病院・医療法人のM&Aの動向・事例を徹底解説!M&Aのスキームや注意点もあわせて紹介

今や病院・医療法人の経営も苦しくなる時代となっています。

後継者問題も中小企業だけの問題ではありません。

病院の経営が少し苦しくて、今後のことを考えると売却も選択肢にあります。
後継者がいなくて、閉院を考えています。

このような問題が多くなってきたことから、近年では病院・医療法人のM&Aも増加しています。

この記事では、病院・医療法人M&Aの特徴やポイント病院M&Aのおすすめ相談先病院・医療法人M&Aのメリット・デメリット・成功例を解説します。

病院・医療法人M&Aをザックリ言うと
  • 病院・医療法人M&Aは通常の法人売買とは違う
  • 病院・医療法人M&Aは事業継続の手助けになる
  • 病院・医療法人M&Aを相談できるサービスの紹介
  • 病院・医療法人M&Aには注意点が多い!?

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病院・医療法人M&Aとは?

病院・医療法人売買とは?

私は2つの医院を営んでいますが、後継者問題にやや苦慮していることから、売買を真剣に検討しています。
病院・医療法人M&Aは、他の法人M&Aと、どんな点が違うのでしょうか。

こちらでは、病院・医療法人M&Aの特徴と、売買を行う際のポイントについて解説します。

病院・医療法人M&Aとは?

医療提供の目的で施設を所有している法人のことです。

施設の種類は、病院や診療所をはじめ介護施設など多岐に渡ります。

通常の法人M&Aとの違い

通常の株式会社との大きな違いは、株式を発行しないこと利益剰余金配当の禁止をあげることができます。

なぜなら、病院・医療法人が生み出した利益は、最新機器等の設備投資・医師や看護師等の医療関係者の待遇改善を通し、医療行為に還元するべきという考え方があるからです。

そのため、病院・医療法人の売買は、基本的に病院・医療法人の経営権売買を意味します。

しかし、病院・医療法人の売買で確認しておくべきは、経営権や資産の引き渡しの他、医療関係者、入院・通院患者の引き継ぎをどうするかも重大な懸案事項と言えます。

病院・医療法人M&Aの手法

病院・医療法人売買は主に次の方法で実施されます。

病院・医療法人の主なM&A手法
  1. 法人合併
  2. 事業譲渡
  3. 出資持ち分の譲渡

(1)法人合併

合併は、複数の法人格が1つなることです。

もしも複数の医院を経営する病院・医療法人が合併されば、全てのクリニックが買い手(合併先)に吸収されます。

ただし、これには大きな制約もあります。

この合併に関しては後述します。

(2)事業譲渡

医療施設別に譲渡する手法です。

売り手の法人格が消滅されるわけではなく、複数の医療施設を経営している場合、一部の医療施設の資産・経営権の譲渡で対価を得ます。

  • 一部の医療施設さえ譲渡すれば経営状態が好転すると見込まれる
  • 採算の取れない特定地域から撤退する

上記の様な場合に実施されることが多いの手法です。

(3)出資持ち分の譲渡

病院・医療法人は、株式会社と異なるので株式発行を行いません。

しかし、出資持分ありの医療法人の場合は、出資持分が株式会社の株式に該当します。

出資持ち分は、株式と同様に譲渡することが認められています

こちらを利用し自由に取引を行うことができます。

病院・医療法人M&Aの背景

病院・医療法人の売買は最近増加傾向にあると言われています。

地域の医療サービス利用者には、やや不安を覚える方々もいるはずです。

こちらでは、病院・医療法人売買が増加している理由を取り上げます。

病院・医療法人売買が増加する理由
  • 医療従事者の不足
  • 経営難
  • 施設・設備費用が重い負担
  • 地域医療の質の向上
  • 異業種からの参入
  • 後継者がいない

医療従事者の不足

高齢社会の進展で医療機関を利用する方々が増加、医療を必要とする患者数が増大しています。

その一方で患者にあたる医師・看護師は、慢性的に不足しているのが現状となっています。

それに加え、医療従事者が都心に集中してしまう地域偏在・診療偏在等も影響しています。

経営難

新規開業も原因の一つですが、現在の「新型コロナウイルス感染症」の大混乱で経営の逼迫するケースが目立っています。

在宅医療・介護の提供や独自のアイデアが創出できない、未曽有の混乱で経営が維持できるのか不安という理由があげられます。

施設・設備費用が重い負担

施設の維持・修繕はもちろんのこと、医療行為の際は専門的な医療機器・設備を必要とします。

ほとんど精密機器なので、高額な購入費用が掛かってしまう事や、最新の機器を扱うスキルもある程度必要とされます。

地域医療の質の向上

別に深刻な経営難や人材難ではなくとも、大手の病院や医療法人に売却して、ご自身の医院の施設・設備の充実を図るケースでも売買を決断することがあります。

異業種からの参入

本来、医療に関するサービスとは無縁と思われていた企業が、新たに医療業界へ参入するケースもあります。

この場合に買い手である企業は、既に人的資源や技術・ノウハウを持つ病院・医療法人の買収を行った方が効率的であるからです。

後継者がいない

現在、病院を経営している院長先生の子供も医師とは限りません。

ご自身が高齢になり引退後、経営している病院を継ぐ人材が全くいなければ、最悪閉院となります。

これでは、地域医療の一角が崩壊しかねません。

そのため、ご自身の医療事業を引き継いでもらうため、病院・医療法人売買が検討されているのです。

病院・医療法人売買のポイント

病院・医療法人は民間が経営していても、地域の医療・患者を治療するという公益的な側面も有しています。

そのため、経営権を移すためには、監督官庁の認可が必要となります。

こちらでは、この制約を踏まえた上で、病院・医療法人売買のポイントを【社団法人】【財団法人】【個人】に分けて見ていきましょう。

社団法人

社団法人は、一定の目的で構成員(社員)が結合した団体のうち、法律で法人格が認められ権利義務の主体となる法人を言います。

この構成員(社員)とは、いわゆる従業員を指すのではなく、議決権を有する方々のことです。

病院・医療法人が社団法人の場合は、全ての社員の同意が得られたときに他の社団(医療)法人と合併が可能です。

構成員(社員)全ての同意を得られるかが、病院・医療法人売買のポイントです。

売買が成立したら、社員の出資持分の買取が行われ、売り手側の社員という立場から退団することになります。

財団法人

財団法人は、特定の個人・企業などの法人から拠出された財産で設立、これによる金利・配当金やその他の運用益を主たる事業原資として運営する法人のことです。

財団法人の機関は理事・監事・評議員で構成されます。

合併のハードルは社団法人よりも低く、寄附行為に合併できる旨の定めがあるなら、理事等の3分の2以上の同意で他の財団(医療)法人と合併可能です。

さらに理事・監事・評議員の3分の2以上の同意だけでなく、寄附行為で別段の定めがある場合はその方法で、経営権の引き渡しが認められます。

この3分の2以上の同意または別段の定めがポイントといえます。

なお、ここに言う寄付行為とは、いわゆる寄付をする行為ではなく、定款(根本規則)を意味します。

個人

個人の医院・診療所の場合、行政機関等の特別な認可は必要はありません

経営する医師の独断で売買を決定しても構いません。

しかし、売買の成功には売買専門家のサポートが大きなポイントとなります。

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病院売買の相談先5選

病院売買の相談先5選

医療機関の売買、そんなに珍しいものでないのはわかりました。
でも我が病院の売買交渉、一体どこと相談すればよいのでしょうか。

こちらでは、病院売買のおすすめ相談先を5つ紹介します。

病院売買のおすすめ相談先
  1. TRANBI(トランビ)
  2. BATONZ(バトンズ)
  3. インテグループ
  4. 株式会社メディカルプラス
  5. 有眼会社市川

TRANBI(トランビ)

病院 売買 TRANBI(トランビ)

出典:https://www.tranbi.com/

「株式会社トランビ」が提供する、病院の売買をはじめとした法人の売却・買収専門のマッチング・サービスです。

2016年に設立され、成約手数料0円という独特な料金体系をとる仲介会社です。

売り手は基本的に無料で当該サービスを利用可能です。

2021年5月の病院・クリニック公開案件数は42件です。

TRANBIのデータ

TRANBIの基本データは次の通りです。

TRANBI 内容
病院・クリニック公開案件数 42件

※非公開案件多数

累計案件数 7,562件
M&Aの傾向 直接交渉
対応地域 日本国内・海外

TRANBIは、院・クリニック等の売買のマッチング・サービスに特化、仲介はせず当事者同士で交渉を行うことになります。

もしも当事者との直接交渉に不安があるなら、病院・医療法人の売買に専門家をたてる必要があります。

TRANBIの料金プラン

TRANBIには、無料プランと有料のプレミアムプランがあります。

(1)無料プラン会員

売り手・買い手によって無料サービスの内容は若干異なります。

売り手 買い手

・M&A案件の掲載

・買い手との交渉・成約

・成約時の追加手数料は無料

・M&A案件の掲載

・売り手への交渉申込

・ニーズの登録

買い手は無料プランばかりにとどまるのではなく、売り手からの返信閲覧時、次のプラン「ベーシック」「ビジネス」「エンタープライズ」へ移行します。

(2)プレミアムプラン

買い手は、希望価格の一定額で区分され3つのプランが利用できます。

それぞれサービス内容は異なりますが、契約期間は全て6ヶ月です。

3つのプランとも成約手数料0円で、希望価格の上限が高くなれば、その分月額料金(税込)は大きくなります。

ベーシック
  • 条件:売却希望価格500万円以内の案件のみ交渉可
  • 月額料金:4,378円
  • サービス:NDA情報漏洩保険
ビジネス
  • 条件:売却希望価格3,000万円以内の案件のみ交渉可
  • 月額料金:10,780円
  • サービス:NDA情報漏洩保険・人材採用可能
エンタープライズ
  • 条件:売却希望価格無制限交渉可
  • 月額料金:21,780円
  • サービス:NDA情報漏洩保険・人材採用可能・M&A専門家等の代理買い交渉

トランビのリアルな評判・口コミについて気になる方はこちら

BATONZ(バトンズ)

病院 売買 BATONZ

出典:https://batonz.jp/

「株式会社バトンズ」が提供する、病院の売買をはじめとした法人の売却・買収専門のマッチング・サービスです。

2018年に設立されました。

BATONZ(バトンズ)では、支援専門家サポート・サービスを利用できます。

医療・介護の公開案件数は400件を超え交渉相手となる方々をいろいろ比較できる点が魅力です。

BATONZ(バトンズ)のデータ

公開案件数もかなり揃っていますが、非公開案件も多数用意しています。

気になる方々はBATONZ(バトンズ)へ問い合わせてみましょう。

公開案件数は2021年5月時点で次の通りです。

BATONZ(バトンズ) データ
医療・介護公開案件数 447件
公開案件総数 5,066件

BATONZ(バトンズ)の料金

基本的に売り手側は利用料金無料です。

ただし、支援専門家のサポートがあると別途料金もかかります。

料金項目 売り手 買い手
登録料 無料 無料
マッチング料 無料 無料
成約 無料 成約価額の2%

※最低報酬25万円

買い手側の料金の例は次の通りです。

買い手の手数料例
  • 売り手の会社:年商7,000万円
  • 成約:1,500万円
専門家によるサポート 買い手側
無し 手数料:30万円(成約価格の2%)
有り

・手数料:30万円(成約価格の2%)

・支援専門家手数料:210万円(※)

→合計240万円

(※)支援専門家への手数料が発生する場合、料金体系に違いが出てきます。

バトンズの評判や口コミについて詳しく気になる方はこちら

インテグループ

病院 売買 インテグループ

出典:https://www.integroup.jp/

「インテグループ株式会社」が提供する、病院の売買をはじめとした法人の売却・買収専門のマッチング・サービスです。

2007年に設立されました。

約3~6ヶ月での交渉成立を目指します。

病院の売買

2021年5月現在、医療・福祉・調剤に関する施設の公開案件は4件ですが、非公開案件も用意されています。

気になる方々はインテグループへ問い合わせてみましょう。

インテグループの料金等

インテグループは基本的に成約時、成功報酬を受領する仕組みです。

ただし、成功報酬の最低額は500万円です。

売買金額 報酬料率
5億円以下の部分 5%
5億円超~10億円以下の部分 4%
10億円超~50億円以下の部分 3%
50億円超~100億円以下の部分 2%
100億円超の部分 1%

成約時の手数料例は次の通りです。

売り手が売却金額15億円を得た場合

5億円×5%+(10億円-5億円)×4%+(15億円-10億円)×3%=手数料6,000万円

株式会社メディカルプラス

病院 売買 メディカルプラス

出典:https://www.medicalplus.info/

日本で唯一の「医療・事業継承」領域を専門とする仲介会社です。

独自のネットワークを強みに、後継者問題を抱える病院の継承支援が期待できます。

2016年に設立され、年間30件以上のクリニックが成約に至っています

メディカルプラスのデータ

メディカルプラスは医療に特化した独自のネットワークにより、売却・買収希望案件のマッチング率は70%以上となっています。

公開案件数は2021年5月時点で次の通りです。

メディカルプラス データ
医院譲渡希望案件数 26件
医院譲受希望案件 55件

つまり、買い手が圧倒的に多く、これから病院を売却したい方々には、とても有利な状況と言えます。

メディカルプラスの料金等

報酬体系は、完全成功報酬で着手金は一切不要です。

クリニックの譲渡が成立した場合のみ成功報酬を支払います。

ただし、料金についてはメディカルプラス側へしっかりと確認が必要です。

有眼会社市川

病院 売買 有限会社市川

出典:https://www.ichikawa568.com/company.html

医療施設をはじめ、社会福祉法人のM&Aや譲渡のサポートが期待できる仲介会社です。

1989年に設立されました。

もともとは、病院・福祉施設(特別養護老人ホーム、軽費老人ホームのケアハウス)構築のための策定数調査や適正配置内の土地の斡旋、医療法人・社会福祉法人の設立、医療施設・福祉施設の基本構想企画立案と施工管理を請け負っていました。

この運営で培われた病院との太いパイプが、医療法人の売却・買収のマッチング・サービスに役立っています。

有眼会社市川のデータ

有眼会社市川の公開案件数は2021年5月時点で次の通りです。

有眼会社市川 データ
病院・クリニック譲渡希望案件数 17件
病院譲受希望案件 7件

売り手・買い手は日々変動しており、まずは有眼会社市川に問い合わせてみるのが得策です。

有眼会社市川の料金等

公式サイトなどでの公表がないため、直接確認する必要があります。

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病院・医療法人売買の相場

病院・医療法人売買の相場

病院・医療法人売買を行うことには前向きですが、やはりその際にいろいろな手数料が掛かることでしょう。
病院・医療法人売買の費用相場はどれくらいなのか気になります。

こちらでは、病院・医療法人売買の費用相場について解説します。

売買に掛かる費用とは?

買い手はもちろん買収費用を支払います。

これは売り手の希望価格・規模・将来性などによって大きく差が出てきます。

病院・医療法人売買を仲介会社に依頼した場合の費用は、『必ず【一律〇〇〇〇円】としなければいけない』と言う決まりがないので、仲介会社が自由に設定する事が出来ます。

これは他業種の法人売買でも同様です。

考えられる費用負担としては、着手金月額報酬中間金成功報酬が想定されます。

ただし「完全成功報酬制」を明示し、その他の料金を一切受けとらない業者も多いです。

着手金・月額報酬・中間金は自由に業者が設定できるので、仲介会社を立てる時は事前にどの位の金額が問い合わせておきましょう。

成功報酬は概ねレーマン方式

気になる成功報酬ですが、レーマン方式で算定されるのが一般的です。

下表を参考にしてください。

売買金額 報酬料率
5億円以下の部分 5%
5億円超~10億円以下の部分 4%
10億円超~50億円以下の部分 3%
50億円超~100億円以下の部分 2%
100億円超の部分 1%

その他に病院・医療法人した場合の継承費用は?

建物を賃貸借契約しているならば、その費用(敷金・礼金・仲介手数料・前家賃等)、更に運転資金3か月程度、行政への申請手続き費用を合わせ10万~25万円程度の費用が目安となります。

一方、医療法人の主たる事務所を移転し新たなクリニック開設等、医療法人の定款変更を行う場合、100万円~150万円程度の行政申請手続きの費用がかかります。

他に必要な機材等を揃える等すれば、それなりに多額の費用を必要とするはずです。

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病院・医療法人売買のメリット・デメリット

病院・医療法人売買のメリット・デメリット

病院・医療法人M&Aは、後継者問題を解決する切り札と言えるでしょう。
病院・医療法人M&Aのメリット・デメリットを教えて欲しいです。

こちらでは、病院・医療法人M&Aのメリット・デメリットについて解説します。

病院・医療法人M&Aのメリット

こちらは売り手と買い手に分けてみてみましょう。

売り手のメリット

売り手の最大のメリットは、病院・医療法人を存続できるがあげられます。

病院・医療法人は前述したようにとても公益性が高い機関ですので、人手不足や後継者問題があっても、安易な廃業はその地域に多大な損失を与えることでしょう。

その上、一定数の患者を抱えている病院・医療法人ならば、患者が通院・入院している以上、何としてでも廃業は避けたいはずです。

しかし、病院・医療法人M&Aが成功すれば、そのまま他の病院・医療法人に承継してもらえます。

廃業を回避できるばかりか、治療が継続されるので患者やその家族も安心です。

また、買い手である大手の医療法人グループの傘下に入るなら、潤沢な資金を得ることで経営基盤を強化が図れます。

そうすれば、最先端技術の導入も容易で、施設投資・人員の増員など様々な施策が実行できるはずです。

この成功例に関しては後述します。

売り手のメリット
  • 病院・医療法人を存続できる
  • 地域の医療体制を維持できる
  • 治療行為を継続できる
  • 潤沢な資金の確保が出来る

買い手のメリット

事業拡大をしたい病院・医療法人の場合、気になる地域の病院・医療法人を買収すれば、務める医療従事者をそのまま引き継ぐことが出来るので、わざわざ採用募集する手間が省けます。

もちろん、その地域の患者さんもGETできます。

新規採用と違い研修・育成の手間もかからない点は大きなメリットです。

また、他業種が新規で医療分野に参入するなら、一から医療に関する事業ノウハウを身につけなくても、買収した病院・医療法人のノウハウを活用できるので効率的です。

買い手のメリット
  • 人材確保が容易に出来る
  • ノウハウを効率的に活用できる

病院・医療法人M&Aのデメリット

売り手・買い手に共通するデメリットに、事業売却後の地域とのギャップが生じるリスクがあげられます。

病院・医療法人は基本的に、地域へ根差した経営を行うことが期待されます。

また、地域の診察は患者・その家族とのコミュニケーションが重要ですが、事業売却後なら経営者が変わったことで、その信頼関係に変化が生じることもあります。

患者やその家族が求める診察や治療の提供、これまで培ってきた信頼関係を維持するため、この想定され得るリスクに対し、買い手・売り手でしっかり対策を協議する必要があります。

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病院・医療法人売買の成功例

病院・医療法人売買の成功例

病院・医療法人のM&Aは、やはり他の業種の売却・買収と違い独特なのかもしれません。
病院・医療法人のM&Aが成功した例を教えて欲しいです。

こちらでは、病院・医療法人M&Aの3つの成功例を紹介します。

病院・医療法人M&Aの3つの成功例
  1. 三井物産によるマレーシア法人の株式取得
  2. 社会医療法人北斗に事業譲渡された熊谷総合病院
  3. クリニック1院を近隣エリアの医療法人に事業譲渡した

三井物産によるマレーシア法人の株式取得

こちらでは、三井物産によるマレーシア法人IHH Healthcare Berhadの株式取得の事例を紹介します。

売り手
  • 事業者名:IHH Healthcare Berhad
  • 事業内容:マレーシア民間病院グループ運営
  • 売上:非公開
  • 売却理由:資金力のいっそうの強化
買い手
  • 事業者名:三井物産株式会社
  • 事業内容:商社
  • 売上:約6兆9,000億円(連結:2020年9月末時点)
  • 株式取得理由:遠隔医療等の新規事業の創出

売買の背景

IHH Healthcare Berhadは、中東欧、中東地域で病院経営、運営受託・医科系教育機関経営等のヘルスケア関連事業を行っており、高度医療を主とする医療サービスを提供しています。

三井物産は予てからIHH Healthcare Berhadを支援していましたが、発行済株式を追加取得し32.9%相当保有する筆頭株主となりました。

スキーム・合意の理由

株式取得(総額約20億米ドル)により、三井物産は売り手であるIHH Healthcare Berhaの経営への関与を高めることが規程できます。

また、売り手の今後高成長が期待される病院周辺事業の構築、イノベーション技術の活用による遠隔医療等の新規事業の創出を行い、アジア最大のヘルスケア・エコシステムを構築・拡大することで両者の利害が合致しました。

社会医療法人北斗に事業譲渡された熊谷総合病院

こちらでは、社会医療法人北斗に事業譲渡された熊谷総合病院の事例を紹介します。

売り手
  • 事業者名:JA埼玉厚生連
  • 事業内容:農協系の病院
  • 売上:JA埼玉厚生連すでに破産
  • 売却理由:熊谷総合病院が人材難等で経営が逼迫
買い手
  • 事業者名:社会医療法人北斗
  • 事業内容:北海道での病院・クリニック・介護施設運営
  • 売上:非公開
  • 譲受理由:他地域への進出

売買の背景

熊谷総合病院は以前より、埼玉県熊谷市にある消化器内科、整形外科を中心とした総合病院でした。

しかし、医師の人材難、設備投資が負担となり、母体であるJA埼玉厚生連の経営を圧迫、社会医療法人北斗に事業譲渡されました。

一方、社会医療法人北斗は新たな地域に進出するべく、交渉相手を探していました。

スキーム・合意の理由

他地域への進出を目指した社会医療法人北斗と、経営難の解消を目指した熊谷総合病院の利害が合致し、2016年5月に熊谷総合病院は社会医療法人北斗に事業譲渡されました。

社会医療法人北斗は関東圏進出を果たし、熊谷総合病院は高度先進医療の導入や病院の全面建て替えを行うなど、積極的な設備投資に成功しています。

クリニック1院を近隣エリアの医療法人に事業譲渡

こちらでは、現在世界中で猛威を振るう、「コロナ禍」による業績不振で先行き不安のため、クリニック1院を近隣エリアの医療法人に事業譲渡した事例を紹介します。

売り手
  • 事業者名:医療法人A
  • 事業内容:クリニック運営
  • 売上:約1億円
  • 売却理由:コロナ禍での業績不振による先行き不安
買い手
  • 事業者名:医療法人B
  • 事業内容:クリニック運営
  • 売上:非公開
  • 譲受理由:規模メリットの追求をしたい

売買の背景

売り手は関東エリアでクリニックを2院運営する医療法人でした。

当法人では内科・皮膚科の診療を主として行いつつ、産業医委嘱契約を複数社と契約し健康診断も実施していた。

しかし、コロナ禍の影響で外来患者数が半減している状況となり、今後の先行き不安のためクリニック1院の事業譲渡を決意しましまた。

スキーム・合意の理由

売り手が健康診断・ワクチン(インフルエンザ)の売上高に関した昨年より増えており、産業医委嘱契約を複数社と締結している点が評価され、買い手となる医療法人が出てきました。

加えて、売り手の医院ドクターは譲渡後も継続勤務を希望ドクターの採用が不要なことも買い手の意思決定の後押しとなりました。

事業譲渡契約を締結し、各種手続き後に譲渡が実行されました。

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病院・医療法人売買の注意点

病院・医療法人売買の注意点

病院・医療法人M&Aを実施するからには、患者さんや医療従事者のこともよく考えないと。
病院・医療法人M&Aを行う際、気を付けるべき点について是非教えて下さい。

こちらでは、病院・医療法人M&Aの4つの注意点を紹介します。

病院・医療法人M&Aの4つの注意点
  1. 同じタイプの法人でないと合併不可能
  2. ダラダラ交渉するのもトラブルのもと
  3. 行政を甘く見ない
  4. 無理に事業の全部を継承させなくても良い

同じタイプの法人でないと合併不可能

前述したように医療法人は、社団法人と財団法人の2種類があります。

この2つは税制面で大きな違いがあるため、社団医療法人・財団医療法人の合併は認められません

医療法人の99%が社団医療法人ですが、タイプの異なる法人との合併は禁じられているので注意しましょう。

ダラダラ交渉するのもトラブルのもと

慎重に売買の交渉を行うのは大切ですが、当事者が望むタイムスケジュールに合わせて進めていかないと、各プロセスで遅延が生じてしまいます。

無駄に時間がかかる他、医療従事者のみならず患者さんも、その後どうなるのか不安を募らせてしまうはずです。

当事者同士の協力が何より必要となります。

行政を甘く見ない

病院・医療法人は患者さんの生命にかかわる公益性の高い業種です。

病院・医療法人のM&Aを進める中で、行政当局から指導・勧告・助言等を受ける可能性もあります

手順や提出資料に問題がある場合等、これらの行政指導の対象となるので、事前に行政当局へ質疑・応答を行っておくことが大切です。

無理に事業の全部を継承させなくても良い

病院・医療法人M&Aを行うからと言って、これまで営んできた事業の全部を買い手に譲る必要はないです。

もしも、経営に不安があっても複数の医院の内1か所のみを売却すれば、大幅な経費負担が見込めるという場合もあるでしょう。

そんな時は、医院の1か所のみを譲渡しても構いません。

売り手の思惑通りに譲渡が行われるかは交渉次第ですが、売買交渉の専門家の助力を得れば成功率は格段に上がるはずです。

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病院 M&A|まとめ

病院 売却|まとめ

病院・医療法人M&Aは、後継者不足や地域に貢献するための資金確保・新技術の導入に有効な方法です。

しかし、公益性の高さからある程度、行政から指導をうけたり、患者本人・ご家族の信頼を大切にしたりする努力が求められます。

ご自身の経営する病院・医療法人のM&Aも大切ですが、頼りにしている患者・そのご家族のこともしっかり考える必要があります。

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