M&Aでの「のれん」とは?取り扱い方法から注意点までを徹底解説!

「のれん」とは、企業がM&Aを行い支払った買収価格のうち、売り手の純資産を上回った差額のことを言います。

M&Aの際には、この「のれん」の評価がおおきなウェイトを占め、なるべく正確に売り手の「のれん」を把握する必要があります。

M&Aに関する「のれん」と言う言葉が何を指しているのか知りませんでした。
M&Aの際に「のれん」を正確に把握するのが、そんなに重要なのでしょうか。

もちろん、M&Aに関する「のれん」は、蕎麦屋や寿司屋にある「暖簾」とは違いますが、お店の「暖簾」からきている言葉ではあります。

今回は、聞き慣れないM&Aに関する「のれん」の特徴「のれん」のメリット・デメリット「のれん」の償却方法「のれん」の会計基準「のれん」の価値を高くするコツについて解説をします。

「のれんとは」をザックリ言うと
  • 「のれん」とは、売り上げなどの数値ではない企業の評価
  • 「のれん」を償却するにもメリット・デメリットがある
  • 「のれん」の減損・償却方法を詳しく解説
  • 「のれん」には日本の会計基準と国際的な基準の2つがある
  • 「のれん」の価値をあげる3つの要素とは?
  • 「のれん」の注意点とよくある質問を紹介

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「のれん」とは?

「のれん」とは?

「のれん」と言われれば、お店の入り口の目印にもなる「暖簾」しか思い浮かびません。
「のれん」の特徴を是非教えて下さい。

M&Aで会社買収の際に発生することがある「のれん」の意味負の「のれん」とは何かについて解説します。

「のれん」とは

「のれん」とは、冒頭でも少し書きましたが、企業がM&Aを行い支払った買収価格のうち、売り手の純資産を上回った差額のことです。

また「のれん」は、購入価額が売り手の純資産(試算から負債を引いた額)を上回る差額でM&Aが行われるときに発生しやすくなります。

こちらの「のれん」は、企業のブランド力・信用力等を表す意味を持ち、売り手の目印ともなるので、このような名称で呼ばれるようにななりました。

「のれん」に関する資産価値は主に次のようなものを指します。

「のれん」の資産価値とは
  • ブランド力
  • 信用力
  • 技術力
  • 人的資源
  • 顧客ネットワーク
  • 地理的条件 等

上記の様な、売り手側の見えない資産価値を表します。

「のれん」は、M&Aの際に用いられる勘定科目の一つであり、以前は【営業権】と呼称されていました。

「のれん」は金額の重要性が低ければ【全額費用計上】で構いませんが、一般的に「のれん」は無形固定資産として減価償却を行うことが定められています

売り手のブランド力・信用力等は、未来永劫変わらないというわけではないので、パソコンや機械、工場等と同じように一定期間で減価償却することとなります。

「のれん」の減価償却に関しては後述します。

「負ののれん」とは

「のれん」の中には、かなりイレギュラーな「のれん」もあります。

それが【負ののれん】です。

M&Aの買収価格から売り手の純資産の時価を差し引き、その計算結果がプラスなら通常の「のれん」、マイナスになると「負ののれん」です。

「負ののれん」になっているなら、買い手側からみると買収価格が安く済んだことは間違いありません。

そのため、M&Aのあった期間に全額を一気に特別利益へ計上します。

「負ののれん」の発生はほとんど計算間違い?

「負ののれん」が生じると見込まれる際、次の処理を行うことが会計基準で明記されています。

MEMO
  • 取得企業(買い手)は、すべての識別可能資産・負債が把握されているか、また、それらに対する取得原価の配分が適切に行われているかどうかを見直す
  • この見直しを行っても、なお取得原価(買収価格)が受け入れた資産・引き受けた負債に配分された純額を下回り、負ののれんが生じる場合、当該負ののれんが生じた事業年度の利益として処理

出典:公益財団法人財務会計基準機構 改正企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」等の公表

つまり、「負ののれん」は滅多に生じることがないため、買い手の計算ミスで算定されてしまった可能性があるから、必ず一からやり直して計算すべきことを明記しているのです。

「負ののれん」がほぼあり得ないと思われる理由

「負ののれん」は、経済の法則からして滅多に生じることがないという理由については

MEMO
  • 当事者(売り手)が経済合理性に反する行動をとった
  • 売り手は廃業した方が良いのに、なぜか純資産の時価より安いM&A価格で会社を売った

上記の様な行動は非合理的だと言う指摘があげられます。

とはいえ、M&Aは経済合理性だけで成立するわけではなく、買い手の誠実な態度から安く売ってでも、この買い手企業に会社を譲りたいと言う経営者もいるはずです。

また、廃業した方が財産がより多く残る可能性もありますが、廃業・会社清算という作業は、そう簡単に進められるものではありません。

廃業・会社清算の専門家(弁護士等)への報酬や税金も考えられます。

このことから、売却価格が非常に安くても、『異常である』『ありえないこと』とは一概に言えないのは事実です。

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「のれん」のメリット・デメリット

「のれん」のメリット・デメリット

のれん償却は正確な会計処理を行うために必要な作業ですね。
のれん償却のメリットと、気を付けるべき点について是非教えて下さい。

こちらでは、のれん償却のメリット・デメリットを解説します。

のれん償却のメリット

のれん償却は、「のれん」の価値が永遠に続くものではない事を決算書に反映させられることがメリットと言えます。

「のれん」の価値が著しく低下したり、減損処理をしなければならなくなったときに、一度に多額の損失を計上すると損益が予算から大きく外れる事になってしまいます。

「のれん」の価値が減少することを見込んで償却をするなら、減損処理を行うリスクは低くなります。

予算から大きく外れず、不測の事態を避けることができる経営も実現できます。

また、事務処理に関しても、のれん償却の方が減損テストよりも手間がかからないはずです。

減損テスト:買収後に計上された「のれん」を償却するのではなく、「のれん」が計上された事業の価値を毎年【ディスカウントキャッシュフロー方式(DCF法)】で算定、その事業の簿価と比較し減損をチェックする方法です。

MEMO

のれん償却のメリットは、価値が下がったときなどの不測事態に備えられる。

のれん償却のデメリット

のれん償却のデメリットは、一定期間にわたり毎年のれん償却費の負担が発生することです。

この償却費は販売費・一般管理費に計上され、営業利益を圧迫します。

買収した会社が順調に利益を上げれば問題は無いものの、買収した会社の利益がのれん償却費を下回ると、営業利益・利益率が悪化します。

これでは、目論んでいたシナジー効果にはほど遠い結果となるおそれもあります

多額の買収価格を必要とするM&Aの場合は、日本企業の多くが原則として「のれん」の償却を行わない【国際財務報告基準(IFRS)】に移行しています。

ただし、売り手が当初の予想通りに利益を上げられないなら、このIFRSの場合は減損処理をする必要が出てきます。

注意

のれん償却をしている期間中の償却費が掛かることで、利益が出ていなければ営業利益や利益率が低下する恐れがある。

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「のれん」の償却方法

「のれん」の償却方法

「のれん」は、会社のブランドや信用力、顧客情報等の無形資産の価値を表すものですか。目には見えませんがやはり重要です。
それでは、「のれん」の償却方法について是非教えて下さい。

こちらでは、減価償却を行う意味「のれん」の償却方法と仕訳の具体例について解説します。

なぜ減価償却を行うのか?

減価償却とは、自社が大きな資産を購入する際、支払った代金を分割し、複数年にわたり費用計上することです。

例えば、自社が最新の工場を建設するため建設会社へ20億円を払った場合、支払った20億円は、その会計年度へ一括して計上することはできません

50年間というように、工場が稼働を継続すると見込まれる期間にわたり、毎年分割して費用計上していきます。

会計で減価償却を行う目的は、自社の業績に連続性を持たせ、決算書をチェックする投資家・経営者等が、経営状態を把握しやすくすることにあります。

そして、この20億円の支払いは、借金という形で賄われることでしょう。

この借金は、新たな工場が稼働し生み出した利益を原資に、その後の何十年にもわたって返済されます。

もし減価償却を行わない場合、自社では工場を建設した年に巨額の赤字を計上することとなります。

つまり、債務超過に陥ることもあるのです。

しかし、実際は経営危機に陥ったわけではなく、将来の利益のため投資を行ったのです。

そこで、適正な投資で損益が赤字にならないように減価償却を行うのです。

減価償却を行えば、費用の計上は複数年にわたって分割されることとなりますので、決算書は自社の業績を適正に反映したものとなります。

減価償却をする理由
  • 会計上で債務超過にならないため
  • 決算書で業績が適性であると反映させるため
  • 経営状況をチェックしやすくするため

「のれん」の償却方法

「のれん」の減価償却は、会計基準で20年以内の、その効力がおよぶ期間に行われると定められています。

この20年以内なら、買い手が期間を自由に決めることができますが、一度期間を決めると後から変更はできません。

「のれん」の償却期間を決めるときは、買い手が10年で回収できると見込んだならば、償却期間は10年とするのが基本です。

この償却は、定額法(償却全期間にわたり同額を償却していく方法)等で実施することとなります。

例えば、のれん900万円を10年で償却するケースでは次の通りです。

900万円÷10年=90万円

毎年同額になるよう償却するので90万円となります。

このように、計算自体は簡単なので仕訳の際に迷うことは少ないでしょう。

MEMO

「のれん」の償却期間は、20年以内で買い手が自由に期間を設定出来るが、一度設定した期間は変えることは出来ない。

償却方法は、定額法となっているため、計算方法はシンプルでわかりやすい

のれん償却の仕分け具体例

こちらでは、のれん償却の仕訳事例をあげ説明します。

一般的なのれん償却

まず一般的なのれん償却の仕訳のケースを見ていきましょう。

例1:売り手
  • 現金:1,200万円
  • 貸付金:600万円
  • 買掛金:200万円

売り手を買い手が2,300万円で買収し、のれんが900万円発生したケースでは次の仕分けとなります。

借方 金額 貸方 金額
現金 12,000,000円 買掛金 2,000,000円
貸付金 6,000,000円 当座預金 25,000,000円
のれん 9,000,000円

表のように、売り手の純資産よりも、買収価格が上回るのは通常のケースと言えます。

買収価格が下回るケースはまずあり得ないとみて良いでしょう。(この稀なケースは後述)

のれん900万円を10年で償却する場合、初年度は次のように仕訳ます。

借方 金額 貸方 金額
のれん償却 9,000,000円 のれん 9,000,000円

「のれん」の償却額は、損益計算書の【特別損失】へ計上されます。

企業を買収するとき、買い手は買収する企業の収益力の高さを評価して買います。

その際、見積もられた収益力が高いほど、「のれん」の金額は上がっていくのです。

この収益力の高さは、売り手のブランド力・技術力、人的資源・地理的条件、顧客ネットワークなど、見えない資産価値に大きく影響されます。

「負ののれん」の事例

逆に次のような「負ののれん」のパターンも考えられます。

実のところ、「負ののれん」が発生するケースは、いわば【異常現象】とみなされ、かなりイレギュラーな状況にあるとみて良いでしょう。

そのため、「負ののれん」が発生したらまず『計算ミスがあるのでは?』と、面倒でも計算をやり直した方が無難です。

なお、本当に「負ののれん」が生じた場合は、次のような仕訳で処理します。

例2:売り手
  • 現金:1,200万円
  • 貸付金:600万円
  • 買掛金:200万円

売り手を買い手が1,300万円で買収し、「負ののれん」が300万円発生したケースでは次の仕分けとなります。

借方 金額 貸方 金額
現金 12,000,000円 買掛金 2,000,000円
貸付金 6,000,000円 当座預金 13,000,000円
負ののれん発生益 3,000,000円

何らかの理由で、純資産より低い価額で会社を買収できるケースも稀にあるのです。

その場合は表のように「負ののれん」が発生し、貸方へ【負ののれん発生益】として計上されます。

このケースでは、損益計算書に【特別利益】として計上されます。

このように、「負ののれん」が発生しても、ちゃんと仕訳は可能ですのでご心配なく。

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「のれん」の減損方法

「のれん」の減損方法

「負ののれん」は、やはりマイナーな状況なんですね。仕訳の際は計算を慎重に行いたいです。
一方「のれん」の減損は、企業の資産価値からみると、あまり喜ばしくない状態のようですね。

こちらでは、「のれん」の減損とはどのような事態なのか「のれん」の減損処理について解説します。

「のれん」の減損とは

「のれん」の減損とは、M&A時に計上した「のれん」の価値を修正する作業のことです。

「のれん」は、前述してきた通り実在する資産ではありません。

何らかの原因で価値がなくなった、その価値が減少したという場合、正しい価値に修正する必要があります。

「のれん」の減損が起きる主な理由は、売り手を本来の価値より高い価額で買収してしまったことが考えられます。

買収では高いシナジー効果を期待する意味で、高額な資金を投じてしまい【高値つかみ】となってしまったケースです。

また、M&A後の何らかの理由で引継ぎに失敗し、買い手の想定した事業利益を十分生み出せないケースもあります。

M&Aが成立したのは喜ぶべきことなのですが、後に行われる経営統合プロセス(※)に失敗することもあります。

その結果シナジー効果を出せず、買い手にとって頭を抱える事態となります。

そのように、期待してきた「のれん」の価値が失われてしまった場合、「のれん」の減損処理を行って適正な価値へと修正するのです。

※経営統合プロセス(PMI=Post Merger Integration)とは、買収後の経営統合作業のことを指します。企業にとってM&Aを実行する意味は、統合シナジーを早期に実現し、企業価値を向上させることにあります。PMIは、M&Aにより経営資源をはじめとした外部・内部の経営環境が大きく変革することに関して、買い手の適切な対応と売り手の協力が必要不可欠です。

MEMO

「のれん」の減損は、M&Aでの買収価格の評価ミスや当初の価値を失った場合に、適正な価格へ修整する方法であり、あまり嬉しくない状況と言える。

「のれん」の減損と株価の影響

「のれん」の減損処理を行うのは適正な価値へと修正するのに必要な作業です。

とはいえ、企業の資産価値を大きく引き下げることになり、株価はもちろん株主に対する影響が懸念されます。

当期の純利益が目減りする

「のれん」の減損処理を行うと、貸借対照表に記載したのれんの価額が引き下げられ【特別損失】へ計上されます。

特別損失に計上された分だけ当期の純利益が目減りしますので、株価への影響を注視しなければいけません。

減損処理を行った企業の株価が一時的に急落後、数日後には元の水準へ回復するケースも多いので、一概に株価が下がり続けると言うわけではありません

株主の反感を買ってしまう?

「のれん」の減損による株主への影響には、やはり配当金の減少があげられます。

減損処理は、「のれん」の減損額と同じ分を資本から減らして対応します。

資本から配分される株主への配当金も、この影響で減少してしまいますので、「のれん」の減損が巨額となれば、当期の配当金はゼロという対応も珍しくありません

『株式投資とはそういうもの』と、ほとんどの株主は割り切っているかもしれませんが、『せっかく投資してやってるのに、失策で儲けが台無しだ』と反感を募らせる人がいるかもしれません。

そのため、M&Aが成立したからと言って安心せず(決してM&A契約成立=M&A成功ではない)、少なくとも経営統合時の引継ぎは慎重に進め、減損処理を出さないような対応策が望まれます

注意

「のれん」の減損処理をすると、資本金が減る事から、株主からの反感をかう可能性がある。

「のれん」の減損処理の仕訳方法

こちらでは「のれん」の減損処理の仕訳を具体例をあげて説明します。

事例

M&Aを実施、当期で900万円に及ぶ「のれん」を計上した。

しかし、M&Aで無理な社名変更・組織変革が影響し、取引先が困惑、一部の商品の売り上げの大幅な減少につながった。

その結果、企業価値が50%も下がってしまった

借方 金額 貸方 金額
減損損失 4,500,000円 のれん 4,500,000円

借方の科目である減損損失は、特別損失や営業外費用と記載しても構いません。

この仕訳で、実際の評価に沿った金額を決算書へ計上できるようになります。

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「のれん」の会計基準

「のれん」の会計基準

前述していましたが、日本の会計基準と国際的な会計基準はどうやら異なるようですね。
それぞれの特徴が知りたいです。

こちらでは、日本の会計基準と国際的な会計基準の特徴について解説します。

日本の会計基準

これまでも述べてきたように、貸借対照表で無形固定資産として経理処理します。

日本の会計基準では、「のれん」を20年以内の期間で均等に償却するよう定めています。

この期間内なら何年で設定してもOK、各企業の状況判断で期間を決め、均等にのれん償却を実行していきます。

販売費・一般管理費に計上され、営業利益を圧迫するケースも想定されますが、会計処理は簡素で処理しやすい点が便利です。

国際的な会計基準

国際財務報告基準(IFRS)は、基本的にのれん償却は行わず、「のれん」の価値が著しく低下した場合だけ減損処理をする事とされています。

こちらは、買収時に価値のあったブランド・信用力等の超過収益力は、時間とともに失われていくという考え方ではない点が、日本の会計基準との大きな違いです。

ただしIFRSでは、会計処理を見直し、のれん償却の義務付けについて検討しています。

今後の方針の展開に注目する必要があるでしょう。

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「のれん」の価値を高くするコツ3選

「のれん」の価値を高くするコツ3選

売り手側からしてみれば、売却価格の高い方がやはり嬉しいはずです。
「のれん」の価値を高くするコツのようなものはないでしょうか。

こちらでは、「のれん」の価値を高くする3つのコツを紹介します。

「のれん」の価値を高くするコツ
  1. 高く買ってくれる買い手にアプローチ
  2. 1社にこだわらない
  3. 無形資産の価値の向上

高く買ってくれる買い手にアプローチ

次のような買い手なら高い買収価格が期待できます。

  • 売り手の有する技術やノウハウ、販売網を欲しい
  • 売り手とのM&Aでコスト削減・売上増加が見込める
  • 売り手の事業との関連性が高い

買い手からしてみれば、一から新事業を立ち上げるより、既にその事業を行っている売り手を買収した方が安上がりです。

また、売り手が培った来た販売網を一気にGETできる点はM&Aの大きな強みと言えます。

なお、売り手または買い手の希望条件・希望価格は、M&Aの「マッチング・サイト」で公開案件として明示されています。

これらを参考に、交渉相手を探すのが効率的です。

1社にこだわらない

よほど親しかった会社とだけM&A交渉をしたいのならともかく、より高く買ってもらえるような買い手を見つけたいなら、複数の買い手と交渉を進めた方が良いでしょう。

そうすれば買い手同士で競争が生じ、高い値段で売却できる可能性も高まります。

ただし、買い手側が【独占交渉権】を要求してくる場合が多く、安易に売り手が承諾すれば、以後、他の買い手との交渉は一定期間できません

無形資産の価値の向上

買い手から高く評価されるような無形資産を保有しない売り手もおられるはずです。

その際は、無形資産の価値を高めることが大切です。

そこで、【自社の強みであるノウハウを更なる充実・強化、買い手が放っておけなくなるような販売網を拡大】といった施策が考えられます。

また、自社しかない特許・商標等の知的財産を取得するのも有力な手段です。

ある程度の労力・時間はかかりますが、より確実に高く売却したいなら価値の向上に努めましょう。

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「のれん」で注意しなければいけないこと2選

「のれん」で注意しなければいけないこと2選

「のれん」は、やはりM&Aを行う際の大事な要素なので、慎重に検討しないと。
それでは、「のれん」に関する注意点があれば是非教えて下さい。

こちらでは、「のれん」に関する2つの注意点を取り上げます。

「のれん」に関する注意点
  1. やはり減損に注意
  2. 数値だけでの判断が難しい

やはり減損に注意

買い手はM&Aで、少ない金額の「のれん」を計上します。

ただし、どんなケースでもM&Aでシナジー効果が得られるとは限らず、時には減損を行わなければいけない場合があります

収益性や業績が華々しくUPする期待通りの展開にならず、M&Aへ投資した費用を回収できなくなるケースが少なくありません。

会計のルールでは、M&Aに費やした資金を回収不能となった時点で、過大に計上していた「のれん代」を損失として計上します。

このような事態になれば、株主にも大きな影響が出てしまうのは前述した通りです。

「のれん」の減損は、業績そして株主に対する大幅な信用悪化を招く要因なので注意が必要です。

注意

期待通りの業績を残せない場合は、減損処理を行わなければいけなく、株価などにも影響が出る場合がある。

数値だけでの判断が難しい

「のれん」は、その性質上、資産へ計上した後で初めて価値がわかるものです。

そのため、M&Aにおける「のれん」の評価額が正当か否かという点に疑問を持つ必要があります

現在、成長が成熟(または停滞しているが)10億円売れている企業、それとは逆に、現在は実績の無きに等しいベンチャーでも将来性を感じさせる企業、これらの企業を同一の「のれん」という評価軸で甲乙つけるのは、非常に難しいことです。

それに、売り手からすれば会社自体が売り物なので、少しでも高く買って欲しいはずです。

早く事業を拡大したい買い手が売り手の要請に応じ高値で会社を購入した場合、そこには多額の「のれん」が計上されることでしょう。

このように「のれん」には、数値だけではなかなか判別が難しい一面もあります

そのため、多面的かつ長い期間にわたり、じっくり判断することが大切なのです。

注意

評価額だけで企業の価値を判断しにくい点に注意が必要となる。

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「のれん」のよくある質問2選

「のれん」のよくある質問2選

「のれん」の特徴や、のれん償却の話を聞くうちに、疑問点が湧いてきました。
いくつか質問したい事柄があります。

こちらでは、「のれん」のよくある2つの質問について解説しましょう。

「のれん」のよくある質問
  1. 「のれん」は会計と税務とで取り扱いが違うのか?
  2. 「のれん」の評価額で失敗しないためには?

「のれん」は会計と税務とで取り扱いが違うのか?

会計は、会社の経営成績・財政状況をまとめた【決算書】ならびに【財務諸表】の作成を目的とします。

一方、税務は、会社の納めるべき税金を算出した【法人税の申告書】の作成が目的です。

片方は財務の健全性の記録、もう片方は税金を正しく納める作業という違った特色があります。

「のれん」の扱いは会計と税務での違いが明白です。

会計では「のれん」という科目を使用しますが、税務では「資産調整勘定」という科目を使用します。

これには、会計基準とは全く異なった制限もあります。

それは資産調整勘定の場合、5年間の定額償却が適用される点です。

会計上で、どんな形で「のれん」を償却していても、税務申告をするなら5年の定額償却としてのれん償却をしなければなりません

会計と税務の違いで混乱したくないなら、会計上でも5年償却に合わせた方が無難です。

MEMO

会計では「のれん」と言う項目を使用し、税務では「資金調整勘定」と言う項目を使う。

償却期間が会計と税務では異なるため、混乱したくない場合は、税務での償却期間である5年に統一するのが良い。

「のれん」の評価額で失敗しないためには?

のれんの評価額を大きく見誤ることは、どんな買い手であっても避けたくないことでしょう。

この場合には、「M&Aの専門家」の助力が必要となるはずです。

M&A専門家のポイント
  • M&A仲介会社とは?
  • サポートは準備段階からクロージングまで?
  • M&A仲介会社の費用は?

M&A仲介会社とは?

M&Aの専門家といえば「M&A仲介会社」を挙げる方々が多いことでしょう。

こちらではまずM&A仲介会社の特徴について解説します。

M&Aを専業または兼業でサポートする仲介会社が存在します。

2000年代に設立された比較的新しい会社が多いです。

このM&A仲介会社はその交渉のスタイルとして、どちらかといえば売り手の利益を優先する仲介会社もいれば、売り手・買い手の利益を公正中立に調整する仲介会社も存在します。

各仲介会社のスタイルはサイトで紹介されています。

M&A準備段階として各サイトを閲覧・内容をチェックしてみましょう。

MEMO

比較的新しい業種であり、M&Aの際の交渉事などを手助けしてくれる業者。

サポートは準備段階からクロージングまで?

M&A仲介会社の多くは公式の「マッチング・サイト」を持っており、売り手・買い手をマッチングするサービスを提供しています。

マッチング・サイトを利用すれば、ニーズに合った交渉相手がチョイス出来て、すぐアプローチを行なえます。

マッチング・サイトへの登録だけなら、売り手・買い手双方無料となる業者もあります。

しかし、サイトに登録した当事者の仲介サポートを行ってくれる業者もあります。

この仲介サポートでは、交渉希望者のM&Aに関する希望金額・企業評価方法・効果的な条件の提示等もアドバイスしてくれます。

もちろん、M&A契約成立までサポートを行う業者が数多いです。

しかし、経営統合に失敗し莫大な「のれん」の減損を起こさないため、契約成立後も相談に乗ってくれる場合もあります。

M&A交渉がはじめてで、かつM&A成功の確率をあげたいならば活用するべきサービスです。

MEMO

マッチング・サイトを運営し、売り手と買い手を繋いでくれます。

また、交渉からその後のサポートまでをしっかりしてくれる業者もあります。

M&A仲介会社の費用は?

実はM&Aのサポート料金を「必ず〇〇〇〇円支払わなければいけない」と、法定されている訳ではないので、料金は各M&A仲介会社が自由に設定可能です。

そのため、あくまで成功報酬しか受け取らず、後は全て無料にしている業者もいれば、着手金や月額報酬は受け取るものの成功報酬を受け取らない業者まで多種多様です。

サポート料金が気になるならば、M&Aの本格的な相談の前に見積もりを出してもらいましょう。

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「のれん」とはのまとめ

「のれん」とはのまとめ

売り手の無形資産を評価するための「のれん」は、20年以内であれば償却期間を自由に決めることができます

ただし、償却費は営業利益を圧迫することになるおそれもあり、償却方法は慎重に検討するべきでしょう。

売り手も、買い手側が滞りなくのれん償却できるのかを考えることも念頭におき、「のれん」について十分考慮する必要があります。

M&Aは、「のれん」が重要な決定要因になることが多く、売り手も正しい知識を身につけ、売却交渉を円滑に進めるように配慮することが大切です。

もちろん、M&A交渉当事者がM&A未経験者ならM&A仲介会社をたて、アドバイスを受けつつ交渉を進めることも大切です。

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会社売却でも事業売却でも、検討しはじめたら最初に使うようにしてください。

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