぎ融資を契約できませんでした。
残念ながら、住宅ローンを提供している金融機関でも、すべての金融機関がつなぎ融資を提供しているわけではありません。
つなぎ融資対応の金融機関は限定されてくるため、利用を考えるなら、つなぎ融資OKの金融機関で絞り込んで検討する必要があります。
実際の数としては、現状、つなぎ融資対応の金融機関はそこまで多くありません。
つなぎ融資を行っている金融機関は数が少ない
したがって住宅ローンを利用したい金融機関があっても、つなぎ融資不可の場合は、その金融機関は選択肢から外さなければならないでしょう。
つなぎ融資利用が必須の場合は、まず上でも紹介してきたようなつなぎ融資ありの住宅ローンを提供している金融機関から調べていくことが大切です。
住宅ローンのつなぎ融資の金利計算方法
住宅ローンのつなぎ融資を利用する際には、前もってシミュレーションや計算を重ねて、利息額をしっかりと把握しておく必要があります。
特につなぎ融資の金利は高水準のものが多いため、あらかじめ把握しておかないと、返済の際に困ってしまう可能性も出てきます。
ではここで、いくつかの例を挙げたうえで住宅ローンつなぎ融資の利息を算出してみましょう。
まず利息の計算は、下記の計算式を用いて行います。
【つなぎ融資の借り入れ額×金利÷365日×住宅完成までの期間】
それでは、以下の例に沿って、それぞれ利息を算出してみましょう。
土地購入費:1,000万円 金利:3% 期間:180日 |
1,000万円×3%÷365日×180日 =利息147,945円 |
着工金:500万円 金利:2% 期間:120日 |
1,000万円×2%÷365日×120日 =利息32,876円 |
※小数点以下は切り捨てて計算しています
上記の例なら、土地購入費1000万円を年3%の金利でつなぎ融資してもらった場合は、利息負担は147,945円になります。
また、着工金500万円を金利2%で融資してもらった場合については、利息は32,876円です。
このように利息を計算すると、つなぎ融資によっていくらの負担が出るのかすぐにわかります。
住宅ローンのつなぎ融資の返済方法は3パターン
続いて、住宅ローンのつなぎ融資の返済方法を整理していきます。
つなぎ融資の返済の方法にはさまざまなパターンがあり、主には以下のようなものが挙げられます。
このような返済パターンの中からどのかたちになるのかは、金融機関によって異なります。
原則として元金については住宅ローンが開始された後に返済しますが、利息分に関しては、返済はさまざまなタイミングになるため注意が必要です。
つなぎ融資可能な住宅ローンを選ぶ際には、返済方法においてメリットの多いものを選ぶことも大事です。
つなぎ融資の元金と金利を住宅ローンで返済する
まず返済方法として挙げられるのは、元金と金利を住宅ローンが開始されたタイミングでまとめて返済するパターンです。
この方式で返済するようになっていれば、つなぎ融資の期間中は返済を行う必要が一切ありません。
しかしながら、注意しておきたいデメリットもあります。
つなぎ融資の返済がしばらく行われないということは、住宅ローンにおける借り入れ額もその分増えるということです。
つなぎ融資の元金+利息を含めた状態で住宅ローンの融資が行われるため、非常に額の大きい借り入れとなるという点はしっかり認識しておきましょう。
つなぎ融資を借り入れた時に金利を前払いする
2つ目の返済方法としては、つなぎ融資分の利息分をまとめて前払いするパターンです。
住宅ローン開始後に返済するのは元金のみで、かかった利息に関してはつなぎ融資借り入れの際に一括で前払いする仕組みになります。
金利の部分は、住宅ローン実行の前にあらかじめ返済しているためです。
1つ目の返済方法ではつなぎ融資の元金と利息を住宅ローン開始後に返済するため返済額は大きくなります。
しかしこの方法なら、毎月の返済負担はそこまで大きくなりません。
したがってある程度まとまった資金がある状態でつなぎ融資を申し込んでいる人に、主に向いている返済方法といえます。
住宅ローン融資前につなぎ融資の金利だけ月々払う
3つ目の方法は、住宅ローンでの本融資が始まる前に金利の部分だけ分割で返済をするパターンです。
利息の返済は毎月分割のかたちで返済していき、住宅ローンが始まるまでには利息は完済しておく仕組みです。
その後、元金については同様に住宅ローン開始後にまとめて返済します。
毎月の負担が生じるデメリットはあるものの、1つ目・2つ目の返済方法の利点を両方取り入れたような返済パターンになるのがポイントです。
実際につなぎ融資においてこの返済方法を取り入れている金融機関は多いです。
困りにくい返済方法を重視してつなぎ融資ありの住宅ローンを選ぶなら、この返済方法を取り入れている金融機関を選ぶのもありでしょう。
つなぎ融資の利息の支払いを抑える方法
少しでもつなぎ融資の利息の支払いを抑えたいですよね。
そんな方にここでは利息を抑える方法を紹介します。
金利が低い金融機関を選ぶ
根本的ですが、金利が低い金融機関を選ぶと利息の負担を減らすことができます。
つなぎ融資に限ったことではありませんが、メガバンクよりもネット銀行の方が金利が低い傾向にあります。
しかも、手続きがネットで完結するので、便利であり、銀行側も店舗がないので、コストを減らせています。
利息を抑えるために金利が低い金融機関を選ぼう、特にネット銀行がおすすめ
つなぎ融資の借入額を抑える
利息は借入額を減らすことで抑えることもできます。
自己資金を少しでも増やすことはその後の利息を減らすのにつながってきます。
借入額を減らすことで、利息を減らすことができる
つなぎ融資の借入期間を短くする
利息は借入期間を短くすることでも減らすことができます。
なぜなら、利息を日割計算のため、借入期間を短くすると払う日割の金額が減るからです。
分割でつなぎ融資が借りられる場合は、分けて借りたほうが利息を抑えることができます。
借入期間を短くすることで利息の支払いを減らすことができる
つなぎ融資以外でお金を準備する方法
つなぎ融資にも審査があって落ちてしまった人のために、または、つなぎ融資以外の方法でお金を借りたい人がいると思います。
ここではそんな人たちのために住宅ローン前につなぎ融資以外でお金を準備する方法を紹介します。
住宅ローンの分割融資を活用する
住宅ローンの分割融資は、住宅ローンの融資を複数回に分けられるものです。
土地引き渡しや建物の完成時のタイミングで融資を受けられるため、つなぎ融資と同様に、資金が少なくても利用できるものになっています。
また、分割融資はつなぎ融資とは違って、住宅ローンの金利が適用されるため、つなぎ融資と比べて、利息の支払いが抑えられます。
住宅ローンの分割融資はつなぎ融資以外でお金を用意する手段
親族から贈与を受ける
両親や祖父母などの親族から贈与を受けることもつなぎ融資以外でお金を用意する手段です。
一般的な場合、年間110万円以上の贈与を受けとると税金がかかってきてしまいます。
しかし、住宅の新築のための場合は最大で3,000万円まで贈与税が非課税になります。
親族から贈与を受け取ることもつなぎ融資以外でお金を準備する手段
住宅ローンのつなぎ融資の比較に関するよくある質問4選
最後に、住宅ローンのつなぎ融資を比較するうえであらかじめチェックしておきたいよくある質問とその答えをまとめていきます。
つなぎ融資ではさまざまな疑問点や不安なポイントが生まれるものなので、あらかじめよく調べておくことが重要です。
下記の質問はつなぎ融資においてよく取りざたされるポイントなので、よくチェックしておきましょう。
それでは1つずつ見ていきましょう。
つなぎ融資のみでの利用はできる?
できない
原則としてつなぎ融資は、その金融機関の住宅ローンありきで申し込みを行います。
つまり住宅ローンとセットで申し込みを行う必要があり、つなぎ融資には基本的に当該金融機関の住宅ローンの審査承認を得ていなければなりません。
したがってつなぎ融資のみを受けることは基本的にできないため注意しましょう。
一般的に、つなぎ融資は住宅ローンとセットのことが多い
ただ、例外はあり、つなぎ融資を行っていない金融機関が別会社のつなぎ融資を紹介することはあります(ソニー銀行など)。
しかし原則としては同じ金融機関でつなぎ融資と住宅ローンはセットで申し込みになるため、注意点として認識しておきましょう。
つなぎ融資は分割融資と何が違う?
分割融資は住宅ローンで融資する額を何回かに分けて融資する方式
そのため金融機関によっては、住宅の完成前に分割融資というかたちで一部の金額の融資を受け取ることが可能になります。
したがって完成前に融資してもらえるという点ではつなぎ融資とよく似ていますが、分割融資はあくまで住宅ローンの融資なのが特徴です。
分割融資はあくまでも住宅ローンの融資
そのため住宅ローンの分割融資を利用する場合は融資の契約は1本ですが、つなぎ融資と住宅ローンを契約する場合は契約は2本になります。
また、そのほかにも大きな違いとして、担保の有無があります。
つなぎ融資は原則として無担保ローンになりますが、分割融資の場合は不動産担保ありの借り入れになるため注意が必要です。
ネット銀行でつなぎ融資が使えるところはある?
あります
ネット銀行の住宅ローンつなぎ融資の有無については、下記のとおりです。
銀行名 | 住宅ローン | つなぎ融資 |
---|---|---|
楽天銀行 | 〇 | 〇 |
PayPay銀行 | 〇 | × |
ソニー銀行 | 〇 | × |
auじぶん銀行 | 〇 | × |
イオン銀行 | 〇 | 〇 |
住信SBIネット銀行 | 〇 | × |
セブン銀行 | × | × |
ローソン銀行 | × | × |
UI銀行 | × | × |
大和ネクスト銀行 | × | × |
みんなの銀行 | × | × |
このように、ネット銀行では主に楽天銀行とイオン銀行でつなぎ融資の利用が可能です。
ソニー銀行でもつなぎ融資は利用できますが、提供はソニー銀行ではなく他社のものになるため注意が必要です。
ろうきんでつなぎ融資が使えるところはある?
ろうきん会員の方はできます
ろうきん(労働金庫)会員の方は、ろうきんでつなぎ融資が利用できる場合があります。
ろうきんのつなぎ融資では住宅ローンと同じ金利で借り入れができるという強いメリットがあるのが特徴です。
つなぎ融資は多くの場合、住宅ローンよりも高い金利になるため、利息の負担が大きくなるのがデメリットになります。
ろうきんのつなぎ融資は通常の住宅ローンと金利が同じ
つなぎ融資を利用したいものの、利息負担が大きくなるのは困る…という場合は、ろうきんのつなぎ融資を検討するのもありです。
なお、手数料が安く済んだり、柔軟な審査を受け付けてくれたりするなどの点でメリットがある場合もあります。
そのためほかの金融機関も検討しつつ、ろうきんで住宅ローン・つなぎローンを組むことも、会員の方は積極的に検討していきましょう。
つなぎ融資の比較まとめ
住宅ローンのつなぎ融資では、ローン開始前に必要になる土地購入費や着工金などの資金を用意するうえで大きく役に立ちます。
ただしつなぎ融資には、比較的高金利だったり融資してもらえる金融機関が限定されたりなど、さまざまな注意点・デメリットが伴うのも事実。
住宅ローンのみでは資金の準備がどうしても難しい…となったときは、デメリットや注意点を理解して、つなぎ融資の利用も積極的に検討していきましょう。