老後資金への不安を持つ方にとって、私的年金であるiDeCo(イデコ)には様々なメリットがあります。
しかし、iDeCoはメリットが押し出されている反面、制度が複雑なので上記の様な疑問を抱えることも少なくありません。
この記事では、iDeCoを利用する際のデメリットや注意点について、会社員のほかにも公務員や主婦など職業別の観点も踏まえて解説していきます。
iDeCoのデメリットを知っておきたい方はぜひ最後までご覧ください。
- iDeCoには加入や資産引き出しに年齢制限がある
- あくまでも投資なので元本割れのリスクを伴う
- 加入者の状況によっては受取時に税金が発生してしまう
- 公務員や主婦はiDeCoのメリットが最大限受けられない
- iDeCoよりもNISAやつみたてNISAの方が向いていることもある
- iDeCoに加入するなら手数料の安いLINE証券がおすすめ
iDeCo(イデコ)ってどんな制度?
iDeCoとは、個人型確定拠出年金という年金制度の一種です。
老後資金の準備を目的として毎月一定額の掛金を積み立てていき、あらかじめ用意された金融商品の中から利用者自身が投資する対象を選んで資産運用を行います。
個人が任意に加入するものなので、私的年金とも呼ばれます。
iDeCoは60歳以上からの受け取りを想定しているため長期運用が前提ですが、下記の様なメリットがあることから、iDeCoは老後に備えた資産構築の方法として非常に魅力のある制度です。
- 掛金は全額が所得控除対象になる
- 運用利益は全て非課税になる
- 資産引き出し時にも税制優遇がある
iDeCo(イデコ)に関して実施された・予定されている法改正
なおiDeCoは、2022年以降も法改正による制度変更が予定されています。
制度の変更による加入時の制限緩和なども含まれているため、法改正の実施時期と内容を押さえておきましょう。
項目 | 施行日 | 改正内容 |
---|---|---|
脱退一時金の 需給要件の見直し |
2021年4月1日 | 通算拠出期間を 3年以下から5年以下へ拡大 |
受給開始時期の 選択肢の拡大 |
2022年4月1日 | 受給開始時期を 60~70歳から60~75歳へ引き上げ |
加入可能年齢の拡大 | 2022年5月1日 | 加入可能年齢を 60歳未満から65歳未満に拡大 |
海外居住者の iDeCo加入解禁 |
2022年5月1日 | 国民年金に任意加入している 海外居住者のiDeCo加入を許可 |
企業型DC加入者の iDeCo加入の要件緩和 |
2022年10月1日 | 企業型DCのiDeCo加入に関する規約や 事業主掛金の引き下げをiDeCo加入条件から撤廃 ※ただし企業型DCの事業主掛金と出でコンの 掛金の合計額が一定以下でなければならない |
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iDeCo(イデコ)のデメリット
メリットが多く感じられるiDeCoですが、知らずに運用しているとかえって損失を被る可能性もあります。
iDeCoで資産運用を行う際はデメリットを理解した上で取り組みましょう。
- 60歳まで資産を引き出せない
- 元本割れのリスクがある
- 各種手数料がかかる
- 加入できない人もいる
- 受取時に税金がかかる場合がある
- 口座は1つしか持てない
60歳まで資産を引き出せない
iDeCoで資産運用を行う1つ目のデメリットは、60歳まで資産の引き出しができないことです。
株やFXなどの投資は基本的に自身の資金を引き出す際の制限はありません。
しかしiDeCoは、投資といっても株やFXとは性質が異なります。
iDeCoは、そもそも国が設けた私的年金であり、老後の資金形成を目的とした制度です。
そのため、原則として60歳までは掛金や運用益の引き出しはできません。
しかもiDeCoは、加入年数が少ないと60歳になっても受け取れないことがあります。
iDeCoに加入できる年齢は60歳未満と定められていますが、加入年数が10年未満だと受給が遅れていきます。
仮に59歳で加入した場合、引き出せるのは65歳になってからです。
iDeCo加入期間 | 受給開始年齢 |
---|---|
10年以上 | 60歳~70歳の間 |
8年以上10年未満 | 61歳~70歳の間 |
6年以上8年未満 | 62歳~70歳の間 |
4年以上6年未満 | 63歳~70歳の間 |
2年以上4年未満 | 64歳~70歳の間 |
1ヶ月以上2年未満 | 65歳~70歳の間 |
60歳になってからでないと資産が引き出せないだけでなく、加入年齢によっては60歳を過ぎても受給できない点は意外と盲点になりがちです。
『いざとなればiDeCoの資産があるから大丈夫』という姿勢でいるのは危険です。
60歳未満で病気など急に大きな出費が必要になったとき、iDeCoの資産を使うことは原則できないため注意しましょう。
60歳未満でも脱退一時金で受給できるケースはある
なお、iDeCoの資産を60歳未満で引き出す方法が全くない訳ではありません。
ただし条件は非常に厳しく、実質的には受給は非常に困難と考えた方が良いでしょう。
iDeCoで60歳未満で受給を受ける場合、「脱退一時金」という制度を利用します。
そして脱退一時金を受け取るには、iDeCoの公式サイトに記載されている下記の条件を全て満たす必要があります。
以下の5つの要件をすべて満たす場合は、60歳未満でも脱退一時金として資産を受け取ることができます。
<支給要件>
1.国民年金の第1号被保険者のうち、国民年金保険料の全額免除又は一部免除、もしくは納付猶予を受けている方
2.確定拠出年金の障害給付金の受給権者ではないこと
3.通算拠出期間が5年以下、又は個人別管理資産が25万円以下であること
4.最後に企業型確定拠出年金又は個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者の資格を喪失した日から2年以内であること
5.企業型確定拠出年金の資格喪失時に脱退一時金を受給していないこと※1.の要件は、日本国の国民年金保険料の免除を受けていることが必要であり、外国籍の方が帰国後に国民年金の加入資格がなくなった場合は、これに該当しません。
※通算拠出期間は当初3年以下と定められていましたが、法改正によって2021年4月から5年以下に拡大されました。
専門用語が多く複雑ですが、もっとわかりやすくいうと以下のようになります。
- 国民年金の保険料を免除されていること
- 障害給付金の受給者ではないこと
- 通算拠出期間が合計で5年以下、または個人別管理資産額が25万円以下であること
- 企業型DCまたはiDeCoの資格喪失から2年以内であること
- 企業型DCから脱退一時金の支給を受けていないこと
条件に出てくる「企業型DC」というのは、「企業型確定拠出年金」のことです。
企業型DCの場合、iDeCoと違い勤務先の企業が毎月の掛金の積み立てを行い、従業員自身が年金資産を運用します。
企業型DCは企業に勤める際、加入は自動的に行われる場合と選択できる場合があるため、加入状況等を自分で確認した上で脱退一時金の受給を検討しなければいけません。
とはいえ、そもそも1つ目の条件として挙げられている国民年金保険料の免除は経済的に困難な状況にある方を対象にしたものです。
本人や配偶者の所得が前年比の一定額以下になった場合や失業時などに申請を行い、承認されなければ免除対象とはなりません。
つまり、国民年金保険料を納められないほど困窮していると認められなければ、iDeCoで脱退一時金を受け取ることは出来ないのです。
こうした条件をiDeCoの脱退一時金を受け取るためだけに、全て満たすことは非常に難しいと言わざるを得ません。
iDeCoで60歳に達する前に資産を引き出すのは現実的ではないと考えておきましょう。
元本割れのリスクがある
iDeCoで資産運用を行う2つ目のデメリットは、元本割れのリスクを伴うことです。
iDeCoは、株やFXとは違った性質を持つと説明しましたが、投資としての性質ももちろん持ち合わせています。
投資では、元本割れ、つまり資金を運用した結果が当初の金額を下回り、利益がマイナスになってしまうこともあります。
iDeCoは、掛金の運用を行う金融商品を自分で選ぶことになるため、あらかじめ投資の知識を身につけておくことが重要です。
リスクを取りたくない場合、iDeCoでは元本保証がある、つまり元本割れを起こさない金融商品も選ぶこともできますが、その場合はあまり多くのリターンは期待できません。
- リスクが高い金融商品=高い運用利益が見込める
- リスクが低い金融商品=運用利益は少ししか見込めない
これらの金融商品を組み合わせて運用していくことが望ましいですが、投資初心者にとって掛金の運用を行う金融商品選びは難しいものです。
対策としては、プロのアドバイスをもらったり、ネット証券の開催しているセミナーに参加して勉強するなどがあります。
各種手数料がかかる
iDeCoで資産運用を行うデメリット3つ目は手数料がかかることです。
iDeCoには様々な税制優遇があるため、資産運用の手段としては非常に魅力があります。
しかし、手数料や口座維持費は、iDeCoの加入者側が負担することになっており、リターンが少ない元本保証の金融商品だけで運用していた場合などは運用利益よりも手数料がかさんでしまうことも考えられます。
iDeCoで発生する手数料は主に以下の5種類です。
- 加入時手数料
- 加入者手数料
- 給付手数料
- 還付手数料
- 移換時手数料
このうち、給付手数料・還付手数料・移換時手数料は、資産運用中に発生することは少なく、利用するネット証券によって金額が異なる場合があります。
詳細については「iDeCoができるネット証券3選」から確認してください。
一方で、どのネット証券でも共通する手数料は加入時手数料と加入者手数料の2つです。
種類 | 支払先 | 手数料 |
---|---|---|
加入時手数料 | 国民年金基金連合会 | 2,829円 |
加入者手数料 | 国民年金基金連合会 | 105円 |
信託銀行 | 66円 |
加入時手数料というのは、iDeCoの口座開設を行う際に支払う手数料となり、手数料の金額は固定で2,829円となります。
もうひとつの加入者手数料の方は、掛金の拠出を行っている間、毎月支払うものです。
国民年金基金連合会と信託銀行に支払う手数料の合計で毎月171円が発生します。
初年度と2年目以降それぞれ確定で発生する手数料をまとめるとこのようになります。
初年度 | 加入時手数料:2,829円 加入者手数料:2,052円(12ヶ月) |
合計:4,881円 |
---|---|---|
2年目以降 | 加入者手数料:2,052円(12ヶ月) | 合計:2,052円 |
加入時手数料が発生するのは初年度のみですが、加入者手数料も1回ごとは少額とはいえ1年で見るとまとまった額になってきます。
しかも銀行などでは別途、口座管理手数料として毎月200円程度発生するケースもあるため注意が必要です。
おおよその目安としては、次のようになっています。
- 初年度:5,000~1万円程度
- 2年目以降:2,000~7,000円程度
上記の金額を手数料として見込んでおきましょう。
LINE証券の iDeCoなら、かんたん4ステップで年間8万円の節税効果が見込めるため、おすすめです。
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加入できない人もいる
iDeCoで資産運用を行うデメリットの4つ目は、誰でも加入できるわけではないということです。
老後の資産構築が目的なので幅広い人が対象になっていますが、以下に当てはまる場合はiDeCoに加入することができません。
- 国民年金保険料を支払っていない方
- 60歳以上の方(2022年5月1日から65歳以上の方へ引き上げ)
- 海外在住の方(2022年5月1日から加入可能に変更)
- 勤務先の企業型DCの規約でiDeCo加入が認められていない方(2022年10月1日から要件変更)
- 農業者年金に加入している方
それぞれ詳しく説明していきましょう。
「60歳未満でも脱退一時金で受給できるケースはある」でも触れた国民年金保険料の支払いが加入条件にも関わってきます。
脱退一時金は国民年金保険料を免除されていることが条件でしたが、国民年金保険料の支払いを行っていない場合、そもそもiDeCoへの加入はできません。
老後の資金形成を目的としているiDeCoは、資産の引き出しが60歳以降と定められています。
そのため、加入できるのは最高でも59歳までです。
ただし、2022年5月1日からは法改正によって65歳未満へと加入年齢が引き上げられます。
海外居住者もiDeCoに加入することはできません。
しかし海外在住の方は、居住状況次第ではiDeCoへの加入が認められており、以下のような事情なら引き続きiDeCoが利用できます。
- 日本の会社で雇用関係が継続していて厚生年金保険に加入中である場合
- 日本が社会保障協定を結んでいる国へ5年以内の期間で居住する場合
しかし、海外転勤で5年以上の長期にわたって海外に在住する場合や、転勤の際に海外の現地法人へ移籍するような場合はiDeCoの加入資格を失うため注意してください。
また、国民年金保険にだけ加入している方も、海外に居住するとiDeCoへの加入資格がなくなります。
ただ、海外在住の方のiDeCo加入資格についても、2022年5月1日から法改正で変更が入ります。
現在は、国民年金保険に加入しているだけでは海外在住者のiDeCo加入は認められていませんが、2022年5月1日以降は任意加入被保険者であればiDeCo加入ができるようになります。
任意加入は外国に居住する20歳以上65歳未満の日本人なら可能です。
企業型DC(企業型確定拠出年金)に加入している方も、労使合意に基づく規約で認められていなければiDeCoへの加入が出来ません。
ほかにも、事業主掛金の上限を引き下げた企業に限られるなどの制約があります。
しかし、企業型DCに加入している方のiDeCo加入については2022年10月1日に改正が行われます。
制度改正後は規約や事業主掛金の上限引き下げに関わらず、拠出限度額の範囲内であればiDeCoへの加入が可能です。
企業型DCに加入している方の iDeCo加入要件 |
企業型DCに加入している方 | 企業型DCと確定給付型 (DBや厚生年金基金など)に加入している方 |
---|---|---|
企業型DCの事業主掛金 | 55,000円以内 | 27,500円以内 |
iDeCoの掛金 | 20,000円以内 | 12,000円以内 |
合計 | 55,000円以内 | 27,500円以内 |
2021年10月1日時点からすると半年以上先のことになりますが、企業型DCに現在加入していてiDeCo加入が難しい方も、将来的にiDeCoに加入できる可能性があることは知っておいて損はないでしょう。
農業者年金に加入している場合もiDeCoに加入することは出来ません。
農業者年金は農家の方向けに設けられた国民年金に上乗せできる年金制度で、iDeCoと似た点がいくつもあります。
ですが、農家の方が農業者年金とiDeCoを併用することは不可能なので、どちらかひとつを選ぶ必要があります。
農業者年金とiDeCoで最も大きく違うのは運用方法で、農業者年金では元本割れのリスクがありません。
農業者年金の平均利回りは平成14年~30年度で+2.82%となっていて、仮に運用でマイナスになった場合は補填が行われます。
しかし、自分で投資する金融商品を選ぶiDeCoでは農業者年金を上回る成果が得られることもあります。
- 農業者年金:リターンは少額だが元本割れのリスクがない
- iDeCo:元本割れのリスクを負うが大きなリターンも期待できる
上記のような違いから自分に合った方を選ぶことが大切です。
受取時に税金がかかる場合がある
iDeCoで資産運用を行う5つ目のデメリットは受取時に税金が発生するケースがあることです。
iDeCoには、資産を引き出す際に3つの受け取り方があります。
- 70歳までの一時金として一括で受け取る
- 年金として受け取る
- 一時金と年金の併用で受け取る
種別としては一時金か年金かになりますが、一時金なら「退職所得」、年金なら「雑所得」となり扱いが異なります。
「退職所得」か「雑所得」かの違いが受取時の税金について考える際は重要です。
受取方法 | 計算式 |
---|---|
一時金(退職所得) | 退職所得=(収入金額-退職所得控除額)×1/2 |
年金(雑所得) | 公的年金等の雑所得=収入金額-公的年金等控除額 |
それぞれ計算式がこのように異なるので、受取方法に応じて退職所得控除額で計算するか、公的年金等控除額で計算するかも変わってしまいます。
一時金で受け取る際の計算例
iDeCoの資産を一時金として受け取りたい場合、計算式は勤続年数によって2パターンあります。
勤続年数 | 退職所得控除額 |
---|---|
20年以下 | 40万円×勤続年数 ※80万円未満の場合は80万円 |
21年以上 | 800万円+70万円×(勤続年数-20年) |
計算例を挙げるとこのようになります。
- 勤続年数15年:40万円×15年=600万円
- 勤続年数30年:800万円+70万円×(30年-20年)=1,500万円
注意しなければいけないのは、控除額は退職金とiDeCoの一時金を合計した金額に適用される点です。
退職金の金額次第では、合計金額が控除額を上回り課税対象となってしまうケースがあるので、年金で受け取った方が良いことがあります。
年金で受け取る際の計算例
一方、年金で受け取れば税金の心配はいらないかというとそうでもありません。
年金で受け取る場合、公的年金の受給額とiDeCoの受取額を合計して下記金額までなら控除となります。
- 65歳未満:年間70万円
- 65歳以上:年間120万円
しかし、厚生年金の支給額が高い方はiDeCoも年金受取にすると、控除額を上回って課税対象になってしまう可能性があります。
そのため、税金を回避するには、公的年金の受給が始まる60歳から64歳の間にiDeCoを年金として受け取るといった対策が必要です。
一時金受取と年金受取を組み合わせる方法もありますが、iDeCoを利用している金融機関によっては併用できないこともあるため事前に確認しておきましょう。
口座は1つしか持てない
iDeCoで資産運用を行うデメリットの6つ目、かつ最も注意しなければならないのは、1つしか口座が持てないということです。
iDeCoは様々な税制優遇が得られる制度となっていますが、メリットが大きいだけに所有できる口座も1つのみに限定されています。
しかも、iDeCoの口座は一度開設すると簡単にはほかの金融機関に変更ができず、国民年金基金連合会の審査等の関係で手続き完了まで数ヶ月を要します。
つまり、iDeCoは最初の口座開設をどの金融機関で行うかが非常に重要なのです。
iDeCoの口座を作る際には、下記の様な点を十分に比較しておく必要があります。
- iDeCoで扱える金融商品の数や種類
- 毎月発生する口座管理手数料
特に口座管理手数料は無料か有料かで運用コストが大きく変わるため、出来るだけ無料の金融機関を選びましょう。
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【職業別】iDeCo(イデコ)の注意点
iDeCoには職業によって注意すべきポイントもあります。
特に公務員の方や専業主婦の方、DB(確定給付企業年金)加入者は事前に注意点を把握しておきましょう。
- 公務員は毎月1.2万円まで
- 専業主婦は所得控除のメリットがない
- 会社員は人によって上限が違う
公務員は毎月1.2万円まで
iDeCoを利用する際に注意したい職業としては公務員が挙げられます。
公務員であっても税制優遇を受けられることは変わらないのですが、掛金の拠出額上限はiDeCo加入者のうち最も低く設定されています。
加入状況 | 対象 | 月額 | 年額 |
---|---|---|---|
第1号被保険者 | 自営業の方 | 68,000円 | 81万6,000円 |
第2号被保険者 | 会社に企業型DCがない方 | 23,000円 | 27万6,000円 |
企業型DCのみ加入している方 | 20,000円 | 24万円 | |
企業型DC・DB(確定給付企業年金) ・厚生年金基金に加入している方 |
12,000円 | 14万4,000円 | |
公務員の方 | 12,000円 | 14万4,000円 | |
第3号被保険者 | 専業主婦・主夫の方 | 23,000円 | 27万6,000円 |
公務員が拠出できる掛金は月額だと1万2,000円までで、年額にすると14万4,000円に留まります。
年額14万4,000円は企業に勤めている会社員と比較すると10万円かそれ以上に低い金額であり、上限が低い分だけ運用できる金融商品の種類も限られてしまいます。
公務員でiDeCoを利用する際には、課金の額に制限があることをあらかじめ理解しておきましょう。
専業主婦は所得控除のメリットがない
専業主婦もiDeCoの利用時には注意が必要です。
iDeCoのメリットで大きな要素が税制優遇であることは何度も触れていますが、専業主婦の場合は税制優遇の対象とならない場合があります。
そもそも税制優遇で控除されるのは所得税や住民税なので、収入が一定以下、または無収入だと控除される税金を支払っていません。
そのため、節税効果を期待してiDeCoを始めても専業主婦の方は効果を実感しにくいでしょう。
ただし、所得控除が受けられなくても退職所得控除や公的年金等控除は受けることが可能です。
専業主婦の場合、一般的には退職金がなく公的年金の額も少なくなります。
「受取時に税金がかかる場合がある」で説明したように、退職金が多い方や年金額が多い方はiDeCoの資産受取時に税金が発生してしまうことがありますが専業主婦は課税される可能性が低いのです。
専業主婦の方でiDeCoを検討している場合、会社員とは得られるメリット・デメリットに差があることを確認しておくことが大切です。
会社員は人によって上限が違う
会社員ならiDeCoで得られるメリットは一律かというと、そうではありません。
会社員の場合、年金の加入状況としては第2号被保険者にあたります。
しかし、第2号被保険者の中でも企業型DC等の加入状況に応じて拠出できる掛金の上限が違います。
対象 | 月額 | 年額 |
---|---|---|
会社に企業型DCがない方 | 23,000円 | 27万6,000円 |
企業型DCのみ加入している方 | 20,000円 | 24万円 |
企業型DC・DB(確定給付企業年金) ・厚生年金基金に加入している方 |
12,000円 | 14万4,000円 |
特に差が大きいのが、DB(確定給付企業年金)への加入の有無です。
企業型DCが会社にない方や、企業型DCだけに加入している方は年額で24万~27万6,000円まで運用できますが、DB加入者は年額14万4,000円に抑えられてしまいます。
年額14万4,000円となると公務員と同じ金額です。
iDeCoに加入する際には、自分自身が現状で何の制度に加入しているかを確認して拠出額上限を把握しておきましょう。
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iDeCoの特徴をよく理解してから始めよう
ここまでiDeCoのデメリットについて説明してきましたが、加入時の状況や目的によってはiDeCo以外の選択肢を検討した方が良い場合もあります。
堅実に資産運用をしていけることや、税制優遇を受けられることがiDeCoの強みですが、税制優遇であれば「NISA」や「つみたてNISA」でも受けることが可能です。
例えば運用利益は「NISA」なら最長5年、「つみたてNISA」なら最長20年は非課税なので高い節税効果が得られます。
また、「NISA」や「つみたてNISA」は、iDeCoと違って必要な時にいつでも資産を引き出すことができます。
iDeCoは60歳まで資産を引き出せないので、突然の病気や事故、災害など大きな出費が必要になった時の資金として使うことはできません。
一方「NISA」や「つみたてNISA」は、税制優遇を受けつつ臨時の資金とすることも可能です。
iDeCoには様々なメリットがある反面、デメリットも多いことは事実なので特徴を十分に理解してから加入することをおすすめします。
ネット証券会社おすすめ5選
この章では、メイン口座にぴったりのおすすめネット証券会社を紹介してきます。
おすすめ証券会社 第1位:LINE証券
- LINEアプリから簡単に利用できる
- 有名企業の株が1株単位で買える
- LINE Payから入金・出勤できる
- LINEポイントで投資できる
- 信用取引の手数料が0円
おすすめ証券会社の第1位は、LINE証券です。
LINE証券は、普段利用しているLINEアプリから簡単に利用できることが魅力です。
注文から売却まで全てLINEアプリ内で完結することができるので、手軽に始めたい方におすすめです。
LINE証券には、「いちかぶ」という、有名企業に1株数百円から投資できるシステムがあり、初期投資をぐんと減らすことができます。
取引手数料は、現物取引〜5万円:55円・〜10万円:99円で、信用取引は無料です。
LINEポイントも1ポイント1円として利用できるので、ポイントが余っている方は有効活用することができます。
おすすめ証券会社 第2位:SBI証券
- 初心者から上級者まですべての人におすすめ
- ネット証券口座開設者数No. 1
- IPO取扱銘柄No. 1
- iDeCo加入者数、ネット証券No. 1
- 月100円から積立投資ができる
おすすめ証券会社の第2位はSBI証券です。
SBI証券の魅力は、手数料の安さや豊富な株式銘柄、そしてNISAやiDeCoの取扱など、証券会社に求めるほぼすべてのものを網羅しているところです。
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まとめ
iDeCoには税制優遇をはじめとする様々なメリットがある反面、60歳までは引き出せないなど見逃せないデメリットも存在します。
iDeCoへの加入を検討する際は複数のデメリットがあることを理解した上で、自分自身の運用目的に合っているかどうかをよく確認しましょう。
老後の資産形成ではなく副収入が得たいなど、目的によっては「NISA」や「つみたてNISA」の方が適している場合もあります。
iDeCoという制度の特徴を把握して効率良く運用していきましょう。
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