団体保険とは、特定の企業・労働組合等に所属している方々を対象に募集している保険です。
団体生命保険には、保険料を加入者側(従業員)が負担する「団体定期保険」や「団体信用生命保険」、保険料を会社側が負担する「総合福祉団体定期保険」があります。
それぞれに特徴はありますが、加入の際に注意しなければいけない点もあります。
その他、「団体扱い」という一見すれば団体保険と似ている名前もありますが、仕組みが違うものもあり、加入を検討する際に頭が混乱するかもしれません。
そこで今回は、団体生命保険の特徴と注意すべき点をご紹介します。
団体生命保険についての基礎的な知識を得て、保険選びで失敗しないようにしましょう。
目次
1.団体保険について
自分は、希望の会社の内定をもらい来年から新社会人になります。会社になじめるよう頑張りたいです。
実は私の父親や叔父から、会社に団体保険があったら是非加入した方が良いといわれました。
ですが、いまいち団体保険とはどういう内容の保険なのか、よくわかりません・・・。
こちらでは、団体保険とは何か?この保険の種類等を解説します。
1-1.団体保険とは
団体保険は、特定の企業・労働組合等に所属している従業員を対象として募集している保険商品です。
比較的大きな会社に勤務している会社員のみなさんなら、その会社で募集されている団体保険に任意で加入することができるはずです。
団体保険は、加入したら一生涯保障される終身型ではなく、1年間の保障・毎年契約更新の必要な定期保険等がほとんどです。
保険の内容は、被保険者の死亡または高度障害状態(※)になった場合を保障する定期保険(生命保険)、被保険者の病気やケガの入院や治療を保障する定期型の医療保険等があります。
(※)高度障害状態:被保険者が死亡するまでには至らなくても、病気やケガが原因で回復の見込みも無い、重大な身体障害等を指します。例えば、両目の失明、寝たきりになり常時介護が必要な場合、両手・両足の欠損や機能不全等が該当します。
1-2.加入者負担か企業負担か
団体保険は大きく分けて2種類に分かれます。
〇保険料を従業員が任意で支払う保険
従業員が勤務先の会社を通じ、保険料を任意で支払うタイプのものがあります。
任意加入型団体定期保険または自助努力型団体定期保険等と呼ばれています。
従業員は自ら保険料を負担することになりますが、個人向けの保険料よりも割安でしっかりとした保障が約束されます。
また、保険料に応じて保障内容も従業員自身で手厚くできるのが特徴です。
また、支払った保険料は従業員の生命保険料控除として、所得控除の対象となるので、節税効果が期待できます。
〇保険料の全額を会社が支払う保険
従業員ではなく、会社が保険料を全額支払うタイプの保険です。定期保険ならば、各社とも概ね保険金額を500万円程度と設定しています。
つまり、従業員自身が保険料を上乗せして、保険金額を手厚くできるような仕組みではありません。
各自が保険を選ぶという自由度はないものの、保険料は全額会社が負担してくれるので、従業員にとってはお得な保険といえます。
1-3.団体保険の種類
団体保険は、保険料を従業員が支払うか、企業が負担するかで次のように分かれます。
団体保険 | 従業員負担 | 企業負担 |
在職中 | ・団体定期保険
・医療保険(団体型:任意加入) |
・総合福祉団体定期保険
・団体就業不能保障保険 ・医療保険(団体型:全員加入) |
生計の安定 | ・団体信用生命保険
・3大疾病保障特約団体信用生命保険 |
‐ |
退職後 | ・拠出型企業年金保険
・一時払退職後終身保険 ・個人型拠出型年金 |
・確定給付企業年金保険
・厚生年金基金保険 ・企業型確定拠出年金 等 |
会社ごとに加入できる保険商品は様々で、前述の保険をすべて自由に選択して加入できるわけではありません。
団体保険に加入できる場合は、たとえ企業が保険料を負担する保険商品であっても、保険内容をしっかりと確認しましょう。
保険内容が不十分と感じたなら、ご自分で生命保険等に加入しておくことも大切です。
2.団体生命保険について
団体保険の中でも、団体生命保険に関する商品へ関心があります。
自分が不運な事故とかで亡くなったり、寝たきりになったりしたら家族も困ります。
団体生命保険について詳細を知りたいです・・・・。
こちらでは、団体生命保険の特徴と、メリット・デメリットを解説します。
2-1.団体生命保険とは
団体保険の中でも死亡保障を保険内容とした商品が該当します。保険契約者を会社等の団体とし、その会社(団体)に所属する従業員を被保険者とします。
団体生命保険には、「1-3.団体保険の種類」でも前述した、「団体定期保険」、「団体信用生命保険」、「3大疾病保障特約団体信用生命保険」、「総合福祉団体定期保険」が当てはまります。
次項では、団体生命保険の各商品に共通したメリット、そしてデメリットを取り上げていきます。
2-2.団体生命保険のメリット
団体生命保険のメリットは次の通りです。
〇保険料が安い
保険料が個人向けの保険契約よりも割安になることが多いです。広告宣伝費がかからないので、その経費分安くできるのです。
また、保険料は団体生命保険の場合、加入者(年齢等)や事故率を団体ごとに算出しています。
社内で年配の従業員の割合が高い場合を除き、民間の個人向け保険よりも保険料は安くなることがほとんどです。
〇加入が容易
団体生命保険では、健康状況を告知する内容(項目)が個人向け保険よりも緩やかになっています。
個人向けの生命保険の加入する際は、持病や過去の傷病歴を正確かつ正直に告知する義務があります。
そのため、保険会社の判断で告知の内容により加入を拒否される場合もあります。
例えば、個人向けの生命保険の場合、どの保険会社の告知項目でも過去3年または5年前まで遡り傷病歴の告知が必要です。
一方、団体生命保険では1年前までの告知で十分となっていることもあり、告知する範囲が狭く加入しやすい場合が多くなっています。
〇配当金が受け取れる場合も
必ず受け取れるわけではありませんが、剰余金があれば配当金として従業員へ還元される場合もあります。
団体生命保険では、1年ごとに従業員の死亡率等の収支計算を行い、剰余金が発生すれば配当金として支払われます。
加入している従業員にとっては臨時の収入となり、嬉しいものですが、配当金額は数十万円も戻ってくることはさすがにありません。
2-3.団体生命保険のデメリット
団体生命保険のデメリットは次の通りです。
〇会社を辞めたら適用外
団体生命保険は保険契約者が会社(団体)である以上、被保険者であるご自分が転職するなどして辞めた場合、団体生命保険は基本的に解消されます。
そのため、ご自分が団体生命保険の他、個人向けの保険に加入していない限り、「保険の空白期間」が生じるケースもあります。
ご自分が独立して自営業者として事業を経営していくにしても、あらたに死亡保険(生命保険)や医療保険に新たに加入した方が無難です。
〇団体生命保険に頼りすぎない
団体生命保険以外の保険には全く加入しない、という選択もあると思います。
たしかに団体生命保険は、従業員であるご自分の加入が前提であるものの、配偶者や子も保険加入は可能です。
しかし、団体生命保険は基本的に定期保険契約であるため、保険加入は最長70歳まで、子の場合は22歳まで適用可能というよう風に定められています。
ご自分が在職中なら、家族も無条件で加入可能なわけでは無いので、加入の継続要件を「保険契約のしおり」等でしっかりと確認しておきましょう。
3.団体定期保険について
団体生命保険に加入するにしても、そのメリットやデメリットをしっかりと把握しておくことが大切ですね。
では、団体生命保険の一つである団体定期保険について詳細を知りたいです。
こちらでは、団体定期保険とは何か?その加入手続きや注意点を解説します。
3-1.団体定期保険とは
団体定期保険とは、会社(団体)の従業員の中で希望者を被保険者とし、その被保険者の死亡保障および高度障害保障を主目的とした団体保険です。
被保険者である従業員が自分で保険料を納付し、遺族のための保障等として活用します。
支払う保険料は生命保険料控除の対象です。つまり、給与所得者が行う「年末調整」で、この保険料を生命保険料控除として申告すれば、所得税の軽減につながります。
団体定期保険は、保険料が非常に安く、例えば死亡保険金額が500万円であるならば毎月の支払額が男性650円、女性なら400円という場合が多いです(男女とも20歳の場合)。
3-2.団体定期保険の加入手続き
団体定期保険の加入手続きは次の通りです。
〇手続きの流れ
加入を希望する従業員(被保険者)にとっては、原則として加入申込書の提出以外に何もしなくても良いので便利です。
- 会社(団体)から加入希望者の募集
- 従業員(被保険者)が希望する場合、期限内に加入申込書等を提出
- 会社(団体)と保険会社で契約締結
- 会社(団体)は保険料分を従業員(被保険者)の給与から引き去る
〇契約成立の条件
例えば、加入を希望する従業員(被保険者)が1名しかいなかった場合でも、保険会社との間で契約が成立するかと言えばそうではありません。
保険契約が成立するためには、実際の加入者数が、会社(団体)の種類別に定められた最低数以上、かつ加入有資格者の一定割合以上であることが条件となります。
例えば、企業単独で健康保険組合を設けている場合なら、最低でも加入者数は50名以上、かつ加入有資格者全体の35%以上の従業員が加入しなければ契約は成立しません。
〇従業員の提出書類はわずか
団体定期保険の加入を申し込む場合は、基本的に「加入申込書兼告知書」に希望者が記載するだけで足ります。
告知に関しては主に次のような内容を質問されます。
- 最近3ヵ月以内に医師の治療・投薬・指示・指導を受けたことがあるか?
- 過去1年以内に病気・ケガのため手術を受け、または継続して2週間以上の入院をしたことがあるか?また、病気・ケガのため2週間以上にわたり、医師の治療・投薬を受けたことがあるか?
- 手・足の欠損または機能の障害の有無、また背骨(背柱)、視力、聴力、言語、そしゃく機能に障害があるか?
告知に「あり」と回答した場合は、「被保険者の告知書」にその内容の詳細な記載しなければならないこともあります。
3-3.団体定期保険の注意点
被保険者であるご自分が転職や独立等をした場合、団体定期保険をはじめとした団体生命保険が解消されてしまうことは、「2-3.団体生命保険のデメリット」で前述した通りです。
その他にも団体定期保険には注意点があります。
〇保険更新時の年齢で保険料が上がる
団体定期保険は1年更新となり、更新時に解約の申し出なければ保障は自動的に継続します。
被保険者にとっては手間もなく便利なのですが、被保険者の年齢によって保険料の高くなるタイミングがあります。
ほとんどの場合、契約してから5年ごとに保険料が上がる仕組みとなります。
事例を上げれば次の通りです。
(例)
- 団体定期保険加入年齢:20歳
- 設定保険金額:500万円
- 保険料:月払
年齢 | 男性 | 女性 |
20歳 | 650円 | 400円 |
30歳 | 700円 | 450円 |
40歳 | 800円 | 650円 |
50歳 | 1,550円 | 1,050円 |
60歳 | 3,700円 | 1,850円 |
表をみてもおわかりの通り、年齢が高くなるにつれて毎月の保険料も上がっていきます。
ただし、個人向けの保険よりはやはり割安であり、よほど保険内容に不満も無ければ解約しない方が無難です。
〇退職後を考えた保障を
団体定期保険に加入しさえすれば、「遺族への死亡保障は万全。」とは言えません。
なぜなら退職後の保障対策もあるからです。現在加入中の団体定期保険は、退職後もご自分が亡くなるまで継続されるわけではありません(概ね70歳まで)。
そのため、ご自分がお勤めの会社で「一時払退職後終身保険」への加入も募集しているなら、こちらへも加入しておくことがおすすめです。
一時払退職後終身保険とは、在職中、拠出型企業年金保険等により保険料を積み立て、ご自分が退職したとき、その積立金を終身保険の一時払保険料に充当し、一生涯の保障とする保険です。
ご自分が退職の頃には、子も独立し、マイホームのローン等も払い終わっている頃かもしれませんが、ご自分の亡くなった際の葬式代等で遺族が困らないように備えておくのも大切です。
4.団体信用生命保険について
私としては、現在、独身でアパート住まいですが、いすれ所帯を持ちマイホームを購入したいと思っています。
その際に頼りになる団体保険はありますかね?
こちらでは、団体信用生命保険とは何か?その加入手続きや注意点を解説します。
4-1.団体信用生命保険とは
団体信用生命保険は、金融機関等(債権者)を保険契約者、その金融機関へ債務(つまり借金)を負っている人を被保険者とした団体生命保険です。
こちらの死亡保険金や高度障害保険金は残存債務の弁済にのみ使用されます。
金融機関にとっては債権の回収が確実にできて、債務者の遺族に債務が残らない仕組みになっています。
金融機関で住宅ローンを利用する際に、ほとんどのケースで加入が必要です。
ただし、団体信用生命保険は残存債務の弁済のみを目的とするだけではなく、保障範囲を拡大した商品もあります。
それが「3大疾病保障特約団体信用生命保険」です。がん・急性心筋梗塞・脳卒中という3大疾病を発症した場合、被保険者が所定の支払事由に該当すれば、ローン残高相当額を3大疾病の保険金として受け取ることができます。
若いうちは、3大疾病を発症するリスクも低いですが、年齢が高くなるほどそのリスクは増加し、重篤な事態になってしまうことも想定されます。
まだ元気なうちに将来の深刻な事態に備えて、「残存債務の弁済+α」の内容が設定されている保険を選んでおくことも大切です。
また、生活習慣病を発症した場合に保障が適用される団体信用生命保険も販売されています。
4-2.団体信用生命保険の加入手続き
こちらでは貸付を利用する場合の、団体信用生命保険の加入手続きを解説します。
〇加入手続きの流れ
特に住宅ローンを利用する場合は、数千万円というお金が関係してくるため、団体信用生命保険の申し込みはほぼ必須となります。
団体信用生命保険の申込書は、インターネット等でも取得可能な場合があります。
手続きの流れは次の通りです。
- 団体の担当部署(総務課または貸付課等が主に担当)から申込書を取得
- 団体信用生命保険申込書兼告知書に必要事項を記載
- 団体の担当部署または生命保険会社へ提出
4-3.団体信用生命保険の注意点
ご自分が在職中に亡くなった場合、下りた死亡保険金は残存債務の弁済に充てられるので、遺族にとっては多額の金銭的負担へ苦しめられる心配はありません。
しかし、問題はご自分が亡くなった以降の家族の生活保障です。家族の大黒柱であるあなたが亡くなれば、遺族は少なからず金銭的な影響を受けるはずです。
ご自分の勤め先の団体から、「死亡退職金」は下りるかもしれませんが、その金額に不安を感じることもあるでしょう。
やはり個人で死亡保険へ個別に加入し、まさかの事態で家族が窮乏することのないように備えておくことが無難です。
5.総合福祉団体定期保険について
自分のまさかの時のために、団体生命保険へ加入することは大切です。
でも、来年就職するとはいっても、今まで自分は学生だったので貯金もほとんどありません。できれば会社に保険料を負担してもらいたいのですが・・・・。
こちらでは、総合福祉団体定期保険とは何か?その加入手続きや注意点を解説します。
5-1.総合福祉団体定期保険とは
総合福祉団体定期保険は、会社(団体)の従業員全員を被保険者とし、死亡保障・高度障害保障を主目的とした団体定期保険です。
会社の死亡退職金規程や弔慰金規程等の範囲内で、保険金額を設定し、遺族等へ支払うお金の財源確保として活用できます。
こちらも保険期間を1年として、加入を更新していくことになります。
団体保険である以上、加入数には条件があり、会社規模等により、例えば新規の契約時や更新時には10名以上の被保険者が必要という制約もあります。
なお、従業員のまさかの時の保険金の受取り手順は次の2種類です。
〇受取人が遺族
- 会社(団体)の従業員への被保険者になることの同意確認・社内規程の明確化の徹底
- 保険契約を締結し、会社(団体)から保険会社へ保険料を支払う
- 従業員が死亡
- 保険会社から会社(団体)の社内規程に基づいた保険金等の支払
〇受取人が法人
- 会社(団体)の従業員への被保険者になることの同意確認・社内規程の明確化の徹底
- 被保険者の家族または被保険者自身が、法人を受取人とすることを了知する
- 保険契約を締結し、会社(団体)から保険会社へ保険料を支払う
- 従業員が死亡
- 会社(団体)から社内規程に基づいた保険金等の支払
5-2.法人にとってのメリット
総合福祉団体定期保険は、法人が従業員の保険料を全額負担することになります。
しかし、それに見合うメリットも十分に存在します。
〇支払った保険料は全額損金にできる
総合福祉団体定期保険の場合は、会社が支払った保険料を「全額損金」として算入することができます。
会社側にとって自社の収益が多ければ、それだけ納付する税金も多くなります。
その際に、損金が計上されていれば、決算の際に会社の収益から差し引くことができます。
法人税は、収益から損金を差し引いたお金に応じ、課税されることになります。
そのため、多くの損金を計上すればより節税の効果が得られることになります。
〇従業員の福利厚生の充実
総合福祉団体定期保険に加入すれば、低いコストで従業員に対する福利厚生制度として活用できます。
会社側にとっては、まず弔慰金・死亡退職金規程等のいわゆる「取り決め」を設定する必要があります。
この設定を行い保険会社と契約を締結することで、財源を効率的に確保することが可能になります。
労災保険とは異なり従業員が亡くなった場合、原因は業務内外を問わず保障されることになります。
また、主契約である総合福祉団体定期保険に、災害保障特約や疾病入院特約を付加すると、従業員の医療費負担の軽減を図れる等、金銭的なサポートも可能です。
このような福利厚生の充実は、従業員の勤労意欲の向上、そして会社の発展につながることが期待できます。
5-3.従業員にとってのメリット
総合福祉団体定期保険に加入すれば、従業員にとってもメリットは大きいです。主に次のような恩恵があります。
〇従業員の保険料負担は0円
総合福祉団体定期保険の基本的な保障内容は、従業員が死亡した場合の死亡保障となります。
この死亡保険金の受取人は従業員の遺族(配偶者・子等)となります。
この死亡保険金額は500万円を目安に設定されている場合が多く、決して遺族の将来の生活が賄えるほどの大きな保障ではありません。
しかし、個人の保険料負担は0円なので、従業員にとっては大変頼りになる福利厚生の制度となっています。
また、この主契約に医療保障特約が付加されていれば、従業員であるご自分が病気やケガをした時、公的医療保険の適用外とされる有料の個室利用料(差額ベッド代)が保障される等(入院給付金)、お得な場合もあります。
〇各種割引が受けられることも
大手の保険会社との提携により、従業員にとって万が一の事態のみならず、日常生活おける様々な場面で、各種割引が受けられるサービスもあります。
例えば、レジャー施設やホテル・旅館、飲食店、映画館や結婚式場、引越し等の際に割引が受けられることもあります。
また、スポーツクラブの割引や、資格取得に関する講座受講料の割引サービス等が利用できます。
総合福祉団体定期保険に加入すれば、会社の予算を抑えつつ、最大限の福利厚生の充実を図ることが可能です。
そして、福利厚生を充実させれば、従業員が安心して仕事へ打ち込むことにつながり、職場への定着率の向上、業績アップにつながります。
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6.団体扱いという仕組みもある
保険の中には、「団体扱い」という仕組みがあることを聞きました。
入社した際に団体保険と混同を避けるために、詳細を確認したいです。
こちらでは、団体扱い何か?そのメリットやデメリットを解説します。
6-1.団体扱いと団体保険の名前は似ているが
生命保険には「団体扱い」という仕組みもあります。一見、団体保険と名前が似ており、同じような保険商品なのかと思うはずです。
しかし、団体扱いは個人が加入している保険になるので、団体保険と仕組みは異なります。
つまり、会社(団体)ではなく、お勤め先の会社と提携している保険会社が、従業員1人ずつへ保険加入の募集を行います。
一方、保険料は基本的に会社が給与から差し引いて、まとめて保険会社に支払うことになります。
ただし、保険加入者が従業員個人である以上、従業員が会社を退職しても保険契約は解消されずに、以後も継続できるのが特徴です。
6-2.団体保険との違いを仕組みで解説
団体扱いの場合は、保険加入者となる従業員が何人いても、適用できるのかといえばそうとはいえません。
〇団体扱いの条件
団体扱いが適用される条件としては、例えば同じ保険会社の加入者が10名以上ならば、保険料を会社(団体)で取りまとめて払い込めるという仕組みとなります。
団体扱いになる場合は、会社(団体)の事務担当者に、保険料引去等の事務を行ってもらうことになります。
そこで、保険会社から会社(団体)に対して、払込総保険料の概ね3%相当額の団体事務費が支払われることになります。
〇団体扱いの仕組み・保険金支払い等の流れ
- 保険会社が従業員へ保険加入の募集
- 加入を希望する従業員は保険会社と契約締結
- 会社(団体)は保険料分を従業員(保険加入者)の給与から引き去る
- 会社(団体)は保険会社へ保険料を払い込む
- 従業員が死亡した場合は然るべき手続きに則り、保険会社から直接遺族へ保険金が下りる
6-3.団体扱いのメリット・デメリット
こちらでは、団体扱いのメリット・デメリットを解説します。
〇団体扱いのメリット
団体保険ほどではないですが、団体扱いの場合も保険料は割安になります。
特に、保険の種類によっては、加入者数が20名以上になると、毎月支払う保険料が個人向け保険の場合の口座振替に比べて、安くなることが期待できます。
また、生命保険料控除も年末調整の際に申告すれば、問題なく所得税が控除されます。
〇団体扱いのデメリット
①保険料が把握しにくく、支払い方法が選べない
団体保険と同様、従業員の給与から保険料は天引きされますが、保険料は社会保険料等と一緒に引かれるので、保険料がどの位かかっているのか把握し難い点もあります。
また、支払い方法は当然選べず、クレジットカードでポイントをコツコツ稼ぎたい人には不向きと言えます。
②団体扱いでは保険会社を自由に選べない
特定の保険会社の保険へ加入したい従業員がたくさんいても、ご自分が勤めている会社と提携している保険会社でなければ、団体扱いが利用できません。
ご自分の入りたい保険会社があったときは、やはり個別に保険契約を締結するしかありません。
③退職時、忘れずに手続きが必要
「団体扱い」で保険契約した場合、ご自分が退職した後も保障を継続させることができます。
しかし、保険料の支払方法を給与より天引きされる方法から変更しておかなければ、保険契約が失効してしまいます。
退職する時は、忘れずにご自分の指定口座へ口座振替できるよう、変更手続きを行っておきましょう。
7.団体生命保険の保障内容を確認し事前に備えておこう
団体生命保険は、通常の個人向け保険よりも保険料が割安であったり、会社が負担してくれたりする等、従業員に有利な一面があります。
しかし、在職中に適用される保険である以上、ご自分が転職や独立すれば保険は解消されます。
また、一生涯にわたり死亡保障等が受けられるわけではありません。
ご自分が加入している団体生命保険の保障内容を確認し、不足していると感じたなら、個別に個人向けの保険へ加入を検討しましょう。
団体生命保険の不足分を、個人向け保険の死亡保障や医療保障で厚くする等して、事前に備えておくことが大切です。