お金を借りる理由とは?240名に聞いてわかった理由・事情と適切な頼み方を解説

お金を借りる理由

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お金を借りたい…世の中の人はどういう理由でお金を借りてるんだろう?

お金を貸してほしいと友人に頼む際に、お金を借りる理由を参考にしたい

といったように、お金を借りる理由や事情が気になったことがある方は、意外と多いのではないでしょうか。

どうしてもお金が欲しい」「今すぐお金が必要」となる理由や事情は人によってさまざまです。

そこで今回は、240名の方に行ったアンケート調査からわかった、お金を借りる理由をご紹介していきます。

あわせてお金を借りるときの頼み方や、借りられないときの打開策についてもまとめていくため、お金を借りたい方はまず参考にしてみてください。

この記事でわかること
  • 240名の方に行ったアンケート調査からわかるお金を借りる理由
  • 【相手別】お金を借りるときの頼み方・注意点
  • 周りから借りられないときに検討できる打開策
  • どれだけお金に困ったとしてもヤミ金は絶対に利用しない

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マネーグロース – カードローン部門

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、貸金業務取扱主任者を取得。メガバンクにて勤務後、金融情報について自身の経験や取材・電話調査から情報を執筆するWebライターとして活動。

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お金を借りる理由が240名を対象にしたアンケート結果から判明

お金は生活する上で絶対に必要なもののため、仕事をしてお金を稼ぐことで、生計を維持しています。

しかし、何らかの理由によって稼いでいるお金や貯蓄しているお金以上の額が必要になるときが来ます。

どうしてもまとまったお金が必要になったときの対策はさまざまありますが、そのうちの一つが借金です。

借金というリスクを背負ってまで人がお金が借りるのには、どのような理由があるのでしょうか。

今回はその理由や事情をリサーチするために、240名の男女の方を対象にアンケートを実施しました。

アンケート内容カードローンの利用者向けアンケート
調査方法インターネット上での選択式アンケート
対象者カードローンで借り入れを経験したことがある方
調査期間2023年1月27日10時10分〜17時50分
回答者の数男女240名
(男性184名/女性56名)

お金を借りる理由について、まず簡単に理由のランキングをまとめると、以下のようになります。

お金を借りる理由一覧
  1. 生活費
  2. 趣味や娯楽
  3. クレジットカードの支払い
  4. 交際費
  5. 冠婚葬祭
  6. 医療費

生活費は生きていく上で必ず必要なお金になるため、やはり多くの方は、生活費のために借金をしていることがわかります。

ほかには趣味や娯楽の費用、クレジットカードの支払い、と人によってさまざまな理由が挙げられました。

それでは、1位から順番にお金を借りる理由の詳細を解説していきます。

1位:生活費

お金を借りる理由として最も多いのは、生活費です。

今回カードローンで借り入れをしたことがある240名の方に対して行ったアンケートの結果、借りる理由の項目で生活費と回答した方は19.4%でした。

ポイント

アンケートに回答した方のなかでは、約3割の方が生活費に困り、カードローンやキャッシングなどで借り入れをしたことがあるとわかります。

家賃が払えないので、カードローンでお金を借りないといけない

といったように家賃などの生活費の工面に困り、借金をするしかなくなったという具合です。

生活費といえば、主に次のような費用が挙げられます。

住居費家賃や住宅ローンの支払い
食費食品の購入費・外食費
水道光熱費水道、電気、ガスなど
家具・生活用品代家具や生活用品の購入費
被服費衣料品の購入費
交通費電車やバスの利用費・車のガソリン代
通信費スマートフォン代・自宅のインターネット利用料
教育費学費・教材費・習い事の月謝

※医療費や娯楽費はお金を借りる理由としてランクインしているため、ここでは割愛しています。

なお、総務省の家計調査によると、勤労者が2人以上いる世帯の生活費の出費平均は285,947円です。

切り詰めて生活したとしても、安定的に生活していくためには、少なくとも20万円以上のお金が平均的に必要になることがわかります。

そのため何らかの理由で収入が少なくなったり、途切れたり、貯金がなくなったりすれば、たちまち生活維持には不便になります。

生活費が足りない…となったときの対策はさまざまありますが、そのうちの一つがカードローンキャッシングなどの借金ということです。

なお、生活費の工面ができなくなる理由・事情としては、次のようなことが挙げられるでしょう。

生活費の工面が難しくなる理由
  • 病気や怪我などが理由で長期的に働けなくなる
  • 突然のリストラ
  • 生活費を圧迫するほどの過度な浪費
  • 自身で営んでいる事業の失敗

このような事情から収入が途絶えると、収入と消費のバランスは一気に崩れることになります。

継続的に生活費が苦しい場合は、国からお金を借りる方法を検討してみましょう。

2位:趣味や娯楽

趣味や娯楽のために多くのお金が必要になり、お金を借りる方も少なくありません。

借金をする理由や目的としてダントツで多いのは1位の生活費ですが、趣味・娯楽費も、アンケートでは2割近くの方が回答として選んでいます。

趣味で集めているものがどうしても欲しいが、お金が足りない

アイドルのコンサートに行きたいが、全日程行くとなると借金する必要がある

上記のようなケースで借金をするときが、趣味や娯楽費を理由にお金を借りるケースに該当します。

総務省の家計調査によれば、2人以上の人が属する世帯における教育娯楽費の平均額は、28,104円になります。

そのため趣味や娯楽のためにお金を借りる人は、次のようなことに該当するといえるでしょう。

  • 平均以上に趣味や娯楽にお金をかけている
  • そもそも収入自体が低いため趣味や娯楽に割けるお金が少ない

また、ここでさらに、株式会社ヒューネルが500人の男女に対して行った趣味に関するアンケート調査を見てみましょう。

「毎月どれだけのお金を趣味にかけているか」という質問に対して、回答結果は以下のとおりになっています。

男性女性
5,000円未満111人134人
5,000円~1万円未満57人60人
1万円~3万円未満50人34人
3万円~5万円未満24人19人
5万円~7万円未満5人2人
7万円~10万円未満1人0人
10万円以上2人1人

出典:趣味にかけるお金は月いくら?男性の趣味第1位は「ゲーム」!女性の趣味第1位は?趣味に関するアンケート調査結果

一人当たりが毎月趣味にかけるお金は、5,000円未満が多くを占めます。

しかし、万単位でお金を毎月使っている人もいる少なからずいるため、多くの消費を重ねると、やはり借金にはつながりやすくなります。

また、以下のようなお金がかかりやすい趣味を持つことが、借金のきっかけになるケースは多いです。

お金がかかりやすい趣味
  • ギャンブル
  • ガジェット系
  • オンラインゲーム・ソーシャルゲーム
  • アイドルのファン
  • ゴルフ
  • 車・バイク
  • ファッション
  • 旅行

特に、パチンコ・パチスロなどのギャンブル趣味は、借金につながりやすい趣味としては代表的です。

3位:クレジットカードの支払い

お金を借りる理由の第3位は、クレジットカードの支払いです。

クレジットカードを使いすぎてしまったので、支払いが厳しい…

クレジットカードで大きな買い物をして、支払い日までにお金を工面する予定だったけれど、結局難しくなってしまった…。

といったような状況からお金を借りる方も少なくありません。

クレジットカードブランドのJCBが行った調査によると、1番・2番目に多く使うクレジットカードの毎月の平均利用額は次のとおりになります。

男性女性
1番目に多く使うクレジットカード5.47万円5.62万円
2番目に多く使うクレジットカード1.81万円1.85万円

出典:JCB、「クレジットカードに関する総合調査」2020年度版の調査結果を発表

結果を見ると、最も多く使うクレジットカードでは、多くの方が毎月5万円前後の額を利用していることがわかります。

この支払いの中には家賃や水道光熱費、保険などの支払いも含まれるため、すべてが買い物の費用になるわけではありません。

しかし、いずれにしても、キャッシュレス化が進む現代では多くの方はクレジットカードで利用して決済を行っていることがわかるでしょう。

そのため、さまざまな支払いがクレジットカードに集中することは多くなりがちです。

そこへ趣味の買い物代や交際費などを加えると、やはり支払いは厳しくなります。

クレジットカードは後払いの仕組みを取っているため、支払い日が来るまではカード会社に借金をしている状態になるのが特徴です。

ポイント

クレジットカードの支払いのためにお金を借りるのは、借金で借金を返すのと同様の状態になります。

借金を重ねて借金を返すといったお金の使い方が目立つようになると、経済状況は破綻する傾向にあるため、計画的な利用を心掛けることが重要です。

4位:交際費

交際費のためにお金を借りる方も少なくありません。

交際費とは友人や恋人との外出、飲食の際に使うお金のことで、人によってはいわゆる「飲み代」として計算している場合も多いです。

そのため、交友関係が広く、飲み会やパーティーなどのイベントによく参加する方は、交際費の出費が毎月多くなる傾向にあります。

ポイント

交際費を含む、娯楽に使用するお金は、手取り月収の20%程度に抑えることが望ましいといわれているのが特徴です。

手取り月収をいくつかのパターンに分けて、20%の額をチェックしてみましょう。

手取り月収手取り月収の20%
15万円3万円
20万円4万円
25万円5万円

たとえば、手取りが22万円の場合は、毎月娯楽の範囲で使えるお金は44,000円になります。

合計44,000円として、趣味のお金、交際費(外食費)の内訳の例を挙げると、次のようになります。

趣味・娯楽費15,000円
交際費(飲み会、外食など)17,000円
美容代(美容院、コスメ、洋服など)12,000円
合計44,000円

そのため、交際費や趣味の費用が合計で手取りの20%を超えると、借金につながりやすくなると言えます。

飲み会で見栄を張り、後輩にたくさんおごっていたら借金をする羽目になった

デートで出かけることが多いため、お金が足りなくなった

といったような理由で、交際費を借金で工面する方は、意外と珍しくありません。

5位:冠婚葬祭

冠婚葬祭がきっかけで、お金を借りる方も多いです。

冠婚葬祭費とは、結婚や葬儀などに必要なお金のことを指します。

結婚式の場合は挙式代からご祝儀、服装の費用まで、葬儀の場合は葬儀代から墓代、香典、服装の費用までさまざま挙げられるでしょう。

たとえば、結婚式の挙式代はゼクシィ 結婚トレンド調査2022調べによる調査結果が参考になります。

3.挙式、披露宴・ウエディングパーティーの総額平均は303.8万円で、昨年の調査から11.5万円増加。招待客一人ひとりを大切にする気持ちの高まりも

結婚トレンド調査

結婚式を挙げる際には多くの費用がかかるため、なかにはお金を借りて費用を工面する場合もあります。

また、結婚のゲストとして呼ばれることが重なると、ご祝儀や服装、ヘアメイクの出費もかさみやすくなるでしょう。

ご祝儀代は相場として3万円が一般的のため、たとえば1か月のうちに2回結婚式があると、出費はご祝儀だけでも6万円になります。

周りの結婚・出産ラッシュのせいで、すっかりご祝儀貧乏に…

といった悩みは、意外と多くの方にあるものです。

会社の福利厚生の従業員貸付制度がある場合は、低金利で会社からお金を借りることができます。

6位:医療費

お金を借りる理由の第6位にあたるのは、医療費です。

医療費は、病気や怪我の治療でかかるお金、薬の購入にかかるお金などを指します。

総務省の家計調査によれば、2人以上の世帯でかかる保健医療費の月平均は、15,828円です。

ポイント

重い病気や大きな怪我をすれば、特殊な治療や手術を余儀なくされることもあり、大がかりな治療が必要なときは入院費もかかります。

病気のせいでたくさんの出費が出てしまった…

保険に加入していれば医療費は原則3割負担で済みますが、頻繁に通院すれば、多くの医療費が出費として出てしまうことは少なくありません。

と困り、借金をせざるを得なくなってしまう方は意外と多いでしょう。

医療費は、食費や住居費とは別の観点で見た生命維持費のため、絶対に必要になるものだからこそ家計を圧迫しがちです。

年齢を重ねて医療費がかかってくる場合は、高齢者がお金を借りる方法をぜひ参考にしてください。

その他

今回のお金を借りる理由についてのアンケート調査では、その他の理由に該当する方は、2割近くいることがわかりました。

生活費や娯楽費、医療費などに該当しないその他の費用としては、たとえば日本貸金業協会の調査を参考にすると、以下のようなものが挙げられます。

借り入れの際の資金使途
  • 自動車の購入費
  • 資格試験・受験勉強のための受講費
  • 納税・納付の支払い(保険や税金など)
  • 住宅ローンの返済
  • 住宅のリフォーム代

いずれの資金使途でも、状況によっては多くの出費が出ることがあります。

毎月の給与や貯金のみでは工面が難しいことも多いため、そうなった場合に、人によってはお金を借りることになるということです。

お金を借りるときの頼み方

前述の通り、生活のさまざまなシーンでお金が必要になってくるため、ときには知り合いにお金を借りないと解決できないこともあります。

ここでは、ピンチの際にお金を借りられるような頼み方についてご紹介します。

お金を借りるときは、少しでもトラブルなく、そして相手に嫌な思いをさせることなく借りるためにも、頼み方のポイントを事前に押さえる必要があります。

友達にお金を借りたいけれど、なんて言えば良いのかわからない

会社からお金を借りたい…頼み方次第でなんとかなる?

と困っている方は多いのではないでしょうか。

そのためここからは、以下のようにシーンごとに分けてお金を借りるときの頼み方を紹介していきます。

【相手別】お金を借りるときの頼み方一覧
  • 友達からお金を借りるには借りる理由を正直に伝えることが大事
  • 親や身内からお金を借りるには口約束のみのあいまいな貸し借りをしない
  • 会社からお金を借りるにはまず従業員貸付制度の有無をチェック
  • 社長からからお金を借りるには給料前払いについて理解を深めよう

どのような相手からお金を借りるにしても、誠意ある頼み方をするのは絶対条件といえます。

それぞれの重要なポイントと最低限必要なマナーを押さえたうえで、トラブルのない頼み方をしてきましょう。

友達からお金を借りるには借りる理由を正直に伝えることが大事

友達からお金を借りるときは、とにかく正直にお金を借りる理由を伝える必要があります。

ある程度仲の良い関係だから、理由はごまかしてもなんとかなるはず

お金は借りたいけれど、理由は伝えたくない…

などといった考え方でお金を借りようとすると、マナーのある借り方とは到底言えないため、大きなトラブルにつながります。

お金を貸すことは、どれだけ親しい間柄でも、相手にとってはさまざまなリスクが伴う行為です。

お金を貸すリスク
  • 期日通りに返済されない恐れがある
  • お金を貸すことで自分自身も経済的に疲弊する場合がある
  • 貸し借りがきっかけで相手と関係が壊れる可能性がある
  • お金の貸し借りが今後の別のトラブルを想起させる

このようにお金を貸すことにはリスクが多いため、特に額が大きい場合は、すぐにYESとは答えない方もたくさんいます。

いきなり10万円貸してくれなんて、しっかり返してもらえなそうで怖い…

と感じて不安がる方は多いということです。

そのため友達からお金を借りる上で最低限大事にしたいことは、次の3つのことになります。

友達からお金を借りるときのポイント
  • お金を借りる理由を素直に話す
  • 返済計画を伝えて了承を得る
  • 借用書を準備する

お金を借りる理由が不透明な状態だと、多くの方は怪しく感じますし、返ってこない可能性も考えるでしょう。

そのため「医療費を工面したい」「子供の教育費が足りない」といったように、理由はしっかりと述べるべきです。

ポイント

さらに具体的な返済計画は事前に伝えて、その返済計画で良いかどうか、相手からも了承を得る必要があります。

その上で借用書を準備して、トラブルのない貸し借りをしましょう。

借用書に記載すべきこと
  • お互いの氏名(署名・捺印)
  • お互いの連絡先(住所・電話番号)
  • 借りる金額
  • 返済計画(期日・分割返済の場合は細かいスケジュール)
  • 利子などの詳しい条件

親しい間柄でもこのように借用書を準備して貸し借りを行えば、相手も安心しやすいでしょう。

借用書があれば、万が一トラブルに発展したときでも、貸し借りを証明する書類として役立ちます。

このように友達からお金を借りる際にはデメリットもあるので、質屋でお金を借りる方法を利用すると自身のものを担保にすることで無審査でお金を借りられます。

親や身内からお金を借りるには口約束のみのあいまいな貸し借りをしない

親や兄弟、親戚などの身内からお金を借りるときは、口約束のみのあいまいな貸し借りにしないことが重要です。

借りる相手が身内だと、人によっては、約束の内容があいまいになってしまうことがあります。

相手は親だから、「大体半年以内には返す」と伝えておけば問題ないだろう

兄からお金を借りれば、利子についての話はごまかせるはず

といったような対応をしてお金を借りると、家族間とはいえ大きなトラブルになる恐れがあります。

友人知人から借りるときと同様に、お金を貸すことには多くのリスクが伴うため、家族とはいえ真摯に対応することが必要です。

そのため親や身内からお金を借りるときも、次のことは必ず忘れないようにしましょう。

身内からお金を借りるときのポイント
  • 相手が家族や親戚だからといって借りる理由をあいまいにしない
  • 返済計画を伝えて了承を得る
  • 借用書を準備する

友達よりも家族は、より近い関係だからこそ、お金の貸し借りはあいまいな口約束になってしまう傾向があります。

そういったあいまいさから起こる家族間のお金のトラブルは決して少なくないため、真摯に対応することは忘れないようにしましょう。

借用書に記載する項目は、友達から借りるときと同様です。

また、「どうしても借りる理由を伝えたくない」というときは、次のような言い訳を考えましょう。

お金を借りるときに使える言い訳
  • 家賃や光熱費が足りない
  • 結婚式が重なって多くの出費が出てしまった
  • パソコンを新調したためお金がない
  • 歯医者に長く通ったためお金に困っている
  • 財布を落とした

しかし、基本的には、お金を借りる理由は素直に伝え、誠意ある借り方をすることが大切です。

会社からお金を借りるにはまず従業員貸付制度の有無をチェック

会社からお金を借りる場合は、まず、従業員貸付制度が利用できるかチェックしてみましょう。

従業員貸付制度とは>

会社のお金を資金源として、従業員がお金を借りられる福利厚生の一つです。

会社によっては利用可能なところがあるため、会社からお金を借りたいときはまず制度の有無を調べる必要があります。

従業員貸付制度のメリットは、以下の通りです。

従業員貸付制度のメリット
  • 信用情報を確認する審査がない
  • 低金利で借りられる

従業員貸付制度のメリットとして大きい点は、ローンやクレジットカードなどの利用・申し込み履歴にあたる信用情報を確認する審査がないことです。

審査は会社の基準に基づき、総務部や経理部によって行われます。

従業員貸付制度では年数%程度の低金利で借りられることも多いため、利息の負担が少ない点も大きなメリットといえるでしょう。

しかし以下のようなデメリットには要注意です。

従業員貸付制度のデメリット
  • 会社の一部の人には借り入れを知られることになる
  • 利用できない会社もある
  • 基本的に利用できるのは正社員のみ

従業員貸付制度は社内の担当部署で申請受付と審査をするため、少なくとも担当部署には、借り入れの事実を知られることになります。

また、基本的に雇用が安定している正社員のみが利用できる制度であることも、事前に理解しておきましょう。

社長からからお金を借りるには給料前払いについて理解を深めよう

社長からお金を借りるときのポイントや注意点は、以下の通りです。

社長からお金を借りるときのポイント
  • 借りたい理由を素直に話す
  • 返済計画を伝えて了承を得る
  • 借用書を準備する
  • 原則として給料の前払いは働いた分のみ

基本的に、借りるときに最低限守るべきマナーは、家族や友達からお金を借りるときと同じです。

ごまかさずに理由を話したうえで返済計画を提示し、了承を得た上で借用書を準備してお金を借りましょう。

また、社長が相手の場合、給料の前払いを希望する方も多いかもしれません。

給料日まで待てないので、なんとか即日で給料を受け取りたい…

と困ったときは、前払いの可否について相談してみましょう。

ポイント

企業によっては、福利厚生の一つとして、給料の日払い・週払い制度を導入しているところもあります。

ただし、原則として、前払いが可能なのは働いた分のみです。

労働基準法によると、これから働く分の給料の前借りに関しては、雇用主側は応じる義務はないとしています。

労働基準法第25条には非常時(出産、結婚、病気、災害等)について、給料日前でも給料を払うように定めています。
しかし、この条文で定めているのは、既に行った労働に対して給料日前でも支払うように定めているのであって、これから行う予定の労働に対して給料を払うように求めているものではありません。従って、前借りに応じる義務はありません。

従業員が給料を前借りしたいと申し出てきました。前借りの前例がないので、どのようにすればいいか教えてください。

社長、1か月しっかり働くので、その分の給料を前借りさせてください!

といった頼みは、受け入れてもらえないことがあるため注意しましょう。

積立型の生命保険と契約している方は、契約者貸付制度を利用することで生命保険でお金を借りることができます。

お金を借りるときは言い訳や嘘をつかず正直に伝えることも効果的

お金を借りるときは言い訳や嘘をつかず、正直に事情や理由を伝える必要があります。

お金を借りる理由を素直に伝えることが大事な訳
  • 資金使途がわかるためより安心できる貸し借りになる
  • トラブルや犯罪の疑惑がなくなる
  • 誠意ある頼み方になるため人間関係トラブルにもつながりにくい

実際に、自分自身が「理由は言えないけれどお金を貸してほしい」と他人から言われたときのことを考えてみましょう。

もしかして犯罪に使うのではないか…その場合は自分も巻き込まれるのでは?

悪いことに使ってそのままバックレられたらどうしよう

理由を言わずお金を貸してほしいと言ってくるような人には、トラブルの匂いしかしない

といったように悪い印象を持つことは多いでしょう。

最終的には人間関係が壊れるトラブルにもつながり得ます。

「この人ならしっかり期日通りに返してくれそうだ」と信用してもらうためにも、お金を借りる理由は素直に伝えましょう。

お金が借りられなかったときに役立つ打開策

周りの人に頼んだ結果、お金が借りられなかったときは、別の打開策を考える必要あります。

友達に10万貸してと頼んだけれど、自分も経済的に厳しいから無理と断られてしまった…

親に旅行費を貸してと頼んだけど怒られてしまった…でも友達と一緒に旅行に行くから断れない…

といったような状況に困ったときは、次のような対策が有効です。

お金が借りられなかったときに役立つ打開策一覧
  • 銀行カードローン
  • 消費者金融カードローン
  • 公的機関の支援制度

銀行カードローンは10万円からの融資に対応

銀行カードローンと契約すれば、10万円から借り入れができます。

銀行カードローンとは?

銀行で提供している、個人向けのローンサービスです。

銀行カードローンは原則として用途自由のため、生活費や交際費、医療費などさまざまな用途で利用可能です。

銀行カードローンのメリット
  • 消費者金融カードローンと比べると低金利
  • 借入先が銀行のため安心感がある

メリットとして大きい点は、後述する消費者金融カードローンよりも低金利なカードローンであることです。

そのため利息の負担を少しでも減らした上で、借り入れができます。

また、借入先が銀行になるため比較的安心感を持って借り入れできることも、人によっては嬉しいメリットになります。

しかし、以下のようなデメリットには注意が必要です。

銀行カードローンのデメリット
  • 消費者金融カードローンと比べると審査は厳しい傾向にある
  • 即日での審査・融資には非対応

銀行カードローンは消費者金融カードローンと比べると、審査はやや厳しめです。

銀行カードローンは即日キャッシングすることは難しいため、その日のうちに借り入れしたい方は、別の選択肢を検討する必要があります。

また、勤務先が労働組合に加入している方は、銀行カードローンよりも低金利なろうきんでお金を借りることも検討してみましょう。

消費者金融カードローンは少額融資に即日から対応

友達や家族からお金を借りることができなかったときは、消費者金融カードローンの利用も検討してみましょう。

消費者金融カードローンとは?

貸金業者である消費者金融が提供している、個人向けのローンサービスです。

消費者金融は、過去にサラリーマン金融(サラ金)の通称で呼ばれていた貸金業者のことを指します。

消費者金融カードローンのメリット
  • 即日審査・融資が可能
  • 土日でも審査・融資が可能
  • 銀行カードローンと比べると審査に通りやすい傾向にある

消費者金融カードローンは当日審査や即日融資に対応しているため、急いでいる方には最適です。

また土日も営業を行っているため、審査がスムーズに進めば土日中でも申し込み→借り入れができます。

さらに銀行カードローンと比べると、あくまで傾向ではありますが、審査は通りやすいとされる点も特徴です。

しかし次のようなデメリットにはご注意ください。

消費者金融カードローンのデメリット
  • 年収の3分の1までしか借り入れできない
  • 銀行カードローンと比べると金利が高い

消費者金融カードローンは、貸金業法の総量規制により、年収の3分の1までしか借り入れできません。

過度な借入れから消費者の皆さまを守るために、年収などを基準に、その3分の1を超える貸付けが原則禁止されています(総量規制)。例えば、年収300万円の方が貸金業者から借入れできる合計額は、最大で100万円となります。

1 お借入れは年収の3分の1までです

そのため多くの額を借りたい方や収入が低い方などは、希望の額を借りられない可能性があります。

また消費者金融カードローンは銀行カードローンと比べると、やや高金利での貸し付けになるのが特徴です。

特に、長期的な借り入れの場合は、利息の負担が大きくなりやすいため注意しましょう。

農協の組合に加入している方は、銀行カードローンよりも低金利で借入することもできる、農協からお金を借りることができます。

最終手段は公的機関を利用する

公的機関の支援制度を頼る手もあります。

公的支援はつまり、自治体や国からお金が借りることができる制度のことです。

支援制度にはさまざまなものがありますが、代表的なものを挙げると、生活福祉資金の緊急小口資金があります。

緊急小口資金とは?

急な事情により一時的に生計維持が難しくなった際に、国からお金が借りられる制度のことです。

近年は新型コロナウイルス感染症の影響により、従来の貸付上限額の10万円が、20万円にまで拡大されています。

貸付上限額20万円
据置期間1年以内
返済期限2年以内
利子無利子
保証人不要

※据置期間とは返済が免除される期間のことです。

緊急小口資金の利点は、無利子で借り入れができるため、利息の負担がかからない点です。

銀行や消費者金融のカードローンで借り入れできない方は、緊急小口資金をはじめとする公的支援を頼ってみましょう。

なお、緊急小口資金の相談先は各市区町村の社会福祉協議会になります。

どんな理由でもヤミ金から融資を受けない

お金が借りられない…と困った場合でも、ヤミ金からは、絶対に借り入れしないようにしましょう。

ヤミ金(闇金)とは?

貸金業法や利息制限法などの法律に従わず、違法な貸し付けを行う悪徳業者のことを指します。

ヤミ金からお金を借りると、多くのリスクやデメリットに苦しむことになります。

ヤミ金からお金を借りるリスク
  • 高額な利息を請求される
  • 違法な取り立て行為を受ける
  • 無関係の家族や友人知人を巻き込む場合がある
  • 自分自身が犯罪やトラブルに巻き込まれる恐れがある
  • 反社会的勢力に加担することになる

まず、お金の貸し付けにかかる金利には、以下のように制限があります。

利用者の皆さまの金利負担の軽減を図るため、法律が改正され2010年6月に上限金利が引き下げられました。お借入れの上限金利は、借入金額に応じて年15%~20%となっています。

5 お借入れの上限金利は、年15%~20%です

つまり、年20%を超える金利は違法のため、年20%超の金利で貸し付けを行う業者は違法業者(ヤミ金)に該当します。

年20%を超える金利で借り入れをすれば、多くの利息負担に苦しむことになるのは明らかです。

さらに、ヤミ金には迷惑行為ともとれる方法で取り立てを行う特徴があります。

ヤミ金の取り立て行為の特徴
  • 1日に何度も電話をする
  • 深夜や早朝に家を訪問する
  • 脅し行為を働く
  • 張り紙を貼るなどの嫌がらせを行う

ほかにも自分自身や家族が犯罪やトラブルに巻き込まれる恐れがあるなど、ヤミ金と関わることにはリスクしかありません。

トラブルに苦しまないためにも、お金に困ったとしてもヤミ金にだけは手を出さないように十分に注意しましょう。

借り入れ申し込みをする業者がヤミ金かどうか調べるためには、金融庁の登録貸金業者情報検索入力ページを利用するのがおすすめです。

ゆうちょ銀行を利用している方は、定期預金を担保にゆうちょからお金を借りる自動貸付を利用することもできますよ。

SNSなどから個人間融資もトラブルに巻き込まれるリスクがある

昨今は、SNSなどで頻繁に行われている、個人間融資にも十分に注意する必要があります。

SNSで行われている個人間融資とは?

個人間融資とはTwitterやLINEなどのSNSを利用し、業者ではなく個人からお金を借りることを指します。

個人間融資については、金融庁でも積極的な注意喚起が行われています。

また、個人間融資では、個人を装ったヤミ金融業者により違法な高金利での貸付けが行われるほか、個人情報が悪用されるなどして、更なる犯罪被害やトラブルに巻き込まれる危険性があります。
ヤミ金融業者による個人間融資は利用しないようにしましょう。

SNS等を利用した「個人間融資」にご注意ください!

友人知人や家族でもない、見知らぬ個人からお金を借りることには、多くのトラブルのリスクが伴います。

出先で財布を落としてしまったようなトラブルが起こった場合も、個人からお金を借りるのではなく、警察や交番からお金を借りるようにしましょう。

先に手数料だけ請求されて、お金が振り込まれない…

といったようにお金を騙し取られる恐れもあるため、個人間融資の利用も絶対に避けましょう。

まとめ

お金を借りる理由・目的は人によってさまざまですが、やはり多いのは生活費や趣味・娯楽費です。

ポイント

通常の範囲を超えてお金を使い、最終的に借金をすることは、経済的に困窮するきっかけになるため十分に注意しましょう。

また、どうしてもお金を借りる必要があるときは、トラブルなく借りられるように最低限のマナーを守る必要があります。

理由を素直に話すことや借用書を準備することなどは最低限心がけ、相手に少しでも不安を与えない頼み方をしましょう。

お金を借りる理由についてまとめると
  • お金を借りる理由・目的で最も多いのは生活費の不足
  • お金を借りたいと頼むときは理由や事情を素直に伝えること
  • お金を借りるときは誰が相手でも借用書を準備しよう
  • 周りから借りられないときはカードローンや公的支援の利用を検討する
  • どれだけお金に困ったとしてもヤミ金は絶対に利用しない
この記事の監修者

宮野茉莉子

1984年生まれ。東京女子大学卒業後、野村證券に入社。ファイナンシャルプランナーとして活躍。2011年よりフリーランスでライターとして活動し、マネー分野の記事を執筆している。
得意分野:金融商品、投資
資格:2級FP技能士証券外務員一種中学高校社会科教員免許