このように考えていませんか?
公認会計士は安定した収入が得られるとして人気ですが、中には今の環境が合わず、転職したいと考えている人もいることでしょう。
しかし、実際にはどのように転職したら良いのかわからないと悩んでいる方も多いでしょう。
そこで、この記事では公認会計士の転職事情について詳しく解説していきたいと思います。
- 公認会計士は転職先が豊富
- 公認会計士の転職先は経理部など
- 公認会計士の転職先の選び方は年収など
- 公認会計士の転職タイミングは修了考査の合格後など
- 公認会計士が転職する理由はスキルアップのためなど
目次
公認会計士の転職の動向
そもそもの傾向として、公認会計士は新卒であっても中途であっても売り手市場で、選り好みしなければ転職先に困ることはありません。
そのため、公認会計士は転職する時にも非常に有利です。
この時期には新型コロナウイルスの影響を心配されている方も多いと思いますが、2021年7月現在、会計士の転職市場はやや求職者にとって有利になりつつあります。
確かに例年に比べれば転職難易度は高いですが、もともと転職しやすい上に、新型コロナで転職を様子見している方も多く、意外と転職するのに適さない時期というわけでもありません。
特に現在業績が好調な会社では優秀な人材を積極的に採用したいと考えており、優良な転職先も揃っています。
もし公認会計士のあなたが現在、「転職したい」と考えているなら、事情にもよりますが、転職に踏み切っても大丈夫な環境になっています。
公認会計士の転職先13選
公認会計士という資格は多くの企業で必要となる業務を独占的にできる資格です。
そのため、公認会計士の転職先は多くなっています。
その中でも、公認会計士の転職先として多いのは以下のようなところです。
それぞれの転職先について詳しく見ていきましょう。
経理部
公認会計士の転職先としてまず挙げられるのは経理部です。
企業の経理部として会社の財務に関する仕事を行います。
経理部はたいていどの会社でも設置されていることから、公認会計士も多く求められています。
特に上場企業の経理であれば監査法人で培った経験を活かしやすく、活躍しやすいでしょう。
経理としてのスキルも身につけられるため、スキルを複数持っておきたい会計士からの人気が高い職場です。
監査法人
公認会計士の転職先としては、監査法人も挙げられます。
特に最近多いのが大手監査法人から中小監査法人への転職です。
中小監査法人は大手監査法人と比べて教育制度が整っているとは言えませんが、裁量権が大きい場合が多く、自由な職場で働きたい方に向いています。
自分の担当範囲が広いため、やりがいも感じやすいでしょう。
中小監査法人の中には給料は高いものの、ワークライフバランスが優れている監査法人もあるようです。
国内系FAS
公認会計士の転職先としては国内系FASも挙げられます。
FASとはファイナンシャルアドバイザリーサービスの略で、財務に関して専門的な助言を行うサービスのことです。
M&Aなどに関係してくる職業です。
コンサルティングの業務を行えるためキャリアの幅を広げやすく、クライアントと密接に関わるためやりがいも感じやすいです。
また、M&A業界は給与水準が高いこともあり、若手の公認会計士から特に人気の高い職業です。
監査法人アドバイザリー
公認会計士の転職先としては、監査法人アドバイザリーも挙げられます。
監査法人アドバイザリーとは、監査法人のアドバイザリー部門のことです。
大手の監査法人のアドバイザリー部門に転職すると、FASと同じく財務に関して助言を行うサービスに参画できます。
現在大手の監査法人にいる場合には、異動の希望を出してアドバイザリー部門への配属を狙うのもひとつの方法でしょう。
会計事務所
公認会計士の転職先としては、会計事務所も挙げられます。
会計事務所は公認会計士が所属している事務所のことですから、当然公認会計士の転職先となります。
会計事務所は比較的規模が小さいことが多く、裁量権の大きさが魅力的です。
また、一人に任される範囲が広いため、短期間で多くのスキルを学ぶことができます。
このような事情から、公認会計士にとって、会計事務所への転職は王道になっています。
ベンチャー企業のCFO
公認会計士の転職先としては、ベンチャー企業のCFOも挙げられます。
CFOは公認会計士としての専門性を発揮しながら経営にも参画できるため、経営に携わりたい公認会計士から特に人気が高い職業になっています。
特にIPOを目指しているベンチャー企業がCFOの募集を行うことが多いです。
CFOは役員クラスですから、ストックオプションの付与が期待できます。
もしIPOに成功すれば大きな利益を得られますから、若手の会計士に人気が高い職業です。
税理士法人
公認会計士の転職先としては税理士法人も挙げられます。
税理士法人に転職することで、税務に関するスキルを習得し、スキルの幅を広げることができます。
公認会計士としてのスキルは活かしにくいですが、新たな場所で挑戦したい人におすすめの職業です。
PEファンド
公認会計士の転職先としては、PEファンドも挙げられます。
PEファンドとは、成長力を活かしきれていない企業に投資を行い、企業価値を高めた後でIPOや他社への売却などでExitを行い、利益を得るファンドのことです。
基本的には、3~5年程度で手放すことを前提として買収を行います。
PEファンドは文字通りファンドであり、企業の買収や売却を多く行うため、公認会計士が求められています。
PEファンドの経験がある公認会計士というのはかなり貴重であるため、公認会計士として貴重な存在になることができます。
これにより、PEファンドから転職した後もキャリアに大きく役立つでしょう。
商社
公認会計士の転職先としては、商社も挙げられます。
公認会計士から商社への転職は最近は少なくなりましたが、ないわけではありません。
商社へ転職すると語学力を活かし、海外を飛び回って活躍することができます。
そのため、特に語学スキルを持っている公認会計士には人気がある職業です。
経営企画部
公認会計士の転職先としては、経営企画部も挙げられます。
経営企画部とは、経営を補佐する、経営者の参謀のような存在です。
経営者に対して企業としての戦略を提案したり、経営の管理を行ったりします。
経営企画部ではデータの分析を行うことが多いため、数値分析を持った公認会計士なら広く活躍することができます。
経営企画部では、公認会計士としてのスキルを活かして、特に財務・会計の知識が必要な分野での活躍をすることが求められています。
戦略コンサル
公認会計士の転職先としては、戦略コンサルタントも挙げられます。
戦略コンサルタントは企業の経営陣に対して、事業計画のサポートや新規事業立案などの仕事を行います。
戦略コンサルタントは会社全体の経営に関わる業務を行いますから、財務・会計分野で公認会計士が役立つ場面が多くあります。
戦略コンサルタントには公認会計士としてのスキルが活かせること以外にも、周りの人が優秀で刺激を受けられることや、報酬が高いことなどのメリットがあります。
投資銀行
公認会計士の転職先としては、投資銀行も挙げられます。
投資銀行とは、個人や企業に変わって金融取引を行うサービスのことです。
日本で言う証券会社と同じ業務を行いますが、外資系の場合には証券会社と呼ばず、投資銀行と呼びます。
投資銀行では顧客のお金を扱うため、公認会計士としてのスキルを存分に活かすことができます。
投資銀行は体力的なタフさが求められますが、その分給与水準は高く設定されています。
投資銀行での公認会計士の仕事はFASと似ている部分が多いと言われています。
内部監査部
公認会計士の転職先としては、内部監査部も挙げられます。
企業の内部で会計監査を行う業務であるため、監査法人での経験を活かせます。
企業によりますが、内部監査部から監査役に昇進できることもあります。
内部監査部への転職では、実は英語スキルがあると年収が大きく上がるというデータがあります。
内部監査部は残業時間が少なめなのも大きなメリットと言えるでしょう。
公認会計士の転職先の選び方6つのポイント
公認会計士の転職先は以下の6つのポイントで選ぶのがおすすめです。
お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、公認会計士の転職先の選び方は、他の職業の転職先の選び方と大きく違うわけではありません。
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
ポイント①:年収
公認会計士の転職先の選び方としてまず挙げられるのは年収です。
あえて言わなくても、転職先を選ぶ時に年収は重視しているのではないでしょうか。
ちなみに、年収を高めるためには、自分の今のスキルが十分に活かせる仕事を選ぶのが大切です。
また、コンサルティング業界など、業界の収益性が高い場合には、従業員の年収も高くなる傾向があります。
ポイント②:ワークライフバランス
公認会計士の転職先の選び方としてはワークライフバランスも見逃せません。
いくら年収が高くても、自分が自由に使える時間が少なければ幸福な人生を送るのは難しいです。
仕事をする時間が大好きな場合は別ですが、そうでない場合は平均的な残業時間を調べるなどワークライフバランスにも注目したほうが良いでしょう。
ちなみに、一般的には経理部、内部監査、中小監査法人、会計事務所などの場合には残業時間が短い傾向にあります。
ポイント③:身につけられるスキル
公認会計士の転職先の選び方としては、身に付けられるスキルも挙げられます。
ひとつの職場で得られるスキルにはどうしても限りがありますので、新たなスキルを身につけるために転職したいという方も多いでしょう。
スキルが少ないと今後のキャリアも不安になりますよね。
これまで監査法人にいた場合、FASや会計事務所などに転職すると、新たなスキルを身に着けやすいです。
ポイント④:やりがい
公認会計士の転職先の選び方としては、やりがいもあります。
新卒の公認会計士が入ることが多い監査法人ではやりがいがなかなか得られにくいのが現実です。
しかしながら、公認会計士の転職先の中には、やりがいを得られる職場もたくさんあります。
たとえば、コンサルティング業界の会社や会計事務所などで働けば顧客と密接に関わるため、やりがいを得やすいでしょう。
ただ、傾向としてはやりがいがある仕事はワークライフバランスは良くないことが多いので注意しましょう。
ポイント⑤:人間関係
公認会計士の転職先の選び方としては、人間関係もあります。
1日の長い時間を職場で過ごすわけですから、そこでの人間関係はできるだけ良いほうが良いですよね。
どのような人間関係が適しているかは人によるので、一概にどの業界や職場が良いというものはありません。
転職活動をする中で会社の従業員と実際に話してみて、自分に合った職場か選ぶと良いでしょう。
ただ、一般的には離職率が低い職場の場合には人間関係が良いことが多いようです。
ポイント⑥:独立に役立つか
公認会計士の転職先の選び方としては独立した特に役立つかも挙げられます。
公認会計士の中には、将来独立することを考えている方もいるでしょう。
そのような方は独立した後に役立つような職場が良いでしょう。
独立した特に役立てたい場合には、できるだけ経営に近い環境で働くと良いでしょう。
たとえば、ベンチャー企業のCFOであれば経営に関われるため、独立した時にも経験が役立つと考えられます。
公認会計士が転職する4つのタイミング
公認会計士が転職するタイミングとしては、主に以下の4つが挙げられます。
それぞれのタイミングについて詳しく見ていきましょう。
修了考査の合格後
公認会計士が転職するタイミングとしてまず挙げられるのは、修了考査の合格後です。
公認会計士になるためには、公認会計士試験に合格するだけでなく、2年以上の実務経験が必要です。
この2年の実務経験を経た後に受けるのが修了考査で、これに合格すると公認会計士として登録できます。
今の職場に満足していない場合、修了考査後であれば公認会計士として転職活動ができるため、このタイミングで転職を考える方が多いようです。
昇格後
公認会計士が転職するタイミングとしては、昇格後も挙げられます。
具体的には、マネージャーなどに昇格した後に転職する方が多いようです。
監査法人において、マネージャーは一般的に残業が多く、これまでに比べて給料が大きく増えるわけでもないので、不満がたまりやすい時期です。
そのため、マネージャーに昇格した後に異なる会社でキャリアを磨きたいと考える方が多いようです。
監査法人4~8年目
公認会計士が転職するタイミングとしては、監査法人4~8年目も挙げられます。
この時期は上で説明したようにマネージャーになり不満が溜まりやすいということもありますが、転職市場での評価が一番高まる時期だから、という理由もあります。
監査法人4~8年目では監査法人に勤務する旨味が少なくなり、なおかつ転職市場で評価されやすいため、転職する方が多いのです。
ずっと監査法人で勤めるつもりがないのであれば、4~8年目に、公認会計士としてのキャリアを十分に活かせる職場に転職すると、良いキャリアアップができるでしょう。
辞めたくなった時全般
公認会計士が転職するタイミングとしては、辞めたくなった時全般も挙げられます。
これまでに紹介したタイミングは転職する人が多いタイミングというだけです。
これらの時期に転職しなければならないわけではありませんし、これら以外の時期には転職してはいけないというわけでもありません。
今の職場が嫌だと思いながら働くのは精神衛生上良いことではありません。
今辞めたいと感じているのであれば、今が転職を決意するタイミングなのかもしれません。
公認会計士が転職する7つの理由
公認会計士が転職する理由としては、主に以下の7つがあります。
ポジティブな理由もネガティブな理由もありますが、こちらも普通の会社員の転職理由と大きく異なるものではありません。
それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
理由①:スキルアップのため
公認会計士が転職する理由としてまず挙げられるのはスキルアップのためです。
今の職場で勤務していても、これ以上スキルが上がらないと感じている時に、転職したいと考える場合が多いようです。
特に今の会社で求められているスキルを苦手としている場合や、これ以上の伸びしろがないと考えている場合には、将来のために転職する方が多いです。
今持っているスキルをさらに向上させるために転職する方もいれば、新たなスキルを得るために転職する方もいます。
新たなスキルを得るため転職するのであれば、できるだけ自分が得意だと思うスキルを磨ける会社に転職すると効果的なスキルアップが実現できるでしょうし、職場でも評価されやすいでしょう。
理由②:キャリアアップのため
公認会計士が転職する理由としては、キャリアアップのため、というものも挙げられます。
今の職場で昇進が望めない場合に、キャリアアップを理由として転職するパターンが多いです。
特に監査法人は上位層が厚くキャリアアップが難しいですから、転職先でキャリアアップをしようと考えている方が多い印象です。
理由③:独立するため
公認会計士が転職する理由としては、独立するため、というものも挙げられます。
公認会計士として十分な経験を積んだ後であれば、独立するのも良い選択肢です。
特に自由な環境で働きたいという場合や、自分で会社を動かしていきたいとかんがえている場合には独立することが多いでしょう。
また、会計士として優秀であれば、独立してしまったほうが稼げる場合も多くあります。
理由④:年収を上げるため
公認会計士が転職する理由としては、年収を上げるため、というものも挙げられます。
これまでのキャリアを活かせる転職であれば、転職により年収を上げられる場合も多くあります。
現在の年収に不満を感じている場合には、年収を上げたいと考えることが多いようです。
ちなみに、上でも解説しましたが、年収を上げるために転職をするのであれば、コンサルなど収益性が高い業界に転職すると良いでしょう。
理由⑤:ワークライフバランスを改善するため
公認会計士が転職する理由としてはワークライフバランスを改善するため、というものも挙げられます。
公認会計士の資格を持っている人は一般的に給与が高いですが、残業時間が長い職場もあります。
そのため、残業時間を減らしてワークライフバランスを改善するために転職する方もいます。
上でも解説しましたが、経理や内部監査などの仕事ではワークライフバランスが良いことが多いです。
詳細は各企業に確認する必要があるでしょう。
理由⑥:活躍できない環境だったから
公認会計士が転職する理由としては、活躍できない職場だったから、というものも挙げられます。
その職場で活躍できるかどうかは、能力もありますが、職場との相性が良くない場合もあります。
相性が良くない場合には、転職することで新たな会社で活躍できますし、仕事から得られる満足感も大きくなるでしょう。
特に、自分の得意分野が活かせてない場合や、職場の人と相性が悪い場合などには転職がおすすめです。
理由⑦:望んでいた業務ではなかったから
公認会計士が転職する理由としては、望んでいた業務ではなかったから、というものも挙げられます。
場合によっては、職場での仕事が自分のやりたい仕事とずれている場合もあるでしょう。
そのような場合には、本当に自分がやりたいと感じていることを実現するために、転職するのがおすすめです。
公認会計士が転職する時に助けになる転職サービス3選
公認会計士が転職する時に助けになる転職サービスとしては、主に以下の3つが挙げられます。
これらの転職サービスは公認会計士の転職を専門的に扱っているため、豊富な知識とノウハウで公認会計士の転職をサポートしてくれます。
それぞれの転職サービスについて詳しく見ていきましょう。
マイナビ会計士
マイナビ会計士は人材大手のマイナビが運営している公認会計士専門の転職エージェントです。
専門サービスなだけありキャリアアドバイザーの知識が深いです。
また、マイナビ会計士では書類作成から面接対策までサポートが手厚くなっています。
ジャスネットキャリア
ジャスネットキャリアは公認会計士が創業した、公認会計士や財務、経理分野に特化した転職エージェントです。
ジャスネットキャリアは教育サービスも展開していて、転職者のキャリアへの支援も充実しています。
会計士に関する求人数も業界トップレベルで、幅広い選択肢の中から選ぶことができます。
MS-JAPAN
MS-JAPANは管理部門に特化した転職エージェントです。
公認会計士はもちろん、弁護士や税理士などの領域でも高い専門性を持ったキャリアアドバイザーが多く在籍しています。
求人数は公開求人だけでもかなり豊富ですが、非公開求人も数多く取り揃えています。
公認会計士の転職のまとめ
公認会計士の転職先としては、主に以下の13個が挙げられます。
公認会計士の転職先は以下の6つのポイントで選ぶのがおすすめです。
公認会計士が転職するタイミングとしては、主に以下の4つが挙げられます。
公認会計士が転職する理由は主に以下の7つです。
公認会計士が転職する時に助けになるサービスとしては、以下のようなものが挙げられます。