株式譲渡は、中小企業のM&A取引では最も多く採用されており、売り手側にメリットが大きい手法とも言えます。
ただし、中小企業の株式はそう簡単に売買できるわけではありません。
株式譲渡における法務上・税務上の取扱いについても、きちんと理解しておく必要があります。
そこで、この記事では株式譲渡の概要からメリット・デメリット、それから見落としがちな注意点まで詳しく解説していきます。
ぜひ最後まで参考にしてみてください。
- 株式譲渡は会社を売ったり買ったりするM&Aの手段として一般的な方法
- 株式譲渡には公開買い付け、市場買い付け、相対取引の3種類がある
- 株式譲渡のメリットは手続きがシンプルなことなど
- 株式譲渡のデメリットは良くも悪くもすべての資産が移動すること
M&A売却額の無料見積もりサービスの『ビジトラ』では、無料見積もりだけでなくあなたの会社に合った主要M&A会社やアドバイザリーを紹介してもらうこともできます。
会社売却でも事業売却でも、検討しはじめたら最初に使うようにしてください。
\今なら無料で見積もり診断!/
株式譲渡をお考えの方で、M&A仲介会社が気になる方はこちら
【2021年最新】M&A仲介会社・企業おすすめ比較ランキング!実績と選び方、特徴を徹底解説
◎こちらの記事も読まれています
事業売却とは?メリットや売却相場、会社売却との違い・手続きのステップまで徹底解説!
目次
株式譲渡とは?
株式譲渡は会社を売ったり買ったりするM&Aの手段として一般的な方法です。
売り手側企業の株主が持っている株式を買い手側に譲渡することで会社を売却します。
株式譲渡は他の方法に比べて簡単に手続きを行えることから、M&Aではもっとも用いられている方法です。
さらに、株式譲渡には、以下三つの方法があります。
株式譲渡の方法
- 相対取引
大株主などから直接株式を買い取る方法 - 市場買付け
上場企業の株式を証券取引所等で買い入れる方法 - 公開買付け(TOB)
不特定多数の株主から公告により株式買付けの申し込みを勧誘して市場外で株式を買い集める方法
ここでは、それら3つの方法を含めた、株式譲渡の概要についてわかりやすくご紹介します。
株式譲渡とは
株式譲渡とは、 売り手側企業の株主が保有株式を買い手側に譲渡することで、会社の経営を承継させる手続きです。
売手と買手が合意した内容の株式譲渡契約書(SPA)を締結して、株式の対価の支払いが行われたら、株主名簿の書き換えを行うだけで完了します。
そのため、他のM&Aの手法と比べると簡便な取引であり、中小企業のM&Aでは、もっともよく使われる手法です。
株式譲渡は会社の規模拡大や組織再編、事業承継などさまざまな目的で行われています。
株式譲渡の方法①|相対取引
相対取引(あいたいとりひき)とは、取引所を通さずに、取引者同士が1対1で直接取引することを指します。
非上場企業など株式譲渡制限を設けている企業の株式を売買する場合や、上場企業など有価証券報告書を提出している企業の株式を市場外で売買する際に用いられます。
さらに、非上場株式の場合は、相対取引しかできません。
そのため、株主が分散している場合は、いかにして株式を買い集めるかが問題になります。
あくまで相対取引であるため、買い取り価格は株主によって異なる可能性もありますが、個別に交渉していては時間がかかる上、株主間で不満が生じるおそれもあることから、実務上は同一価格で買い集めることが一般的です。
株式譲渡の方法②|市場買付け
市場買い付けは上場企業を買収する場合に用いられる手法で、市場で取引されている株式を買い集めて買収を行います。
上場株式であれば、株式市場から株式を買い集めることが可能です。
ただし、発行済株式総数および潜在株式総数の合計の5%を超えて取得した場合、その取得の日より5営業日以内に大量保有報告書を管轄の財務局へ提出する必要があります。
また、その後1%を超える保有割合の変動があった場合には変更報告書の提出が必要となります。
このように、市場からの買付けは買付け動向が明らかになってしまうほか、買い集めにより株価が上昇し買収金額が高騰するおそれがあることから、過半数を目指すような場合には選択されることはほとんどありません。
株式譲渡の方法③|公開買付け(TOB)
公開買付け(TOB)とは、上場会社等(有価証券報告書提出会社)の発行する株式を大量に買い付けることを目的として、不特定多数の株主から公告により買付けの申し込みを勧誘して市場外で株式を買い集める方法です。
TOBとは「Take Over Bid」の略称であり、日本語では「株式公開買い付け」と言います。
買い手は買い付けを行う時に、どのくらいの株式をどのくらいの価格で、いつ買い付けるのか株主に通知し、株主が承諾した場合に成立します。
株主にメリットがないと成立しないため、買い付ける価格は市場価格よりも割高に設定されていることが多い特徴があります。
次は似ている以下の2つの概念との違いを見ていきましょう。
M&A売却額の無料見積もりサービスの『ビジトラ』では、無料見積もりだけでなくあなたの会社に合った主要M&A会社やアドバイザリーを紹介してもらうこともできます。
会社売却でも事業売却でも、検討しはじめたら最初に使うようにしてください。
\今なら無料で見積もり診断!/
株式譲渡と事業譲渡・会社合併との違いは?
先ほど、株式譲渡の概要・方法についてご紹介してきました。
次に、株式譲渡は事業譲渡や会社合併とどんな違いがあるか解説していきます。
事業譲渡との違い
事業譲渡とは、売り手企業の事業の一部や全部を買い手側に売却することです。
売り手側は株式譲渡と違って、何を他社に引き渡すか個別に選択できる点が便利です。
買い手側にとっては必ずしも売り手の債務まで引き継ぐ必要がない点がメリットと言えます。
ただ、事業譲渡は株式譲渡と比べて手続きが煩雑で税金の負担が大きい点がデメリットと言えます。
会社合併との違い
会社合併とは、2つ以上の会社を1つの会社に統合する手法です。
会社合併は大きな手間がかかりますが、事業シナジーを得やすいことなどがメリットと言えます。
株式譲渡では会社自体はM&Aで売却された後も残りますが、会社合併では2つの会社が1つになって、1つの会社が完全に消滅します。
M&A売却額の無料見積もりサービスの『ビジトラ』では、無料見積もりだけでなくあなたの会社に合った主要M&A会社やアドバイザリーを紹介してもらうこともできます。
会社売却でも事業売却でも、検討しはじめたら最初に使うようにしてください。
\今なら無料で見積もり診断!/
株式譲渡の5つのメリット(売り手側)
株式譲渡は売り手ととって以下の5つのようなメリットがあります。
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
株式譲渡のメリット①:手続きが比較的シンプル
株式譲渡の売り手側のメリットとしてまず挙げられるのは手続きが比較的シンプルなことです。
株式譲渡はただ株式を他社に売却するだけなので取引先・従業員などから個別に合意を取る必要がないのです。
ざっくり言うと、株式譲渡は株主総会などで承認を得て株主名簿を書き換えることで完了します。
株式譲渡のメリット②:売却益を現金で受け取れる
売り手にとっては売却益を現金で受け取れる点もメリットと言えます。
通常、非上場企業の株主は保有している株式をなかなか売却することができません。
しかし、株式譲渡が行われれば株式の売却益を現金で得ることができます。
株式譲渡のメリット③:後継者問題を解決できる
後継者問題を解決できる点も売り手のとってのメリットと言えます。
現在、経営者が高齢化して、後継者がいない企業が増えています。
しかし、株式譲渡を行えば、他社に事業を売却して会社を存続させることができるのです。
株式譲渡のメリット④:買い手とのシナジーが期待できる
売り手にとっては買い手とのシナジーが期待できる点もメリットと言えます。
企業が株式譲渡で買収されれば、買い手側の企業のさまざまなリソースを活用できます。
そのため、買い手とのシナジーで事業をさらに成長させることができるのです。
株式譲渡のメリット⑤:従業員の雇用を守れる
従業員の雇用を守れる点も株式譲渡のメリットと言えます。
後継者がいない企業の場合、廃業してしまうと従業員を解雇しなくてはいけません。
一方、株式譲渡を行えば買い手企業が従業員を引き続き雇用し続けることになるので、従業員の雇用を守れるのです。
M&A売却額の無料見積もりサービスの『ビジトラ』では、無料見積もりだけでなくあなたの会社に合った主要M&A会社やアドバイザリーを紹介してもらうこともできます。
会社売却でも事業売却でも、検討しはじめたら最初に使うようにしてください。
\今なら無料で見積もり診断!/
株式譲渡の3つのメリット(買い手側)
株式譲渡のメリットは買い手側にとっては以下のとおりです。
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
株式譲渡のメリット①:手続きが比較的シンプル
買い手にとって株式譲渡の最大のメリットは手続きが比較的シンプルなことです。
M&Aには複雑な手続きがつきものですが、株式譲渡の手続きは比較的簡単です。
たとえば、株式譲渡では他の方法と違って取引先や従業員と契約を結び直す必要がありません。
株式譲渡のメリット②:許認可などの再申請をする必要がない
許認可などの再申請をする必要がない点も売り手にとってメリットと言えます。
事業譲渡などその他のM&A手法では買い手が各種の許認可を取得し直す必要があるかもしれません。
一方、株式譲渡なら許認可も引き継がれるので、スムーズに事業を継続することができます。
株式譲渡のメリット③:短時間で会社を買い取れる
短時間で会社を買い取れる点も買い手側にとってメリットと言えます。
株式譲渡はすでに述べたとおり手続きがシンプルであることから、短い時間で買収が完了します。
短時間でM&Aが完了すれば比較的低コストでM&Aを完了させることができます。
M&A売却額の無料見積もりサービスの『ビジトラ』では、無料見積もりだけでなくあなたの会社に合った主要M&A会社やアドバイザリーを紹介してもらうこともできます。
会社売却でも事業売却でも、検討しはじめたら最初に使うようにしてください。
\今なら無料で見積もり診断!/
株式譲渡の2つのデメリット(売り手側)
株式譲渡は売り手側にとっては以下のようなデメリットがあります。
それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
株式譲渡のデメリット①:税金が発生する
売り手側にとっては、あえて言うなら税金が発生する点がデメリットと言えるでしょう。
個人の場合は所得税、法人の場合は法人税が課されます。
株式譲渡のデメリット②:手続きしないとすべての資産が移動する
手続きをしないとすべての資産が買い手に移動してしまう点も売り手側にとってのデメリットと言えます。
そのため、個別に取っておきたい資産がある場合は、買い手企業と交渉して確保する必要があります。
M&A売却額の無料見積もりサービスの『ビジトラ』では、無料見積もりだけでなくあなたの会社に合った主要M&A会社やアドバイザリーを紹介してもらうこともできます。
会社売却でも事業売却でも、検討しはじめたら最初に使うようにしてください。
\今なら無料で見積もり診断!/
株式譲渡の3つのデメリット(買い手側)
株式譲渡は買い手側にとっては以下の3つのデメリットがあります。
それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
株式譲渡のデメリット①:売り手側の負の資産も受け継ぐ必要がある
買い手にとっては売り手側の負の資産も受け継ぐ必要がある点も株式譲渡のデメリットと言えます。
すでに述べたように、株式譲渡では売り手企業のすべての資産を分け隔てなく引き継ぎます。
そのため、金融機関からの借り入れなどの負の資産ももれなく引き継ぐ必要があるのです。
株式譲渡のデメリット②:簿外債務が発生するリスクがある
簿外債務が発生するリスクがある点も株式譲渡のデメリットと言えます。
簿外債務とは、帳簿に現れない債務のことです。
会社が業績の悪さを隠すために不正会計を行っていた場合などに発生します。
簿外債務のリスクを正しく判断するために、株式譲渡では綿密なデューデリジェンスを行うべきです。
株式譲渡のデメリット③:多額の資金が必要
多額の資金が必要な点も株式譲渡のデメリットと言えます。
これは株式譲渡に限らずすべてのM&A手法に言えることですが、会社を買収する時には多額の資金が必要になります。
そのため、M&Aでは外部から借り入れを行うことが多いです。
M&A売却額の無料見積もりサービスの『ビジトラ』では、無料見積もりだけでなくあなたの会社に合った主要M&A会社やアドバイザリーを紹介してもらうこともできます。
会社売却でも事業売却でも、検討しはじめたら最初に使うようにしてください。
\今なら無料で見積もり診断!/
株式譲渡の6つの注意点
株式譲渡には以下のような6つの注意点があります。
それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。
株式譲渡の注意点①:不明株主が発生する可能性がある
株式譲渡の注意点としてはまず不明株主が発生する可能性がある点が挙げられます。
不明株主とは、5年以上会社から送られる郵便物が届かず、配当金の受領も行っていない株主のことです。
このような不明株主は買い手企業にとってリスクと言えるため、できるだけ処分したいところです。
不明株主の条件を満たしている場合はスクイーズアウトという手法で強制的に株式を取得することができます。
株式譲渡の注意点②:同族会社への株式譲渡でもきちんと手続きを踏む
株式譲渡は同族会社へ行われる場合もありますが、その場合でもきちんと手続きを取りましょう。
相手が親族だと譲渡金額の決定や譲渡手続きを簡単に済ませてしまうことが多いと思いますが、これでは後々トラブルになる場合があります。
きちんと正式な手続きを踏んで株式譲渡を行ったほうが無難と言えます。
株式譲渡の注意点③:手続きには不備がないようにする
株式譲渡では手続きに不備が起こりやすいので特に注意が必要です。
株式譲渡では法務局への申請手続きを行う必要がありません。
これは便利ですが、一方で書類の不備で差し戻されることもないため、書類の不備に気づきにくいのです。
書類に不備があって後々問題が起こらないようにするため、専門家に見てもらうなどチェックを厳重にしたほうが良いでしょう。
株式譲渡の注意点④:非上場会社を譲渡した時の所得は損益通算できない
非上場会社を譲渡した時の所得が損益通算できない点にも注意が必要です。
損益通算とは、一定の期間内の利益と損失を相殺できる制度です。
これを利用できないため、非上場会社を譲渡した時には税金を減らせません。
株式譲渡の注意点⑤:上場企業特有の規制がある
上場企業を買収する場合、上場企業特有の規制がある場合があるので注意が必要です。
たとえば、上場企業では、TOBで多くの株式を取得する場合、一般の株主も買い付けの応募ができるように広告しなければならないという規制があります。
買収先の上場企業にはどのような規制がかかっているのか確認しておく必要があるでしょう。
株式譲渡の注意点⑥:株式の譲渡制限がついている場合もある
株式の譲渡制限がついている場合がある点にも注意が必要です。
譲渡制限がついている場合、株主が他人に株式を譲渡する時には株主総会もしくは取締役会の承認を得る必要があります。
M&A売却額の無料見積もりサービスの『ビジトラ』では、無料見積もりだけでなくあなたの会社に合った主要M&A会社やアドバイザリーを紹介してもらうこともできます。
会社売却でも事業売却でも、検討しはじめたら最初に使うようにしてください。
\今なら無料で見積もり診断!/
株式譲渡を行う5つの手順
株式譲渡は以下の5つの手順で行います。
それぞれの手順について詳しく見ていきましょう。
手順①:買い手が売り手から株式譲渡の承認を得る
株式譲渡が行われる時には、まず買い手が売り手から株式譲渡の承認を得ます。
この手順は上場企業の場合は必要ありませんが、非上場企業の場合は株式譲渡制限がある場合が多いので承認が必要です。
承認が必要な場合には株主譲渡承認請求書に必要事項を記載して売り手企業に提出しましょう。
手順②:売り手が臨時株主総会を実施する
次に、売り手が臨時株主総会を実施します。
この手続きも上場企業は通常必要ありません。
非上場企業の場合は臨時株主総会を開催し、そこで過半数以上の取締役の賛成を得る必要があります。
手順③:売り手と買い手が株式譲渡契約を締結する
次に、売り手と買い手が株主譲渡契約を締結します。
具体的には、あらかじめ作成しておいた株式譲渡契約書に双方がサインを行って締結します。
株式譲渡契約書には譲渡日、譲渡価額など必要事項を記載します。
手順④:売り手・買い手が会社に株主名簿の書き換えを請求する
次に、売り手と買い手が会社に株主名簿の書き換えを請求します。
売り手側の責任者と買い手側の責任者が買収される会社に対して請求を行うことになります。
そして、請求の通りに株主名簿の書き換えを行います。
手順⑤:売り手が買い手に株主名簿記載事項証明書の交付を請求する
最後に売り手に買い手が株主名簿記載事項証明書の交付を請求します。
M&A売却額の無料見積もりサービスの『ビジトラ』では、無料見積もりだけでなくあなたの会社に合った主要M&A会社やアドバイザリーを紹介してもらうこともできます。
会社売却でも事業売却でも、検討しはじめたら最初に使うようにしてください。
\今なら無料で見積もり診断!/
株式譲渡の手続きに必要な書類
株式譲渡の手続きに必要な書類は以下の2つの場合で異なります。
それぞれの場合の必要書類について詳しく見ていきましょう。
取締役会を設置している場合
取締役会を設置している会社を買収する場合、必要になってくる書類は以下のとおりです。
- 株式譲渡承認請求書
- 取締役会議事録
- 株式譲渡承認通知書
- 株式譲渡契約書
- 株式名義書換請求書
- 株主名簿
- 株主名義記載事項証明書
下で説明する取締役会を設定していない場合と異なるのは、「取締役会議事録」が必要な点です。
取締役会を設置していない場合は、株式譲渡の承認決議は取締役会で行うからです。
取締役会を設置していない場合
取締役会を設置していない会社を買収する場合、必要になってくる書類は以下のとおりです。
- 株式譲渡承認請求書
- 株主総会招集に関する取締役の決定書
- 臨時株主総会招集通知
- 臨時株主総会議事録
- 株式譲渡承認通知書
- 株式譲渡契約書
- 株式名義書換請求書
- 株主名簿
- 株主名簿記載事項証明書交付請求書
- 株主名簿記載事項証明書
取締役会を設置していない会社の場合は株式譲渡の承認決議を株主総会で取る必要があります。
そのため、株主総会に関する書類が必要になります。
M&A売却額の無料見積もりサービスの『ビジトラ』では、無料見積もりだけでなくあなたの会社に合った主要M&A会社やアドバイザリーを紹介してもらうこともできます。
会社売却でも事業売却でも、検討しはじめたら最初に使うようにしてください。
\今なら無料で見積もり診断!/
株式譲渡する時の企業価値の算定方法
株式譲渡をする時の企業価値の算定方法には主に以下の3つがあります。
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
方法①:純資産法
純資産法は一番簡単に会社の売却金額を算出できる計算方法です。
会社の帳簿に記載されている時価純資産額をそのまま売却金額にするからです。
ただ、これだけでは帳簿上に現れない技術力やブランド力などのいわゆる「のれん」が無視されてしまいます。
のれんの価値を考慮に入れるために、時価純資産額に営業利益3年分を足し合わせて売却金額にする場合もあります。
方法②:類似会社比較法
類似会社比較法とは、事業内容・もしくは事業規模が似ている会社と比較して会社の売却金額を決定する方法です。
上場企業では株価から会社の価値を求められますが、非上場企業ではそうもいきません。
そこで、同種の事業を行っている上場企業の何倍の価値があるかを計算して売却金額を決定するのです。
方法③:DCF法
DCF法は会社の価値をもっとも正確に判断できると言われていますが、もっとも複雑な計算が必要になる方法です。
DCF法では将来的に会社が生み出すと考えられるキャッシュフローをもとに企業価値を算出します。
ざっくり言えば、企業がこれから生み出す価値で会社の売却金額を決定するという方法です。
M&A売却額の無料見積もりサービスの『ビジトラ』では、無料見積もりだけでなくあなたの会社に合った主要M&A会社やアドバイザリーを紹介してもらうこともできます。
会社売却でも事業売却でも、検討しはじめたら最初に使うようにしてください。
\今なら無料で見積もり診断!/
DCF法について、詳しく気になる方はこちら
DCF法の基本を解説!企業価値の算定方法やメリット・デメリットとは?
株式譲渡でかかる税金
株式譲渡でかかる譲渡は売り手と買い手で異なります。
それぞれがかかる税金について詳しく見ていきましょう。
売り手側
株式譲渡で、売り手側はもともとの株主に税金がかかります。
個人の場合、この時にかかる税金は株式の譲渡所得なので得られた利益の20.315%です。
一方、法人の場合は法人税がかかります。
買い手側
第三者間で適切な価格で株式譲渡が行われた場合、買い手側に税金がかかることはありません。
ただし、親族の会社を株式譲渡で得て、その時にあまりにも安い金額で買い取った場合には税金が発生する可能性があるので注意しましょう。
M&A売却額の無料見積もりサービスの『ビジトラ』では、無料見積もりだけでなくあなたの会社に合った主要M&A会社やアドバイザリーを紹介してもらうこともできます。
会社売却でも事業売却でも、検討しはじめたら最初に使うようにしてください。
\今なら無料で見積もり診断!/
株式譲渡の成功事例3選
株式譲渡の成功事例としては、主に以下の3つが挙げられます。
それぞれの事例について詳しく見ていきましょう。
セブン&アイ・ホールディングスによる米スピードウェイ買収
セブン&アイ・ホールディングスによる米スピードウェイ買収は2020年に行われた株式譲渡の事例のひとつです。
セブン&アイ・ホールディングスはご存じのとおり日本のコンビニ業界で最大手の企業です。
一方、アメリカのスピードウェイ社はコンビニ事業と燃料小売事業を行っている会社です。
セブン&アイ・ホールディングスが運営するセブンイレブンは北米でも最大手なのですが、北米市場でさらなるコンビニ事業の拡大を目指すためにスピードウェイを買収しました。
セブン&アイ・ホールディングスの米国法人がスピードウェイの発行済み株式を取得することでM&Aを行いました。
ニトリホールディングスによる島忠へのTOB
ニトリホールディングスによる島忠へのTOBは大手企業の間で争奪戦が行われた、TOB方式で行われた株式譲渡のひとつです。
島忠は中堅ホームセンターのひとつですが、ホームセンター大手のDCMホールディングスによるTOBが実施中でした。
しかし、ここにニトリホールディングスが現れ、2社での争奪戦になったのです。
結局、島忠はDCMのTOBへの同意を取り下げてニトリに買収されました。
ソフトバンクによる日本テレコム買収
ソフトバンクによる日本テレコム買収は大手企業が行った株式譲渡のひとつです。
日本テレコムは固定通信事業ややインターネットサービスプロバイダー事業を行っている会社です。
ソフトバンクはアメリカの投資会社の傘下だった日本テレコムを買収し、それから3年ほどで経営を立て直すことに成功しました。
M&A売却額の無料見積もりサービスの『ビジトラ』では、無料見積もりだけでなくあなたの会社に合った主要M&A会社やアドバイザリーを紹介してもらうこともできます。
会社売却でも事業売却でも、検討しはじめたら最初に使うようにしてください。
\今なら無料で見積もり診断!/
株式譲渡について相談するのにおすすめのM&A会社3選
上でも述べましたが、株式譲渡の手順は複雑で専門知識が必要なので、M&Aの専門家、M&A会社に相談するのがおすすめです。
数あるM&A会社の中でも、特に株式譲渡について相談するのにおすすめの会社は以下の3つです。
それぞれの会社について詳しく見ていきましょう。
山田コンサルティンググループ
山田コンサルティンググループは専門的できめ細かいアドバイスを受けられるM&A会社です。
公認会計士や税理士など多くの専門家が在籍しているため、専門知識が豊富です。
山田コンサルティンググループにはこれまで1,200件以上のM&Aを成立させてきた実績もあります。
M&A総合研究所
M&A総合研究所は比較的低コストな完全成果報酬制を採用しているM&A会社です。
スピード感が魅力で、最短3ヶ月でM&Aを成立させた実績があります。
数千万円規模から数十億円規模まで幅広い範囲のM&A案件に対応しています。
中小企業M&Aサポート
中小企業M&Aサポートは小規模な会社でも相談しやすいのが魅力的なM&A会社です。
中小規模の会社のM&Aを中心に手がけています。
約80%の高い成約率を達成できているのも強みと言えます。
M&A売却額の無料見積もりサービスの『ビジトラ』では、無料見積もりだけでなくあなたの会社に合った主要M&A会社やアドバイザリーを紹介してもらうこともできます。
会社売却でも事業売却でも、検討しはじめたら最初に使うようにしてください。
\今なら無料で見積もり診断!/
株式譲渡のまとめ
株式譲渡とは会社を売ったり買ったりするM&Aの手段として一般的な方法です。
株式譲渡や事業承継をご検討の方は、成約まで手数料0、カウンセリング無料のM&Aアドバイザーにお気軽にご相談ください。
M&A売却額の無料見積もりサービスの『ビジトラ』では、無料見積もりだけでなくあなたの会社に合った主要M&A会社やアドバイザリーを紹介してもらうこともできます。
会社売却でも事業売却でも、検討しはじめたら最初に使うようにしてください。
\今なら無料で見積もり診断!/
株式譲渡には以下の3つの種類があります。
株式譲渡には売り手・買い手別に以下のようなメリットがあります。
一方、株式譲渡のデメリットとしては以下のようなものが挙げられます。
株式譲渡には以下のような6つの注意点があります。
株式譲渡は以下の5手順で行います。
株式譲渡をする時の企業価値の算定方法には主に以下の3つがあります。
株式譲渡について相談するのにおすすめのM&A会社は主に以下の3つです。