「光熱費がもう少し安くできたらなぁ」なんて思ったことはありませんか。
光熱費は食費や通信費と比べて、どこから節約していけばいいのかわかりにくいです。
しかし、ちょっとした家電の使い方やお風呂の入り方、契約内容を見直すだけで光熱費は大きく減らせます。
無理せずに今日から実践できる光熱費の節約方法をご紹介しているので、参考にしながら取り組んでいきましょう。
目次
光熱費の平均額はいくら?
光熱費は総務省統計局のデータによると、2人以上の世帯でひと月あたり平均21,535円かかっています。
年間だと平均258,420円かかっていることになります。光熱費だけと考えると、非常に大きな金額ではないでしょうか。
まずは、光熱費が月にいくらかかっているかをきちんと把握するところから始めましょう。
また以下に、「一人暮らし~四人世帯」それぞれの平均光熱費を表にまとめておきます。
下表をもとに、光熱費が平均以上かかっているなら、大幅に節約できる可能性がありますので、照らし合わせながら確認してみましょう。
単身世帯 | 二人世帯 | 三人世帯 | 四人世帯 | |
電気代(平均) | 5,392円 | 9,186円 | 10,485円 | 11,239円 |
ガス代(平均) | 3,080円 | 4,285円 | 5,133円 | 4,911円 |
水道代(平均) | 2,189円 | 4,205円 | 5,483円 | 6,071円 |
今回ご紹介している「電気代・ガス代・水道代」の節約方法をすべて実践すれば、年間で10万円以上の節約になることもあります。無理なくできそうなところから、節約を始めましょう。
光熱費込みの賃貸はお得? 
たまに見かける光熱費込みの賃貸。光熱費が家賃に含まれているので、毎月の光熱費を気にすることなく電気やガス、水道を使えます。
毎月の光熱費が変動しないので、支払いの計画が立てやすく、人によっては精神的に楽になるかもしれません。
当然、光熱費込みの分が家賃に上乗せされています。
お得かどうかの判断は難しいところですが、その周辺の家賃相場と比べてどの程度上乗せされているかを目安に判断しましょう。
また、光熱費込みといっても、使いすぎるとほとんどの場合は費用の一部を負担することになります。
光熱費込みだからといって必ずお得になるわけではないので、注意しましょう。
光熱費全体を節約する2つの方法
まずは光熱費全体をみて見直していきましょう。
節約する主な方法としては、「支払い方法をクレジットカードにする」「電気会社とガス会社をまとめる」ことで、年間数千円~1万円程度の節約ができます。
ではそれぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。
光熱費の支払いはクレジットカードでお得に
光熱費の支払いはクレジットカードで行うことが可能です。クレジットカードで支払うことでポイントが還元されます。
光熱費に年間で250,000円使っていたとすると、還元率1%のクレジットカードであれば2,500円のポイントが貯まります。
クレジットカード払いにしただけで実質2,500円の節約です。
注意点としては、電力会社によっては「口座振替割引」でクレジットカードよりも口座振替のほうがお得になる場合があります。きちんと確認しておきましょう。
光熱費以外の食費や通信費、交通費などもクレジットカード払いを利用するとポイントも貯まり、利用明細が家計簿代わりにもなるのでおすすめです。
電気会社とガス会社はまとめてお得!
今契約している電気会社とガス会社が異なる場合、年間で数千円程度の節約が期待できます。中には割引だけでなく、使用料金に応じてポイントが付与されるところもあるでしょう。
近年では、家庭でのPCの使用や利用する家電製品が増えたことで、ガス代よりも電気代の方がより高く傾向があります。
そのため、まとめるのであれば電気料金が安い会社にまとめた方がよりお得になるのです。
ただし、こういった電気とガスをまとめるプランがある会社は限られていますので、見極めも必要となります。
以下では、まとめプランのある会社の一部を地域ごとにまとめていますので、参考にしてみましょう。
地域 | 会社名 |
北海道 | 北海道ガス |
関東エリア | TEPCO(東京電力) |
東京ガス | |
H.I.S.電気代 | |
レモンガス | |
中部エリア | 中部電力 |
東邦ガス | |
関西エリア | 関西電力 |
大阪ガス | |
九州エリア | 九州電力 |
西部ガス |
電気代を節約する3つの方法
電気代はガス代、水道代と比べると高くなりやすいので、見直したときの節約効果は高いです。
まずは電気代からしっかり見直していきましょう。
電気代の節約に効果的なのが、
- 「古い家電の買い替え」
- 「電力会社の見直し」
- 「家電の使い方」
の3つです。
全て実践するのが理想的ですが、なかなか難しい部分もあるでしょう。できるところから進めていくことが大切です。
では次から、電気代の節約に効果的な3点の方法について、具体的に解説していきます。
古い家電は買い替えを検討しよう!
家電の種類にもよりますが、基本的には古い家電よりも新しい家電のほうが電気代は安くなります。
使い方などを変える前に、古い家電は買い替えを検討しましょう。
資源エネルギー庁が作成した「省エネ性能カタログ 2017年 冬版」によれば、40型液晶テレビの年間消費電力量は約10年前の2007年製が127kWhで、2016年製は48kWhと半分以下になっています。
ほかにも60Wの白熱電球の年間消費電力は63.4kWhで、これを電球型LEDに変えるだけで11.2kWhと約6分の1にまで消費電力を減らせます。
もちろん、冷蔵庫やエアコンなども古い製品と比べると消費電力はかなり低いです。
買い替えに費用はかかりますが、光熱費は大きく節約できる可能性があるので、長期的に考えると元は十分に取れます。
最新家電は機能や使い勝手も向上しているので、買い替えを検討してみましょう。
電力自由化!電力会社を見直そう!
2016年に始まった電力自由化で、電力会社を自由に選べるようになりました。
GfKジャパンが2017年に行った調査によると、電力会社を実際に変更した人の70%が安くなったと回答しています。
地域により選べる電力会社やプランが異なるため、必ず安くなるわけではありません。
しかし、70%の人が安くなったと回答している調査をみると、検討する価値は十分にあります。
また、電力会社によってはスマホとのセット加入でポイントが貯まったり、ガソリンの値引きがあったりと、さまざまなサービスを展開しています。この機会にチェックしておきましょう。
家電の使い方を見直してみよう!
家電の使い方をちょっと見直すだけでも、年間にすると数万円の節約になります。
一度の節約効果は数十円や数百円と少ないのですが、習慣にしていけば1年後、10年後に大きな差が出てきます。
今回は取り組みやすいものを中心にご紹介していくので、参考にしてみてください。
1、エアコンの使い方
エアコンの設定温度を夏は28℃、冬は20℃を目安にしましょう。
冷たい空気は下に、温かい空気は上に溜まりやすいので、エアコンを使用するときはサーキュレーターや扇風機で空気を循環させましょう。
空気を循環させることで部屋全体の温度が均一になり、設定温度を夏は高く、冬は低くしても快適に過ごせるようになります。
運転モードは自動運転を使いましょう。自動運転がエアコンのもっとも効率のいい運転をしてくれます。
風量や風向きはエアコンに任せて、あまり調節しないようにしましょう。
また、電気代が安いと思われがちな除湿運転は
「再熱除湿」と「弱冷房除湿」の2つ方式があり、「再熱除湿」を採用しているエアコンは電気代が高くなる場合があります。
除湿方式については取扱説明書に記載されています。除湿運転を使用する際は注意しましょう。
2、照明の使い方
照明はこまめに消すように心がけましょう。
最近ではリモコンで照明を操作することが多いですが、リモコンで消した場合は照明が常に待機状態になり、待機電力がかかります。
できるだけ主電源から切るように心がけましょう。
ただしあまりにも頻繁に点滅させるとランプの寿命が短くなってしまうので注意です。
消し忘れが多い場合は、動きを感知して点灯するセンサー付きのライトに変更すると消し忘れがなくなります。
3、洗濯機の使い方
洗濯機は容量の8割で洗濯するのがもっとも効率よく、汚れが落ちるとされています。
洗濯物がたまってからまとめて洗濯するようにしましょう。洗濯機を回す回数が減れば、当然電気代も節約になります。
衣類の汚れ具合によって「標準コース」や「スピードコース」を使い分けましょう。
電気代はもちろん、水道代や洗剤の量も節約できます。
また電気料金のプランによっては、夜間の電気料金が安くなる場合があります。
夜間に使用できる環境があるなら、タイマーを使用して夜間に洗濯を行いましょう。
4、テレビの使い方
テレビはつけっぱなしにせずに、こまめに消すようにしましょう。
画面の明るさについては、暗めに設定することでも消費電力を抑えられます。
機種によっては、自動で最適な明るさに調整してくれるモードが搭載されているものもありますので、上手く活用していきましょう。
また古い液晶テレビやプラズマテレビ、高画質の4Kテレビは消費電力が多いので注意が必要です。
5、冷蔵庫の使い方
冷蔵庫は季節によって設定温度を変えると節約効果が高くなります。
夏は「強」に、春・秋は「中」に、冬は「弱」に設定しましょう。
冷蔵庫に入れる際の注意点としては、カレーや炊きたてのご飯などの熱いものは、そのまま入れると冷やすための余分なエネルギーが取られてしまいます。
しっかりと冷ましてから冷蔵庫に入れるようにしましょう。
また詰め込みすぎると、食材が密着して冷えにくくなったり、冷気の循環も悪くなったりと、消費電力が増えるので注意です。
ガス代を節約する3つの方法
ガス代はあまり意識しないで使っていくと、光熱費が高額になりがちです。
お風呂の入り方や料理の方法を少し工夫するだけで、高額な光熱費は節約できます。どちらも簡単なので、実践してみましょう。
あまり知られていませんが、ガス会社も電力会社と同じように自由に選べます。
都市ガスはもちろん、プロパンガスでもガス会社は変更可能です。最適なガス会社を選ぶことで節約につながります。
料理はちょっとした工夫でガスを節約できる
料理をする際は火加減を強くしすぎないように注意しましょう。
最適な火加減にすると余計なガスを使用せずに済みます。
また、煮物などは蓋や落し蓋をすることで温度が下がらずに効率よく調理できるため、ガスの使用時間が短くなります。
お風呂の入り方を変えて節約
200Lのお風呂を沸かすのに、約70円のガス代がかかります。
シャワーを使用するとさらに高くなります。とくに家族が多かったり、1日に何度も入る場合は気をつけましょう。
ちょっとしたお風呂の入り方のコツを守るだけでも、大きくガス代を節約できます。
ではどういったコツが必要なのでしょうか。これかた順に、詳しく紹介していきます。
お風呂に入るときのコツ
お風呂は、
- 沸かすとき
- 保温しているとき
- 追い焚きをするとき
にガス代がかかっています。
家族がいる場合は、出来る限りお風呂に入る時間帯をあわせると、保温や追い焚きの必要がなくなります。
お風呂の蓋をこまめに閉めるだけでも、保温効果が高まり温度が下がりにくく節約になります。
またお風呂を沸かすときは、お湯の温度が高かったり量が多いと、より多くのガスを使用します。最適なお湯の温度、量になるように設定しましょう。
シャワーで済ませるときの注意点
シャワーだけで済ませると、一見ガス代はかからないようなイメージがあります。
しかし、人数が多いなど使用する時間が長い場合では、むしろ湯船にお湯を溜めるよりも、ガス代が高くなることがあります。
ガスの種類や会社にもよりますが、1分間のシャワーで約5円のガス代がかかっています。
シャワーの時間を1分間短くするだけで、1ヶ月で150円、1年で1,800円もの節約ができます。
シャワーだけで済ませる場合は、目安としては15分以内で済ませるようにしましょう。
15分以上かかる場合は、お風呂を沸かしたのと同じだけのガスを使用していることになります。
2人以上の世帯なら、お湯を沸かしたほうが節約になるでしょう。
ガス会社を見直そう!
2017年に電力と同じようにガス会社も自由に選べるようになりました。
使用状況にあわせて最適なプランを選ぶことで、ガス代が節約できることもあります。
都市ガスとプロパンガスのどちらでもガス会社は変更可能なので、契約の見直しを検討しましょう。
どっちがお得?都市ガス VS プロパンガス
一般的に、プロパンガスは都市ガスと比較してもその使用料金は割高です。
たとえば、月に20㎥程度の基本料金で考えた場合、都市ガスである東京ガス(ガス料金表)では約1,037円となり、プロパンガスでは1,573円(東京都の平均)となります。
とは言っても、必ずしも都市ガスにした方が良いわけではありません。都市ガスは変更する場合、状況によって初期費用が発生します。
その点も踏まえ、次を読み進めてみましょう。
都市ガスへ変更する場合
都市ガスの場合は、申込みをするだけで変更が可能です。
契約を変更しても、既に都市ガスのガス管があれば工事やガスメーターの交換も必要ありません。ガス会社を変更しても、変わるのはガス代の支払先とガス料金だけです。
ただし、建物から都市ガスの本管が離れている場合、その引き込み工事費用として、数十万円の初期費用がかかることもあります。
大抵その費用は、1mにつき1~2万円が相場となります。
プロパンガスへ変更する場合
プロパンガスの場合は、都市ガスとは異なり、ボンベとメーターの交換が必要になりますが、交換費用はかかりません。
ただし築年数が浅い場合は、解約時に違約金を取られる場合があるので、慎重に検討しましょう。
賃貸マンション・アパートの場合は注意!
都市ガスの場合は、賃貸マンションやアパートでもガス会社の変更が可能です。
しかしプロパンガスの場合は、大家さんの判断でガス会社を決定しています。
この場合では、入居者の判断ではガス会社を変更できません。変更する際は大家さんに相談しましょう。
水道代を節約する4つの方法!使用量の多い順に見直そう
光熱費のなかで、なかなか意識していないのが水道代。どこから節約していけばいいのかわからない人も多いでしょう。
水道代は場所によって大きく使用量が変わります。
- 「お風呂」
- 「トイレ」
- 「キッチン」
- 「洗濯」
の順に使用量が多いです。
多い順に節約していくと簡単に使用量が減らせます。
お風呂は入れ替えを減らして節約
お風呂のお湯は、入れ替えを1回減らすだけで200L近く使用量を減らせるので、トイレやキッチン、洗濯よりも節約効果が大きいです。
入れ替えの頻度は各家庭で変わってきますが、夏は1〜2日、冬は2〜3日など季節やその日の気温で入れ替え頻度を変えるといいでしょう。
トイレはしっかり大と小を分けよう
トイレは人によっては全て「大」で流してしまう人がいますが、しっかりと「大」と「小」を分けることで節約ができます。
こういった使い分けをすることで、1〜2割ほど水量を減らせすことができます。意識して分けるようにしましょう。
また古いタイプのトイレでは、水の使用量が多いため、買い換えるだけでも水の使用量は減ります。
洗い物は流しっぱなし禁止!洗い桶を活用しよう
洗い物は、食器洗い機を使用するのが1番節約につながります。
しかし、簡単には導入できないので、まずはすぐにできる洗い桶を利用した「ため洗い」をしましょう。
東京都水道局によれば、5分間水を流しっぱなしにするだけで、約60Lの水を使用します。
洗い桶を利用して1分間だけすすぐようすれば、流しっぱなしにするよりも半分の水量で洗い物ができます。
洗濯はお風呂の残り湯で!
洗濯の水をお風呂の残り湯ですることで、水道代を節約できます。
2日に1回の洗濯で、毎回50Lを節約できると1ヶ月で750Lの節約になります。
残り湯を利用すると、雑菌が気になるところですが、すすぎを水道水で行えばとくに問題はありません。
気になる人は除菌効果のある洗濯洗剤を使用しましょう。
入浴剤を入れている残り湯でも洗濯は可能ですが、
- 柔軟剤と一緒に使わない
- つけおきしない
- 新品の衣類(柔軟仕上げされている衣類)を洗濯しない
以上の注意点を守らないと、衣類に入浴剤の色が移ることがあります。注意しましょう。
光熱費はできる範囲でコツコツと節約していこう!
光熱費を節約する方法はたくさんあります。
今回は簡単な方法を中心にご紹介しましたが、人によっては難しいものもあるでしょう。
すぐに効果は実感できないかもしれませんが、1つでも実践できれば1年後や2年後には大きな成果につながっているはずです。
まずは自分の生活にあった、できそうな節約方法から無理をしない範囲でコツコツと続けていきましょう。