異母(異父)兄弟にも相続権がある!?条件や注意点を徹底解説!

亡くなった家族(被相続人)の遺産を相続する作業は、最も慎重に進めるべき作業となります。

遺産相続作業の中で異母(異父)兄弟の存在が発覚することもあります。

異母(異父)兄弟も被相続人の金融資産・不動産資産を相続する権利がありますので、異母(異父)兄弟を無視して、相続を進めるわけにはいきません。

ご自身達や異母(異父)兄弟がわだかまりなく、仲良く遺産を取得できれば理想的ですが、なかなか話し合いが上手くいかないケースも数多いです。

異母(異父)兄弟の存在が居ることすら知らないという話は良く聞きますよね。
異母(異父)兄弟で仲良くしていれば良いですが、様々な事情がありますよね。

この記事では、異母(異父)兄弟を交えた遺産相続の方法やトラブル事例異母(異父)兄弟の相続手続き方法と手順トラブルとなった場合の解決方法などについて説明します。

異母(異父)兄弟の相続をザックリ言うと
  • 異母(異父)兄弟にも相続権があるが認知の有無が必要になる。
  • 異母(異父)兄弟の相続割合は他の兄弟と同じである。
  • 異母(異父)兄弟の相続に関する手続きは複雑になるケースもある。
  • 異母(異父)兄弟の相続に関するトラブルも起こりえる。

異母(異父)兄弟とは?

異母(異父)兄弟とは?

私の父親が亡くなり、母親・兄弟たちと相続の話し合いを行います。
しかし、弟から「異母(異父)兄弟の確認をしっかりとらないと」と言われました。
異母(異父)兄弟の確認はそれほど大切なのでしょうか。

こちらでは、異母(異父)兄弟について解説しましょう。

遺産相続を行うタイミングで発覚するケースが多い

被相続人が亡くなった後、諸手続きを行う過程で、その人の出生から死亡までの戸籍謄本を取得することが必要となります。

その際、被相続人に離婚歴があり前配偶者との間に子がいるケースもあります。

この場合、前配偶者は遺言書で遺産の指定を受けていない限り相続権は有りませんが、子供には相続権が認められているため相続人になります

MEMO

被相続人の戸籍を確認する事で、相続人を確認する事が出来る。

出生から全ての戸籍を確認するには、改正原戸籍謄本を確認すると良い。

異母(異父)兄弟とは

もちろん、誰からみて異母(異父)兄弟なのかと言えば、亡くなった人(親)の子供から見て異母(異父)兄弟と判断します。

異母(異父)兄弟は、前配偶者と婚姻した上での子か、内縁や愛人関係の結果生まれた子かで相続の取り扱いが異なってきます

詳細は後述します。

注意
異母(異父)兄弟は、婚姻した上での子か婚姻関係以外での子かによっても、相続の扱いが異なる。

異母(異父)兄弟にも相続権がある!?

異母(異父)兄弟にも相続権がある!?

どうやら異母(異父)兄弟が現れたからと言って、必ず相続に参加させなければいけないわけでは無いようですね。
異母(異父)兄弟にも相続権の詳細を知りたいす。

こちらでは、異母(異父)兄弟の相続の条件や相続配分について解説します。

異母(異父)兄弟の相続の条件

異母(異父)兄弟は、正式な婚姻関係(法律婚)を結んだ両親のもとに誕生したというケースばかりではありません。

正式な婚姻関係ではない内縁関係・愛人関係のもとで誕生した場合もあるのです。

子の母親が異なる場合は、男性が父親として子を認知した場合に、その子に相続権が発生します

一方、被相続人が母親である場合は認知の有無が問われません

また、たとえ子が生まれる前に離婚した場合でも、離婚が成立してから300日以内に妊娠・出産した子供は、前の夫の子供と推定されます。

MEMO

相続権の発生条件は、被相続人が父親の場合は子供の認知が必要になり、母親の場合は認知の必要は無い。

異母(異父)兄弟の相続配分

異母(異父)兄弟が、嫡出子(法律上で婚姻している夫婦から生まれた子)であっても、非嫡出子(法律上の婚姻関係のない男女間に生まれた子)であっても、認知されていれば自身や実兄弟と同等の相続分となります。

つまり、次のような相続配分となります。

被相続人に配偶者がいる場合

被相続人の子が、ご自身と異母(異父)兄弟1人の計2人ならば

  • 配偶者:1/2
  • 子(ご自身):1/4
  • 異母(異父)兄弟:1/4

被相続人の配偶者が亡くなっている場合

被相続人の子が、ご自身と異母(異父)兄弟1人の計2人しかいないならば

  • 子(ご自身):1/2
  • 異母(異父)兄弟:1/2

異母(異父)兄弟と相続トラブル事例

異母(異父)兄弟と相続トラブル事例

異母(異父)兄弟とは、おそらく連絡すら取ったことの無い方々も多いはずです。
後々のトラブルが心配ですね。

こちらでは、3つの相続トラブルの事例を紹介します。

異母(異父)兄弟と相続トラブル事例
  1. 異母(異父)兄弟との遺産分割でのトラブル
  2. 異母(異父)兄弟と連絡が取れない場合
  3. 異母(異父)兄弟が亡くなっていた場合

異母(異父)兄弟との遺産分割でのトラブル

遺産分割の際、遺言書があればその内容に従います。

一方、遺産分割協議の場合は協議書まで作成したにも拘わらず、遺産協議書を作成した後に異母(異父)兄弟として別の相続人が出てくる場合もあります。

異母(異父)兄弟に相続権がある場合は、基本的にせっかく決めた遺産分割が白紙となってしまいます。

つまり、遺産分割協議書は無効となります。

そのため、相続人の調査はかなり慎重に行わなければいけません。

異母(異父)兄弟がいるかどうかの確認は、概ね被相続人の出生~亡くなるまでの戸籍謄本を収集する関係で発覚します。

相続人の調査は行政書士や弁護士が対応できるので、このような法律の専門家に依頼するのも良い方法です。

注意

遺産分割協議書を作成した後に、異母(異父)兄弟が発覚した場合には、遺産分割協議書の再作成が必要となるため、被相続人の戸籍を調べておく必要がある。

異母(異父)兄弟と連絡が取れない場合

異母(異父)兄弟が発覚した場合、遺産相続の事実を伝える必要があります。

とはいえ、異母(異父)兄弟がどこにいるかわからないケースもあります。

まずは調査してみる

そんな時は、親戚に異母(異父)兄弟の住所等を尋ねてみましょう

亡くなった親の兄弟(おじ・おば等)なら、過去に年賀状で異母(異父)兄弟とやり取りをしている可能性が考えられます。

それでも住所等がわからない場合は、現在取得している戸籍謄本を手掛かりに、異母兄弟の本籍地の市区町村役場から「戸籍の附票」を取り寄せる方法もあります。

「戸籍の附票」には戸籍の筆頭者はもちろん、戸籍の在籍者氏名・住所等を記載している可能性が高いです。

MEMO

異母(異父)兄弟の所在が解らない場合には、親戚を頼って居場所を確認する方法や戸籍謄本などを頼りに探す方法もある。

それでも居場所がわからないなら

手を尽くしても本当に異母(異父)兄弟の居場所がわからない場合、失踪宣言の申し立てをしましょう。

更に、異母(異父)兄弟の代わりとして遺産を管理する「不在者財産管理人」を選出します。

居場所のわからない異母(異父)兄弟が不利益を被らないよう、異母(異父)兄弟の法定相続分は不在者財産管理人に預ける必要があります

MEMO

どうしても所在が不明な場合は『失踪宣言』を申し立てて、『不在者財産管理人』を選出して遺産を預けておく必要がある。

異母(異父)兄弟が亡くなっていた場合

異母(異父)兄弟が発覚したけれど、既に亡くなっていたというケースもあります。

一見すれば異母(異父)兄弟に関して、遺産相続から外しても問題ないように思われます。

しかし、異母(異父)兄弟がたとえ亡くなっていても、異母(異父)兄弟に子がいる場合は「代襲相続」が発生します。

つまり、相続権が引き継がれるわけです。

異母(異父)兄弟に子の存在が確認できる場合は、遺産相続へ参加させる必要があります

MEMO

異母(異父)兄弟が亡くなっていた場合には、その子供に代襲相続権が発生するため、遺産相続の話し合いに参加させる必要がある。

異母(異父)兄弟との相続での注意点

異母(異父)兄弟との相続での注意点

異母(異父)兄弟という、交流すらなかった人たちが相続人となることも十分ありえますね。
他の相続人達よりも慎重に対応しないと。
異母(異父)兄弟との相続で気を付けるべき点があれば、是非教えて欲しいです。

こちらでは、異母(異父)兄弟との相続での2つの注意点を紹介します。

異母(異父)兄弟の存在を明らかにしておく

被相続人となる人は、現在のご家族の皆さんには言い難いかもしれませんが、生前にしっかり異母(異父)兄弟の存在を伝えておくことが大切です。

被相続人が亡くなってから、相続を開始して、その事実が発覚しては、遺族は予想外の異母(異父)兄弟の存在に愕然とするかもしれません。

異母(異父)兄弟がいることは、被相続人の出生~亡くなるまでの戸籍謄本をチェックすればわかります。

しかし、前もって遺族が事実を知っておけば、相続開始の際に円滑な対応ができることでしょう。

MEMO

被相続人が異母(異父)兄弟の存在を明らかにしておけば、相続時に円滑に手続きが可能となる。

遺言書を残しておく

異母(異父)兄弟との相続争いを回避する方法として、最も確実なのは被相続人が遺言書を作成する方法です。

遺言ならば誰が遺産を引き継ぐのかを、被相続人で決めることができます

相続人の同意は無くても法的拘束力が生じるのです。

遺言の種類

遺言の方法は基本的に次の3種類です。

遺言書の種類
  1. 自筆証書遺言
  2. 秘密証書遺言
  3. 公正証書遺言

(1)自筆証書遺言

自筆証書遺言は、その名の通り遺言書を自筆で作成して保管することになります。

気軽に作成する事が出来て下記の条件を満たせば有効な遺言書となります。(民法第968条)

  1. 遺言者本人が
  2. その全文、日付及び氏名を自書する
  3. 作成した遺言書に印を押す

(民法第968条)

遺族が自筆証書遺言を発見した場合には家庭裁判所から検認してもらい、はじめて法的に効果のある遺言書となります。

(2)秘密証書遺言

秘密証書遺言とは、遺言の存在は明確にしつつも、内容自体は秘密にできる遺言をいいます。

ご自身で遺言の内容を作成し封印した後、公証役場で遺言の存在を証明してもらう方法です。

遺言書の本文は、自筆証書遺言とは違いパソコンで作成することや代筆も可能です。

ただし、証人2人以上を連れて公証役場で秘密証書遺言の手続きをしなければなりません

また、手続きが面倒なため利用されるケースは稀です。

MEMO

遺言書の存在は明らかにするが、内容を秘密にしておきたい場合に活用する方法

ただし、手続きは少し面倒である。

(3)公正証書遺言

公正証書遺言は、最も確実な遺言の方法です。

遺言を作成したい方の意思を直接確認しながら公証人が法律に従って作成します。

方式の不備により遺言書が無効になるおそれがなく、有効な遺言書を残すことができます。

また、相続人が遺言内容を改ざんしたり、遺言を破棄したりするリスクもありません。

MEMO

被相続人の意思を直接確認しながら作成することが出来るため、最も確実で安全な遺言の作成が出来る。

ただし、ここに注意!

遺言内容は被相続人が自由に決めて構いません。

それこそ複数の相続人がいても相続人一人だけに財産をすべて相続させる内容や、逆に相続人の誰へ一切の財産を相続させない内容も明記できます。

しかし、相続人は「遺留分侵害額請求権」が付与されています。

つまり、自分の遺留分だけ金銭を請求できます。

つまり、遺産を相続させたい相続人から異母(異父)兄弟を外す内容も有効ですが、遺留分侵害額請求権を行使されるおそれもる点に注意しましょう。

注意

遺言の内容は自由だが、相続人には『遺留分侵害額請求権』が有るため、遺留分を巡ってトラブルになる可能性はある。

異母(異父)兄弟の相続手続き方法と手順

異母(異父)兄弟の相続手続き方法と手順

異母(異父)兄弟と相続を進める場合であっても、トラブルなく穏便に対応していきたいです。
異母(異父)兄弟との相続手続きの流れを教えてください。

こちらでは、相続手続きの方法・手順などについて解説します。

相続手続きの手順

相続手続きの流れは次のようになります。

遺言書があれば原則としてその内容に従い、遺言書がなければ遺産分割協議で全ての相続人と財産分与を決めます

相続人・相続財産の調査~相続税を申告するまでを説明します。

相続手続きの手順
  1. 被相続人が亡くなり相続人・相続財産の調査
  2. 遺言書または協議を行い遺産分割
  3. 遺産分割協議書の作成
  4. 遺言書または遺産分割協議書に従い遺産分割を行う
  5. 税務署へ相続税を申告

第一段階|被相続人が亡くなり相続人・相続財産の調査

1.相続人の調査

被相続人の遺言書、なければ法定相続人となる家族をチェックします。

相続人が誰になるかわかりきっていると油断せず、被相続人の出生~死亡までの戸籍謄本を収集して相続人を確定します。

異母(異父)兄弟が発覚したら、無視をせず相続権があることを報告します。

2.相続財産の調査

被相続人の預貯金等の金融資産、建物や土地といった不動産、家財等を調査します。

遺産が多いとそれだけ調査をするまでには時間もかかります。

第二段階|遺言書または協議を行い遺産分割

遺言書があればそれに従い遺産を各相続人へ分与します。

ただし、遺言内容への不満のある相続人がいる場合や遺言書がない場合は、相続人全員の合意で遺産分割協議を行います

第三段階|遺産分割協議書の作成

協議で遺産をそれぞれ誰が継ぐか決めたら、遺産分割協議書を作成します。

作成する場合は準備書類を持ち寄ります。

こちらに関しては後述します。

第四段階|遺言書または遺産分割協議書に従い遺産分割を行う

遺言書または遺産分割協議書に従い、各相続人が遺産を引き継ぎます

金融資産・不動産資産の相続手続きに関しては後述します。

第五段階|税務署へ相続税を申告

被相続人の住所地を管轄する税務署で相続税申告を行います

遺産分割協議書が作成されているなら、申請書および他の必要書類と共に提出します。

原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から「10か月以内」までに申告します。

ただし、必ず申告をすることになるわけではなく、相続財産の課税価格が基礎控除以下(3,000万円+600万円×相続人数)なら申告は原則不要です。

 

相続人の間で大きなトラブルが無ければ、上記のような流れで相続手続きが進みます。

なお、残念ながら相続人間で遺産相続のトラブルとなった場合の対応は後述します。

各遺産相続手続きに必要な書類

こちらでは、遺産分割協議書作成に必要な書類各遺産に関する相続手続き税務署へ相続税を申告する手続きをそれぞれ解説します。

遺産分割協議書作成に必要な書類

異母(異父)兄弟との遺産分割の話し合い自体なら、相続財産の調査をした調査表があれば十分です。

(1)基本的な遺産分割協議書作成のための書類

次の書類を準備します。

  • 被相続人の出生~亡くなるまでの戸籍謄本:必要に応じ改製原戸籍謄本、除籍謄本を準備
  • 被相続人の住民票の除票・戸籍の附票
  • 相続人全員分の戸籍謄本
  • 相続人全員分の実印・印鑑登録証明書

(2)公正証書で作成するための書類

異母(異父)兄弟との円滑な遺産分割のため、協議書を公正証書としておいた方が証明力は高まります

公正証書手続きは公証役場で行います。

主に提出する書類は次のようなものが必要です。

  • 公正証書作成のための資料:遺産分割協議書orメモ書きのようなものでも可。
  • 被相続人の戸籍謄本等:出生~亡くなるまでの戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本が該当。
  • 相続人の戸籍謄本
  • 相続人の印鑑登録証明書・実印
  • 不動産資産に関する証明書類:固定資産評価証明書、登記事項証明書が該当。
  • 金融資産に関する証明書類:預金通帳、有価証券の残高証明書等。
  • 負債に関する証明書類:借入先の残高証明書等。

更に追加の書類が要求される場合もあります

なお、公証人手数料もかかります。

手数料は日本公証人連合会「法律行為に関する証書作成の基本手数料」を参照してください。

各遺産に関する相続手続き

被相続人の遺産は多種多様と思いますが、こちらでは相続人が主に手続きを行うこととなる、「金融機関の口座凍結の解除」「土地・建物の所有権移転登記」に必要な書類と提出先を説明します。

いずれのケースも明確な提出期限はないものの、税務署へ相続税を申告が必要な場合、原則として相続の開始があったことを知った日の翌日から「10か月以内」までに申告しなければいけません

それまでに速やかな手続きが求められます。

(1)金融機関の口座凍結を解除するための書類

被相続人の亡くなったことが判明すれば、金融機関は被相続人名義の口座を凍結してしまいます。

このままでは遺産の引き継ぎができないので、この凍結を解除し引き継ぐ相続人への名義変更が必要です。

口座を凍結の解除のため次の書類を準備します。

  • 名義変更依頼書
  • 被相続人(故人)の戸籍謄本:必要に応じ改製原戸籍謄本、除籍謄本を準備
  • 相続人全員分の戸籍謄本
  • 印鑑登録証明書
  • 通帳
  • 遺産分割協議書の写し(遺産分割をした場合)
  • 遺言書:(自筆証書遺言の場合)自筆証書遺言書正本・検認調書、(公正証書遺言)公正証書遺言書の謄本の原本

更に追加の書類が要求される場合もあります

期限は特に定められていませんが、相続確定後速やかに口座を凍結した金融機関へ提出しましょう。

(2)不動産の名義変更をするための書類

被相続人の所有していた土地・建物などの不動産を相続する場合、登記簿を名義変更します。

主に提出する書類は次のようなものが必要です。

  • 登記申請書
  • 被相続人(故人)の戸籍謄本:必要に応じ改製原戸籍謄本、除籍謄本を準備
  • 相続人全員分の戸籍謄本
  • 印鑑登録証明書
  • 相続人の住民票
  • 固定資産評価証明書
  • 遺産分割協議書の写し(遺産分割をした場合)
  • 遺言書:(自筆証書遺言の場合)自筆証書遺言書正本・検認調書、(公正証書遺言)公正証書遺言書の謄本の原本

更に追加の書類が要求される場合もあります

期限は特に定められていませんが、登記簿の変更をする場合には、専門家または法務局へ書類の提出と登記変更の手続きをしましょう。

相続税を申告する手続き

前述したように、相続財産の課税価格が基礎控除以下(3,000万円+600万円×相続人数)なら申告は原則不要です。

ただし、基礎控除を超えた場合、原則として相続の開始があったことを知った日の翌日から「10か月以内」に、税務署へ申告しなければいけません

主に提出する書類は次のようなものが必要です。

  • 相続税申告書
  • 被相続人(故人)の戸籍謄本:必要に応じ改製原戸籍謄本、除籍謄本を準備
  • 住民除票
  • 相続人全員分の戸籍謄本
  • 印鑑登録証明書
  • 相続人の住民票

ケースによって、更に追加の書類が要求される場合もあります

異母(異父)兄弟の相続は弁護士に相談する

異母(異父)兄弟の相続は弁護士に相談する

異母(異父)兄弟があらわれたら、遺産相続が難航しそうです。
このトラブルにアドバイスをくれる専門家はいないものでしょうか。

こちらでは、法律の専門家である弁護士について解説します。

相続トラブルは弁護士にお任せ!

異母(異父)兄弟をはじめ相続人間でトラブルになった場合、解決できる専門家は弁護士だけです。

弁護士は裁判で弁護活動を行うというイメージがありますが、裁判などの他にも、前段階でトラブルになっている相続人同士を丸く収める努力も行います

被相続人の遺言書の内容に不満がある場合や、相続人間で遺産分割協議が不成立の場合、弁護士が多様な財産分与の案を提示します。

この様にトラブルを円満解決し、遺産相続を進める調整役的な部分も弁護士の仕事です。

また、遺言書があっても家庭裁判所から無効と判断された場合や、どうしても相続人が遺言内容に納得がいかず相続人間で新たに財産分与を決定することがあります。

協議の中で遺産について誰がどの財産を相続するか、これが決まらないことには相続手続きがいつまで経っても進みません。

そこで、法律の専門家である弁護士が最終的には、相続人に代理して調停や審判等で解決を図ることとなります

遺産分割調停や遺産分割審判等については解説します。

MEMO

遺言書の内容や遺産分割協議書の内容などの確認から、相続トラブルまで間に入って解決を行うのも弁護士の仕事である。

遺産相続に強い弁護士を選ぶ

遺産相続の問題が起きた場合に、弁護士だったら誰でもわけではありません

こちらでは、弁護士に依頼する場合の注意点などを説明します。

弁護士に依頼する場合の注意点
  1. 弁護士にも得意分野はある
  2. 遺産相続に関する経験はどこで判断するべき
  3. 弁護士選びはここに注意

弁護士にも得意分野はある

弁護士にも色々と得意分野はあります

会社の法律関係である企業法務に詳しい弁護士、特許に関連する訴訟に詳しい弁護士、そして遺産相続に実績のある弁護士など様々です。

逆にいえば、弁護士にも不得意分野は存在します

例えば特許に関する訴訟等で実績があっても、遺産相続に関連する話し合いや、調停・審判等の経験の全くない弁護士もいます。

この様な弁護士に依頼をしても、相続問題を解決に導けるかどうかは疑問です。

注意

弁護士にも得手不得手があるため、相続問題を得意とする弁護士を探さなければいけない。

遺産相続に関する経験はどこで判断するべき

弁護士へ依頼を希望する場合、ご自宅にインターネット環境が整っているなら、各弁護士のホームページから当該事務所で力を入れている分野がわかります。

遺産相続に実績のある弁護士なら、詳細な知識や解決方法をホームページ上に掲載している場合が多く、遺産相続に携わった実績等も紹介している場合が多いので、弁護士を選ぶ際の目安になります。

また、実績に関しては、実際に弁護士に質問してどのくらいの件数をこなしてきたか聞いてみても問題はありません。

この様な質問にもしっかり答えてくれる弁護士こそ、依頼する価値のある誠実な弁護士です。

MEMO

相続問題に詳しい弁護士を探す場合には、ホームページなどで実績を確認するのも良い手段である。

弁護士選びはここに注意

たくさんの弁護士がホームページを開設しています。

その中には、かなりリーズナブルな費用で依頼を受け負う弁護士もいることがわかるはずです。

弁護士報酬は2014年4月から自由化され、弁護士と依頼者とで自由に金額および支払い方法を決めることができます

ただし、金額が安い弁護士事務所が遺産相続の解決に優れた事務所というわけではありません。

逆に弁護士報酬が高いからと言って安心できるという保証もありません。

支払う費用も弁護士に依頼する際の選択肢の一つですが、大切なのは現在の遺産相続の問題解決に真摯な対応してくれる弁護士を探すことです。

注意

リーズナブルな費用で依頼を受ける弁護士も多くなってきているが、金額だけで判断すると失敗することもある。

理想の弁護士とは?

何より依頼者の話をしっかりと聞き、初歩的な質問であっても依頼者の納得するまで説明してくれる弁護士が理想的です。

依頼者が、どうしたいのかを聞いた上で、その希望する最善の方法を探り尽力できる弁護士に依頼したいものです。

いかに実績や知識があっても、依頼者の希望を無視したり、質問への満足な回答をしなかったりするような弁護士では、依頼者が描く理想に近い解決へ程遠い結果となることでしょう。

弁護士は依頼者の味方であるとともに、問題を一緒になって解決していくパートナーでなければいけません。

信頼できるパートナーである弁護士を選ぶには、依頼者が実際に弁護士と面談し、質問することが大切です。

弁護士がどのような人柄かは、話を聞くうちに依頼者の方でだんだんわかってくると思います。

誠実で信頼するにふさわしい弁護士を選ぶなら、やはり直に依頼者が弁護士と話し合い判断していくことこそ最も重要です。

MEMO

信頼できる弁護士を見つけるためには、弁護士に会って話をするのも良い方法である。

異母(異父)兄弟の相続でよくある質問

異母(異父)兄弟の相続でよくある質問

異母(異父)兄弟との遺産相続の説明を受けているうちに、いろいろ疑問点が出てきました。
いくつか質問よろしいでしょうか。

こちらでは、異母(異父)兄弟との遺産相続に関してよくある質問を3つ紹介します。

異母(異父)兄弟の相続でよくある質問
  1. 遺産分割協議は異母(異父)兄弟と決裂したが穏便に解決したい
  2. 遺産分割調停でも話がまとまらない場合
  3. 審判でも不服があるなら

遺産分割協議は異母(異父)兄弟と決裂したが穏便に解決したい

最終的に遺産相続トラブルは、裁判所で解決する道が残されています。

とはいえ「なるべく穏便に解決したい」と思う人は多いはずです。

この場合には「遺産分割調停」で解決を図ります。

こちらの調停の場合、遺産相続問題の話し合いの場は家庭裁判所に移ります。

遺産分割調停では、中立の立場から問題の解決を目指す「調停委員」を交えて話し合いが進行します。

調停委員は、弁護士、医師、大学教授、会社員、宗教家、カウンセラー等の職業を持つ、多彩な方々が選ばれています。

この調停では、多角的な視点から遺産相続問題を捉え、解決のための調整を図ることが期待できます

なお、前述した弁護士も調停に同席でき、法的な根拠から相続人の主張の正当性を述べてくれます。

遺産分割調停の流れは次の通りです。

  1. 遺産分割調停申込書の作成
  2. 遺産分割調停の申立て:数千円の費用と共に、申込書を管轄する家庭裁判所へ提出
  3. 調停期日への出頭・話し合い:申立てが受理されれば、裁判所が1回目の期日を決定、当事者に通知
  4. 調停期日への出頭(2回目以降):1回目で話し合いがまとまらなければ、順次期日を決め話し合い
  5. 調停の成立:採決された内容で手続き

遺産分割調停でも話がまとまらない場合

前述した遺産分割調停には回数の制限はないものの、どうしても当事者の溝が埋まらず、全く話が進展しなくなる場合もあります。

その場合には「遺産分割審判」で解決を図ります。

なお、調停を経ず最初から審判の申立を行うことはできますが、「不満のある人がまず話し合いで解決を図りましょう」と、家庭裁判所に遺産分割調停から始めるよう要求されるケースが多いです。

遺産分割審判は争っている当事者が主張・立証をするという形で進んでいきます。

また、当事者の主張には法的な証拠が求められます。

そのため、弁護士に主張・立証してもらった方が、断然審判を有利に運ぶことになります

この遺産分割審判は調停委員からの報告や、当事者の主張・立証を検証し裁判官が判断を下します。

ただし、審判の途中で遺産相続で揉めている相続人同士が和解したら審判は終了となります。

遺産分割審判の流れは次の通りです。

  1. 遺産分割審判申立書の作成
  2. 遺産分割審判の申立て:数千円の費用と共に、申込書を管轄する家庭裁判所へ提出
  3. 審判期日への出頭し主張・立証:書面で事実・法律上の主張をし、それを裏付ける各種の書類や資料を提出
  4. 審判期日への出頭(2回目以降):1回目で話し合いがまとまらなければ、順次期日を決め話し合い
  5. 家庭裁判所の決定:裁判所がどのように遺産分割すべきかを決定(審判)

審判でも不服があるなら

前述した審判にも不満がある場合は、審判が告知された日の翌日より2週間以内に不服の申し立てを行います。(即時抗告)

不服申し立てに関連する書類は家庭裁判所を経由して高等裁判所へ提出されます。

この手続きは、弁護士が代理して行うことができます。

また裁判所へ出廷する場合も、証拠になる書類や記録等が提出されます。

抗告審の審理では、抗告状・理由書に理由が不記載、家庭裁判所での主張の繰り返しに過ぎないなど、理由がないことが明らかな場合は抗告はただちに棄却されます

抗告に理由がないことが明らかとまではいえない場合、抗告状と抗告の理由書が相手に送達されます。

遺産相続の相手方は抗告の理由に対し、反論をするということになります。

審理を行った後、抗告審としての判断が下されます。

その後は、最高裁判所に特別抗告・許可抗告をすることも可能です。

しかし、ここまで争われるケースは非常に稀です。

MEMO

遺産分割審判で、決着が付かない場合には抗告をして決着を付けることは出来ますが、ここまでトラブルケースは希である。

異母(異父)兄弟 相続|まとめ

異母(異父)兄弟 相続|まとめ

遺産相続を開始してから異母(異父)兄弟の存在がわかると、動揺してしまうケースもあります。

しかし、異母(異父)兄弟にも相続権があるので、無視して相続手続きを進めるわけにはいきません。

前述したように、異母(異父)兄弟と遺産相続がこじれたら、遺産分割調停・遺産分割審判等により決着することも可能です。

しかし、相続人同士が妥協できる一致点を見つける努力は必要です。

様々な家族の在り方がありますので、異母(異父)兄弟が仲良く生活していると言う方も勿論いらっしゃると思います。

また、被相続人が亡くなった後に、異母(異父)兄弟の存在を知るという方も居ると思います。

被相続人は、打ち明けられない事情もある可能性もありますが、出来る限り生前に異母(異父)兄弟の存在を明らかにしておくのも、相続トラブルを避けるためには必要となります。

異母(異父)兄弟でも、しっかりと相続権がありますので、トラブルになる前にしっかりと円満に解決できるように努めましょう。