そんな人のためにあるのが、カーシェアリングです。
ここ数年で利用者数を大きく伸ばし、利用できる場所も増えています。
この記事では、カーシェアリングの基本的な部分から、メリット・デメリット、レンタカーとの違いを解説しています。
そして、カーシェアリング大手4社の比較もしています。
料金や特徴などを解説しているので、カーシェアリング会社選びの参考にしてください。
目次
カーシェアリングとは?
カーシェアリングとは、必要なときだけ利用できる車の貸し出しサービスです。
会員登録していれば、全国のカーステーションで好きなときにいつでも車を借りて利用できます。
といった人たちからの支持を受けて、最近では注目されるようになり、会員数も大きく伸びています。
では、おなじみのレンタカーとはどのような違いがあるのでしょうか。
カーシェアリングとレンタカーとの違いは?
カーシェアリングとレンタカーは、どちらも車を借りるサービスです。
しかし、カーシェアリングには、以下のような特徴があります。
- 24時間利用が可能
- 短時間・短距離の利用に最適
- 料金が安い
- ナビやETCもついてる
次から詳しく解説していきます。
特徴1.24時間利用が可能
レンタカーの場合は、一部店舗を除き20時や21時までしか営業していないのに対して、カーシェアリングは、24時間いつでも利用ができます。
理由としては、基本的にカーステーションは有料駐車場の一部で営業しており、無人で管理されています。
車を借りた人が元の場所に返して、また次の人が借りる、これを繰り返していきます。
レンタカーと違い、管理人による車内の確認や清掃などはありません。そのため24時間の営業が可能になっています。
貸し出し中や、先客がいる場合は利用できない
ただし、カーステーションの車が貸出中の場合は利用できません。予約済の場合でも同様です。
そういった時は、アプリでキャンセル待ちの予約ができるところもあるので、どうしてもという時は活用してみましょう。
必要な場合は、日にちに余裕をもって早めに予約を取るようにしてください。
また利用したい時間帯に車が空いていれば、数分後には利用できます。
特徴2.短時間・短距離の利用に最適
15分などの短い時間でも利用ができるため、近所へのちょい乗りに最適です。
レンタカーの場合は、最低でも3時間や6時間が基本になっています。
カーシェアリングの場合は、10分や15分ごとに料金が加算されていくシステムなので、ちょっとした買い物や友達を迎えに行くなどの用事でも利用しやすいです。
会社によっては、乗車前の10分間は点検時間として、料金が発生しないといったサービスもあります。
特徴3.料金が安い
一般的に必要な料金は、
- 初期費用
- 会員費
- 利用料金
の3つです。
しかしカーシェアリングの中には、初期費用が掛からないものや、初期費用はもちろん、会員費用すらも掛からないサービスも存在します(この記事でも紹介しています)。
また保険料やガソリン代については、会員費に含まれているため、基本的にかかりません。
ガソリンがない場合は、給油作業が必要になりますが、車に備え付けのカードで支払ったり、あとから請求できます。
月に1、2回程度しか使わないという人は、会員費無料のサービスに加入するといいでしょう。
特徴4.ナビやETCもついてる
ほとんどのカーシェアリングで利用する車には、ナビやETCについても標準で搭載されているものです。
そのため、旅行などに使用するのにも向いているでしょう。
ただしETCについては、車載機はついているものの、ETCカードについては自身で用意する必要があります。
レンタカーの場合では、ETCカードも貸してくれることが一般的です。
しかし、カーシェアリングの場合では、基本的にETCカードはつかないと考えておきましょう。

カーシェアリング会社の選び方
カーシェアリング会社はいくつかあり、サービス内容も異なります。
必ずチェックしておきたいのは、
- ステーション数
- 料金
- 車種
以上の3つです。
詳しく解説していくので、しっかり確認しておきましょう。
選び方1.ステーション数
ステーション数が多いと、それだけ車が借りやすくなります。
ステーション数は会社によって大きく違い、最も多い会社で10,000以上あり、少ない会社は300以下です。
まずは、自分が利用を考えている地域にどれくらいあるかチェックしましょう。
ただし、会員数が多い会社はステーションが多くても、借りられないことがあるので、数が多ければ借りやすいというわけではないです。
1つの目安として考えましょう。
選び方2.料金で選ぶ
料金形態は会社ごとに特徴があります。
- 短時間料金が安い
- 長時間利用が安い
- 会員費が無料
- 夜間の利用が安い
などです。
自分の利用したい状況に合わせて選ぶといいでしょう。
また中には、1kmごとに距離料金がかかる場合もあるので、よく確認する必要があります。
会員費は1,000円程度かかってしまうので、あまり利用するか分からない初めて登録する人は、初期費用と会員費が無料の会社を選びましょう。
選び方3.車種で選ぶ
どの会社でもプリウス・フィット・ヴィッツなど、人気で運転しやすい車種は揃っています。
ただ、大きな車は苦手で軽自動車に乗りたい場合や、ベンツなどの高級車に乗りたいのなら、事前に確認しておく必要があります。
カーシェアリング大手4社を比較!
今回は、ステーションの数が1,000以上ある大手のカーシェアリング会社を厳選して、4社を比較しながらご紹介していきます。
タイムズ | カレコ | オリックス | dカーシェア | |
---|---|---|---|---|
初期費用 | 1,550円 | 無料 | 1,000円 | 無料 |
月額基本料 | 1,030円 | 980円
無料プランあり |
980円
無料プランあり |
無料 |
距離料金 | 無料
6時間以降16円/km |
無料
6時間以降16円/km |
16/km | 無料
6時間以降16円/km |
利用料金 | 206円/15分 | 130円/10分
平日80円/10分 |
200円/15分 | 220円/15分 |
6時間 | 4,020円 | 3,800円
平日2,800円 |
3,500円 | 4,200円 |
12時間 | 6,690円 | 5,300円
平日4,500円 |
5,200円 | 6,500円 |
24時間 | 8,230円 | 6,800円
平日7,800円 |
6,700円 | 8,000円 |
夜間利用 | 2,060円 | 2,500円 | 2,500円 | 2,500円 |
ステーション数 | 約10,000 | 約1,800 | 約1,600 | 約1600 |
車種 | 33 | 62 | 27 | 27 |
表を見ると、カーシェアリング会社それぞれに特徴があるのが分かります。
次から特徴やどんな人におすすめなのかを解説していきます。
夜間に利用するなら!タイムズカープラス
タイムズカープラスは全国に展開している駐車場「タイムズ24」を利用して、カーシェアリングのサービスを展開しています。
ステーション数は他社と比較すると、圧倒的に多い10,000以上あるため、アクセス性は抜群です。
料金は夜間利用の「ナイトパック」が0時〜9時の利用で2,060円と非常に安く、夜間の利用におすすめです。
6時間までは距離料金がかからないので、距離を気にせずにドライブできます。
車種は料金の安いベーシッククラスでは、プリウスやフィットといった定番から、軽のハスラーやN-BOXなど23車種用意されています。
料金が高いプレミアムクラスでは、Audi A1や定員数の多いVOXYなど10車種用意されています。
こんな人におすすめ!
圧倒的にステーション数が多いので、アクセス性を重視した人におすすめします。
主要都市にはほぼ設置してあるため、近所の買い物はもちろん、旅行先での移動手段としても便利です。
夜間の「ナイトパック」が他社よりも安いため、夜間の利用が多い人にもおすすめです。
短時間の利用なら!カレコ・カーシェアリングクラブ
カレコ・カーシェアリングクラブは、首都圏を中心に11都府県で展開しています。
エリアは限定されていますが、ステーション数は1,500以上あり首都圏であれば、まず困ることはないでしょう。
- コンパクトクラス(短時間利用向け):10分130円(平日は80円)
- プレミアムクラス(ベンツなどの高級車が選択できる):10分240円
このカーシェアリングでは、平日プランが用意されており、コンパクトクラスであれば10分80円で利用できます。距離料金も6時間まではかからないので、短時間の利用には最適です。
月額基本料の980円は、利用料金として使えます。
つまり、利用料金が980円を超えれば、実質月額基本料は無料になります。
また、月額基本料が無料のプランも用意されています。若干利用料金が高いですが、利用頻度が少ない人はそちらも検討してみましょう。
車種はフィットやスイフト、N-BOXなど定番からベンツやランドクルーザーなど幅広く、62車種が用意されています。
キャンピングカーまであるので、家族で出かける際にもピッタリです。
こんな人におすすめ!
最大の特徴は短時間利用の料金が安いことです。
平日はさらに安くなるので、ちょっとした買い物などの利用に向いています。初期費用が無料なので、始めやすいのも魅力的です。
車種も幅広く用意されており、いろいろな車に乗ってみたいという人にもおすすめです。
また、キャンピングカーも用意されているので、興味がある人はチェックしてみましょう。
長時間の利用なら!オリックスカーシェア
オリックスカーシェアは全国の主要都市に1,500以上のステーションを設置しています。
主要都市での利用が可能なので、出張や旅行の際に最適です。
料金は長時間のパック料金が6時間3,500円、12時間5,200円と安く設定されています。長時間の利用になればなるほどお得になるシステムです。
とくに24時間で6,700円という料金は、今回ご紹介している4社のなかでもお得になっています。
- 6時間パック:3,500円
- 12時間パック:5,200円
- 24時間パック:6,700円
ただし、短時間の利用でも距離料金がかかってしまうので、長距離のドライブには注意が必要です。
月額基本料の980円はサービス料として、利用料金として使えます。
毎月980円以上利用する人は、実質月額基本料は無料です。
利用料金が少しアップしますが、月額基本料が無料のプランも用意されています。
車種はアクアやノートなどの定番から、大人数に対応したステップワゴンやセレナまで全部で27車種あります。
使いやすさを重視したラインナップで高級車はありません。
こんな人におすすめ!
長時間料金が安く設定されているため、長距離のドライブに最適です。
車での旅行や実家への帰省など、長時間の利用が多い人におすすめします。
ステーションが主要都市に設置されているので、出張や旅行の際にも便利です。
使わない月もあるなら!dカーシェア
dカーシェアは「オリックスカーシェア」と業務提携しているため、ステーションと車はオリックスカーシェアと同じになります。
しかし、比較すると料金形態は全く違います。最大の特徴は、初期費用と月額基本料が無料で利用できる点です。
その分利用料金は、15分220円と他社よりも少し高めの設定になっています。ただ、利用頻度が高くない人には最適な料金設定です。
NTTドコモが運営しているサービスなので、利用するたびにdポイントが貯まります。dポイントを使用して支払いも可能です。
支払いを携帯電話料金とまとめて払える、ドコモ払いも設定することもできるので、ドコモユーザーはさらに便利で使いやすくなります。
車種はオリックスカーシェアと同じく、アクアやノート、ステップワゴンなど使いやすいラインナップを揃えています。
こんな人におすすめ!
初期費用と会員費が無料なので、カーシェアリングの利用頻度が低い人におすすめです。
利用でdポイントが貯まり、ドコモ払いにも対応しているため、ドコモユーザーにも向いています。
ステーションは主要都市にはあるので、出張や旅行に最適です。
カーシェアリングの利用方法は?
カーシェアリングの利用方法は非常に簡単です。
ここでは、最も会員数が多い「タイムズカープラス」の利用方法を例に説明していきます。
基本的にはどこも同じ利用方法です。
- 予約
- 乗車
- 運転
- 返却
以上の4つが手順になります。
詳しく説明していきます。
手順1.予約
予約はスマホやパソコンからできます。ステーションを検索して、利用する時間と車種、料金プランを選択して予約ができます。
手順2.乗車
時間になったらステーションに向かい、車の前に設置してあるスタンド看板を移動させます。
車に傷やへこみ、パンクなどの異常がないか確認しておきましょう。
会員カードを読み取り部分にかざすとロックが解除されます。車内にも異常ないか確認しましょう。
手順3.運転
助手席のグローブボックス内にあるキーボックスから鍵を取り出し、車を動かします。
動かしたら駐車スペースではないことを示すために、スタンド看板を元の場所に戻しておきます。
手順4.返却
車を元の位置に戻し、ドアのロックをかければ返却は完了です。
分からないことや問題が発生しても、会員専用のお問い合わせ窓口があるので、何かあれば連絡しましょう。
はじめは戸惑うかもしれませんが、慣れてしまえば簡単に利用できます。
カーシェアリングを利用する際の注意点
便利に利用できるカーシェアリングですが、いくつか注意する点があります。
利用料金を無駄にしたり、「使ってみたらガッカリ…」なんてことのないように注意点を確認していきましょう。
注意1.使わないと月額料金が無駄になる
月額料金がかかるサービスが多いため、利用しない月があると、月額料金は無駄になってしまいます。
利用頻度が低い人は会員費が無料の会社を選べば、月額料金を気にすることなく利用できます。
はじめのうちはどの程度利用するか分からないので、無料の会員で様子をみてもいいでしょう。
注意2.ガソリン残量に注意
ガソリンは利用者が給油しなくてはいけません。そのため前に乗っていた利用者が、ガソリンの残量が減った状態で返却する場合があります。
近くにガソリンスタンドがあればいいですが、残量がないまま利用するのは非常に危険です。すぐに窓口に相談して、別の車を用意してもらいましょう。
ガソリンは燃料計が半分を切ったら入れるのが決まりですが、利用者によっては守らない場合があります。
ガス欠になると、そのときに運転していた利用者の責任になる可能性もあります。
このようなトラブルは、意外に多いので注意しましょう。
注意3.車汚れがひどい場合もある
洗車も利用者が行うため、車によっては汚れがひどい場合があります。
ちょっとした買い物であればいいかもしれませんが、大切な用事や家族、友達とのドライブでは車が汚れているのは問題です。
利用者によっては車内も汚れている場合があるので、綺麗な車でドライブしたいときは、洗車する余裕をもって借りるようにしましょう。
その際の道具については、車内に常備されていることが大半なので、上手く活用しましょう。
また、乗り終わったら簡単にでも清掃しておくことは、共有するうえでのマナーです。必ず行うようにしましょう。
注意4.チャイルドシートがない車も
カーシェアリングで用意されているほとんどの車では、チャイルドシートが備え付けられていません。
ただこの記事でも紹介した「カレコ・カーシェアリングクラブ」では、以下の地域に限り、チャイルドシート付きの車が用意されています。
- 東京都
- 埼玉県
- 千葉県
- 神奈川県
また「タイムズカープラス」では、ジュニアシートであれば標準で用意されています。
チャイルドシートのない車はどうすればいい?
この場合では、自身で用意するか、カーシェアリング会社で貸し出しを行っているのであれば、それを借りるかの2通りとなります。
チャイルドシートの装着は、結構労力のかかるものではありますが、慣れてしまえばそう難しくはないので、自身で用意してしまってもいいでしょう。
また、レンタル料金を考えても長期間利用するのであれば、自身で用意した方がお得なケースもあります。
環境に合わせて決めていきましょう。
自家用車やレンタカーが向いている人は?
自家用車やレンタカーが向いている人は、
- 乗り捨てしたい人
- 喫煙したい人
- 長時間利用したい人
- 清掃された綺麗な車に乗りたい人
- 車をカスタマイズしたい人
などです。
簡単に解説していきます。
乗り捨てしたい人
レンタカーは、目的地に同じレンタカー会社があれば、片道だけの利用が可能です。
逐一、同じ店舗に戻す必要はありません。
喫煙したい人
レンタカーには喫煙できる車もあります。
カーシェアリングでは、ほとんどが禁煙となっているため、喫煙する人はレンタカーがおすすめです。
長時間利用したい人
カーシェアリングはほとんどが、最大でも4日間の利用ですが、レンタカーなら4日以上の利用が可能です。
清掃された綺麗な車に乗りたい人
レンタカーは利用されたあとは、一旦清掃が入ります。
そのため、常に清潔な車を借りられます。
車をカスタマイズしたい人
自家用車は、当たり前ですが自分自身の車なので、自由にカスタマイズして楽しめます。
カーシェアリングやレンタカーでは絶対にできません。
車好きでカスタマイズしたい人は、自家用車一択となります。
カーシェアリングで手軽に車を利用しよう
カーシェアリング会社の大手4社を比較すると、それぞれに特徴があるのが分かります。
とくに料金は、利用の時間と距離、そして頻度によって最適な会社は変わってくるでしょう。
場合によってはレンタカーが適していることもあります。
メリットを理解して状況に合わせて利用するのも大切です。
ぜひ今回の記事を参考に自分にピッタリのカーシェアリング会社をみつけてみましょう。