家計のなかで大きな割合を占める食費。カットしやすい支出の反面、継続して食事を変えるのは難しいのも事実です。
そこで、今回は食費を節約できる12のコツをご紹介しています。節約術だけでなく、節約に対する考え方も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
すべて実践していけば、月に1万円以上の節約効果も期待できます。なかなか見直しにくい食費を、この機会に見直してみましょう。
食費の節約は少しのコツで簡単に
食費は毎日のちょっとしたコツで大きく減らせます。しかし、一度の節約効果は大きくないので、続かない人も多いでしょう。
一度の節約での金額は少ないかもしれませんが、1日3食で1ヶ月で90食、1年で1080食を食べているとすると、1食あたり50円減らすだけで、1年で54,000円もの節約になります。
1食あたり50円という金額は例ですが、今回ご紹介している12個のコツをできる範囲でも実践すれば、簡単に節約できる金額です。
まずは、金額よりも続けることを目標にしてみましょう。
世帯人数別の平均食費はどのくらい?
総務省統計局のデータを参考に世帯人数別の平均食費をみてみましょう。
2017年の家計調査報告によれば、外食も含めた平均食費は単身世帯で月39,649円で、2人以上の世帯は月72,866円です。
単身世帯 | 2~3人世帯 | |
平均食費(ひと月あたり) | 39,649円 | 72,866円 |
2人以上の世帯というのは、単身世帯を除いた家族構成の平均で、平均人数は2.99人です。
つまり、2人以上の世帯は、3人家族の平均食費と考えていいでしょう。
以上のデータから家族が1人増えると食費が約16,500円上がると予想ができます。
おおよそなので参考程度ですが、世帯人数別の平均食費は以下のようになるでしょう。
- 1人 39,649円
- 2人 56,149円
- 3人 72,649円
- 4人 89,149円
単身世帯や年齢の若い世帯は外食の割合が高くなるので、あくまで平均値として考えてください。
理想的な食費の割合は、収入の20%程度といわれることが多いですが、実際は家族構成や世代にもよって変わってきます。
割合で決めてしまうと、収入によって食費の金額が大きく変わってきます。それぞれの家庭にあった食費の割合を自分で決めていくのがおすすめです。
食費を節約する10のコツ
食費は生きていく上では欠かせないもので、当然「全く食事をしない」では生きていくことはできません。
あまり無理に節約をしすぎても健康に悪いので、少しずつできる範囲で進めていきましょう。
今回は食費を節約するための10個のコツをご紹介しています。
「現在の食費を把握する」といった基本的なところから解説しているので、節約が苦手な人でも簡単に実践できるでしょう。
食生活を変えるのは、はじめは大変かもしれませんが、少しずつ実践していけば必ず身につきます。
また後には、一人暮らしの方や共働きの方向けに、追加で2個のコツを紹介しておきますので、そちらも併せて参考にしてみてください。
では、食費を節約する10個のコツから見ていきましょう。
1、現在の食費を把握しよう
具体的に節約法を行う前に、まずは現在の食費を把握しましょう。
しっかりと現在の食費を把握することで、目標を立てやすくなりますし、節約への意識が高まります。
普段食費を気にしていない人は、食費を把握するのが意外に難しいと思います。
いきなり家計簿を付けるのも難しいので、まずはレシートをもらって保存しておきましょう。
レシートも日用品など、食品以外の買い物と一緒にすると、あとから仕分けるのが大変です。
食品だけを会計してレシートを分けるようにすると、あとから計算しやすくなります。
現在の食費を把握できれば、自分がどの部分に使いすぎていたかがわかります。
たとえば、次のようなことに気が付くでしょう。
このように、食費で偏っている部分があるはずです。
外食が多かったり、コンビニ弁当が多いなら自炊をする、旬の安い食材を取り入れる、といった具合に節約方法がみえてきます。
2、1週間分の予算を決めよう
家計の予算は1ヶ月単位で考えることが多いですが、食費に関しては1週間で予算を決めましょう。
理由としては、週ごとに区切ったほうが管理は簡単になります。
たとえば、月に3万円と決めるよりも、週に6,000円のほうが分かりやすくイメージしやすいと思います。
食材も1ヶ月は持たないことが多いですし、冷蔵庫の容量的にも週ごとで区切ったほうが使いやすくなり、都合がいいでしょう。
米や調味料は1週間の予算から外しておきましょう。米や調味料を1週間の予算に入れてしまうとその週だけ食費が高くなってしまいます。
お酒代や外食代も忘れずに予算のなかに組み込むようにしましょう。
1週間分の予算の決め方は、1ヶ月間の食費がわかっているなら、その4分の1を目安に1週間分の食費を決めましょう。
はじめは無理に食費を減らそうとしなくても、1週間で区切るだけでも、1日あたりの食費がわかりやすくなり、無駄な出費もみえやすくなります。
そこから無理のない程度に、徐々に1週間分の食費を減らしていくといいでしょう。
3、買い物に行く曜日を決めて、まとめ買いしよう
食費を節約したいなら、食材はまとめ買いが基本です。
まとめ買いすることで、買い物に行く機会を減らすと出費を抑えられます。
まとめ買いの頻度は1週間が区切りがよく、管理しやすいのでおすすめです。
できるだけ買い物に行く曜日を決めて、その曜日以外は買い物を控えましょう。
まとめ買いの際は、食材を買いすぎないことです。
買いすぎると、1週間では使いきれず食材が傷んでしまい、捨てることになります。
これでは、逆にムダ遣いとなってしまうでしょう。
4、外食は控えて、自炊をしよう
外食が多い人は、なるべく自炊をするように心がけましょう。
たとえば、1日3食で1食あたり500円をコンビニや外食に使うとすると、1日に1,500円も食費で使っていることになります。
1週間だと10,500円、1ヶ月で45,000円とかなり高額な食費です。
1食あたりの価格が1,000円や1,500円になれば、さらに食費は高くなります。
自炊は上手に買い物をすれば、1食あたり300円程度に抑えるのは簡単です。
300円に抑えられれば1週間で6,300円、1ヶ月で27,000円の食費となります。
上記は1人暮らしの例ですが、世帯人数が増えれば、さらに自炊の重要性は高くなります。
自炊をしたことがない人は、なかなか難しいと感じるかもしれませんが、
- ご飯を炊く
- 野菜を炒める
- 麺を茹でる
この3つができるだけで、本格的な料理ができなくても、外食をするよりは節約になります。
自炊したことのない人は大変かもしれないので、1日に1食だけでも自炊にチャレンジしてみましょう。
とくに夕食は高くなりやすいので、夕食の自炊をおすすめします。
5、献立はあらかじめ決めよう
買い出しに行ってから献立を決めるのではなく、あらかじめ献立を決めておきましょう。
1週間分の献立を決めておけば、買い物する食材が決まるので、まとめ買いする際に余計なものを買わずに済みます。
献立を決めたら、必要な食材をメモしてから買い物に行きましょう。
はじめは予算をオーバーしたり、食材が足りなくなったりするかもしれないので、メモは捨てずに保存して次回の買い物に活かしましょう。
献立を考えるのは、はじめは大変かもしれませんが、料理のレパートリーを増やしていけば楽になっていきます。
最初に使う食材が似ていて、応用が効きやすいカレーやシチュー、肉じゃがなどの定番料理を覚えておくのがおすすめです。
6、安い食材を把握しておこう
自炊での節約で大切なのが、値段の安い食材を購入することです。
よく「自炊は外食よりもお金がかかる」といわれることがありますが、安い食材をしっかり選んで購入すれば、確実に外食よりは安くなります。
ここから季節が関係なく、いつでも安く手に入る食材をご紹介していきます。
- たまご
- もやし
- 豆腐
- 納豆
- じゃがいも
- 玉ねぎ
- 食パン
- うどん
- 鶏むね肉
- 豚こま切れ肉
以上の食材は安く手に入りやすいです。
とくにじゃがいも・玉ねぎは常温でも長く保存できるので、常備しておくと役に立ちます。
ほかにも、安い食材はありますが、まずは以上の食材を覚えておきましょう。
どの食材もいろいろな料理に使えるものばかりです。
季節の食材は、旬の時期が1番安くて美味しいでしょう。
魚や野菜は旬の時期を覚えておくと役立ちます。
ビニール栽培や輸入物は時期がズレて安くなることがあるので、自分なりに食材の底値をメモしておくと、後々便利です。
7、買った食材は使い切るようにしよう
安い食材を買うのは節約において、とても大切ですが、それ以上に大切なのが食材を余らせないことです。
せっかく安く購入したとしても、余らせてしまえば傷んだり腐ったりして、食材は無駄になります。
買った食材はきちんと使い切るようにしましょう。
計画を立てて買ったはずなのに食材を賞味期限切れや、腐らせて捨てている人は保存方法に問題があるのかもしれません。
冷凍できるものは冷凍保存で
冷蔵保存だけでなく、冷凍できるものはしっかりと冷凍しましょう。
冷凍できる食材を覚えておくと、安いときに多めに買って、保存しておくこともできます。
痛むのが早い魚や肉、もやし、キャベツなどはしっかり冷凍して長期保存できるようにしましょう。
意外かもしれませんが、食パンやゆで卵、茹でたパスタ、大根おろしなども冷凍での保存が可能です。
整理整頓が大切
冷蔵庫の奥から賞味期限切れの食材がみつかったことのある人は、冷蔵庫内が整理されていないのかもしれません。
賞味期限が切れそうな食材や傷みやすい食材は、目につきやすい場所に整理整頓して保管しておくと、使い忘れがなくなります。
冷蔵保存に向かない食材に注意
冷蔵庫に入れれば安心というイメージがありますが、冷蔵保存に適さない食材もあります。
常温の保存に向いているのは、
- じゃがいも
- さつまいも
- 玉ねぎ
- ごぼう
- バナナ
などです。
夏場以外は日の当たらない風通しのいい場所で保存しましょう。
8、料理のバリエーションを増やそう
食費の節約には自炊がもっとも効果的です。
料理のバリエーションを増やすと、冷蔵庫にある食材を上手く組み合わせて料理ができるようになります。
まとめ買いした際の食材を余すことなく使えるので、決まった料理ばかりではなく、新しい料理にも積極的にチャレンジしましょう。
とはいえ半端に余った食材は、なかなか使い切るのが難しいです。
そこで、常温でもある程度の長期間保存ができる、にんじん、玉ねぎ、じゃがいもを常備しておくと、半端に余った食材をカレーやシチュー、肉じゃがなどに応用できるのでおすすめです。
9、缶詰・レトルト食品を活用しよう
缶詰やレトルト食品は料理の時短になりますし、忙しいときは温めるだけで食べられます。
価格も100円からあるので、節約にも効果的です。
最近の缶詰やレトルト食品は品質が高く、美味しいと評判です。
手に入りやすく、消費期限も長いので、ストックしておくにはぴったりです。
アレンジしてもいいですが、そのままでも充分に美味しいので、あと一品なにか欲しいときにも役立ちます。とくに自炊が苦手という人は、いくつかストックしておくといいでしょう。
10、家族と協力しよう
食費の節約は家族の理解や協力が不可欠です。
食事は大切なものなので、あまりにやりすぎた節約はよくありません。
節約よりも家族の健康を優先するようにしてください。
1人だけ張り切って節約していても、あまり節約効果は望めません。
協力を得られないときは、食費の項目だけでもいいので、家族で家計簿を共有するのも効果的です。
きちんと節約する理由を話し合って、家族で協力しながら楽しんで節約を進めていきましょう。
一人暮らしや共働きで食費を節約する2つのコツ
食費を節約するには、自炊をすることだとお伝えしました。
ただ、仕事をしている一人暮らしの方や共働きの家庭では、中々節約に回せる時間が確保できないケースもあるでしょう。
そこでここでは、時間がない方でも自炊ができる方法を紹介していきます。
時間がなくても、自炊ができれば食費を大きく節約できるので、これから紹介するな内容は実践するようにしてください。

1、週末にまとめて作り置きをしよう
仕事をしている方だと、どうしても毎日の自炊に時間が割けないこともあります。
しかし、週末にまとめて料理の作り置きをしておけば、かなりの時間短縮になるため実践もしやすくなります。
また献立も毎日考えなくてよくなるため、負担も減るでしょう。
基本的に作り置きしたものは、冷凍させておくと長期保存できるので急いで食べなくてもよくなります。
ただ、複数の献立を一度に考えるのも大変でしょう。
そういった場合では、一部料理は作って、余った食材は切りわけたり下処理を済ました状態で保存することをおすすめします。
そうすれば、いざ料理をする時でも火を通すだけとなり、かなりの手間が省けるでしょう。
2、マイボトルを持ち歩こう
仕事先では、なんだかんだで飲み物を買ってしまうものです。
しかし、1本120円以上する飲み物を月に20日間買ったら、合計で2,400円にもなります。これが年間になると2万8,800円です。
金額が小さいので、ついつい気が緩んでしまいますが、ここはマイボトルを持ち歩いて乗り切りましょう。
用意する時間も、数分あればできることなので負担になりません。明日からでも実践してみましょう。
食費の節約でしてはいけないこと
食費の節約でしてはいけないのが、
- 特売日を狙いすぎる
- 食事を抜く
- 同じものばかり食べる
- 無理に自炊をする
この4つはなるべくしないように心がけましょう。
特売日を意識しすぎる
近くのスーパーの底値を把握することは大切なことですが、それを意識しすぎるのは禁物です。
これは、特売だからと必要以上に食材を買いすぎてしまうためです。
「そのうち使うだろう」といって買ったものであっても、結局使わずに腐らせてしまうケースも多くあります。
特売だったとしても、購入するものは必要な分だけにとどめておきましょう。
食事を抜く
食事を抜くと栄養不足になる恐れがあります。
節約のために病気になってしまっては元も子もありません。逆に医療費がかかってしまいます。
体調によっては仕事もできなくなるため、その分の収入も減ってしまうでしょう。
一番の節約は健康であることですから、規則正しくしっかりと食べることが大切です。
同じものばかり食べる
食費は無理をすればいくらでも減らすことは可能です。
毎食パスタやそうめん、豆腐など安い食材ばかり食べていけば節約になります。
しかし、栄養が偏ってしまい、なによりストレスが溜まります。
こういったストレスが溜まれば、どこかで爆発し、外食でムダな出費をしてしまうでしょう。
「めんどうだから…」「安いから…」と無理をせずに、楽しむ気持ちで食費の節約はしていきましょう。
無理に自炊をする
食費の節約には自炊が効果的ですが、いままで自炊をしたことがない人にとっては、かなりハードルが高いものです。
はじめのうちは1日の1食だけ自炊するなど、徐々に自炊に慣れていきましょう。
無理に自炊しても、節約は長続きしません。
どんな節約でも同じですが、無理はしないようにして、継続することを大切にしていきましょう。
もし、食費の節約が続かないようなら、まずはほかの光熱費や通信費の節約も考えてみてもいいかもしれません。


食費の節約は継続が大事!無理をしないで続けよう!
食費を節約するために大切な12個のコツをご紹介しました。なかにはできそうな節約術があったのではないでしょうか。
食事は毎日するものなので、食費は節約しやすいです。
その反面、食費は我慢しようと思えば、節約ができてしまう支出でもあります。必要なものまで節約でカットしてしまわないように注意する必要があります。
食費に限らず、節約は継続して続けるのが1番大事なことです。
また、食事は人にとって重要なことなので、あまり無理をせずに楽しみながら節約していきましょう。