「界面活性剤って聞いたことあるけど、なんなんだろう?」
「シャンプーの界面活性剤って、良くないって聞いたけど、実際どうなの?」
「界面活性剤なしのシャンプーってあるのかな」
雑誌やネットで見かける『界面活性剤』という用語ですが、実際にどんなものか詳しくは知らない人が多いのではないでしょうか。
そこで、今回モノシル編集部では"シャンプーに配合される界面活性剤"について徹底調査をしました!
最後まで読んで、ただしい知識を身に付けて、安全なヘアケアをしましょう!
この記事を監修している専門家

GRACIA(グラシア)クリニック 院長
樋口 隆男
福岡市中央区にある美容外科・美容皮膚科『GRACIA(グラシア)クリニック』の院長。福岡大学医学部卒業後、約18年間に及ぶ医療現場で1,000例を超える外科手術を経験。肺移植を学ぶためオーストラリアに留学し博士号を取得。帰国後、国立病院の外科部長となったが、以前からの夢であった美容外科への道に転身する。豊富な臨床経験・知識と、卓越した美的センスで、"美しさ"を最大限まで引き出す施術を手掛けているカリスマ美容ドクター。多くのメディアにも出演している。
界面活性剤とは?

そもそも『界面活性剤』とは、油と水の両方になじむ性質を持った成分のことです。
この性質を活かして、シャンプーをはじめ、さまざまなヘアケア・スキンケア用品に処方されています。
特にシャンプーに関しては、成分のほとんどを界面活性剤と水が占めているほど、重要な成分なんです!
ここからは、そんな界面活性剤に、どんな働きがあるのかを紹介していきますね。
主な働きは『水分』と『油分』をなじませて汚れを洗浄すること

シャンプーに処方されている『界面活性剤』は、主に"頭皮や髪の汚れを洗浄する目的"で配合されています。
髪につく汚れのほとんどは、汗やほこりなど、水に溶ける汚れ(水溶性)ですが…
皮脂や整髪料など、水になじまず、おちづらい油性の汚れ(油溶性)もあるんです。
界面活性剤は、油と水の両方になじむ性質があるので、こうした油性の汚れを浮かせて、洗浄してくれるんですよ!
ここまで説明しているとおり、界面活性剤には油と水の両方になじむ性質があります。
これは、『親水基(水に溶ける構造)』と『親油基(油に溶ける構造)』の両方の構造をあわせ持つからです。
水と油は、慣用句にもあるとおり、反発してなじまない関係なので、お湯洗いだけでは皮脂や整髪料は落とせません。
界面活性剤は、以上の特性によって水と油をなじませることで、お湯洗いだけで落ちない油汚れを落とせるというわけなんですよ。
その他にも多くの良い効果がある!

界面活性剤は、洗浄効果以外の目的でもさまざまな商品に配合されています。
これは、髪や肌にさまざまな良い効果があるからなんです!
- 起泡
界面活性剤が溶けた水は、泡が壊れないように安定するので、泡立ちが良くなります - 浸透・乳化・分散
界面活性剤は、物質の境(界面)をなじませることで、汚れを溶けやすくしてくれます - 再付着防止・帯電防止
髪へのコンディショニング効果で、汚れが再度ついたり、静電気が帯電したりするのを防いでくれます - 殺菌
殺菌性があって、雑菌の繁殖を防いでくれます
界面活性剤にはこのように様々な働きがあるので、シャンプーだけでなく、リンスやコンディショナーにも配合されているんですよ!
界面活性剤が危険って本当?

「界面活性剤って、髪に良くないんでしょ?」
「界面活性剤が危険とか、不使用のシャンプーが良いって見たことあるけど…、どうなんだろう?」
こうした声は少なくないのですが、結論から言うと、決して危険なものではありません!
ここからは、界面活性剤の作用を確認しつつ、界面活性剤の安全性について説明していきますね。
界面活性剤は汚れ落としに必要!危険なものではありません◎

お伝えしてきたとおり、界面活性剤は、頭皮や髪の油汚れを落とすために必要です。
もし界面活性剤を使わないと、頭皮に皮脂や整髪料の汚れが溜まっていき、フケやかゆみ、抜け毛の原因となってしまうんですよ。
そのため、むしろ界面活性剤が入っていない方が、髪に悪影響があると言えます。
刺激・洗浄力の強い成分には注意しよう

そんな界面活性剤がなぜ、危険と言われているのでしょうか?
それは、界面活性剤の種類とその組み合わせによって、頭皮への負担が大きくなるからです。
洗浄力や刺激の強い処方のシャンプーを使うと、頭皮が傷んだり、皮脂を必要以上に落として乾燥しすぎたりしますよ。
そのため、洗浄力や刺激の強い処方のシャンプーに注意しましょう。
例えば、次のようなケースでは注意が必要ですよ。
- ラウレス硫酸Na
- ラウリル硫酸Na
- オレフィン(C12-14)スルホン酸
以上のようなシャンプーは避けて、刺激が穏やかな界面活性剤を使ったシャンプーを選びましょう!
モノシルおすすめの低刺激なシャンプーをチェック!
界面活性剤の種類とは?

界面活性剤は、種類によって洗浄力が異なることをお伝えしました。
実は界面活性剤には、洗浄力以外にも効果や性質によって、さまざまな種類がありますよ!
まず、界面活性剤の性質から分かれる、4つの種類を確認しましょう
名称 | 特徴 | 性質 | 主な用途 |
---|---|---|---|
アニオン界面活性剤 (陰イオン性) |
洗浄作用と泡立ちが良く、 洗浄剤として用いられる。 |
マイナスのイオンを帯びる。 水に非常によく溶ける。 |
シャンプー ボディーソープ 衣料用洗濯洗剤 |
カチオン界面活性剤 (陽イオン性) |
柔軟作用に優れていて、 帯電防止効果も高い。 また、殺菌力のある成分が多い。 |
プラスのイオンを帯びる。 マイナスの電気(静電気) と結合して防止する。 |
リンス・コンディショナー トリートメント 衣料用柔軟剤 |
両性界面活性剤 | 低刺激で肌に優しく、 水に溶けやすい。 他の界面活性剤の助剤として働く。 |
pHによって、-イオンにも +イオンにも変化する。 他の界面活性剤との相性で、 効果を発揮する。 |
赤ちゃん向けシャンプー 敏感肌向けのシャンプー ボディーソープ 台所用洗剤 |
ノニオン界面活性剤 (非イオン性) |
乳化に優れている。 泡立ちは悪い。 |
イオン化しない性質。 水と油を長時間 混ざった状態にしておける。 |
衣料用洗剤 |
シャンプーに主に配合されるのは、『アニオン界面活性剤』と『両性界面活性剤』の2種類です。
つづいては、これらの界面活性剤の具体的な成分情報について、紹介していきますね!
シャンプーに配合されてる界面活性剤の成分系統を紹介!

シャンプー剤の主成分として処方される、『アニオン界面活性剤』と『両性界面活性剤』の2種類について詳しく紹介していきます。
それぞれ次のような系統の洗浄成分として分類されますよ。
系統によって効果や性質が異なるので、確認しておきましょう!
成分分類 | 系統 | 洗浄力 | 刺激 | 特徴 | おすすめな人 | 成分の見分け方 |
---|---|---|---|---|---|---|
アニオン 界面活性剤 |
高級アルコール系 | 高め | 強い | 泡立ちが良く・洗浄力が高いが、 頭皮への刺激が強い |
オイリー肌の人 がっつり整髪剤を使う人 |
ラウレス硫酸Na オレフィン(C14-16)スルホン酸Na |
せっけん系 | 高め | やや強め | 洗浄力が高く、 皮脂をがっつり落とす |
オイリー肌の人 がっつり整髪剤を使う人 |
石ケン素地 ラウレス4-酢酸Na |
|
アミノ酸系 | 普通〜やや弱め | 弱め | 泡立ちは悪いが適度な洗浄力と 低刺激を両立している |
普通肌・敏感肌・乾燥肌の人 | ココイルグルタミン酸TEA ココイルメチルアラニンNa ラウロイルメチルタウリンNa |
|
両性 界面活性剤 |
ベタイン系 | 弱め | 弱め | 泡立ちは悪いが、 低刺激で十分な洗浄力がある |
普通肌・敏感肌・乾燥肌の人 | ココアンホプロピオン酸Na コカミドプロピルベタイン ラウラミドプロピルベタイン |
先ほどお伝えした、頭皮に悪影響のある洗浄成分が表内の『高級アルコール系』です。
これらの成分は、洗浄力が強く、頭皮を刺激したり乾燥させすぎたりします。
そのため、洗浄成分からシャンプーを選ぶときは、他の3種類の系統の成分を処方した商品を選びましょう!

界面活性剤との正しい付き合い方は?

ここまで、界面活性剤の働きや種類について紹介してきました。
お伝えしてきたとおり、界面活性剤は頭皮や髪を清潔に保つために重要です。
しかし、より効果的に使うためには、肌質や髪の状態に合わせて、処方のタイプを選ぶことが大切ですよ!
ここからは、界面活性剤と正しく付き合う2つのポイントを紹介していきますね。
- アミノ酸系・ベタイン系メインのシャンプーを使おう
- 正しい洗い方でシャンプーを使おう
1.アミノ酸系・ベタイン系メインのシャンプーを使おう

界面活性剤に注目してシャンプーを選ぶときは、『アミノ酸系』もしくは『ベタイン系』のシャンプーを選びましょう。
これらの界面活性剤(洗浄成分)は、洗浄力が穏やかだからですね。
頭皮を刺激せず、潤いを保つために必要な皮脂を残しつつ、余分な皮脂だけを洗い流してくれますよ。
ただし、『ベタイン系』の成分がメインの場合、洗浄力が物足りない場合もあります。
あなたの肌質と相談して、適切な洗浄力のものを選びましょう!
モノシルでは、市販・サロン系・通販系のシャンプーを100本以上購入して成分情報を調査しています。
アミノ酸系のおすすめシャンプーも紹介しているので、ぜひ選ぶ参考にしてくださいね!
優良なアミノ酸・ベタイン系シャンプーを見分けるときは、次の方法で確認をしましょう。
- 商品の裏面にある成分表記を確認しよう
- 成分表の左上から2〜5番目に、アミノ酸・ベタイン系成分があれば◎
シャンプーボトルの裏には、画像のように成分が記載されています。
基本的には、左上から順に配合量の多い成分名が書かれていますよ。
この表示を見ながら、次のようなアミノ酸系洗浄成分の名前を探しましょう!
- ココイル◯◯
例:ココイルグルタミン酸Na、ココイルグルタミン酸k、ココイルグルタミン酸TEA - ラウロイル◯◯
例:ラウロイルメチルアラニンNa、ラウロイルメチルアラニンTEA - ココアンホ◯◯
例:ココアンホプロピオン酸Na - ◯◯ベタイン
例:コカミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン
自分で確認するのは大変ですが、納得感を持って選びたい人は、以上の情報を参考にしてくださいね!
モノシルおすすめのアミノ酸系シャンプー3選!
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2.正しい洗い方でシャンプーしよう

2つ目のポイントは、正しい洗い方でシャンプーをすることです。
なぜなら、間違った使い方で洗っていると、必要以上に頭皮に負担がかかってしまうからですね。
界面活性剤による頭皮への影響を最小限にして、健康な頭皮をキープするために、正しい使い方を確認しましょう!
- 入浴前にブラッシングで汚れを落とす
- 予洗いで髪と頭皮の汚れを落とす
- シャンプーを泡立てて頭皮を優しく洗う
- 泡が残らないようにすすぐ
- トリートメント・コンディショナーをつける
- タオルドライで髪の水分をしっかり取る
自分にあったシャンプーを使って、正しい洗い方をすれば、頭皮に負担をかけずに髪をキレイにできますよ!
界面活性剤と正しく付き合うためにも、ぜひ頭にいれておきましょう。
正しいシャンプーの使い方を知ろう!
まとめ:界面活性剤を正しく理解して毎日のヘアケアに活用しよう!

シャンプーの界面活性剤についての疑問を解消するために、その働きや種類などを紹介してきました。
界面活性剤は、髪と頭皮を清潔で健康な状態に保つために、必要な成分です。
正しく理解をして、あなたのシャンプー選びにも活用してくださいね!