住民税が払えないときはどうすればいい?払えないときの対処方法を解説

住民税が払えない場合

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「無職になって住民税が払えない…」

「住民税を滞納しすぎて差押予告書が来たんだけど…」

住民税が払えないでどんどん増えていく滞納額に危機感を感じ、「どうにかしたい」と考えている方もいますよね。

住民税を滞納し続けると、最悪の場合、財産を差し押さえられる可能性があるため、早めに対処する必要があります。

この記事でわかること
  • 住民税の滞納は延滞金が加算されるだけではなく最終的に財産を差し押さえられる
  • 督促状から10日経過すると地方税法により差し押さえされる可能性があります
  • 住民税が払えないときは役所に相談や納税の猶予の申請手続きなど7つの対処方法がある

本記事は、住民税の基本知識をはじめ、財産を差し押さえられる前に試したい対処方法や相談先などを初めての方にもわかりやすく解説します。

住民税の支払いで悩んでいる方に向けてお金を借りる方法まで解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。


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マネーグロース – カードローン部門

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、貸金業務取扱主任者を取得。メガバンクにて勤務後、金融情報について自身の経験や取材・電話調査から情報を執筆するWebライターとして活動。

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住民税とは?

住民税とは、市町村(都道府県)に住んでいる方が、居住地域の自治体に対して納めないといけない税金のことです。

実は、住民税には「市町村民税」と「都道府県民税」の2つがあり、この2つを合わせたものを「住民税」と呼びます。

市町村民税は居住している「市」、都道府県民税は居住している「県」に対して支払うもので、住民税としてまとめて課税・徴収されるのが特徴です。

支払った住民税は、社会福祉や教育をはじめ、ゴミ回収、道路や公園の管理など地域社会で必要となるサービスに使用されます。

住民税は「特別徴収」を行っている会社に勤めている場合は、給与から住民税が天引きされるので自分で納付する必要はありません。

特別徴収とは?

住民税には、「特別徴収」と「普通徴収」の2つの徴収方法があります。

特別徴収は、従業員が支払うべき住民税を事業者が給与から天引きして、従業員の代わりに収める方法です。

普通徴収は、自分で住民税を納める方法です。

一方、会社が特別徴収を行っていない場合は「普通徴収」となり、自分で住民税を納付する必要があります。

住民税で支払う金額

住民税で支払う金額は、前年1月1日から12月31日までの合計所得を元に算出されます。

住民税の支払いは「均等割」と「所得割」の2つあることも特徴です。

均等割所得割(一律10%)※2
市町村民税3,500円※16%(政令指定都市は2%)
都道府県民税1,500円※14%(政令指定都市は8%)

※1:平成26年度から令和5年度まで
※2:所得割の税率は「市町村民税」と「都道府県民税」を合わせて一律10%

均等割は所得が多い・少ないを問わず、一定所得がある方全員が支払わないといけない税金なので、支払う金額も全員同じになります。

一方、所得割は均等割と違い、それぞれの所得金額と所得控除額を基に計算されるため、個々によって支払う金額が異なるのが特徴です。

そのため、住民税は一定所得があると全員「均等割」を支払わないといけませんが、所得が少なければ「所得割」は非課税になる場合もあります。

つまり、住民税の支払いパターンは、以下のように全部で3つあることになります。

住民税の支払いパターン
  1. 「均等割」と「所得割」の両方を支払う
  2. 所得割のみ非課税で「均等割」だけ支払う
  3. 「均等割」も「所得割」も両方とも非課税

住民税が非課税になる条件については、後述する「給与が100万円以下の場合は非課税の対象」を参考にしてください。

年に4回納付する必要がある

住民税は一括払いも可能ですが、一般的には以下のように年に4回に分けて納付します。

第1期6月
第2期8月
第3期10月
第4期翌年1月

そして、年に4回の住民税は以下のような方法で納めることができます。

住民税の納付方法
  • 口座振替(事前に申込手続きが必要)
  • 窓口納付(コンビニ・金融機関・自治体)
  • 地方税お支払サイト(クレジットカード決済可能)
  • eL-QRやPay-easy(ペイジー)対応のインターネットバンキング
  • eL-QRやPay-easy(ペイジー)対応のモバイルバンキング
  • eL-QR対応のスマホ決済アプリ

※eL-QRとは「地方税統一QRコード」のことです。

令和5年4月1日から開始された新しい納付方法で、納付書のeL-QRを読み取ることでスマホ決済アプリでも納付が可能になりました。

令和5年4月1日から、地方税統一QRコード(eL-QRエル キュ-ア-ル)を活用した地方税の納付が開始されます。固定資産税や自動車税種別割など納税者の皆様に馴染みの深い地方税について、今後、地方団体から送付される納付書に付されたeL-QRを読み取ることで、地方税共同機構が管理・運営するeLTAXエルタックス内の特設サイト(「地方税お支払サイト」)や、スマートフォン決済アプリを通じたキャッシュレス納付が可能となるほか、eL-QR対応金融機関であれば全国どの金融機関窓口でも地方税の納付が可能となりますのでお知らせします(eL-QRの導入により金融機関における地方税の収納事務も大きく効率化されます)。

引用:「地方税統一QRコードを活用した地方税の納付の開始」総務省

また、eL-QRはすべてのスマホ決済アプリが対応しているわけではありません。

2024年5月時点でeL-QRに対応しているスマホ決済アプリは以下の通りです。

・au Pay(2023.4.1開始)
・F-REGI 公金支払い(2023.4.1開始)
・さるぼぼコイン(2023.4.1開始)
・ファミペイ(2023.4.1開始)
・PayB(2023.4.1開始)
・モバイルレジ(2023.4.1開始)
・atone(2023.4.3開始)
・PayPay(2023.4.3開始)
・楽天銀行アプリ(2023.4.3開始)
・Wallet+(2023.4.6開始)
・京銀アプリ(2023.4.6開始)
・北陸銀行ポータルアプリ(2023.4.6開始)
・YOKA!Pay 熊本銀行(2023.4.6開始)
・YOKA!Pay 十八親和銀行(2023.4.6開始)
・YOKA!Pay 福岡銀行(2023.4.6開始)
・どうぎんアプリ(2023.4.12開始)
・はまPay(2023.4.12開始)
・d払い(2023.4.17開始)
・楽天ペイ(2023.4.17開始)
・Bank Pay(2023.4.19開始)
・真庭市地域通貨 まにこいん(2023.4.24開始)
・J-Coin Pay(2023.5.15開始)
・西日本シティ銀行アプリ(2023.6.6開始)
・AGENTアプリ(2024.1.14開始)
・りそなグループアプリ(2024.1.18開始)

引用:「スマートフォン決済アプリ一覧」地方税お支払いサイト

住民税は原則として現金払いとなっていますが、支払方法によってはクレジットカード決済やスマホ決済が可能となります。

そのため、手持ちの現金がなく住民税が支払えない場合は、クレジットカード決済やスマホ決済が利用できる支払い方法を検討してみましょう。

給与が100万円以下の場合は非課税の対象

住民税では、給与年収が100万円以下になると非課税の対象となります。

住民税の非課税には「所得割のみ非課税」と「均等割も所得割も非課税」の2パターンがあり、以下の要件を満たす必要があります。

非課税のパターン非課税になる要件
所得割のみ非課税■前年の合計所得金額が下記の金額以下
・同一生計配偶者または扶養親族がいない:45万円
・同一生計配偶者または扶養親族がいる:35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+42万円
均等割も所得割も非課税■前年の合計所得金額が下記の金額以下
・同一生計配偶者または扶養親族がいない:45万円
・同一生計配偶者または扶養親族がいる:35万円 ×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+ 31万円
■生活保護法による生活扶助を受けている
■障害者
・未成年者
・寡婦またはひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4,000円未満)

住民税が非課税になる年収の目安は、自治体によって金額が変わる場合もあるため、最寄りの自治体で要件を確認しておきましょう。

住民税を払わなくてもいい方法はない

結論から言ってしまうと、一定の収入がある場合、住民税を払わずに済む方法はありません。

住民税を免除されるのは、「非課税に該当する方」だけです。

住民税は「非免責債権」と呼ばれ、自己破産をしても免除することはできません。

免責許可の決定が確定すると、破産手続開始後の借金や、子どもの養育費、税金、罰金などの例外を除き、債務を返済する必要がなくなります。

引用:「自己破産とは何ですか?」法テラス

また、住民税には時効(納期限から5年)も存在しますが、簡単には成立しません。

なぜなら、時効は督促を受けることによってリセットされてしまうからです。

時効の成立を期待して住民税を支払わないと、最終的には差押予告書が届き、財産を差し押さえられてしまうリスクがあります。

一度財産を差し押さえられてしまうと、全額納付をしない限り解除してもらうことは難しくなってしまいます。

そのため、差押予告書が届いた場合、かなり深刻な状況に直面しているため、すぐに自治体へ相談しましょう。

高すぎる住民税が払えないときの対処方法

住民税が高すぎて払えない場合は、以下のような対処方法を検討してみましょう。

住民税が払えないときの対処方法
  • 分割払いにできるか役所に相談する
  • 納税の猶予の申請手続きを行う
  • 換価の猶予の申請手続きを行う
  • 質屋で物を売却する
  • カードローンを利用する
  • 債務整理をする
  • 生活保護を検討する

具体的にどのように行動すればいいのか、一つずつ詳しくご紹介します。

分割払いにできるか役所に相談する

住民税が払えないときには、分割納付にできないか最寄りの市役所へ相談しましょう。

分割納付が認められれば、滞納した住民税を分割払いで少しずつ返済することができます。

ただし、滞納している住民税の分割納付は必ず認められるとは限りません。

なぜなら、東村山市のように公式サイトで「分割納付には基本的に対応していない」と明記しているケースもあるからです。

滞納市税等は一括納付が原則です。分割納付などで猶予することは基本的に対応しておりません。

引用:「納期限を過ぎた税金に関すること」東村山市

分割払いが認められるかどうかは自治体ごとの判断によりますが、住民税の滞納を解決したいなら、まずは市役所で相談することが重要です。

納税の猶予の申請手続きを行う

住民税を払えない場合には、「納税の猶予」の申請手続きを行うのも一つの方法です。

納税の猶予を自治体に申請すると、原則1年の徴収猶予が認められる可能性があります。

通常の納税の猶予は、納税者に通則法第46条第2項各号のいずれかに該当する事実(以下「猶予該当事実」という。)があり、その該当する事実に基づき、納税者がその納付すべき国税を一時に納付することができないと認められる場合において、その納付困難な金額を限度として、納税者の申請に基づき、1年の範囲内で納税を猶予するものである。

引用:「通常の納税の猶予の要件等」国税庁

ただし、納税の猶予は誰でも簡単に認めてもらえるものではありません。

納税の猶予を認めてもらうためには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

1.財産につき災害を受け、または盗難にあったとき
2.本人または生計を一にする親族が病気にかかり、または負傷したときZ
3.事業を廃止し、または休止したとき
4.事業につき著しい損失を受けたとき
5.1~4のいずれかに該当する事実に類する事実があったとき
6.法定納期限から1年を経過した後に納付(納入)すべき税額が確定した場合

引用:「徴収猶予」大阪市

上記の要件を満たして納税の猶予を申し込んでも、審査の結果、猶予が認められない場合もあるので注意が必要です。

換価の猶予の申請手続きを行う

住民税の支払いが厳しい場合は、「換価の猶予」の申請手続きを行う方法もあります。

換価の猶予とは、住民税を一時に納付すると事業や生活の維持が困難になる場合、原則1年だけ財産の換価が猶予され、分割等の納付ができる制度です。

都税を一時に納付することによって事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがあり、かつ、納税に対する誠実な意思を有すると認められる場合は、猶予を受けようとする都税の納期限から3か月以内に申請し、換価の猶予が認められた場合、1年以内の期間に限り、財産の換価(売却)が猶予され、分割等による都税の納付ができます。

引用:「猶予の申請の手引(換価の猶予)」東京都主税局

このほか、換価の猶予が認められた場合、以下のようなメリットもあります。

換価の猶予を認められた場合のメリット
  • すでに差し押さえをされている場合は財産の換価(売却)が猶予される
  • 差し押さえで「事業の継続」「生活の維持」が困難になる財産については、新たな差し押さえが猶予(差し押さえ解除)される場合がある
  • 換価の猶予が認められている間の延滞金の一部が免除される

換価の猶予は、財産の差し押さえを止めることができる可能性があるという点が大きな魅力です。

財産の差し押さえを解除するためには、原則として全額納付しないといけません。

そのため、財産をすでに差し押さえられてしまった方にとって、全額納付以外で財産の差し押さえを解除できる換価の猶予は試してみる価値があります。

ただし、換価の猶予を受けるためには、「納期限から3か月以内の申請」や「住民税以外の都税(県税)を滞納していないこと」も必要です。

納期限を過ぎてから申請をしたり、住民税以外に固定資産税自動車重量税などの都税(県税)を滞納している場合は換価の猶予が認められません。

また、換価の猶予は猶予金額が延滞金含めて100万円までは担保不要ですが、100万円を超える場合は担保提供が必要になるので注意しましょう。

ただし、100万円を超える場合でも、猶予期間が3カ月以内と短かったり、特別な事情が認められる場合には担保が不要になります。

質屋で物を売却する

住民税を払えない場合、高価買取をしてもらえる所持品がある方は、質屋でお金を借りるという方法もあります。

質屋で高価買取をしてもらえる物は、主に以下の通りです。

質屋で高価買取してもらえる物
  • ハイブランドのバッグや財布など
  • 高級腕時計
  • 高級家具
  • ゴルフ用品
  • 宝石
  • 貴金属

質屋でお金を借りる場合、高価買取してもらえる物を効率的に選ばないと住民税を払えるほどのまとまった金額になりにくいのが難点です。

買取価格は質屋によってそれぞれ違うので、事前にできるだけ高く売れる質屋をリサーチしておきましょう。

カードローンを利用する

住民税が払えない場合の対処方法として、カードローンもおすすめです。

特に、大手消費者金融のカードローンであれば、最短で即日融資も可能なので、住民税の納期が迫っているときにも対応できます。

ただし、カードローンは審査なしにお金を借りることができません。

以下に該当する方は、カードローンの審査に通過できない可能性があるため、カードローンの審査に落ちた場合は、ほかの対処方法を検討しましょう。

カードローンの審査に通過できない可能性がある方
  • 信用情報に延滞遅延や債務整理の履歴がある方
  • 他社借入件数や金額が多い方
  • 総量規制に抵触している方(消費者金融の場合)
  • 短期間に複数の新規申込をしている方

このとき注意をしたいのが、カードローンに落ちた後に、次のカードローンへすぐに申込をすることです。

実は、信用情報機関にはカードローンへの新規申込の記録が照会日より6カ月間残ります。

そのため、次の審査を行うカードローン会社は、前の審査に落ちたかどうかを予想しやすくなります。

通常、カードローン契約を結べば、信用情報に契約情報として記載されるため、申込情報しか記録がない場合は「審査落ち」が考えられるからです。

このように、一度カードローンの審査に落ちてしまうと、次の審査にも影響する恐れがあります。

そのため、カードローンの審査に再挑戦するなら、前の審査落ちの記録が消える半年後を目途に申し込みを行うのが理想的です。

債務整理をする

住民税が払えないだけではなく、消費者金融や銀行からの借り入れについても返済ができない状況の方は、債務整理がおすすめです。

なぜなら、借金を債務整理で根本的に解決できれば住民税を支払う余裕ができるからです。

債務整理には、主に以下のような方法があります。

メリットデメリット
自己破産・税金や養育費などの一部を除いた借金のすべてを免除されるため、生活を建て直しやすい・ギャンブルや浪費など「免責不許可事由」に該当する場合は、免責されない場合もある
・管財事件になると「予納金」が必要となり、費用が高額になる
・免責許可決定まで時間がかかる
・一部の職業は制限を受ける
・官報に名前や住所が掲載される
・マイホームを残せない
・信用情報に最大7年履歴が残る
任意整理・毎月の返済額を下げられる
・ギャンブルや浪費が原因の借金でも利用できる
・マイホームを残せる
・借金の元金を大幅に減らすことができない
・相手が和解に応じない場合がある
・信用情報に最大5年履歴が残る
個人再生・借金の元金を大幅に減らせる
・ギャンブルや浪費が原因の借金でも利用できる
・マイホームを残すことも可能
・債権者の同意が得られないと個人再生できない
・官報に名前や住所が掲載される
・信用情報に最大7年履歴が残る

債務整理はどの手段を選ぶかによって、それぞれメリットとデメリットが違います。

借金問題を一気に解決することができるのは自己破産のため、まったく返済の目途がつかない方にはおすすめの債務方法です。

ただし、自己破産はデメリットも大きく、マイホームを残せないことや、官報に名前や住所が記載されるので、人によって好みが分かれます。

マイホームを残したい場合は、「任意整理」や「個人再生」を利用するのがおすすめです。

しかし、任意整理や個人再生は、債権者からの同意が得られなければ、借金を減額できないという難点もあります。

そのため、どの債務整理を選択するのが一番良いかは、個々の事情によって異なるため、実際に弁護士や司法書士などに相談しましょう。

債務整理の相談は無料で対応してくれる弁護士や司法書士が多いので、初回の無料相談を上手く活用するのがポイントです。

また、経済的に余裕がない方は法テラスの民事扶助制度を利用することも検討してみてください。

民事扶助制度を利用すれば、弁護士費用を立て替えてもらったり、無料で相談を受けられるので、手元にお金がなくても問題解決を進められます。

生活保護を検討する

住民税を払えない原因が収入の少なさであれば、生活保護を検討してみるのも一つの対処方法です。

生活保護は管轄地域の福祉事務所で受け付けています。

生活保護を申請できるのは、以下の条件に該当する方です。

生活保護に申請できる条件
  • 収入が国の定める最低生活費以下
  • 持ち家や車などの資産を持っていない
  • 怪我や病気で働けない
  • 公的融資制度や公的扶助の対象外
  • 親族からの支援を受けられない

上記に該当しない場合でも、事情によっては生活保護が利用できる場合もあるため、特殊な事情がある方は福祉事務所にまず相談しましょう。

また、生活保護の受給が認められた場合には、厚生労働大臣が定める基準を元に最低生活費から収入を引いた額が支給されます

そのため、生活保護の期間に得た収入は毎月申告が必要です。

そして以下に該当する場合は、生活保護の停止・廃止となるため注意しましょう。

生活保護が停止・廃止される場合
  • 受給者が「失踪」「死亡」する
  • 再就職で生活保護が不要になる
  • 傷病が完治する
  • 収入のある相手と結婚する
  • ケースワーカーの指導指示に違反する

万が一、生活保護が停止・廃止されたとしても、再び生活保護の条件を満たす場合は、「再申請」が可能です。

住民税を払えなくて滞納するとどうなる?

住民税を払えなくて滞納した場合、以下のような事態が考えられます。

住民税を払えなくて滞納した場合に考えられる事態
  • 督促状が届く
  • 催告書が届く
  • 延滞金が加算される
  • 財産が差し押さえられる

住民税を払えないと今後どのような展開になるのか、事前に確認しておきましょう。

督促状が届く

住民税の納付書が送付されても払えない場合、納期を過ぎてから1カ月程度で「督促状」が届きます。

督促状は地域によって、封書で来る場合もあれば、ハガキで来る場合もあります。

督促状の封書やハガキの表面には、「至急ご確認ください」「重要」という文字が記載されているのが特徴です。

「〇〇日までに納付をお願いします」といった内容が書かれており、この時点で住民税を支払えるのであれば特に問題はありません。

催告書が届く

督促状が来てからも住民税を払えないでいると、納付期限から2カ月後を目安に「催告書」が届きます。

催告書になると、封書やハガキの色が「黄色」「ピンク」「赤」など目につきやすい派手な色に変わるのが特徴です。

財産の差し押さえについても言及するような文章が記載され、事態が深刻化していることを示す内容となっています。

催告書以降は財産の差し押さえを事前に通知する「差押予告書」が送付される可能性が高くなるため、できるだけこの時点で住民税を支払いましょう。

延滞金が加算される

督促状や催告状が届いても住民税が払えない場合、滞納している期間の延滞金が加算されます。

延滞金は、納期限後1か月を経過する日までは上限を年7.3%、納期限後1か月を経過した日から納付の日までは上限を年14.6%で計算します。

滞納している期間が長くなればなるほど、延滞金は高くなるので、無駄な費用を払いたくない場合は、やはり住民税を早く支払うことが重要です。

財産が差し押さえられる

すべての督促状や催告書を無視していると、最終的に「差押予告書」が届き、財産を差し押さえられてしまいます。

人によっては、税金はカードローンやクレジットカードよりも「支払いを待ってくれる」というイメージがあるかもしれません。

しかし、実際には税金を滞納すると、カードローンやクレジットカードよりも、容易に財産を差し押さえられてしまいます。

なぜなら、督促状から10日過ぎても税金を納付しない場合は、地方税法によって財産を差し押さえることができるからです。

督促状を送付して10日を経過しても納付がない場合には、滞納者の財産(預金・給与・不動産など)を差し押えなければならないことが法律に規定されています(地方税法第331条) 。

引用:「納期限までに住民税の納付がない場合」中野区 

また、税金の滞納による差し押さえは、裁判所の許可が不要なため、スピーディーに差し押さえが行えるという事情もあります。

通常、カードローンやクレジットカードは裁判で訴訟を起こし、判決が出てからでないと差し押さえができません。

税金の滞納とローンの滞納では、差し押さえまでにかかる時間が違い、税金の滞納のほうが早く差し押さえられてしまうので注意が必要です。

そのため、差押予告書が届いた場合は無視をしないで、納付期限の前に早く管轄の市役所へ連絡をしましょう。

差押予告書に記載された納付期限が過ぎてしまうと、財産の差し押さえがいつ起きてもおかしくない状況になってしまいます。

住民税を節税する方法

住民税を節税する方法は主に3つあります。

住民税を節税する方法
  • 個人型確定拠出年金(iDeCo)
  • 個人年金保険
  • ふるさと納税

具体的にどのように節税するのか、一つずつ確認していきましょう。

個人型確定拠出年金(iDeCo)

個人型確定拠出年金(iDeCo)とは、国民年金や厚生年金などの公的年金とは別に、任意で加入できる個人年金制度の1つです。

iDeCoは主に、以下のようなメリットとデメリットがあります。

iDeCoのメリット・掛金全額が所得控除される
・運用利益が非課税
・受取時の税制優遇あり
・老後の資産形成に役立つ
iDeCoのデメリット・60歳まで資産を引き出せない
・運用状況によっては元本割れの可能性
・加入や運用をする時に手数料がかかる
・加入条件がある

iDeCoには掛金全額が所得控除されるという特徴があり、課税対象となる所得が減ることでその年の所得税と翌年の住民税を軽減することができます。

ただし、iDeCoには60歳まで資産を引き出せないことや、運用状況によっては元本割れの可能性などデメリットもあるので慎重な検討が必要です。

iDeCoは個人型確定拠出年金を取り扱っている金融機関から申し込みをして、いつでも簡単に開始することができます。

どちらかというと、経済的に余裕がある方におすすめの節税方法です。

個人年金保険

個人年金保険は、民間の保険会社が扱っている私的年金のことです。

個人年金保険でも住民税を節税することは可能ですが、控除を受けるためには以下の条件を満たした上で「税制適格特約」を付加する必要があります。

個人年金保険料の控除を受けるための条件
  • 「契約者」もしくは「配偶者」のいずれかが年金受取人である
  • 年金受取人と被保険者が同一人物であること
  • 保険料の払込期間が10年以上
  • 年金の受取開始年齢が60歳以降+受取期間が10年以上

これらの条件を満たさないと、個人年金保険に加入しても住民税の控除は受けられません。

また、個人年金保険によって住民税で控除してもらえる金額は、「新制度」か「旧制度」かによって異なります。

2012年1月1日以降の契約分は「新制度」、それ以前の契約分は「旧制度」が適用されます。

【新制度】

年間の払込保険料住民税の控除額
1万2千円以下全額
1万2千円超え~3万2千円以下払込保険料×1/2+6千円
3万2千円超え~5万6千円以下払込保険料×1/4+1万4千円
5万6千円超え一律2万8千円

【旧制度】

年間の払込保険料住民税の控除額
1万5千円以下全額
1万5千円超え~4万円以下払込保険料×1/2+7千5百円
4万円超え~7万円以下払込保険料×1/4+1万7千5百円
7万円超え一律3万5千円

ふるさと納税

ふるさと納税を利用する場合、所得税と住民税の控除を受けることができます。

ふるさと納税を利用すると、寄付額から自己負担となる2,000円を引いた金額が翌年の所得税と住民税から控除されるのが特徴です。

ふるさと納税とは、自分の選んだ自治体に寄附(ふるさと納税)を行った場合に、寄附額のうち2,000円を越える部分について、所得税と住民税から原則として全額が控除される制度です(一定の上限はあります。)。例えば、年収700万円の給与所得者の方で扶養家族が配偶者のみの場合、30,000円のふるさと納税を行うと、2,000円を超える部分である28,000円(30,000円-2,000円)が所得税と住民税から控除されます。

引用:「ふるさと納税のしくみ」総務省

ただし、ふるさと納税で控除を受けるためには、「ワンストップ特例制度」か「確定申告」で手続きを行わないといけません。

ワンストップ特例制度とは?

ふるさと納税を利用する際、寄附金税額控除に係る申告特例申請書を寄付先の自治体に提出するだけで、確定申告なしで寄付金控除を受けられる制度です。

また、控除の対象となるふるさと納税額の上限は、総所得金額の40%とされています。

上限を超えた分については、控除の対象とならないため注意が必要です。

住民税が払えない状態になる前に頼りたい相談先

住民税が支払えない状態になる前に、できるだけ早く「税理士」もしくは「ファイナンシャルプランナー」に相談することをおすすめします。

なぜなら、住民税は長期滞納すると財産を差し押さえられるリスクが高くなり、一度差し押さえられてしまうと全額納付するまで解除されないからです。

こうした最悪の事態を避けるためには、早めに税理士やファイナンシャルプランナーに相談して対処方法を考えておくことが重要になります。

税理士

住民税の支払いがきついと感じたときに相談相手として頼りになるのが「税理士」です。

税理士は国が認めた税務の専門家で、豊富な専門知識を生かして納税のアドバイスをしてくれます。

特に、自営業で住民税の滞納のほか、「無申告」などの問題も抱えている場合は、税理士に相談することでまとめて問題を解決できる可能性があります。

しかし、「税理士に相談するのってお金がかかるんじゃないの?」と費用の面が気になる方もいますよね。

実は、税理士への税務相談は「税理士事務所」「税理士会」「自治体(市役所)」などで無料で利用できる場合があります。

税理士事務所では事前予約をすることで、初回30分~1時間程度無料で相談可能です。

税理士会では定期的に無料の税務相談会が実施されているため、全国15カ所ある以下の税理士会の公式サイトから開催日程をチェックしてみてください。

名称住所管轄区域公式サイトのURL
東京税理士会東京都渋谷区千駄ヶ谷5-10-6東京都http://www.tokyozeirishikai.or.jp/
東京地方税理士会神奈川県横浜市西区花咲町4-106税理士会館神奈川県、山梨県http://www.tochizei.or.jp/
千葉県税理士会千葉市中央区中央港1-16-12 税理士会館3階千葉県http://www.chibazei.or.jp/
関東信越税理士会埼玉県さいたま市大宮区浅間町2丁目7番地埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県、長野県、新潟県http://www.kzei.or.jp/
近畿税理士会大阪市中央区谷町1-5-4大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、滋賀県http://www.kinzei.or.jp/
北海道税理士会札幌市中央区北3条西20丁目 北海道税理士会館3階北海道http://www.do-zeirishikai.or.jp/
東北税理士会宮城県仙台市若林区新寺1-7-41宮城県、岩手県、福島県、秋田県、青森県、山形県https://www.tohokuzeirishikai.or.jp/
名古屋税理士会愛知県名古屋市千種区覚王山通8-14 税理士会ビル4階愛知県のうち名古屋市、清須市、北名古屋市、半田市、常滑市、東海市、 大府市、知多市、豊明市、日進市、長久手市、西春日井郡、愛知郡、知多郡+岐阜県http://www.meizei.or.jp/
東海税理士会愛知県名古屋市中村区名駅南2-14-19 住友生命名古屋ビル22階愛知県(名古屋税理士会に係る区域を除いた地域)、静岡県、三重県https://www.tokaizei.or.jp/
北陸税理士会石川県金沢市北安江3-4-6石川県、福井県、富山県http://www.hokurikuzei.or.jp/
中国税理士会広島市中区袋町4-15広島県、岡山県、山口県、鳥取県、島根県http://www.chuzei.or.jp/
四国税理士会香川県高松市番町2-7-12香川県、愛媛県、徳島県、高知県http://www.shikoku-zei.or.jp/
九州北部税理士会福岡市博多区博多駅南1-13-21福岡県、佐賀県、長崎県http://www.kyuhokuzei.or.jp/
南九州税理士会熊本市中央区大江5-17-5熊本県、大分県、鹿児島県、宮崎県https://www.mkzei.or.jp/
沖縄税理士会沖縄県那覇市字小禄1831番地1沖縄産業支援センタービル7階沖縄県http://www.okizei.or.jp/

自治体の場合も無料相談会の開催日時がそれぞれ違うため、最寄りの自治体で事前に確認しておかないといけません。

税理士への無料税務相談は、どこも相談時間が30分程度と短めなので、事前に聞きたいことをメモにまとめておくと効率的に相談できます。

ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナー(FP)は、税務相談ではなく「住民税の節税」を相談したいときに頼りになる相手です。

実は、税理士法によって税務相談が行えるのは税理士だけで、FPのような非税理士が税務相談を行うことは禁止されています。

3.税務相談(法第2条第1項第3号)法第52条は、「税理士又は税理士法人でない者は、この法律に別段の定めがある場合を除くほか、税理士業務を行つてはならない。」と規定し、税理士又は税理士法人でない者が、原則として「税理士業務」を行うことを禁止しています。

引用:「税理士法違反行為」国税庁

FPは保険や年金など幅広い金融知識があるため、iDeCoやふるさと納税など身近な制度を利用した節税法を提案してくれるのが大きな強みです。

そのため、「住民税をもう少し抑える方法はないかな…」と悩んでいる方は、FPに一度相談してみる価値があります。

まとめ

住民税を払えないで長期間滞納していると、財産を差し押さえられるリスクが高くなります。

財産は一度差し押さえられてしまうと解除することが難しくなるため、差し押さえられる前に早く行動しなければいけません。

住民税の対処方法は個々の置かれている状況によって、最適な解決策がそれぞれ違います。

そのため、自分で住民税の支払いが難しいと感じ始めたら、早めに税理士やファイナンシャルプランナーなどの専門家にアドバイスを受けましょう。

また、多額の借金を抱えている場合は、弁護士に債務整理の相談をして、今の生活を根本から立て直すのも有効な手段となります。

住民税は放っておいても問題が解決しません。

早めに対処すれば、住民税の滞納による財産の差し押さえを回避できるので、まずは管轄の市役所へ相談をしてみましょう。

この記事の監修者

宮野茉莉子

1984年生まれ。東京女子大学卒業後、野村證券に入社。ファイナンシャルプランナーとして活躍。2011年よりフリーランスでライターとして活動し、マネー分野の記事を執筆している。
得意分野:金融商品、投資
資格:2級FP技能士証券外務員一種中学高校社会科教員免許