人生最大の買い物といわれるのが物件。
家を買ったのはいいものの、ライフスタイルやその他の変化によって、リフォームを検討することもあるでしょう。
しかし、まとまったお金がないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
そんなときにおすすめなのが、リフォームローンです。
少額からでも融資を受けられるので、住宅ローンの最低融資額は高すぎるという方に向いています。
今回は、おすすめのリフォームローン中心に、住宅ローンとの違いや選び方、また注意点もご紹介していきます。
では早速始めていきましょう!
リフォームローンと住宅ローンの具体的な違いとは
まずはよく比較されがちな、リフォームローンと住宅ローンの違いについてみていきましょう。
もし、「すでに知ってる!」という方は、この項を飛ばしていただいても問題ありません。
ここでは、サッとわかるように、両者の違いをあらわした表を掲載しておきます。
なぜ、リフォームローンを選ぶべきかが理解できるはずですので、前提知識を付ける上でも役立てください。
リフォームローン | 住宅ローン | |
融資限度額 | 数百万円~数千万円程度 | 数千万円~1億円程度 |
金利 | 2%~5% | 0.4%~2% |
返済期間 | 最長15年 | 最長35年 |
担保 | ほとんどの商品でなし | あり |
審査期間 | 数日程度 | 1ヶ月かかることも |
上表を見ていただいてもわかる通り、ここまでの差があります。
また融資額について補足をしておくと、リフォームローンでは、最低数十万円からでも利用することができます。
しかし住宅ローンでは、最低500万円からでないと利用できないケースもあるのです。
これが、冒頭でも少しお伝えした「住宅ローンだと最低融資額は高すぎる」という実例ということになります。
それゆえ、リフォームローンに注目する方が多くいるわけですね!
リフォームローンの選び方
次に、リフォームローンの選び方についても把握してきましょう。
この選び方を把握しているだけでも、自身にとって何があっているのかを判断しやすくなります。
さて、ここで注目すべきポイントは3点。
では早速、順に見ていきましょう!
1:金利で選ぶ
まずは、金利で選ぶ方法をご紹介します。
金利には、以下のように3つの種類があり、それぞれで特徴が異なるものです。
- 変動金利
- 当初固定金利
- 全期間固定金利
ではそれぞれについて解説していきます。
変動金利:常に金利が変動する
まずご紹介するのは、変動金利。
変動金利はその名の通り、市場に合わせて金利が変わります。
変動金利は、固定金利と比べて、金利の低さがメリット。
対するデメリットは、金利変動による返済計画の立ちにくさです。
当初固定金利:借入から一定期間は金利が一定
当初固定金利とは、借入から数年は金利が固定されるものをいいます。
この金利が固定されるのは、数年から数十年までさまざまです。
「固定金利特約付ローン」や「固定金利期間設定型」と呼ばれることもあります。
金利固定期間中は一定の金利なのが、当初固定金利のメリット。
残りの借入期間は、変動金利と固定金利を選択できるものが多いです。
そのため、当初固定金利で融資を検討している場合は、金利固定期間後の金利も計算しておきましょう。
デメリットは、固定期間が終わると高確率で金利が上昇すること。
これは固定期間終了後に、どの金利を選んでも同じです。
そのため、金利固定期間中はローンをある程度計画的に返済しましょう。
全期間固定金利:借入から完済まで金利が一定
全期間固定金利は、借入から完済まで金利が固定されるものをいいます。
固定金利期間が長いので、「長期固定金利」と呼ばれることもあります。
全期間固定金利のメリットは、返済計画の立てやすさ。
対するデメリットは、金利の高さです。
しかし、利息にかかる金額も事前にわかるので、金利の分も計画的に用意しましょう。
金利の種類比較一覧
ここまで紹介してきた金利の種類を挙げ、それぞれのメリットとデメリットについて、以下の表にまとめておきます。
自身にとって、どれが最適か見極める際にでもお役立てください。
変動金利 | 当初固定金利 | 全期間固定金利 | |
メリット | 変動しても金利が平均的に低め | 固定期間中は金利が一定 | 金利が一定なので返済計画を立てやすい |
デメリット | 金利が変動するので返済計画を立てにくい | 固定期間が終わると金利が上昇する傾向あり | 変動しない代わりに金利が平均的に高め |
2:担保の有無で選ぶ
次にご紹介するのが、担保の有無で選ぶ方法です。
そもそも担保とは、借入主が万が一返済困難な状態になった際に、融資金回収のために金融機関側で売却できる利用者の資産や、他の回収先のことをいいます。
また担保には、「人的担保」と「物的担保」の2種類があることも覚えておきましょう。
まず「人的担保」は、契約時に立てる保証人のことをいいます。
一方で「物的担保」は、物や権利などの財産のことをいいます。
たとえばリフォームローンなら、家や土地を担保にしたり、家の抵当権を担保にしたりすることが多いでしょう。
担保あり
担保ありのローンは、自宅などを担保にすることで、担保なしのローンより低金利で多額の借り入れが可能となります。
さらには、返済期間も長めに設定できます。
しかし、担保の設定には手続きが必要。
返済能力の審査に加えて担保の審査も発生するので、その担保で資金回収できる見込みがなければ、担保として認めてもらうことはできません。
また仮に契約ができたとしても、ローンが返済できない場合は、担保を失うリスクもあることも覚悟しておきましょう。
担保なし
担保なしのローンは、担保を必要としない代わりに金利が高めです。
また、返済期間は短めで、融資額も少なめといった特徴があります。
他には審査が早く、最短当日に結果が出ることも。
大半のリフォームローンでは、担保なしで借入可能です。
万が一返済できなくても、担保に入れる家などを失うリスクはありません。
担保の有無比較表
ここでは、リフォームローンで担保が「あり」と「なし」で分け、その特徴を比較表としてまとめておきます。
担保の有無については、融資希望額によっても、どちらを選ぶべきかは異なります、
また現状の信用力や、そもそも差し出せる担保があるのかでも、選ぶべき種類は変わるでしょう。
ここでしっかりと判断してみてくださいね!
担保あり | 担保なし | |
抵当権 | 必要 | 不要 |
金利 | 低い | 高い |
融資限度額 | ~5,000万円ほど | ~500万円ほど |
借入期間 | 最長35年ほど | 最長10年ほど |
審査 | 厳しく時間がかかる | 緩く早い |
3:返済方法で選ぶ
続いて、返済方法での選び方です。
返済方法については、「元金均等返済」と「元利均等返済」の2種類があります。
こちらも、それぞれについて解説していきますね!
元金均等返済
元金均等返済は、毎月の利息を除いた返済額(元金)が一定で、毎月の元金残高に合わせて変動する利息を加えた金額を返済します。
メリットは、返済するにつれて残高は減るわけですから、毎月の返済額(元金+利息)が少なくなること。
また、このあと紹介する「元利均等返済」より、元金の返済ペースが速いことも特徴でしょう。
そのため、同じ借入期間で返済する元金均等返済と元利均等返済なら、元金均等返済の方が総返済額は少なくて済みます。
一方でデメリットは、返済開始時の返済額が多いことです。
元利均等返済
元利均等返済は、毎月の返済額が一定の返済方法。
住宅ローンやリフォームローンでは、元利均等返済が主流です。
固定金利の場合、返済計画の立てやすさがメリットになります。
デメリットは、返済額に対する利息の割合が大きくなることです。
おすすめのリフォームローン10選
ここからは、おすすめのリフォームローンを厳選して10個紹介していきます。
どれも特徴が異なりますので、余すことなく確認していってくださいね!
1:りそな大型リフォームローン(りそな銀行)
りそな銀行は、大規模リフォーム向けに担保の有無を選べるリフォームローンを用意しています。
借入時に20歳以上70歳未満で、80歳未満で完済できるのが、融資の条件。
他にも担保の有無を問わず、前年の年収や勤続年数(事業主は営業年数)などの条件があります。
融資額は50万円から、上限は無担保で2,000万円、有担保で3,000万円。
規模の大小を問わず、さまざまなリフォームにも使えます。
2:リフォーム融資 耐震改修工事(住宅金融支援機構)
住宅金融支援機構のリフォーム融資は、国土交通省住宅局と財務省管轄の独立行政法人・住宅金融支援機構のリフォームローンです。
政府系ローンとなり、原則担保が必要なリフォームローンとなります。
リフォーム融資の特徴は、住宅に耐震改修工事を行うことが必須条件であること。
そのため、新築で最新基準に則った耐震工事が行われている家では、リフォーム融資の申請はできません。
ほかにも、年齢や国籍(日本国籍または永住権を持つ外国人)など、申請条件があるので必ずチェックしましょう。
気になる担保は、建物および敷地に抵当権を設定します。
ただし、融資額が300万円以下の場合は、無担保で融資可能です。
3:リフォームローン(イオン銀行)
まずは、イオン銀行のリフォームローンです。
このローンで融資を受けるには、イオン銀行の普通預金口座が必要になります。
リフォームする住宅の条件は、本人が住むことや、賃貸マンションではないことなど。
つまり、一軒家や分譲マンションなど、所有している家である必要があります。
借入金額は最大500万円、返済期間は最長10年と大規模リフォームには物足りませんが、全期間固定金利なので返済計画は立てやすいです。
ちなみに、年金受給者や学生、無職の場合は申請できないので注意しましょう。
4:みずほ銀行リフォームローン(みずほ銀行)
みずほ銀行のみずほ銀行リフォームローンは、最長15年、500万円までの融資を受けられるリフォームローン。
特徴は、さまざまな特典があることです。
たとえば、融資の用途が「環境配慮型またはバリアフリーのためのリフォーム」の場合や、みずほ銀行で証書貸付ローンを使ったことがある人なら、金利が年0.1%引き下げられます。
借入金額は最大500万円、返済期間は最長15年なので、中規模リフォーム向けのローンといえるでしょう。
5:リフォームローン(三井住友銀行)
三井住友銀行のリフォームローンの融資額は、10万円以上、1,000万円以下。
ちょっとしたリフォームにも使えますが、見積書や契約書などがないセルフリフォームや大規模DIYは融資の対象にならないので注意しましょう。
三井住友銀行の住宅ローンを利用していれば、金利が店頭表示より年3.0%引き下げられます。
6:リフォームローン(住信SBIネット銀行)
住信SBIネット銀行所定のリフォームローンは、ウェブのみで手続きが完結するリフォームローンです。
ほかにも、100万円までは年収証明が不要なのが特徴など、ネット銀行ならではの小回りの利くサービスが特徴です。
また、繰上返済には1円から対応。
手数料ゼロなのも嬉しいポイントです。
7:ネットDEリフォームローン(三菱UFJ銀行)
三菱UFJ銀行のネットDEリフォームローンは、メガバンクが提供するネットリフォームローンです。
事前審査は最短即日、本審査は最短翌営業日で結果わかるスピード審査が人気。
また、大手金融機関では繰上返済手数料がかかるところが多いものの、ネットDEリフォームローンなら繰上返済手数料無料なのが嬉しいポイントです。
8:オール LIXIL 無金利リフォームローン(LIXIL)
最後にご紹介するのは、LIXILのオール LIXIL 無金利リフォームローン。
建築材料・住宅設備機器が提供するリフォームローンです。
LIXILのローンなので、当然ですがLIXILのサービスを使うことが融資の条件になります。
融資金額は50万円から1,000万円以下で、最大60回の分割払いも可能です。
9:リフォームローン 有担保型(常陽銀行)
常陽銀行のリフォームローンは、限られた地域でのみ利用可能なリフォームローンです。
対象の地域は、「宮城・福島・栃木・群馬・茨城・埼玉・東京・千葉」の全8県になります。
融資条件は、満20~66歳未満かつ、最終の返済時に満80歳未満の方であること。
自宅のリフォームや、庭園や建て替えの際の引っ越し費用など、幅広い用途に使うことができます。
融資金額は、10~2,000万円で返済期間は1~35年以内。
これだけあれば、小規模リフォームだけでなく大規模なリフォームをするにも充分でしょう。
金利のタイプは、「変動」と「固定」に分けられます。
さらに固定では、「3年・5年・10年・15年」とに分かれ、どれを選ぶかにより金利が異なります。
実際の金利は、次の通り。
- 変動金利 年0.625~2.475%
- 固定3年 年0.7~2.55%
- 固定5年 年0.8~2.65%
- 固定10年 年0.9~2.75%
- 固定15年 年1.3~3.15%
気になる担保は、融資対象の物件を含む、土地や建物を抵当権に設定されます。
また基本的に保証人は、常陽信用保証が保証してくれるため不要。
ただし、保証料と事務手数料として32,400円を支払う必要がある点には注意が必要です。
10:一体型住宅ローン(楽天銀行)
楽天銀行が提供する住宅ローンは、住宅ローンが残っていて、リフォームローンの金利を少しでも下げたい方におすすめです。
まず楽天銀行の住宅ローンでは、現状抱えている住宅ローンと、これから契約するリフォームローンを一本にまとめることができます。
これらをまとめることのメリットは、リフォームローンを組むよりも、金利が安くなることがあるため。
一本にまとめるとは、つまり住宅ローンの借り換えを意味しており、現在の住宅ローンと比較して楽天銀行の住宅ローンの金利の方が安くなければ、メリットは発揮しません。
ここで気になるのが、住宅ローンの金利です。
金利プランには、
- 「フラット35」
- 「住宅ローン(金利選択型)」
の2つがあります。
金利については、上記のリンクから公式HPで確認できますので、気になる方は内容も含めて見てみましょう。
ちなみに「固定金利方式のフラット35」は、その名の通り、全期間固定金利を採用したタイプです。
一方で「住宅ローン金利選択型」は、当初固定金利を採用したタイプとなっています。
融資条件については、住宅ローンを申し込み時に満65歳6カ月(フラット35は満70歳)未満、最終返済時に満80歳未満であること。
その他にも、さまざまな条件がありますが、ここでは記載しきれないため、上記の参照リンクからご確認ください。
借り換えでまとめるのなら、楽天銀行の住宅ローンが一役買ってくれるはずです。
住宅ローンの借り換えについて、ピンとこなかった方もいるでしょう。
そういった方は、以下の記事でわかりやすく解説していますので、お得に活用するためにもサッと確認するようにしてくださいね!

リフォームローンの注意点
ここからは、リフォームローンの注意点をご紹介します。
住宅ローンとの併用で融資額が下がる可能性がある
リフォームローンを検討している方の多くは、住宅ローンも契約しているのではないでしょうか。
その場合、住宅ローンの返済状況も審査で加味されるので、融資額が下がる可能性はあります。
理想の家とお金の都合でうまく折り合いをつける
融資額によっては、自分が望むリフォームをできなくなってしまう可能性もあります。
もしリフォームローンで希望通りの融資を受けられなかった場合は、自己資産からリフォーム資金を補填するなど、理想の家づくりとお金の都合の折り合いをつけましょう。
リフォームの過程でローンを組んだとき以上にお金が必要になることも
リフォームローンの融資を受けるとき、具体的な改修内容やかかる費用がすでに明らかになっていることがほとんど。
そのため、希望額を全額融資できればローンの範囲内でリフォーム資金を賄えます。
しかし場合によっては、リフォーム過程のなかで追加改修工事を決めるなど、予定以上にお金が必要になる可能性もあることを忘れてはいけません。
不要な出費はしないように気をつける
など、やむを得ない事情での出費もあります。
しかし、寸法ミスで資材が使えないなど、防げるミスで不要な出費をしないように気をつけましょう。
ライフスタイルによって返済状況が大きく変化する
リフォームは、家を購入するときなど、人生の節目に行われることが多いです。
しかし、リフォームした後も人生にはさまざまなことが起こり、それによって経済状況が大きく変わってしまうこともあります。
リフォームは自己資金にも余裕を持って始めましょう
たとえば、公立の学校に進学させるつもりでいた子供を、私立に行かせることになって学費が増えることが考えられます。
また、考えたくはないもののリストラにあったり、病気や怪我で高額な治療費がかかったりと、自分の意思に反して経済状況が変化することも少なくありません。
上記のような経済状況の変化が起こると、リフォームローンの返済状況も変化します。
ローンを組むときの年齢で、これからのライフイベントも想定できますが、予定外の大きな出費が発生する可能性も加味したうえで、自己資金には余裕を持ちましょう。
理想的な家を持つためにリフォームローンは上手く活用しよう
今回は、おすすめのリフォームローンをご紹介しました。
マイホーム購入に続く大きなライフイベントとなる家のリフォーム。
せっかくリフォームするのであれば、妥協せず納得のいく家にしたいですよね。
そんなときに手を差し伸べてくれるのがリフォームローンです。
リフォームローンは、借入期間も金利も融資額も融資先によって異なります。
条件に合うぴったりのリフォームローンを見つけて、ぜひ理想的な家を、安く作ってくださいね!


宮野茉莉子
1984年生まれ。東京女子大学卒業後、野村證券に入社。ファイナンシャルプランナーとして活躍。2011年よりフリーランスでライターとして活動し、マネー分野の記事を執筆している。
得意分野:金融商品、投資
資格:2級FP技能士、証券外務員一種、中学高校社会科教員免許