為替や株などの取引をしていて、「ローソク足」という言葉を耳にしたことがあるトレーダーの方も多いでしょう。
過去の値動きの様子が把握できることから、ローソク足のパターンの把握は今後の相場の予想に役立ちます。
つまりローソク足のパターンとは、さまざまな銘柄を売買するタイミングを決める重要な判断材料です。
そこで本記事ではあらゆる銘柄の取引に欠かせない、ローソク足のパターンについて理解しましょう。
覚えておくべきローソク足のパターンや組み合わせ分析に関して、詳しく解説!
本記事を読み終わった後には、ローソク足のパターンを勉強するメリットも分かるでしょう。
ローソク足のパターンはざっくり言うと、次のようにまとめられます。
- 特定の通貨ペアが一定期間に示した動きを表すものがローソク足のパターン
- ローソク足のパターンを活用することで、未来の相場の動きを推測可能
- ローソク足のパターンや組み合わせ分析によって、売買するタイミングの決定が可能
- ローソク足の把握しておきたいパターンは9種類
- 理解しておきたいローソク足パターンの組み合わせ分析は10種類
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ローソク足とは
ローソク足とは、ある一定期間における対象通貨ペアの値動きを視覚的に理解するためのツールです。
ローソク足の長方形部分を実体、実体から上に出た線は上ヒゲ、そして実体から下に出た線を下ヒゲと呼びます。
実体とヒゲの長さを比べることで、対象通貨ペアの価格変動の大きさが把握可能でしょう。
ローソク足の実体とヒゲの長さの比較は、対象通貨ペアにおける価格変動の大きさの目安です。
時間足には分足・日足・週足・月足・年足があり、それぞれのローソク足が示す期間は、自分で選択できます。
- 分足:1分間ごとの通貨ペアの動き
- 日足:1日間ごとの通貨ペアの動き
- 週足:1週間ごとの通貨ペアの動き
- 月足:1ヶ月間ごとの通貨ペアの動き
- 年足:1年間ごとの通貨ペアの動き
長期的な時間足を確認してから、短期的な時間足の分析を行うとより効果的でしょう。
ただし売買取引のタイミングによって、重要となる時間足の度合いは異なります。
したがって、現時点で重要度が高い時間足の認識が必要です。
上記で紹介した以上に、時間足はさらに細かく分かれています。
たとえば分足の中には、1分足や5分足・15分足・30分足などが含まれます。
ローソク足の確認をすると、始値・終値・高値・安値が瞬時に分かります。
そのため、今後の相場の予想や勢いなどを分析できて、売買のタイミングを決定する上で役に立つでしょう。
- 始値:指定した一定期間の始めに提示されていたレートのこと
- 終値:指定した一定期間の終わりに提示されていたレートのこと
- 高値:指定した一定期間において、最も高い価格が提示されたレートのこと
- 安値:指定した一定期間において、最も安い価格が提示されたレートのこと
※ニーズに合わせて、一定期間とは分や日・週・月などから選択できます。
ローソク足のパターンの確認によって、今までのデータや相場の流れ・動きが一目で分かるでしょう。
したがって、相場におけるトレンドの把握が可能です。
ローソク足のパターンの把握は、つまり相場のトレンドを理解することです。
なお、チャート上のローソク足は2種類の色で表示されます。
チャートによって色は異なるので、必ず利用するチャートごとに確認しましょう。
ローソク足の色はチャートによって違うため、利用するチャートでのローソク足の色チェックが欠かせません。
始値よりも終値が高い場合は、赤や白で示されるケースが多い陽線です。
一方、始値よりも終値が低い場合は、青や黒で示されるケースが多い陰線であることを意味します。
陽線と陰線を間違えると、正しい相場の分析ができません。
くれぐれも、陽線と陰線を間違えないようにご注意ください。
目次
ローソク足のパターン一覧
ローソク足のパターンは数多く存在します。
しかし、特に取引に活用したいローソク足のパターンは9種類です。
知っておきたいローソク足のパターンは、以下の一覧でご確認ください。
絶対に覚えておきたいローソク足のパターンは、次の9種類です。
- 大陽線
- 大陰線
- 小陽線
- 小陰線
- 上影陽線
- 上影陰線
- 下影陽線
- 下影陰線
- 十字線
これらのローソク足のパターンを暗記する必要はありません。
けれどもローソク足のパターンを見て、相場の様子を理解できるように勉強しておきましょう。
それぞれのローソク足パターンの名前は、難しく聞こえるでしょう。 しかし後ほど分かりやすく解説するので、ご安心ください。 前述の9種類におよぶローソク足のパターンについて、ここでは詳しく確認しましょう。 終値が上に表示される陽線に対して、陰線の上部では始値が分かります。 陽線と陰線では同じ位置にあるヒゲから分かる内容が異なります。 したがって、陽線と陰線を混合しないように注意しましょう。 ローソク足の実体部分が大半を占める陽線が大陽線です。 上昇トレンドに切り替わる際に見かけるケースが多いローソク足のパターンで、買いの勢いがある状況と言えるでしょう。 大陽線は継続的な上昇傾向となることを表します。 よって、大陽線は強気の買いサインと理解しておきましょう。 ローソク足の実体部分が大半を占める陰線が大陰線です。 下降トレンドに切り替わる際に見かけるケースが多いローソク足のパターンで、売りの勢いがある状況を表します。 大陰線は継続的な下落傾向となることを意味するため、弱気の売りサインと言えるでしょう。 ローソク足の実体部分が短めの陽線が小陽線です。 小陽線は相場が停滞している際に見るケースが多いローソク足のパターンでしょう。 連続して小陽線が出現すると、大陽線が表れる可能性があります。 よって小陽線が現れた場合は、相場の様子により注意を払っておきましょう。 現状では少し上昇している状況で、やや強気の買いサインと言えます。 しかし小陽線が出現しているときは、相場が上昇するか、下落するかが分かりません。 ローソク足の実体部分が短めの陰線が小陰線です。 小陰線は売りと買いが拮抗していた状態から、やや値下がりした状況を表しています。 今後もトレンドが継続する場合に出現しやすいローソク足のパターンが、小陰線でしょう。 したがって相場の急変リスクが少ない反面、相場の流れが変わることを期待できません。 小陰線は、やや弱気の売りサインと言えるでしょう。 上影陽線は長い上ヒゲを持つ陽線です。 チャート上に上影陽線が現れたときは、結果的には始値をやや上回った価格に落ち着いた状況であることが分かります。 しかし落ち着くまでに、始値から大きく値を上げた後に値下がった際に出現しやすいローソク足のパターンが上影陽線です。 つまり上影陽線を見ると、「終値よりとても高い高値を経た」という相場の経過が把握可能なローソク足のパターンでしょう。 上影陽線は安値に傾く可能性があるため、売りのサインと言われるローソク足のパターンです。 一方で、上影陽線の出現時は相場が頭打ちの傾向があるでしょう。 上影陰線は長い上ヒゲを持つ陰線です。 始値よりとても高い高値が付いたものの、激しく下落したことが、上影陰線から把握できます。 上影陰線の出現時は、売りの勢いが強いタイミングでしょう。 上昇相場において上影陰線が出現すると、下落相場への切り替えになるケースが多い傾向があります。 下影陽線は長い下ヒゲを持つ陽線です。 始値から大きな値下がりを経て、最終的には上回った状態を示すローソク足のパターンが、下影陽線でしょう。 下影陽線は買いのサインとも言われるローソク足のパターンです。 特に下落相場で下影陽線が出現した場合は、上昇トレンドへの転換になるケースも多い傾向があります。 下影陰線は長い下ヒゲを持つ陰線です。 下影陰線を見ると、始値から大きな値下がりを経て、一時は巻き返したことが分かるでしょう。 しかし、結果的には始値を下回った状態を示すローソク足のパターンが、下影陰線です。 買いの勢いは弱めですが、下落相場で下影陰線が出現したときはレートの上昇も期待できます。 しかし下影陰線は市場の抵抗の強さも意味するので、注意が欠かせません。 始値と終値が同じために、ローソク足の実体部分が存在しなくなったパターンが十字線です。 つまり売りと買いの勢いが拮抗して、トレンドが読みにくい状況と言えるでしょう。 一方で、十字線は寄引同時線とも言われ、相場のトレンド切り替えを示唆している状態でもあります。 十字線の出現からは、市場による現状の価格維持への意志が感じられるでしょう。 トレンドを予測しづらい状況なので、十字線の出現時は今後の動きに注目です。 ローソク足のパターンを勉強することは、FXや株・ビットコインなど様々な取引で役立ちます。 ここでは、具体的に、ローソク足のパターンを勉強する3つのメリットを理解しましょう。 ローソク足のパターンを分析して把握することで、過去の相場に関する傾向が分かります。 したがって、相場の未来を予測することが可能でしょう。 ローソク足のパターンによって、値動きの未来を予測できます。 しかし、予測通りにレートが動くとは限らないことに注意しましょう。 チャートに出現したローソク足の種類やヒゲの長さなどから、ローソク足のパターンで値動きや勢いの分析が可能です。 ローソク足のパターンの組み合わせ分析も活用しながら、できる限り細かな分析を行いましょう。 単体のローソク足のパターンを分析するだけでも多くの情報を得ることができます。 しかしローソク足パターンを組み合わせると、より詳細な分析が可能です。 チャート上のローソク足のパターンを確認することで、相場のトレンドの予想ができます。 よって、売買のタイミングを予測できるでしょう。 ローソク足のパターンを理解すると、未来の予測や値動き・勢いの分析が可能です。 そのため、結果的に売買のタイミングも予想可能になります。 それぞれのローソク足のパターンを確認するだけでも、市場のあらゆる動きを理解できるでしょう。 しかしローソク足のパターンを組み合わせることで、さらに深く細かく相場の分析や予測が可能となります。 同じローソク足パターンの組み合わせであっても、予測できる相場の動きは異なります。 相場の動く方向が異なる理由は、ローソク足の実体部分の長さや陽線・陰線の違いなどがあるためです。 そこで、ここでは以下の10種類におよぶローソク足のパターンの組み合わせ分析を把握しましょう。 ローソク足のパターンの組み合わせ分析一覧を見ても、相場の動きを全く推測できないでしょう。 しかし続いて具体的に解説するので、心配無用です。 かぶせ線の出現時は、価格が上昇する勢いが緩み始めた状態を指します。 かぶせ線が現れたときは、売りが有利なタイミングです。 出会い線は前日の終値付近のレートで取引が終了した場合に出現します。 出会い線の出現は、相場のトレンドが切り替わるサインです。 振り分け線は、前日と翌日の始値がとても近いレベルであることを意味します。 振り分け線の出現は、トレンドの継続サインです。 売りの勢いが強いトレンドの際に出現するローソク足の組み合わせたパターンを、あて首線と呼びます。 大陰線が出現した翌日に、さらに安値のレートで取引が開始される場合にあて首線は出現するでしょう。 つまり、2日間続いてチャートに陰線が表れることとなります。 あて首線が出現しているときは、売りの勢いが強いタイミングです。 入り首線は、買いがやや強めのトレンド時に出現するローソク足のパターンの組み合わせでしょう。 入り首線は差し込み線と呼ばれるケースもあります。 入り首線は、エントリーポイントを探るときに効果的なローソク足のパターン組み合わせでしょう。 前日よりも翌日の大陰線の終値が安い場合に出現するローソク足のパターンが、入り首線です。 さらに入り首線は、翌日の終値が前日の大陰線の中心に達しない状態でもあります。 翌日の終値と前日の大陰線の中心からの離れ度合いによって、入り首線を活用すると買いの強さの見極めが可能です。 入り首線が下落相場に出現した場合は、下落トレンド継続のサインとなるケースが一般的でしょう。 一方、入り首線が上昇相場で確認されると、上昇トレンドが継続される傾向が高くなります。 陽線、または陰線が2本連続した後に3本目で反転した状態が、入り首線の出現時です。 さらに反転した3本目が2本目の中央部分のレートを超えられていない場合しか、入り首線は出現しません。 買い、もしくは売りが強いことにより、比較的激しめの相場が動く際に見受けられるローソク足のパターンがたすき線でしょう。 たすき線の出現時は、相場の動きが激しめなので注意が必要です。 加えて出現したたすき線のパターンによって、売り、または買いのサインであることが分かります。 ・売りが優勢であるサイン:が出現した翌日に高値よりで始まり、前日の高値を上回るレートで終了したとき ・陽線が出現した陽線に安値よりで始まり、前日の安値を下回るレートで終了したとき:買いが優勢であるサイン 前日と翌日の高値がほぼ同じレベルの場合に出現するローソク足の組み合わせパターンを、毛抜き天井と呼びます。 毛抜き天井とは上昇相場が継続していたけれども、結果的には前日の高値付近で上げ止まりの状態です。 毛抜き天井が出現すると、トレンドの切り替えが起こる可能性があるでしょう。 逆に言うと、毛抜き天井が現れない場合は、トレンドが継続する可能性があります。 毛抜き天井の出現は、トレンドの切り替えの示唆です。 相場の動向にしっかりと注意を払いましょう。 前日と翌日の安値がほぼ同じレベルの際に、毛抜き底が出現します。 毛抜き底とは下落相場が継続していたけれども、結果的には前日の安値付近で下げ止まりの状態です。 毛抜き底の出現は「現状が最安値のレートである」と、トレーダーが認識している状態とも言えるでしょう。 よって毛抜き底が確認されると、トレンドが変わる可能性があります。 毛抜き底の出現は、相場の流れが変わる可能性を意味します。 したがって毛抜き底が現れたら、慎重にトレンドが切り替わるかを確認しましょう。 前日の相場のトレンドとは全く反対に動く力強い値動きがあった場合、包め線が出現します。 包み線の特徴は、翌日のローソク足が前日のローソク足を包めるほど大きくなっていることです。 なお、包み線は抱き線と呼ばれるケースもあります。 包み線は明確なトレンドが変わる重要なサインです。 前日の陰線よりも翌日の陽線が大きい場合は、買いが優勢です。 反対に、前日の陽線よりも翌日の陰線が大きい場合は、売りが優勢である状況を意味します。 包み線が確認されると、トレンドが変わります。 トレンドに合わせて売買を行うと、利益を出せる可能性が高いでしょう。 前日のトレンドと比べて、ほとんど値動きがなかったときに出現するローソク足パターンの組み合わせがはらみ線です。 そのため、はらみ線では前日のローソク足の長さと比較して、翌日のローソク足の方が短い状態でしょう。 あまり価格変動がないため、はらみ線の出現時は買いと売りが均衡しているケースが多い傾向があります。 はらみ線が出現するときは、買いと売りが拮抗していることが一般的です。 しかし場合によっては、相場のトレンドが変わることを示唆するので注意が求められるでしょう。 相場の天井や底値付近において、はらみ線が出現すると、トレンドの転換となるケースも多くなります。 2本目のローソク足が十字型の寄せ線となっているパターンは、はらみ線の中でもはらみ寄せ線と呼ばれます。 相対的なはらみ線と比較して、はらみ寄せ線の信頼度は高いでしょう。 ローソク足のパターンについて、本記事では分かりやすく解説しました。 ローソク足パターンの一覧や組み合わせ分析一覧を紹介したので、ぜひご確認ください。 ローソク足パターンの傾向分析を行うと、今後の相場の予測が可能です。 そのためローソク足パターンの理解は、為替や株・ビットコインなどの取引に有益でしょう。 本記事を読んで把握できることは、次の5項目です。ローソク足のパターン
大陽線
大陰線
小陽線
小陰線
上影陽線
上影陰線
下影陽線
下影陰線
十字線
ローソク足のパターンを勉強するメリット
過去の傾向から未来を予測できる
値動きや勢いを分析できる
売買のタイミングを予測できる
ローソク足のパターンの組み合わせ分析
かぶせ線
出会い線
振り分け線
あて首線
入り首線(差し込み線)
たすき線
毛抜き天井
毛抜き底
包み線(抱き線)
はらみ線
ローソク足のパターン|まとめ