サブスクリプションとは、料金を支払うことで、製品・サービスを一定期間利用することができる形式のビジネスモデルです。
サブスクリプション・サービスには、「動画配信サービス」や「音楽配信サービス」など、近年では一般的になってきたとも言えるでしょう。
一方で、課金体系が複雑と言われ、金額計算が大変であるという一面もあります。
サブスクリプションビジネスを展開したい企業にとって、業務管理の効率化はその後の事業拡大に重要な課題と言えるでしょう。
そこで、この記事は、サブスクリプションの請求書をスムーズに発行する方法や注意点などについて解説します。
業務管理に悩んでいる企業の担当者だけではなく、これからサブスクリプションビジネスの展開を考えている方も、業務管理の側面を考えていきましょう。
目次
サブスクリプションの請求書発行が大変な理由
こちらでは、まずサブスクリプションの請求書発行が難しい理由をピックアップしてみましょう。
顧客管理
サブスクリプションビジネスの場合、従来の「顧客の受注1回で請求1回」という請求方法とは異なります。
そのため、次のような煩雑な作業に追われることとなります。
受注1件に対し契約が続く限り、毎月請求書を発行
製品・サービスを一定期間利用できるサブスクリプションでは、顧客が原則として解約しない限り毎月請求書を発行します。
そのため、契約台帳から顧客を検索して、現状の契約内容をチェックした上で請求書を作成するという手間が発生するのです。
管理している顧客への請求方法も、一律に毎月請求するわけではなく、半年分一括、一年分一括等、支払サイクルが異なるケースがあります。
この顧客管理を正確に行わないと、顧客に請求してはいけないタイミングで請求したり、逆に請求し忘れたりする事態にもつながります
このようなミスがあっては、顧客からの信頼が失われるおそれもあります。
それに加え15日締めの顧客がいたり、末日締めの顧客いたりする等、顧客ごとに異なる締め日の管理も大変です。
ミスを避けるためには、人員をかけ二重三重のチェックを行う必要があり、非常に手間がかかります。
顧客との契約は解約されるまで契約内容が同じと限らない
サブスクリプションビジネスでは、顧客がサービスの利用する状況によって料金が変わるものも多いです。
毎月の請求金額が全く同じとは限りません。
当月の請求金額をチェックするため、契約の変更履歴をみて請求金額は計算されなければいけません。
膨大なExcelの中から各顧客の契約変更履歴をチェックする場合、とても担当者1人で足りる作業とは言えないことでしょう。
営業・サポートから契約変更の連絡が滞ってしまうと、正しい金額を請求ができず顧客とトラブルに発展するケースもあります。
サブスクリプションビジネスが順調に収益をあげ、企業の規模が大きくなるのは良いことです。
しかし、各部門間で共有がスムーズに行えないトラブルは、特に注意しなければいけません。
料金形態がバラバラ
サブスクリプションビジネスの料金体系の多くは、「月額基本利用料+オプション(月額またはスポット)料金」です。
確かに月額基本利用料だけなら、さほど金額計算は大変と言えないことでしょう。
しかし、問題はオプション料金です。
オプション料金とは利用料に応じた従量課金や、サービスをさらに便利に利用するための追加機能の料金が該当します。
これらは月額で発生するケースもあれば、特定の月に料金が発生するスポット・オプションもあります。
設定できるオプションが豊富なことは、いろいろな顧客のニーズに合わせられるので収益を上げやすくなりますが、オプションの種類・数が多くなると、それだけ計算が大変です。
月額基本利用料にスポット金額等を合算する作業が必要になり、請求管理の金額計算がかなり複雑化する傾向もあります。
また、月の途中に契約を開始したなら、日割り計算で値引きをされるサービスも多くなります。
つまり、料金形態が顧客によってバラバラとなり、正確な請求は非常に大変な作業となります。
その他、集客のためのキャンペーンで、例えば「〇ヶ月間無料」と料金はとらない特典を付加していたにもかかわらず、業務管理のミスでキャンペーン期間にいきなり料金請求をしたら大きなトラブルに発展してしまいます。
サブスクリプション請求書発行|おすすめサービスを紹介
こちらでは、「TOKIUMインボイス」「KIMERA(キメラ)」と「ソアスク」という便利なサービスを紹介します。
請求書の受け取りを完全ペーパレス化する「TOKIUMインボイス」
出典:https://www.keihi.com/invoice/
株式会社TOKIUMが提供している訴求管理システムの「TOKIUMインボイス」です。
データの入力制度が高く、導入実績も伸ばしているサービスです。
TOKIUMインボイスの機能
TOKIUMインボイスの主な機能を見ていきましょう。
(1)請求書のスキャン
TOKIUMインボイスでは、紙で届く請求書をスキャンし、一元管理することが可能です。
経理部などに届いていた紙の請求書がなくなるので、管理の効率化や人的ミスの削減につながるでしょう。
(2)会計ソフトと連携
すでに社内で使用している会計ソフトと連携することができます。
連携方法は簡単で、お使いの会計ソフトの取り込み形式に合わせてCSVファイルで出力し、そのままインポートができます。
連携できるソフトの種類も多いので、わざわざ別のシステムに移行する必要もありません。
TOKIUMインボイスのメリット
TOKIUMインボイスを使用するメリット紹介します。
(1)簡単4ステップで作業が進む
TOKIUMインボイスは、申請、承認、連携、処理をオンラインで作業できるので、作業効率が大幅に上がります。
請求書支払いにかける時間も約5分の1になります。
(2)高い入力制度でミスをなくす
TOKIUMインボイスのデータ入力制度は99.9%です。
今までの人的な作業では、書類が多くなればなるほど、細かいミスが多くなっていました。
特にデータ入力でミスが起こると、後の作業にも影響が出てきます。
(3)サポート体制で安心運用ができる
TOKIUMインボイスには充実したサポート体制がついています。
仙人の導入コンサルタントが運用開始までをサポートしてくれるので、はじめての導入でも安心して進めることができるでしょう。
サブスクリプションの請求書を自動発行「KIMERA(キメラ)」
こちらは、サブスクリプションの請求書発行や入金消込、売上計上を自動化する便利なサブスクリプション請求管理ツールです。
「TOWN株式会社」が企画・開発・運営をしています。
KIMERA(キメラ)の機能
こちらの請求管理ツールで何ができるのか?
その機能をみてみましょう。
(1)見積書発行
「見積書の作成」および「見積書の変換」が可能です。
機能 | 内容 |
---|---|
見積書の作成 | 見積書作成、見積書PDFダウンロード、タグ、見積書一覧、メモ |
見積書の変換 | 請求書への変換、定期請求への変換 |
(2)請求書発行
出典:https://kimera.jp/functions/billings/
「請求書の作成」「請求書の郵送」「請求書のメール」「請求書の自動作成」が可能です。
機能 | 内容 |
---|---|
請求書の作成 | 請求書作成、請求書PDFダウンロード、請求書一覧、メモ、タグ 請求書CSV一括インポート、請求書CSV一括エクスポート |
請求書の郵送 | 請求書郵送、再郵送、請求書一括郵送、郵送停止、チラシ同封 |
請求書のメール | 請求書メール送信、請求書一括メール送信、請求書PDF自動貼付 |
請求書の自動作成 | 定期請求登録、請求書自動作成、定期請求一覧、メモ 定期請求CSV一括インポート |
(3)入金消込
出典:https://kimera.jp/functions/reconciliation/
「入金の登録」「入金消込」「未入金の管理」「顧客口座名義の管理」が可能です。
機能 | 内容 |
---|---|
入金の登録 | 銀行の入金明細データCSVインポート(全銀データ/その他データ) 個別明細の登録 |
入金消込 | 自動消込、手動消込、消込取消、部分消込、合算入金の消込、過入金の消込、メモ |
未入金の管理 | 未入金一覧、入金状況の確認 |
顧客口座名義の管理 | 顧客口座名登録 |
(4)売上計上
出典:https://kimera.jp/functions/accounting/
「売上の作成」「売上計上の推移」「請求時の月次売上計上」「前受金と売掛金の管理」が可能です。
機能 | 内容 |
---|---|
売上の作成 | 売上作成、タグ、売上CSVエクスポート、売上一覧、売上計上の設定 |
売上計上の推移 | 顧客別の月次売上計上の一覧、CSVエクスポート |
請求時の月次売上計上 | 請求時の月次売上計上、計上月の設定、継続案件と都度案件の設定、契約期間の設定 |
前受金と売掛金の管理 | 前受金残高と売掛残高の推移 |
(5)前受金管理
出典:https://kimera.jp/functions/advance-payment/
「前受金取り崩しの自動化」「前受金残高の自動集計」が可能です。
機能 | 内容 |
---|---|
前受金取り崩しの自動化 | 見積書作成、見積書PDFダウンロード、見積書一覧、メモ、タグ |
前受金残高の自動集計 | 請求書への変換、定期請求への変換 |
(6)顧客
「顧客の登録」が可能です。
機能 | 内容 |
---|---|
顧客の登録 | 顧客コードの設定 |
KIMERA(キメラ)のメリット
こちらの請求管理ツールを利用するメリットは主に4点あります。
(1)請求書の一括郵送
複数の請求書を一括で郵送できます。(印刷封入不要で請求書を自動郵送)
請求書以外にチラシ等の同封も可能です。
毎月請求する内容を定期請求として登録すると、自動で請求書が作成され請求漏れを防ぐことができます。
(2)入金の自動消込
各顧客の口座名義を登録し、金額・口座名義で合致する入金を自動で消し込むことができます。
一部入金・口座の変更等も対応しています。
(3)売上高の分割計算
売上の入金消込後、自動的に売上高へ分割計上されます。
前受金・売掛金も自動集計します。
支払期限の過ぎた未入金の売上をアラートで知らせる機能もあり回収をサポートします。
(4)管理会計の数字を自動集計
MRR(Monthly Recurring Revenue:月間定額収益)を自動で集計、収益の推移がわかります。
月間定額収益の変化迅速な把握で、適切な対策を打ちやすくなります。
サブスクリプションビジネスの業務管理サービス「ソアスク」
出典:https://www.opro.net/lp/soasc/subscription.html
煩雑な管理業務であるプライシングや見積はもちろん、契約や売上、請求を一元管理できる便利なサービスです。
「株式会社オプロ」が企画・開発・運営をしています。
ソアスクの機能
こちらの業務管理サービスで何ができるのか?
その機能をみてみましょう。
(1)見積
「見積登録」および「見積書発行」が可能です。
機能 | 内容 |
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見積登録 | 見積をウィザード形式で簡単に登録。 売上計上や請求サイクル、契約期間、明細等も容易にチェック可。 Sales Cloud の商談→シームレスな見積登録も可能。 |
見積書発行 | 見積書をWord、 Excel、PDF でワンクリック作成。 顧客へのメール送信自動化まで可能。 |
(2)受注
「契約管理」「発注管理」が可能です。
機能 | 内容 |
---|---|
契約管理 | 受注確定で、契約台帳を自動で作成。 契約変更や更新、解約へ迅速に対応可能。 |
発注管理 | 仕入が発生する商品・サービスの発注情報を自動で作成できる。 入荷~支払予定を管理可能。 |
(3)売上
「売上計上自動作成」「使用実績登録」「レポーティング」が可能です。
機能 | 内容 |
---|---|
売上計上 | 出荷、納品、検収等に基づく売上データを自動作成。 |
使用実績登録 | クラウドサービス・IoT サービスの使用量を APIで取得が可能。 自社の商品やサービス改善、アップセル、解約を防止するための活動支援。 利用実績に応じた売上・請求の算出も可。 |
レポーティング | MRR、ARR、Churn Rateをレポート、ダッシュボード、soarize Analytics(BI)で可視化。 |
(4)請求
「請求締め」「請求書発行」が可能です。
機能 | 内容 |
---|---|
請求締め | 毎月・一括・日割というビジネス形態に合わせ、多様な請求に対応。 |
請求書発行 | ワンクリックで月次の請求書送付を一括配信可能。 Communityでウェブの共有やメール・郵送等の仕分け配信もできる。 |
ソアスクのメリット
こちらの業務管理サービスを利用するメリットは主に4点あります。
(1)見積・請求金額をラクラク算出
顧客それぞれの課金形態へ対応し、課金ルールを柔軟に設定できます。
見積・請求金額を自動で算出が可能です。
(2)売上情報を自動で作成可能
自社の設定した売上サイクルに応じ、受注が確定した時点で売上情報を自動作成します。
もちろん繰り返し登録する手間は不要です。
(3)契約更新手続が迅速
契約台帳へすぐにアクセス可能で、ライセンスの増減・契約更新手続きが大幅にスピードUPできます。
(4)収益の予測・実績を可視化
サブスクリプションで重要なフォーキャスト(収益の予測)と実績を、リアルタイムに可視化することが可能です。
サブスクリプションビジネスとは?
こちらでは、サブスクリプションビジネスの特徴、そして成功している代表的なサービスについて取り上げます。
サブスクリプションビジネスとは?
サブスクリプションビジネスとは、料金を支払うことで、製品・サービスが一定期間利用することのできる形式のビジネスモデルを指します。
サブスクリプションビジネスが活況を呈するようになった要因は、やはりアメリカでの成功があげられます。
アメリカの動画配信・音楽配信等のコンテンツサービスは、2015年あたりから従来のダウンロード課金型サービスよりも、月額料金を支払えば後は視聴し放題となるサブスクリプションサービスが人気となっていきました。
この斬新なサービスは動画や音楽を良く楽しむユーザーへ受け入れられ、アメリカ以外でもどんどんサブスクリプションビジネスは広がっていきました。
サブスクリプションサービスは順調にシェアが拡大し、ついには世界の動画配信売上高の6割を占めるまでになります。
特にアメリカで盛んとなったサブスクリプションですが、最近では日本でもその市場規模が急速に拡大傾向となっています。
2018年の日本での市場規模は5,600億円を大幅に上回っています。
また、現在の「新型コロナ・ウィルス感染症」の猛威の影響で、外出を制限する傾向が強くなり、サブスクリプションビジネスは更なる成長が見込まれています。
サブスクリプションを利用するメリット・デメリット
こちらでは事業者、そしてユーザーに分けてメリット・デメリットを比較してみましょう。
事業者の場合
メリット | デメリット |
---|---|
・継続的な収益
・顧客の利用状況・細かなデータを把握 ・新規獲得が容易、利用者数を増やしやすい ・いろいろな商材に導入可能 |
・導入するためのツールやノウハウは必要
・開始当初から即利益は難しい ・開始当初からリソースやコンテンツ数の充実が必要 ・新しいコンテンツの追加が必要 ・業務管理がかなり煩雑となる |
サブスクリプションビジネスを成功させるかどうかは、導入した各社の創意工夫次第です。
なお、業務管理に関しては前述したサービスの活用で効率化が可能となります。
ユーザーの場合
メリット | デメリット |
---|---|
・概ね低価格なので利用開始のハードル低い
・購入・所有する必要がない ・定額制のため、追加請求の心配なし ・トライアルやお試しキャンペーンで得する ・解約は自由 |
・利用しなくても料金発生
・利用料金が安価だからと複数契約し結局負担増も ・不必要な機能・サービスがついてくることも ・解約するとサービスや商品が何も残らない |
サブスクリプションサービスは、購入・所有する必要のない点が強みです。
しかし、逆に言えば解約すると何も残らないことになります。
無くなっては困るサービスを利用するくらいなら、購入して手元に残す方法も検討した方が無難です。
成功している代表的なサービス
サブスクリプションサービスは、データ・ソフトウェアを利用したデジタル領域でまず拡大しました。
しかし最近では、洋服や家具をはじめ車にサプリメント、食品等、非デジタルな製品にも導入する傾向が目立っています。
- 音楽配信
- 動画配信
- ソフトウェア提供
- 食品宅配事業
- 自動車レンタル
音楽配信
「1曲〇〇〇円」ではなく「月額〇〇〇〇円で聴き放題」という定額制のサービスです。
このサブスクリプションサービスを導入しているのは、「Apple Music」や「Spotify」が有名です。
動画配信
こちらも「1作品〇〇〇円」ではなく「月額〇〇〇〇円で視聴し放題」という定額制のサービスです。
このサブスクリプションサービスを導入しているのは、「Amazonプライム・ビデオ」や「Netflix」「Hulu」等が有名です。
既に放映された映画やドラマ、アニメだけではなく、サブスクリプションモデルを導入している会社がオリジナル作品も配信する等、独自の新規コンテンツが続々と登場しています。
ソフトウェア提供
定額の料金を支払えば、一定期間にわたりソフトウェアを使用できるサービスです。
もちろん、ソフトウェアはすぐに時代遅れとなるリスクもあるので、新しいバージョンのアップデート、サポート等も利用できます。
このサブスクリプションサービスを導入しているのは、Adobe社「Creative Cloud」・マイクロソフト社「Office 365」等が有名です。
食品宅配事業
月額料金を支払うことで、自宅に野菜は加工食品等が届くサービスです。
現在の新型コロナウィルス感染症の猛威で買い物も憚られる中、非常に需要が増している分野です。
オイシックス・ラ・大地社が提供する「Oisix(オイシックス)」、ベルーナが提供する「食品定期コース」等が有名です。
自動車レンタル
レンタカーの利用「〇時間で〇〇〇〇円」ではなく、月々定額料金を支払い、選んだ車を借りて使用できるサービスが人気です。
新車をわざわざ購入しなくても、車を安価で使用でき、ご自分が使いたいときだけ使えるのは魅力です。
「タイムズカーシェア」「SmartDrive Cars」「カルモ」等が有名です。
サブスクリプションの請求書発行を外注するメリット・デメリット
こちらでは、サブスクリプションの請求書発行を外注する際のメリット・デメリットをそれぞれ解説します。
外注する際のメリット
サブスクリプションの請求書発行を外注する際のメリットは、主に次の3点があげられます。
- 業務の効率化
- 新しいサービス・取引先の開拓
- 低コスト化でユーザーに還元
業務の効率化
前述したようにサブスクリプションの請求書発行は、そのサービスの性質上、非常に煩雑となります。
担当者が1人または少数のグループで何とかできるようなものではありません。
それなりの人員を投入しないと、正確で迅速なユーザーへの請求はかなり難しいことでしょう。
請求書発行を外注するサービスを使えば迅速な作業が可能となります。
また、請求にかかわる事務的な作業のみならず、与信審査、督促といった担当者へ負荷の高い業務が大きく軽減されます。
そのため、取引に関係する手間が大きく削減でき、業務の効率化が期待できます。
また、煩雑な業務から解放されたことで、人員を他の仕事に投入できます。
企業としての生産性向上も図られることでしょう。
請求業務で生じていた残業等を減らせることで、人件費の抑制効果も期待できます。
請求業務が本業を圧迫していると感じたら、トラブルが発生する前に、速やかに請求書の発行外注サービスの利用を検討しましょう。
新しいサービス・取引先の開拓
請求業務は自社が確実な収入を得るため不可欠な業務です。
しかしながら、請求業務自体から利益が発生するわけではなく、新たなサービスを開発・ユーザーへの提供で集客を促します。
また、新たな取引先の開拓で事業を拡大し、利益をあげていくことが必要です。
外注により請求業務を効率化すれば、より利益創出につながる活動へコミットできるようになります。
サブスクリプションの分野は自社の独自性を強めなければ、多くの参入業者の進出でどんどんサービス合戦が激化することでしょう。
そんな状況下の中、請求業務でつまずいてはライバル企業から先を越されるリスクもあります。
低コスト化でユーザーに還元
いかに新たなサービスを開発・ユーザーへの提供で集客を促すことが大切でも、料金が高ければ新たな顧客の獲得は難しくなります。
外注による請求業務の効率化は、新サービスの開発の他、更なるユーザーの利用料金値下げにもつなげられます。
魅力的なコンテンツも大切ですが、料金負担の軽減でもライバル企業に差をつけられるはずです。
外注する際のデメリット
サブスクリプションの請求書発行を外注するサービスの利用は、確かに便利です。
ただし、次の2点に留意しましょう。
- ノウハウが身につかなくなる
- 切り替えに手間取るかも
ノウハウが身につかなくなる
請求書発行を外注するサービスの利用は、たしかに請求業務を効率化へ役立ちます。
しかし、外注してしまうことで請求業務にかかわるノウハウを、従業員が身につける機会も失われることを意味します。
また、外注をすればそれだけ人員削減が可能です。
ただし、請求業務にかかわる従業員を減らしてしまうと、その担当従業員が何らかの理由で抜けてしまえば、自社のノウハウを引き継ぐ人が誰もいなくなる事態は起こり得ます。
このようなリスクも考慮し、請求業務へのノウハウを自社として身につけていきたいならば、外注で任せる請求業務の範囲を調整するのも一つの方法です。
また、担当者を1人だけでなく2・3人にして「たとえ1人が欠けても、請求にかかわるノウハウを維持できる」といった体制を整備することが必要となるはずです。
切り替えに手間取るかも
外注サービスを利用する際には、新たな仕組みの導入による切り替えへ、結構手間取るリスクがあることも想定されます。
導入にあたっては、これまでに無かった「新しいルール」を社内で周知徹底しなければいけません。
各従業員間で認識のズレが生じれば、サービスを導入する以前より、請求業務に手間取りトラブルが発生し易くなります。
こうしたリスクを可能な限り避けるには、社内でセミナーを実施し、情報共有の場を用意することが必要です。
さらに、社内で「質疑・応答ルート」を整備することも欠かせません。
請求に関わる作業で何か問題が起きたとき、誰に聞けばよいか可視化されていれば、社内の混乱を未然に防ぐことが可能です。
サブスクリプションの請求書を外注する注意点
こちらでは、外注を契約する前に相手方へ確認するべき点として「情報漏洩の問題」「システム障害」を取り上げましょう。
情報漏洩のリスクは常に付きまとう
請求業務を外注するということは、顧客の情報等が外部に持ち出されることを意味します。
当然、社内で対応する場合と比較すれば、情報漏洩の不安はつきまとうはずです。
外注先のセキュリテイ体制に不備・欠陥があれば、機密情報・顧客情報などの漏えい事故が起きるリスクはあります。
当然ながら、顧客情報が漏れた場合「外注先がやったことだ!」などと顧客に開き直っては、これまで培ってきた信頼が一挙に崩れてしまいます。
情報漏洩を防ぐセキュリテイ管理が外注先に依存せざるを得ない点は、やはり外注する場合の大きなデメリットの一つです。
まずは外注先と契約を締結する前に、セキュリテイ体制をしっかり聞いておきましょう。
外注先でシステム障害発生!!
サブスクリプションの請求書に関する障害ではないですが、2020年10月1日に起きた「東京証券取引所」のシステム障害は記憶に新しいことでしょう。
このシステム障害を受け、全銘柄の取引を終日取りやめる事態となりました。
売買が終日停止されたのは1999年の取引のシステム化以降で初めてという不名誉な記録が残りました。
このシステム障害は富士通が作成した製品マニュアルに不備があり、バックアップ機への自動切り替えが5年間オフになっていたことが原因です。
実際の稼働テストも行わなかったという初歩的なミスもありました。
サブスクリプションの請求書発行の外注であっても、外注先がこのような初歩的なミスを行い、それが原因で顧客に重大な影響を与える事態も否定できません。
確かに外注をすれば楽なのですが、「丸投げ」という方法はやはり考えものです。
どこまで外注先に任せるべきか、自社でよく検討する必要があるでしょう。
サブスクリプション請求書発行|まとめ
サブスクリプションビジネスは、顧客満足度の向上させつつ、サービスを継続することが一番大切なことです。
サブスクリプションに関する請求業務は、顧客満足度に直結する業務です。
正確で迅速な請求システムは顧客の信頼を保つ要素の一つです。
システムの導入は必須
請求業務には正確さ・慎重さが求められる一方、担当者の方々に大きな疲労を覚える細かい作業が多いのも事実です。
件数が多ければ作業に時間もかかり、ミスが発生する可能性も増えます。
しかし、その作業の大部分は規則的なものであり、人よりもコンピュータの方が向いている作業と言えるでしょう。
しかるべきシステムを導入し、正確な請求管理を行い、顧客満足度を維持・向上しつつ、請求業務の効率化が大切です。
ただし、丸投げは考えもの
とはいえ、サブスクリプションの請求書発行を外注してしまえば、「請求業務担当者なんて1人またはいなくても良い」と考えるのは危険です。
外注先に丸投げすると前述した「情報漏洩の問題」や「システム障害」が起きた際、顧客への対応に苦慮する事態も考えられます。
どこまでをコンピュータへ任せ、どこまでを外注先に任せ、そしてどこまでを自社で対応するかよく検討してから、サブスクリプションの請求書発行に関するシステム導入を決定しましょう。