お子さんが生まれ、母子ともに健康ならばご夫婦は一安心のはずですが、今後はお子さんの教育費用をどう賄うかが課題となります。
特にお子さんを大学まで行かせたいならば、なるべく早く教育資金を準備することが望まれます。
そんな時に役立つ保険商品が学資保険です。
販売されている学資保険の中でも、明治安田生命の「つみたて学資」は保険内容がシンプルで高い受取率になると評判です。
この記事では、明治安田生命「つみたて学資」の特徴や受取率、メリット・デメリット、加入する際の注意点等を解説します。
- 明治安田生命の学資保険「つみたて学資」は教育費の積み立てに特化した学資保険
- 明治安田生命の学資保険「つみたて学資」の返戻率は最大で約109%
- 明治安田生命の学資保険「つみたて学資」は大学入学後の4年間に年金形式で学資金を受け取れる
- 教育費の準備は学資保険以外でも可能
- 学資保険は貯金が苦手な方に向いている!?
記事監修者紹介

松葉 直隆 / 保険のプロ
大学卒業後、損保ジャパン日本興亜代理店の保険会社にて5年以上勤務し、年間100組以上のコンサルティングを行う。 その後、2016年6月より保険のドリルをはじめとする保険媒体を経て、現在はマネーグロースにて記事監修を務める。
目次
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」の特徴とは?
こちらでは、明治安田生命の学資保険「つみたて学資」を紹介します。
- 教育資金積立メインの商品
- 受け取る教育資金は分割
- 保険申込方法は対面で
教育資金積立メインの商品
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」は、子供の大学・短大・専門学校への進学を想定した学資保険です。
基本的にコツコツ保険料を積み立て運用していきます。
教育資金の積立を主目的とした保険商品ですが、次のサポートが用意されています。
- 死亡給付金:子供が保険料払込期間中または払込期間満了後の保険期間中に死亡した場合、遺族が給付金を受け取れる。
- 保険料払込免除:契約者が万一の事態の時は、以後の保険料が免除され、教育資金・満期保険金等の保障内容はそのまま継続される。
契約者(親)や被保険者(子)に、まさかの事態が発生した時に、保険会社側でこのような配慮を行ってくれます。
また、つみたて学資へ加入した特典として「24時間妊娠育児相談サービス」が利用できます。
「24時間妊娠育児相談サービス」は、明治安田生命と提携しているティーベック社の相談サービスです。
妊娠・出産・育児の悩みから子供の病気やケガなどまで、経験豊富な看護師や保健師等の専門家が24時間電話対応でアドバイスしてくれます。
受け取る教育資金は分割
保険料の払込期間は、最も長いプランで子供の年齢が15歳までとなります。
主に大学4年間の学費をカバーする形で、積み立てた資金が給付されます。
大学入学・1年時、2年時、3年時は教育資金として、4年時は保険満期となるので満期保険金が受け取れます。
教育資金を受け取るスタイルは分割のみです。
原則として、進学時に一括で教育資金を受け取る方法は採用されていません。
積み立てた資金は払込方法によって、受取率が109%と非常に高くなる場合もあります。
例えば払い込んだ保険料総額が300万円の場合、27万円も多くお金が戻ってくることになります。
このように、「つみたて学資」へ加入し積み立てれば、定期預金よりもはるかに効率的な運用が期待できるわけです。
保険申込方法は対面で
最近ではインターネット専用の保険商品が多くなってきましたが、「つみたて学資」の場合はインターネットや電話で資料請求は出来るものの、申し込みは面談を通して進められます。
申込の流れは次の通りです。
- インターネットまたは電話で資料請求
- 資料確認
- 保険担当者と面談:保険の説明やアドバイスが行われる
- つみたて学資の申込:保険担当者から不明な点を聞きながら手続きする
なお、加入申し込みの場合、死亡保険や医療保険のように、医師の診査を受ける必要はありません。
健康状態を告知する方法だけで手続きが進められます。
ただし、現在は「新型コロナウイルス感染症」が蔓延し、対面申込に抵抗を感じる方々は多いはずです。
保険担当者はもちろんですが、申込希望者も感染症対策をしっかり行い、手続きを進めていきましょう。
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」は、教育費を積み立てる事に特化した学資保険であり、学資金の受け取りは大学入学後の4年間に年金形式で給付がされる仕組みとなっています。
また保険料の払込方法によって、返戻率が109%まで上昇するなど高返戻率で人気となっている。
加入方法は対面申し込みのみとなっている。
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」の保険内容と仕組みを紹介!
こちらでは、「つみたて学資」の契約内容・教育資金の受取スケジュール・受取率などを解説していきます。
契約内容と教育資金受取スケジュール
保険契約者(親)と被保険者(子)の契約年齢範囲は次の通りです。
契約者等 | 契約年齢 |
---|---|
保険契約者(親) | 満18歳~満45歳 |
被保険者(子) | 0歳~満6歳 |
子供の出生予定日の140日前から「つみたて学資」の申込が可能です。
子供の誕生前から積み立てておくと、その分、毎月の保険料負担を抑えることができます。
なお、被保険者(子)が2歳以上の場合、保険契約者(親)の年齢上限は40歳までとなります。
年齢制限がやや厳しい点に注意しましょう。
受取スケジュールは次の通りです。
- 保険料払込:15歳まで
- 教育資金受取開始:18歳
被保険者(子)の年齢 | 受け取れる学資金 |
---|---|
18歳 | 1回目教育資金 |
19歳 | 2回目教育資金 |
20歳 | 3回目教育資金 |
21歳 | 満期保険金 |
大学4年間を通して、分割して受け取るスタイルとなります。
つみたて学資の受取率
こちらでは例を挙げて、契約者側の利益となる受取率が、どれ位UPするか見てみましょう。
保険料払込期間15歳までの場合
最も長期間にわたり積み立てていくケースです。
必要な払込保険料(月額)と受取率は次の通りです。
子供が0歳の場合
[1]受取総額200万円(基準保険金額50万円)
契約者年齢/年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
25歳 | 月額:10,797円
受取率:102.9% |
月額:10,768円
受取率:103.1% |
30歳 | 月額:10,814円
受取率:102.7% |
月額:10,783円
受取率:103.0% |
35歳 | 月額:10,850円
受取率:102.4% |
月額:10,806円
受取率:102.8% |
40歳 | 月額:10,916円
受取率:101.7% |
月額:10,842円
受取率:102.4% |
年齢が若いほど、男性よりも女性が保険契約者になった方が受取率はUPします。
[2]受取総額300万円(基準保険金額75万円)
契約者年齢/年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
25歳 | 月額:15,970円
受取率:104.3% |
月額:15,926円
受取率:104.6% |
30歳 | 月額:15,995円
受取率:104.1% |
月額:15,949円
受取率:104.4% |
35歳 | 月額:16,050円
受取率:103.8% |
月額:15,984円
受取率:104.2% |
40歳 | 月額:16,149円
受取率:103.2% |
月額:16,037円
受取率:103.9% |
基準保険金額が70万円以上ならば、高額割引が適用され受取率がUPします。
保険料払込期間10歳までの場合
先ほどよりも積み立て期間が短いケースです。
必要な払込保険料(月額)と受取率は次の通りです。
子供が0歳の場合
[1]受取総額200万円(基準保険金額50万円)
契約者年齢/年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
25歳 | 月額:15,899円
受取率:104.8% |
月額:15,870円
受取率:105.0% |
30歳 | 月額:15,910円
受取率:104.7% |
月額:15,883円
受取率:104.9% |
35歳 | 月額:15,937円
受取率:104.5% |
月額:15,902円
受取率:104.8% |
40歳 | 月額:15,990円
受取率:104.2% |
月額:15,931円
受取率:104.6% |
保険料払込期間が短い分、1回で払い込む保険料は多くなりますが、受取率は15歳までに払い終える場合よりUPします。
[2]受取総額300万円(基準保険金額75万円)
契約者年齢/年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
25歳 | 月額:23,623円
受取率:105.8% |
月額:23,580円
受取率:106.0% |
30歳 | 月額:23,640円
受取率:105.7% |
月額:23,599円
受取率:105.9% |
35歳 | 月額:23,681円
受取率:105.5% |
月額:23,628円
受取率:105.8% |
40歳 | 月額:23,760円
受取率:105.2% |
月額:23,671円
受取率:105.6% |
保険料一括払込の場合
つみたて学資には「一括払込」という方法もあります。
一度に払込保険料総額を生命保険会社側へ『預け』、保険会社は一定額ずつ運用へ回す仕組みとなっています。
この仕組みは「全期前納」とも呼ばれています。
必要な払込保険料(総額)と受取率は次の通りです。
- 払込期間:10歳
- 保険満期:21歳
[1]受取総額200万円(基準保険金額50万円)
契約者年齢/年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
25歳 | 総額:1,851,139円
受取率:108.0% |
総額:1,847,788円
受取率:108.2% |
30歳 | 総額:1,852,475円
受取率:107.9% |
総額:1,849,304円
受取率:108.1% |
35歳 | 総額:1,855,627円
受取率:107.7% |
総額:1,851,548円
受取率:108.0% |
40歳 | 総額:1,861,750円
受取率:107.4% |
総額:1,854,859円
受取率:107.8% |
一括払込を行った場合、高額割引は不適用ながら受取率107%~108%となっています。
[2]受取総額300万円(基準保険金額75万円)
契約者年齢/年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
25歳 | 総額:2,749,776円
受取率:109.0% |
総額:2,744,750円
受取率:109.2% |
30歳 | 総額:2,751,781円
受取率:109.0% |
総額:2,747,023円
受取率:109.2% |
35歳 | 総額:2,756,518円
受取率:108.8% |
総額:2,750,394円
受取率:109.0% |
40歳 | 総額:2,765,703円
受取率:108.4% |
総額:2,755,351円
受取率:108.8% |
こちらのケースでは、高額割引が適用され受取率108%~109%と非常に高い割合となっています。
余剰資金があった場合は、まとめて教育資金として積み立てた方がお得です。
※保険料などは明治安田生命公式サイトで試算しています。
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」のメリット・デメリット
こちらでは、明治安田生命の学資保険「つみたて学資」のメリット・デメリットについて解説します。
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」のメリット
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」には、主に次の3つメリットがあります。
- 保険内容はシンプルでわかりやすく受取率が高い
- 保険料払込免除は意外に重要
- 税制上の優遇措置もある
保険内容はシンプルでわかりやすく受取率が高い
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」は、教育資金の運用が目的の商品です。
主契約に追加できる特約はありません。
医療特約や死亡保障特約が無いだけ、受取率に運用成果を反映しやすいです。
「つみたて学資」は、保険の仕組みが単純なだけに、特約部分の保険料が掛かる訳ではないので高い受取率が期待できるのです。
また、教育資金の受取方法は原則として1種類のみなので、大学4年間にわたり分割して受け取りたい場合に最適な学資保険と言えます。
保険料払込免除は意外に重要
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」は、保険契約者(親)が死亡または高度障害状態となった場合に、以後の保険料が免除されますが、子供の教育資金や満期保険金等の保障内容はそのまま継続されます。
保険契約者がたとえ生きている状態でも、例えば両目を失明した、両手または両足が欠損(機能不全含む)した、寝たきりとなり常時介護を必要とする等、残念ながら治る見込みがない高度障害状態と認められれば保険料の払い込みは不要となります。
つまり、保険料払込免除は、保険料を払う必要は無くなるが、契約通りに教育資金は受け取れるというサービスです。
保険契約者が万一の事態となれば、生活に支障が出て進学を諦めてしまう子供も多いです。
契約者に深刻な事態があっても、変わらず被保険者(子)に学習の機会が得られるよう配慮されています。
税制上の優遇措置もある
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」の運用で得をするのは、何も教育資金の受取時点だけではありません。
保険契約者が保険料を払い込む期間中、年末調整または確定申告を行うことで「生命保険料控除」が利用できます。
こちらは保険料を払い込んだことによる、税制上の優遇措置です。
「つみたて学資」の場合は学資保険なので、一般生命保険料控除枠に該当します。
生命保険料控除枠を適用すれば(新契約:2012年1月1日以後に契約した場合)、最高40,000円が所得控除されます。(なお、住民税は28,000円控除)
払い込んだ保険料は節税対策にもなるのです。
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」は、シンプルな内容であるため高返戻率が期待できる学資保険となっている。
また、契約者にもしもの事があっても大丈夫な様に保険料払込免除が設定され、保険料は所得税・住民税の控除対象となる。
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」のデメリット
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」には、主に次の3つデメリットがあります。
- 子供の病気やケガの入院治療をサポートできない
- 中途解約すると損することが多い
- 柔軟さに欠ける一面も
子供の病気やケガの入院治療をサポートできない
学資保険の中には、子供の病気・ケガによる入院治療サポートを付帯できる商品があります。
子供の教育資金と同じく、子供の健康が気になるなら特約として追加を検討するべきでしょう。
しかし「つみたて学資」は、子供の病気・ケガのための保障は用意されていません。
公的健康保険だけでは不安を感じる場合、生命保険会社の販売する医療保険等へ加入は考えておくべきです。
なお、子供向けの医療・死亡保障に関する保険商品は販売されていますが、大人向けの医療保険の中には、被保険者が0歳時から加入可能な商品もあります。
長期的なサポートを利用したいなら、大人向けの終身医療保険へ加入させるのも良い方法です。
中途解約すると損することが多い
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」で教育資金を受け取る場合なら、その受取率は高くなることが期待できます。
しかし、「急にまとまったお金が必要となった」「保険料の負担が重い」という理由で解約するケースも考えられます。
この場合でも解約返戻金は受け取れますが、払い込んだ保険料全額が戻るわけでなありません。
多くても7割程度のお金しか戻らないことがほとんどのはずです。
また、ご地震のための積み立てでは無く、子供の将来のための積立なので軽率に解約を決めず、他に余裕資金があるかどうか、預金の状況等を良く確かめてから決めましょう。
なお、「保険料の負担が重い」と感じたなら、保険担当者へ一度相談してみましょう。
ご自身では気付かなかったアドバイスや提案を行ってくれるかもしれません。
柔軟さに欠ける一面も
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」は、他の学資保険と同じく、基本的に契約時で設定した年齢となれば、大学に進学してもしなくても教育資金が受け取れます。
もしも、子供が進学せず高校卒業と同時に就職した場合には、教育目的で支援する目的は失われるはずです。
そんな場合は、就職祝として給料が高くなるまでの間、受け取った教育資金を生活費として渡しても良いでしょう。
ただし、進学しなかったからと言って、長期間据え置き、まさかの時の備えとして活用することはできません。
この場合、受け取った教育資金を利用して、子供を被保険者として新しく死亡保険・医療保険へ入り直す方法が考えられます。
「つみたて学資」は、進学目的以外で、やや柔軟性に欠けてしまうこともある点がデメリットと言えます。
教育費の積み立てに特化していることから、子供の病気やケガへの保障は用意されていない。
また、途中解約をすると確実に損をすることや、学資金の受け取りタイミングも決まっているため、柔軟性に欠ける部分はある。
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」を上手く活用する方法
こちらでは、明治安田生命の学資保険「つみたて学資」を活用するための2つのコツについて取り上げます。
母親が契約者だと受取率UP
前述した通り、受取率は契約者が女性(母親)の方が高くなります。
なぜなら、保険料が安くなるからです。
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」では、父親が契約者になるより母親の方がお得に積立ができます。
もちろん、母親が仕事を持っているなら、その収入を子供のための保険料負担へ充てて構いません。
また、母親が契約者で父親が保険料分のお金を渡して積み立てさせてもOKです。
このように柔軟な方法をとれば、より多くの教育資金を受け取ることができます。
一括払込は『超』お得?
ご夫婦にある程度余裕資金があり、子供の将来のためにその一部を使っても良いなら、前述した「一括申込」がお得です。
一気に生命保険会社へ保険料総額を託せば、あとは保険会社側が適切に運用してくれます。
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」は、いわゆる【円建て・定額タイプ】の商品です。
為替変動に影響されず、運用リスクが非常に低いので、まとまったお金を渡しても大損失はまずあり得ません。
既に保険料総額を保険会社側へ渡している以上、払込に追われること無く、あとは子供が受取年齢に達するまで待てばよいのです。
ただし、200万円~300万円に上るお金を一気に渡す以上、家計が傾く事態とならないかご夫婦でよく検討してから、この払込方法で申し込みを行いましょう。
生命保険では女性の保険料が安くなる傾向があるため、受け取る学資金が変わらない以上、保険料の安い女性が契約者になる事で少しお得に学資保険を活用することが出来る。
また、「つみたて学資」の場合は保険料を一括で支払うとより返戻率が高くなるため、余裕が有るので有れば一括で保険料を払うのがおすすめと言える。
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」をおすすめ出来る人とは?
こちらでは、つみたて学資の利用に向く人はどんな人かを解説します。
子供の教育資金をきっちり確保したい人
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」へ加入して、保険料の払込を開始すれば、もはや自由にお金を引き出すことが難しくなります。
原則として毎月定期に口座引落で積み立てられていきます。
お金を返還してもらうためには、中途解約しか方法がありません。
こちらも、保険会社側にその意思を告げれば成立するわけではなく、解約手続きを踏んで進めていく必要があります。
つまり、普通預金のように自由な出し入れはできない仕組みです。
そのため、貯金が苦手だけれど子供のためしっかり資金を積み立てたいと思う人に最適です。
サポートは子の教育資金の一部と割り切れる人
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」をはじめとした学資保険は、教育費用の全額を賄える商品ではありません。
大学4年間だけを考えても、親元でずっと暮らすわけではなく、子供が地方から都会の大学へ通学するため引越して、一人暮らしをしつつ学業に励む場合もあります。
また、私立大学の理工学部や医学部など、費用が文系より相当高くなる学部に入るかもしれません。
大学合格・進学は祝福すべきことですが、大学4年間に掛かる費用全てを、学資保険で賄えるとは限らないのです。
この点について、十分納得できる人が相応しい方々と言えます。
貯金が苦手な方など、お金を自由に出し入れできない環境を作りたい方や、学資保険だけでは学費の全てをカバーできないと理解している方には、学資保険でコツコツと積み立てるのが向いていると言える。
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」の注意点
こちらでは、明治安田生命の学資保険「つみたて学資」の注意点について解説しましょう。
- 教育資金を受け取ったら税金がかかる!?
- 契約者と受取人の違いで税金が変わる!?
- 堅実な運用が『仇』に!?
教育資金を受け取ったら税金がかかる!?
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」は、積み立てたお金を分割して受け取ることになります。
受け取るお金が払い込んだ保険料総額より多く戻る場合、所得税の「雑所得」が掛かっていまします。
雑所得の計算式は次の通りです。
教育資金年額-教育資金年額×(払込保険料総額÷総支給見込額)
例を挙げて税負担を計算してみます。
- 年間受取教育資金:75万円×4年間
- 払込保険料総額:2,750,000円
75万円-75万円×(275万円÷300万円)=6万円
毎年6万円分が課税所得金額になります。
ご自身が積み立てたお金に課税されることへ、抵抗を感じる方々は多いことでしょう。
しかし、運用益が出ている以上は納税の義務もあるのです。
契約者と受取人の違いで税金が変わる!?
教育資金を受け取る人が契約者と同一か、それとも別の人かでも税金の種類が変わってきます。
次のケースをみてみましょう。
- 契約者(父親)=受取人(父親):所得税(つみたて学資の場合は雑所得)
- 契約者(父親)≠受取人(子):贈与税
「つみたて学資」の場合は、雑所得が課税されるので、教育資金を受け取る人が契約者である父親ならば、父親は所得税を支払うことになります。
一方、受け取る人が子供の場合は、贈与税として父親では無く受贈者である子供が税金を払わなければなりません。
ただし、贈与税には控除額があり、教育資金も含めて年間110万円を超える贈与でなければ非課税となります。
子供に年間110万円を超える贈与は行わないならば、受取人を子供とした方が節税になるはずです。
堅実な運用が『仇』に!?
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」をはじめ、ほとんどの学資保険は円建て・定額タイプの商品です。
こちらは主に円で、かつ国債等で堅実に運用されます。
契約時に受取率が判明し、安心できるのが強みです。
また、海外市場の大混乱や為替リスクの影響はなく、大損失も考えられない商品です。
しかし、リスクが絶対にゼロというわけではなく、「つみたて学資」はインフレーションに弱いという点を把握しておきましょう。
急激な物価上昇がある場合、物の値段は高騰し、大学の授業費等も高くなる可能性があります。
このような状況では、教育資金が受け取れても全然足りない、という事態も考えられます。
今後、日本は「高度経済成長期」のような目覚ましい経済成長が期待できず、急激な物価上昇はあまり考えられません。
ただし10年後、15年後、日本社会がどうなるかは誰もわからない点に留意しておきましょう。
積み立てたお金に益金があった場合には、雑所得として所得税が課される。
また、契約者と受取人関係によっても掛かる税金が異なる事にも注意が必要となる。
そして、長期間に亘る積み立てになるため、インフレリスクも考えておかなければならない。
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」によくある質問
こちらでは、明治安田生命の学資保険「つみたて学資」に関するよくある疑問に関して解説をします。
- 子供が浪人してもやはり教育資金は受け取ることに?
- つみたて学資だけ加入していれば後は大丈夫?
- つみたて学資に加入しても子供の病気・ケガが心配。
子供が浪人してもやはり教育資金は受け取ることに?
18歳で進学したタイミングで教育資金を受け取るならベストですが、残念ながら浪人生となる場合もあり得ます。
基本的に浪人生となった場合でも、契約した受取年齢に達すれば教育資金が受け取れます。
ただし、つみたて学資ではこのようなケースも踏まえ、教育資金や満期保険金のすえ置きは5年間可能です。
教育資金をすえ置いた場合は、所定の利率で運用して満期保険金とあわせて受け取ることも可能です。
とはいえ、浪人の段階で受け取ってもお金の使途は自由なので、そのまま受け取り予備校の受講料へ回しても構いません。
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」だけ加入していれば後は大丈夫?
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」をはじめ学資保険は、子供の教育費(特に大学の授業料)の一部を賄うだけにとどまります。
「つみたて学資」に加入しつつも、小学校~高校までの教育費に備えるため定期預金等の活用も検討するべきです。
学資保険以外で活用すべきは死亡保険?
子供が第2子・第3子と複数いて、平等に教育の機会を与えたいならば、それぞれ学資保険で備えることも良い方法です。
しかし、ご自身の加入した、または加入予定の死亡保険をうまく活用する方法もあります。
それは死亡保険の終身タイプ、いわゆる終身保険の解約返戻金をうまく使うやり方です。
低解約返戻金型終身保険
こちらは本来、ご自身に万一の事態が起きた場合に、受取人(遺族)に保険金が下りる保険商品です。
死亡保障へ備えることに加え払込期間を設定し、その払込期間を終えたら返戻率が急上昇する商品は「低解約返戻金型終身保険」と呼ばれ人気となっています。
この特徴を上手く使い、子供が大学進学する年齢に合わせ、払込期間終了を設定すれば解約返戻率が大幅UP、中途解約すれば多額の解約返戻金が受け取れることでしょう。
解約返戻金も使途は自由なので、子供の教育資金として活用しても何ら問題ありません。
学資保険の他に、お金を別の生命保険料に回す余裕があれば、この方法も検討してみましょう。
「つみたて学資」に加入しても子供の病気・ケガは心配。
子供の病気やケガの医療費負担へ不安を感じたら、地方自治体が提供する「こども医療費助成」(ただし、名称は各自治体で異なります)の利用を検討しましょう。
こども医療費助成の内容とは?
日本の全ての市区町村でこの助成制度の利用が可能です。
概ね子供が就学前なら保険診療に関する医療費が無料、小学校入学以降はその一部が助成されるという仕組みが多いです。
対象となる子供の年齢は、各地方自治体によってバラバラで中学卒業までという自治体もあれば、高校卒業までOKという自治体もあります。
こども医療費助成の条件は自治体による
また、こども医療費助成制度を利用できる条件も各自治体で大きく異なります。
「年間所得〇〇〇万円未満の世帯」等のように、所得で制約する自治体があれば、所得無制限で申込可能という自治体もあります。
そのため、まずはお住いの市区町村窓口やそのホームページで、制度の利用条件を把握して、その条件にご自分の家庭が合致するかよく確認してみましょう。
保険診療外の医療サービスは対象外
こども医療費助成制度は、あくまで公的医療保険(基本3割負担)のサポートを厚くする制度です。
そのため、保険診療外となる医療サービス、例えば有料病室を利用する際の差額ベッド代や通院する交通費等は保障対象外です。
これら保険診療外のサービスをサポートしてもらいたいなら、生命保険会社の医療保険への加入を検討しましょう。
民間の医療保険ならば、幅広い医療に関するサービスが保障されます。
学資保険は子供が浪人しようが就職をしようが、決められた時期になると学資金という名目で給付金を受け取ることになる。
使途は自由となるので、予備校代などに使用しても問題は無い。
また、学資保険以外にも低解約返戻金型終身保険を活用して教育費に備えるという手段もあるが、保険商品は限られる。
明治安田生命の学資保険まとめ
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」は、保険の仕組みがわかりやすく、保険料の払込方法等によっては受取率が109%を超える場合もあります。
しかし、積み立てに特化しているため、保険内容がシンプルで子供の病気やケガに対する保障は一切ないため、教育資金だけに限らず、お子さんの将来の病気やケガへの備えも考えておいた方が良いでしょう。
また、学資保険以外にも終身保険を活用してみたり、つみたてNISAなどを使用してより大きな資金を準備する方法もある。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、自身に合った方法で子供の教育資金の準備をするようにしましょう。