自己破産とは?デメリット・メリットや費用・期間まで自己破産の全てをまるっと解説

自己破産とは、収入や財産から借金の返済ができないことを裁判所に認めてもらうことで、借金の返済義務が免除される手続きです。

つまり、自己破産をすれば法律上、借金の支払いをしなくてよいことになります。

借金を少しずつでも確実に返済していくつもりだったが、何らかの事情で返済が非常に困難な事態となる場合もあります。

その様な時の債務整理法の一つが「自己破産」です。

サイムさん

収入が激減してしまって、借金が返せない…!

サイムさん

自己破産って実際どうなんだろう…

この記事では、自己破産の内容や特徴から自己破産を行う手順や費用や、自己破産のメリット・デメリット、自己破産をした後の生活における制約までまるっと解説します。

自己破産のメリット
  1. 借金がなくなる・債権者の取り立てから解放される
  2. 自由財産は残せる
  3. 自己破産手続き完了後の財産は没収されない
自己破産のデメリット
  1. 「ブラックリスト」に名前が載る
  2. 価値のある財産は基本的に処分され官報に名前が載る
  3. クレジットカードが作れないなど、いろいろな制限がある

\ 自己破産に強い法律事務所/

自己破産とは

自己破産_デメリット_自己破産とは?

私は借金の返済が難しくなり「自己破産」することを決意しました。
そこで自己破産について詳しい内容が知りたいです。

こちらでは、自己破産とは何か自己破産の制度を解説していきます。

自己破産は借金整理法

自己破産とは、お金を借りた人(債務者)が、お金を貸した人(債権者)に対し返済不可能な状態となった場合に行われる借金整理法です。

自己破産が認められるためには、破産原因が支払不能の状態であることを証明する必要があります。(破産法第15条)

ご自身が自己破産の申立を行い、裁判所が「支払不能」の状態であると認定したときに破産手続開始決定がなされ、

債務の返済義務が免除されます。

誰でも自己破産できるわけではない

認定がされれば借金の返済をしなくて良い、という夢のような手続きですが、実は誰でも自己破産ができるわけではありません。

現行の法律上、どんな場合を「支払不能」とするかは法律で明確な基準がなく、破産申立人(債務者)の財産・職業・給料・信用・労力・技能・年齢・性別等を総合的に判断してケース・バイ・ケースで認定されます。

つまり、自己破産を希望する申立人に財産が無くても、信用・労力で金銭の調達ができれば支払不能と認定されないこともあります。

逆に、財産があってもお金に換えることは難しいなら、支払不能と認められることもあるのです。

このように専門的な手続きが多くなるため、自己破産をする場合は弁護士に依頼するケースがほとんどです。

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MEMO

自己破産は裁判所の認定が必要となり、認定される判断には明確な基準はなくケースバイケースとなる。

自己破産のメリット・デメリット

自己破産_デメリット_自己破産のメリット・デメリット

自己破産は、やはり誰でも行えるわけではなく裁判所の判断で可否が決まるのですね。
それでは、自己破産のメリット・デメリットを教えて下さい。

こちらでは、自己破産のメリットとデメリットをそれぞれ取り上げます。

自己破産のメリット
  1. 借金がなくなる・債権者の取り立てから解放される
  2. 自由財産は残せる
  3. 自己破産手続き完了後の財産は没収されない
自己破産のデメリット
  1. 「ブラックリスト」に名前が載る
  2. 価値のある財産は基本的に処分され官報に名前が載る
  3. いろいろな制限がある

自己破産のメリット

自己破産は無職の方、生活保護者でも申請が可能です。

自己破産により、年金や生活保護を受けられなくなることはないので安心してください。

自己破産のメリットは主に次の3点です。

自己破産のメリット
  1. 借金がなくなる・債権者の取り立てから解放される
  2. 自由財産は残せる
  3. 自己破産手続き完了後の財産は没収されない

借金がなくなる・債権者の取り立てから解放される

最大のメリットは、借金を返済する必要がなくなる点です。

その他、自己破産の手続きを弁護士に依頼すれば、弁護士は債権者へ受任通知を送付します。

受任通知を送付すれば、貸金業者等の債権者は債務者への電話・FAX・訪問等で取り立てる行為が禁止されます

受任通知が債権者へ送付された後、債権者との直接のやり取りは弁護士の役割となります。

債務者本人の精神的な負担は大きく軽減されるはずです。

MEMO

借金の返済義務がなくなり、債権者は弁護士とのやり取りになる。

自由財産は残せる

自己破産が認められれば借金を返済する必要はなくなるものの、基本的に債務者の財産は没収されます。

しかし、下記の財産は没収されません。

MEMO
  • 99万円までの現金
  • 残高が20万円以下の預貯金
  • 見込み額が20万円以下の生命保険の解約返戻金
  • 処分見込み価格20万円以下の自動車
  • 家財道具
  • 居住用家屋の敷金債権
  • 電話加入権
  • 支払見込額が160万円相当額の以下の退職金債権(160万円超:退職金債権の7/8)
  • 差押えが禁止されている動産または債権
  • 破産管財人が換価しないと認めた財産

上記の様な財産は「自由財産」と呼ばれています。

自己破産手続き完了後の財産は没収されない

自己破産後に得た収入は全て債務者の財産となります

もしも、手続き完了後も債権者に没収されては、生活が非常に不安定となります。

手続き完了後、新たに財産が回収されるという事態はありません。

また、仮に給与等を差押えられているケースでも、自己破産をすれば差し押さえの効力は消滅します。

つまり給与はもちろん、手続き後の財産は全てご自身の財産になりますので、生活の立て直しも容易になるはずです。

MEMO

自己破産完了後に得る財産は没収されることもなく、差押えの効力も消滅する。

自己破産のデメリット

自己破産を行なえば借金の返済は不要となりますが、全ての責任から免責されるわけではありません。

破産した人にはそれなりのペナルティがあります。

自己破産のデメリットは主に次の3点です。

自己破産のデメリット
  1. 「ブラックリスト」に名前が載る
  2. 価値のある財産は基本的に処分され官報に名前が載る
  3. いろいろな制限がある

「ブラックリスト」に名前が載る

個人の支払能力を判断するための情報は「信用情報」と呼ばれ、個人情報の他に自己破産のような金融事故の有無等も記録されます

この情報を管理・提供するのが「信用情報機関」です。

信用情報機関の記録を参考に、クレジットカード会社や住宅ローン等を扱う金融機関は申出人を審査します。

もしもブラックリストにご自身が明記されれば、クレジットカードは強制解約させられ、5年は新規契約も難しくなります

これは住宅ローンも同様であり、ご自身が必要な時にカードの作成も借金もできなくなってしまいます

なお、日本の信用情報機関には次の組織が存在します。

  • 全国銀行個人信用情報センター(KSC):一般社団法人全国銀行協会(略して全銀協)が運営している信用情報機関。
  • 株式会社日本信用情報機構(JICC):貸金業法の指定信用情報機関で主に消費者金融、商工ローン業者が加盟。
  • 株式会社シー・アイ・シー(CIC):同じく貸金業法の指定信用情報機関で、主に自動車ローンをはじめとした各種ローン会社が加盟。
注意

金融機関への信用は無くなります。

価値のある財産は基本的に処分され官報に名前が載る

前述した自由財産以外の財産は、基本的に没収されお金を貸した方々(債権者)へ分配されることとなります。

ただし、裁判所が必要と認めれば自由財産の範囲を拡大してくれるケースもあります。

また、自己破産した事実が「官報」に掲載されてしまう事実もデメリットといえます。

官報は国が発行する新聞のようなものです。

まず一般人が官報を定期的にチェックしることはないものの、ご自身の関係者に知られてしまうことはあり得ます。

注意

最低限の財産以外は財産は没収される。

また、官報に記載されることで、自己破産の事実が誰かに知られてしまう可能性もある。

いろいろな制限がある

破産の手続きが開始されれば、免責許可の決定が確定するまで、以下のような職業に就くことは出来ません。

  • 弁護士
  • 行政書士
  • 質屋
  • 古物商
  • 生命保険外交員
  • 警備員

など

上記の様な士業やお金を扱う仕事は、信頼が重要なため、自己破産などの金融事故を起こしている方は、資格取得が出来なかったり制限がかかります。

また、自己破産の手続き中、居住地の変更をしたいなら裁判所の許可が必要です。

その他、後述する管財事件や少額管財事件の場合は、破産者の郵便物が管財人の管理下に置かれます。

つまり、管財人が中身を確認した後、破産者本人へ転送されるようになります。

注意

職業・居住地・郵便物など、生活における制限が多く課せられる。

自己破産のデメリットによる影響

自己破産_デメリット_影響

サイムさん

自己破産のメリット・デメリットはよくわかりましたが、やはり不安はあります。

サイムさん

自己破産したことで家族に悪影響のようなものは出ないかと心配です。

こちらでは、自己破産したことで家族にどのような制約や負担が掛かるのかを検討してみましょう。

自己破産により掛かる家族への制約・負担
  • 同居家族への影響
  • 配偶者や子供への影響
  • 保証人・連帯保証人への影響

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同居家族への影響

自己破産をすれば、ご自身の持ち家・マイカーをはじめ資産価値のある財産は換価処分されます

そのため、破産した本人のみならず同居家族が、引っ越しを余儀なくされる場合や自家用車がない場合等、不便な生活を強いられることになるでしょう。

引っ越しに伴い、その手続きの手間や生活環境の変化、無力感等に苛まれ精神的な負担も考えられます。

家族全体に与える影響は予想外に大きいものとなるはずです。

破産した本人が事前に家族へ説明し、その協力を求めることが重要です。

マイカーはともかく持ち家を手放すことになるのは嫌だと、家族から反対の意見が出る場合もあります。

そんな時は「個人再生」手続き等、手放さなくて済む別の債務整理法があります。

こちらを検討してみても良いでしょう。

注意

持ち家やマイカーなどの資産が没収されることにより、家族への精神的な負担が大きくなる。

配偶者や子供への影響

ブラックリストの掲載や、いろいろな制限は破産した本人のみが負います。

配偶者・子供には全く関係がありません。

配偶者や子供名義の財産に関しても、基本的に影響はありません。

ただし、後述しますが配偶者・子供が保証人の場合は、債権者から立替え・返済の請求をされることになります

また、破産者名義の不動産や自動車は、基本的に処分・換価の対象とされてしまいます。

その他、子供のための生命保険へ加入していても、契約者が破産者で解約返戻金が20万円を超える保険(学資保険も同様)は換価の対象になり得ます

注意

様々な制限は破産者本人のみとなるが、配偶者・子供が保証人の場合には、立替え・返済を請求されることもある。

保証人・連帯保証人への影響

自己破産は破産者本人の支払い義務がなくなる効果しかありません

破産者本人のため保証人になってくれた人の支払い義務は継続します。

自己破産された場合、債権者は破産者本人の代わりに、保証人・連帯保証人へ一括でお金を返すよう請求することになります。

その後、債権者との交渉如何では、分割払いに応じてくれる可能性もあります。

保証人・連帯保証人としては親族であれ親族以外であれ、破産者本人の借金を肩代わりするので、不満や反感をもってしまい、破産者本人をはじめ債権者とトラブルが発生するおそれもあります。

注意

保証人・連帯保証人に返済義務が遷るため、債権者は保証人・連帯保証人に一括請求をする。

その場合は、一括請求になる場合が多く、債権者とのトラブルも起きやすくなる。

自己破産の手順と方法

自己破産_デメリット_手順と方法

サイムさん

自己破産は家族や保証人となってくれた人たちとの信頼へ、ヒビが入るおそれもあるということですか。

サイムさん

それでは、自己破産の流れについて知りたいです。

こちらでは、自己破産の各プロセスについて解説します。

自己破産は必ず裁判所に申し立てる必要があります。

そのため、事前準備をしっかり行い円滑な手続きが要請されます。

自己破産の手順
  1. 支払不能の状態を把握
  2. 破産手続開始申立
  3. 審尋
  4. 破産手続開始決定or同時廃止の決定
  5. 公告・確定

手順1|支払不能の状態を把握

とても借金の返済ができないと不安に感じたら、いきなり裁判所へ申立をせず、まずは弁護士事務所、弁護士会や法テラス等で相談しましょう。

その際、自己破産が必要という結論に達したら、弁護士と共に申し立ての準備を開始します。

手順2|破産手続開始申立

破産手続開始申立書を取得し必要事項について記載・作成または収集した陳述書・債権者一覧表・財産目録・住民票の写し等を添付し、破産申立本人の住所地を管轄する地方裁判所へ提出します。

この時に申立費用も支払います

手順3|審尋

裁判所から呼び出しを受けます。

裁判官から口頭で質問を受け、誠実に返答していきます。

この審尋で、支払不能状態にあるか否かが判断されます。

手順4|破産手続開始決定or同時廃止の決定

破産手続きを申した立てた本人に一定の財産があると認められたならば、破産管財人が選任されます。

破産管財人により、財産は処分・換金され、各債権者の債権額に応じ、平等に分配されます。

管財事件の場合は、関係者が集まる「債権者集会」も開催されます。

一方、この申立人にめぼしい財産はないと判断されると、破産手続開始決定と同時に破産手続廃止決定がなされます。

これを「同時廃止」と言います。

手順5|公告・確定

破産者が官報に公告されます。

破産手続き開始決定がなされると、破産者の氏名が公表されます。

官報での公告の2週間後、破産手続開始決定がいよいよ確定します。

自己破産に必要な書類

自己破産_デメリット_必要な書類

サイムさん

破産手続きはいろいろなプロセスを経る必要がありますね。慎重に準備作業を進めていきたいです。

サイムさん

それでは、自己破産に必要な書類も教えて欲しいです。

こちらでは、必要な基本書類各ケースによって準備する書類を解説します。

自己破産に必要な書類
  • 必要な基本書類
  • 自営業者・従業員等に関する必要書類
  • 申立人の状況に関する必要書類
  • 不動産に関する必要書類

必要な基本書類

破産手続開始申立をするならば、様々な書類を提出しなければいけません。

こちらでは、申立人が誰であれ必ず提出する書類を取り上げます。

必ず提出する書類
  1. 破産手続開始申立書
  2. 住民票の写し
  3. 陳述書
  4. 債権者一覧表
  5. 資産目録
  6. 家計全体の状況に関する書類

破産手続開始申立書

申立書用紙を取得し必要事項に記載します。

裁判所の窓口の他、裁判所のサイトや弁護士会のサイトからも用紙は取得できます。

更に、この用紙へ手数料として1,500円(免責申立手数料500円含む)の収入印紙を貼ります

住民票の写し

本籍地が明記されている住民票の写し(1通300円)も取得します。

こちらは住所地の市区町村窓口や郵送で申請できます。

コンビニで交付可能な自治体もあります。

陳述書

破産手続開始の申立に至った経緯を正確かつ詳細に記載する書類です。

裁判所の窓口の他、裁判所のサイトや弁護士会のサイトからも用紙は取得できます。

債権者一覧表

お金を借りた方々や金融機関等の情報について記入します。

こちらの用紙も裁判所の窓口の他、裁判所のサイトや弁護士会のサイトから取得できます。

資産目録

申立人の資産が、どれ位あるのかを記入します。

こちらの用紙も裁判所の窓口の他、裁判所のサイトや弁護士会のサイトから取得できます。

資産の記入の他、資産に関する証明書も添付します。

例えば、マイカーがあるなら「車検証の写し」を用意します。

家計全体の状況に関する書類

給与・生活保護・年金等のような家計全体の収入に関する科目や、住宅費・日々の食費・医療費・教育費等支出等の金額、そしてそれらを証明する書類名を記載します。

弁護士会のサイト等から用紙を取得できます。

なお、全ての科目を証明する書類を添付しなければいけません

自営業者・従業員等に関する必要書類

以前または現在も従業員の方々や、自営業者の方々等は、ご自身の収入が証明できる書類の添付も必要です。

収入が証明できる書類
  1. 事業所の従業員等
  2. 自営業者・会社代表者
  3. 退職した方々

事業所の従業員等

次の書類を準備しましょう。

いずれも勤務先の事業所で取得できます

  • 給与明細書:雇用契約における労働対価の金額・その内訳を項目別に細かく書き出した文書。最新の給与明細書の写し2か月分が必要。
  • 源泉徴収票:年間にいくら給料を支払い、所得税をどのくらい納めたかについて記載した書類。前年度(または前々年)の源泉徴収票の写しが必要。
  • 退職金見込み額証明書:申立日現在で退職した場合のみ必要な書類。

自営業者・会社代表者

前述とは異なる書類を準備します。

  • 確定申告の控え:自営業者の場合は直前2年間の確定申告の控えを準備。
  • 確定申告・決算報告書の写し:会社代表者なら会社の過去2事業年度分の確定申告、更に決算報告書の写しを準備。

退職した方々

退職した事実を証明する書類が必要です。

  • 雇用保険被保険者離職票:ハローワークから会社に交付される書類。退職時には会社から退職した人へ渡される。
  • 退職金支給証明書:退職金の支給金額を事業所が証明する書類。

申立人の状況に関する必要書類

申立人に収入があるかどうかの確認の他、生活保護受給者なのか病気治療中のなのか証明が必要となります。

申立人の状況を確認する書類
  1. 生活保護受給者
  2. 病気を患っている申立人
  3. 資産・状況の証明

生活保護受給者

次の書類を準備しましょう。

証明書の交付に関し、申請に必要な提出書類は一切なく手数料もかかりません

  • 生活保護受給証明書:生活保護を受給している事実について市町村が証明する公的な書類。市町村の担当窓口に直接申請。

病気を患っている申立人

次の2つの書類が必要です。

  • 診断書:医師から作成してもらう書類。
  • お薬手帳:病院・医院・歯科医院で処方せんをもらった時、保険薬局で作成してもらう手帳。

資産・状況の証明

資産・申立人の現在までの状況を証明する必要があるなら、次の証明書類が必要です。

資産
  • 現金・預貯金→最新の預貯金通帳の写し
  • 自動車・オートバイ→車検証の写し
  • 生命保険・損害保険の保険契約→保険会社作成の証書or解約返戻金の証明書
状況の証明
  • 過去に借金の返済等で調停・和解成立→調停調書or和解調書の写し
  • 差押・仮差押等を受けた→裁判所の決定書等の写し

不動産に関する必要書類

前述したように自己破産をするならば、ご自身の所有する不動産も原則として処分・現金化され、債権者へ分配されます

所有の不動産があれば証明書類の提出も必要です。

不動産に関する書類
  1. 賃貸借の場合
  2. 所有物件の場合

賃貸借の場合

賃貸している一軒家・アパートは申立人の所有と言えませんが、やはり証明書類が必要です。

当然、自己破産が認められても他人の所有不動産は没収されません。

  • 賃貸借契約書の写し:手もとにない場合は貸している大家さんの他、仲介業者・管理業者いずれからでもコピーが取得できる。

所有物件の場合

申立人の所有する自宅や土地があったならば、次の書類が必要です。

  • 登記簿謄本(登記事項証明書):法務局で取得。窓口や郵送で申請なら1通600円、オンライン請求なら窓口交付が1通480円・送付1通500円。
  • 固定資産評価証明書:お住いの市区町村で取得。1筆または1棟につき300円。
  • 残高の証明書:担保の対象になった土地・建物等ある場合に必要。設定金融機関に請求し取得。
  • 無資産証明書:不動産資産が無い場合に必要。お住いの市区町村から取得、1件300円。

その他、たとえ申立人以外の家族所有の建物等に居住していても、その土地・建物登記簿謄本が必要となります。

自己破産に必要な費用と相場

自己破産_デメリット_必要な費用と相場

サイムさん

]何とも膨大な数の書類ですね。私一人で用意するにはかなりの労力が必要となるでしょう。

サイムさん

次に、自己破産に必要な費用と相場について是非知りたいです。

こちらでは、申立に必要な費用各ケースによって必要となる費用を解説します。

自己破産に必要な費用
  •  必ず納める費用
  • 管財事件の費用
  • 少額管財事件の費用
  • 同時廃止事件の費用
  • 弁護士に関する費用

自己破産をする際に必ず納める費用

裁判所に申し立てる際、必ず支払う費用は「収入印紙代」「予納郵券代」です。

それぞれをみていきましょう。

必要な費用
  1. 収入印紙代
  2. 予納郵券代

収入印紙代

収入印紙とは、国庫収入となる租税や手数料、その他の収納金の徴収のため、政府が発行する証票のことです。

前述した通り、破産手続開始申立を行う場合に収入印紙を準備します。

申立の収入印紙代として1,500円(免責申立手数料500円含む)が掛かります。

予納郵券代

簡単に言えば郵便切手のことですが、各地方裁判所で費用は異なります。

およそ4,000円~10,000円程度の郵券を納めます。

申立後は裁判所から破産者に対し、いろいろな書類を郵送することになります。

そのため、裁判所は手続きで必要だと予想される郵便切手を申立人へ事前に納付させるのです。

管財事件の費用

裁判所は破産者に一定の財産があると認めると、「管財事件」として破産手続きが進められていきます。

こちらの手続きになると、収入印紙代・予納郵券代に加え「予納金」も負担します。

予納金は、官報公告費用に加え、破産者の財産を処分・換金する破産管財人の報酬等に使用されます。

なお、余りがでれば残りの予納金額は返還されます。

予納金額は各地方裁判所で異なります。

下表は東京地方裁判所の予納金です。

申立人の負債総額 自然人(個人)の場合
5,000万円未満 50万円
5,000万円~1億円未満 80万円
1億円~5億円未満 150万円
5億円~10億円未満 250万円
10億円~50億円未満 400万円
50億円~100億円未満 500万円
100億円~250億円未満 700万円
250億円~500億円未満 800万円
500億円~1,000億円未満 1,000万円

出典:東京三弁護士会多摩支部公式サイト「破産・個人再生事件の手続き費用一覧

少額管財事件の費用

東京地方裁判所の他、地方裁判所の多くは「少額管財」という運用も行っています。

少額管財では、予納金を少額に抑え管財事件として破産管財人による調査が実施されます。

東京地方裁判所の少額管財手続きの場合は、弁護士の代理人申立で10,000円程度の官報公告費および20万円の予納金を納めます

裁判所で申立を受理後、代理人(弁護士)と破産管財人が協働して手続きを進めます。

手続の簡易・迅速化は図れるものの、弁護士が代理人になることが条件の手続きです。

弁護士費用も当然かかります。

同時廃止事件の費用

同時廃止事件とは、裁判所が申立人に破産手続費用を賄う資力は無いと判断した時、破産手続開始決定と同時に裁判所の決定がなされることを指します。

破産手続きが即時終了するので、破産管財人も選任されず、破産者の財産が処分・換価されることはありません。

同時廃止事件の予納金も全国一律ではありませんが、各地方裁判所で1万円~2万円程度です。

官報公告料のみを対象とするので非常に安い金額になっています。

ただし、弁護士に破産手続きを依頼するなら、こちらのケースでも弁護士費用が必要です。

この費用が重い負担となることもあります。

依頼をする前に、費用の件で弁護士と良く話し合った方が良いでしょう。

弁護士に関する費用

前述した管財事件・少額管財事件・同時廃止事件の費用の他、弁護士に依頼するなら弁護士費用も必要です。

弁護士に依頼する場合、着手金だけで20万円程度は必要になってきます。

もちろん、管財事件・同時廃止事件ならば、弁護士に依頼しなくても、ご自身で申立等は可能です。

一方、少額管財では弁護士を代理人にしないと、手続きを進めることができなくなります。

弁護士に依頼する場合、報酬を分割にしてくれる柔軟な弁護士もいるので、事前に報酬の支払い方を相談してみましょう。

自己破産に掛かる期間は?

自己破産に掛かる期間は?

サイムさん

自己破産にかかる費用は、それなりにかかってしまいますね。でも、弁護士は立てたいです。

サイムさん

自己破産にかかる期間は、どれくらい掛かるのでしょうか。

こちらでは、自己破産にかかる期間の目安を解説します。

相談から申立の期間

弁護士に自己破産について相談し、申立に必要な書類を作成または収集するのがかなりの労力を要します。

書類の種類が多いのはもちろんですが、弁護士は相談者が本当に自己破産できるかどうかも慎重に判断するからです。

弁護士に相談したからといって、いきなり申立できるわけではなく、準備期間として申立て2〜3ヶ月程度はかかります。

MEMO

申し立てをするまでに、資料の収集から判断までを行うため、2~3ヶ月ほどの時間は掛かる。

管財事件または同時廃止

管財事件

申立をしても管財事件として扱われる場合は、申立てから開始決定まで2週間から1ヶ月程度かかります。

破産管財人による調査が行われ、関係者が裁判所に集まる「債権者集会」を設置するまで2ヶ月~3ヶ月程度です。

債権者集会がスムーズに終わり、債権者の配当手続きを進めるなら1〜2ヶ月程度となります。

債権者集会が終了後、免責について管財人から意見が出され、1週間程度で裁判所から免責許可(借金の返済義務がなくなる許可のこと)が出されます

免責許可決定日から約1か月後に免責許可決定が確定します。

MEMO
申立てから免責許可決定の確定まで概ね4ヶ月~半年かかる。

同時廃止

同時廃止の場合は、管財事件よりも簡素です。

申立てから同時廃止の開始決定まで、2週間~1ヶ月程度で済みます。

こちらも、1週間程度で裁判所から免責許可(借金の返済義務がなくなる許可のこと)が出されます。

免責許可決定日から約1か月後に免責許可決定が確定します。

MEMO
同時廃止の場合は2週間~1ヶ月程度の期間がかかる。

【体験談】自己破産のデメリットは?

自己破産_デメリット_体験談

自己破産の体験談を紹介していきます。

(20代/女性)

大学卒業後すぐに家庭用ロボットを販売する事業を始めたもののなかなか上手くいかず資金繰りもままならなくなり、自己破産することになりました。自己破産する前は複数の金融機関から借りていた500万円以上の借金を返済できるか不安でしたが、知人を通して弁護士を紹介してもらい、債務整理を行い、自己破産から1年で借金を完済することができました。自己破産を行い債務整理をして借金を返済してからは、予期せぬトラブルが起きることを想定して、毎月5万円貯金を行うことを習慣づけるようになりました。

(40代/男性/会社員)

自己破産の経験が2度あります。1度目の時は20代の頃で借金をしていた時は仕事していたのですが、急に会社が倒産することとなり収入がない状態になってしまいました。そんな時、知人の紹介で弁護士さんを紹介してもらい、自己破産を進められて、提出する書類がたくさんありましたが弁護士さんと何回か面談を重ね、裁判所にも2度ほど行ったと思いますが、自己破産が決まるまでは本当に自己破産できるのかどうか不安で夜もあまり眠れなかったのを覚えていますね。自己破産してからは借金もなくなり安心して生活しておりますね。

(40代/女性)

自己破産をする前は、すべてが返済のための行動になっていて、自分という存在が消えていました。身体を壊し、思うように働けなくなり収入がなくなったことで自己破産の手続きをしようと決意しました。現在は相談できる窓口がたくさんあります。私も最初は「弁護士への無料相談」からでした。自己破産の免責がおりてからは、自分自身と向き合えるようになり体調管理もちゃんとできるようになっています。一人で抱え込まず、一人で頑張りすぎず、身体を壊し働けなくなる前に、誰かに相談してみて下さい。

自己破産のデメリット|FAQ

自己破産によくある質問

自己破産について説明を受けているうち、いろいろ疑問点が出てきました。
いくつか質問よろしいでしょうか。

こちらでは、自己破産に関する、よくある3つの質問を取り上げます。

事故破産によくある質問
  1. 生活保護者は自己破産ができない?
  2. 自己破産したくても費用が心配
  3. 免責されないケースとは?

生活保護者は自己破産ができない?

生活保護を受給している方々でも、必要な場合は自己破産の申立を行うことが可能です。

自己破産の手続きと生活保護は無関係の制度であり、生活保護受給者でも問題なく自己破産ができます。

仮に借金額が小さくても返済が難しい場合は、自己破産を申し立てて構いません。

自己破産は「借金額〇万円以上でないと認められない」という決まりは法定されていません。

つまり、借金額の大小は関係ありません。

無理に借金返済を行うと、生活がますます困窮してしまいます。

そのため、少額の借金でも返済が困難な場合は、速やかに自己破産を選択することが正しい判断とも言えます

MEMO

生活保護と自己破産は無関係の制度なので、生活保護者でも借金返済が困難な場合は、自己破産の手続きが可能である。

自己破産したくても費用が心配

弁護士へ依頼した方が、ご自身で自己破産の手続きを進めるより断然有利となるでしょう。

しかし、その費用を用意することが難しい場合は「日本司法支援センター」にまず相談してみましょう。

日本司法支援センターは「法テラス」と呼ばれ、一定の要件に合致すれば「民事法律扶助」制度を利用できます。

無料の法律相談~弁護士費用の立替えまで行ってくれます

もちろん返済は必要ですが、原則として月額5,000円~10,000円ずつ無理なく償還していくことになります。

前述した生活保護受給者の場合なら、20万円を上限として裁判所に納める予納金も立て替えてもらえます。

生活保護受給者は日本司法支援センターに申請すれば、償還義務を免除してもらうことも期待できます。

MEMO

自己破産に関する費用が工面できない場合は、日本司法支援センターに相談するのが無難である。

免責されないケースとは?

債務を免責させるのに不適当と考えられる事情があれば、免責不許可事由として自己破産できなくなります。(破産法第252条第1項)

具体例は次の通りです。

  • 債権者や裁判所等を騙そうと意図的な財産隠し、不動産の名義をわざと変えた
  • 破産手続の開始を遅らせるため、著しく不利な条件で債務を負担
  • 一部の債権者へだけ返済した
  • ギャンブル・ショッピング等への過剰な浪費
  • 虚偽の収入・負債額で借り入れした(破産申立前1年以内)
  • 債権者をわざと隠す
  • 裁判所への嘘をついた
  • 過去の免責申し立てから7年経過しないうちに自己破産
  • 調査へ非協力的

このようなことを行っては、裁判所が申立人を救済するに値しない人物と判断してしまいます。

自己破産の手続きを進めるには、誠実かつ協力的でなければいけません

注意

誰でも自己破産の手続きが出来るわけではなく、どうしても借金返済が困難で誠実に生活をしている人が対象となる。

自己破産のデメリットとは?|まとめ

自己破産 (デメリット)|まとめ

自己破産は借金の返済が困難となった人を救済する制度です。

しかし、たとえ自己破産が認められても、債権者から不信や反感を持たれることになるでしょう。

借金の返済が難しくなったからと言って、いきなり自己破産を決断せず、任意整理や個人再生のようなコツコツ返済していく方法をまず検討してみましょう。

自己破産をする事で、生活に制限が掛かることや、家族・親族に迷惑をかけることもあります。

自己破産は最終手段だと言う事も覚えておきましょう。