M&Aの目的とは?売り手・買い手に分けて目的とメリット・注意点を解説!

「M&A」とは、資本の移動に伴う企業の合併・買収を指した手法のことであり、最近はどの業界でも盛んに行われています。

  • 後継者不在に悩む企業が第三者へ会社や事業を承継する場合
  • 小さな企業が資金確保のため敢えて大手の傘下に入る場合
  • 複数の事業を営んでいて一部の事業だけが採算が取れ亡いために事業を切り離す場合

上記の様な場合に、M&Aが活用されることが多いです。

M&A未経験の方々は売り手も買い手も、M&Aを行って具体的にどんなメリット・デメリットがあるのか、非常に関心があるのではないでしょうか?

この記事では、M&Aの特徴買い手・売り手それぞれのメリット・デメリットM&Aの成功事例・成功したポイント等について解説します。

M&Aの目的をザックリ言うと
  • M&Aとは企業の買収・合併のことである。
  • 買い手のM&Aの目的は事業拡大がメイン!
  • 売り手のM&Aの目的は後継者不足の解消が多い!?
  • 買い手のメリットはコスト削減
  • 売り手のメリットは事業承継が出来る
  • M&Aにはいくつも種類があり手順も異なる!?
  • M&Aの成功事例とポイントを紹介

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M&Aとは?

M&Aとは?

私は小さな会社を経営しています。経営は安定していますが、後継者が不在なのは悩みの種です。
M&Aをした方が良いと言われましたが、本当にこの手法を使って大丈夫なのでしょうか。

こちらでは、M&Aとはどんな手法なのか最近のM&Aの傾向について解説します。

M&Aは悩める企業の救世主?

M&Aとは、買い手企業が売り手企業を合併・買収する手法です。

M&Aの種類には、会社の事業の一部を他社に売却する方法もあれば、会社ごと他社に売却する方法など様々な種類があります。

また、買い手企業が経営権を取得しない範囲で、売り手企業の株式を保有・出資する「広義のM&A」もあります。

M&Aで、どんな手法を使うかは当事者が交渉しながら決めていきます。

買い手側の一方的な意向でM&Aが決まるわけでは無く、売り手の希望も聞きつつ交渉が進行します。

また、売り手にとっては経営の安定や後継者問題の解消、資金確保の手段として盛んに利用されています。

買い手側はもちろん事業拡大、その他に人材の確保や新事業をはじめたい場合にM&Aが活用されます。

MEMO

M&Aは一部の事業を売却する方法や会社全部を売却する方法など様々である。

売り手は後継者問題の解消や資金確保の手段としてM&Aを活用する。

買い手は人材確保や事業拡大の手段としてM&Aを活用する。

最近の傾向は友好的な買収劇?

M&Aは、1980年代のバブル期に経営者または社会人だった方々の場合には、あまり良いイメージが無いはずです。

買収される会社の希望を無視し、株主だけから合意を得て勝手にM&Aを進める「敵対的M&A」が巷を騒がせてきました。

M&Aをいわゆる「ハゲタカ」と呼んでいたのもこの頃です。

しかし、最近では前述したように、買い手も売り手もウィンウィンの関係になるような話し合いが持たれ、両社が合意しなければ成立しない友好的M&Aがほとんどです。

そのため、若手経営者が多いベンチャーや起業したばかりの企業の場合、M&Aに偏見がなく、潤沢な資金確保のため自ら進んで大手の傘下に入ろうとするところも多いです。

MEMO

M&Aは、敵対的買収から友好的買収に変わり、活用の方法なども大きく変わった。

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買い手側のM&Aの目的3選

買い手側のM&Aの目的3選

M&Aは、社の傘下に買収相手を収めるわけですから、買い手側に利するところが大きいことでしょう。
買い手側がM&Aを行う目的について教えてください。

こちらでは、買い手側がM&Aを行う3つ目的について解説します。

買い手側のM&Aの目的
  1. 技術と人材確保
  2. コストと時間の削減
  3. 成長戦略

技術と人材確保

買い手はM&Aを行うことで、売り手がこれまで培ってきた技術(特許があれば更に良し)や、優秀な人材の確保ができます。

特に人材不足が叫ばれている「IT業界」「医療・薬局業界」「介護業界」では、人材の確保は重要な課題です。

これらの分野は、誰でも行えるわけでは無い専門領域なので、どんな会社も人材確保に苦慮しています。

M&Aならば会社はもちろん、事業・人材も買い手企業の傘下に収めることができます。

M&Aは即戦力もGETでき、非常に効率的な技術・人材確保手段と言えます。

MEMO

買い手は、M&Aを行うことで、技術と人材を同時に手に入れることが目的と言える。

コストと時間の削減

企業が新入社員を採用して、いちから教育するのは、時間もコストもそれなりにかかります。

残念ながら、社員教育についていけず、せっかく採用された企業を辞める若者も多いです。

これは新規事業にも言えることで、自社で新たな事業を展開する場合には、時間もコストもかかります

更に、新規事業が成功する保証も全くありません。

しかし、自社が展開してみたい事業を既に行っている会社へアプローチし、M&Aを成功させれば労せずに新事業が展開できます。

更には、それに伴う人材もわざわざ新規雇用すること無く、買収した会社の人材を活用できるので、人材育成に費やす手間も時間も不要です。

MEMO

M&Aを行うことで、技術だけではなく、人材確保・事業のノウハウなどを手に入れられることで、新規事業を考える企業にとってはコスト削減に期待ができる。

成長戦略

買い手にとってM&Aは、成長戦略としての意味合いがあります

例えば、自社の店舗が無い地域へ、新たに出店するのは時間もお金もかかります。

更にお客が付くとは限りません。

とするなら、事業展開したい地域にある店舗を買収すれば、いちから品物を仕入れる手間も新店舗を建てる必要も無く更に取引先や顧客ごと買い手企業が取得できます。

速やかな成長戦略をとりたい企業に、M&Aという手法は非常に都合の良い戦略と言えるのです。

これは国内のみならず海外進出したい企業も同じです。

MEMO

M&Aを行うことで、新規進出を行う地域の実績作りの手間を省くことも可能となる。

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売り手側のM&Aの目的3選

売り手側のM&Aの目的3選

売り手となる我々にとっては、M&Aをどのような目的で活用すべきなのでしょうか。
売り手側がM&Aを行う目的について教えてください。

こちらでは、売り手側がM&Aを行う3つ目的について解説します。

売り手側のM&Aの目的
  1. 事業継承(後継者問題)
  2. 資金確保
  3. 経営再建

事業継承(後継者問題)

中小企業が抱える後継者問題は、非常に深刻な事態となっています。

中小企業庁が発行する「中小企業白書」によれば、経営者の年齢のピークは1995年時47歳と若い方々が目立ちましたが、現在では60代後半~70代と高年齢化がかなり進んでいます

もちろん、経営者の子供・親族が後継者となる可能性もあれば希望は持てます。

とはいえ、経営者としての資質に欠けている場合や、既に会社を引き継がないと表明していれば、後継者選びは難航します。

ご自身の下で働いてきた従業員にも、後継者になり得る方々がいなければ、最悪の場合は廃業を考えてしまうかもしれません。

しかし、M&Aならば他社にこれまで続けてきた事業を引き継いでもらうこともできます

MEMO

M&Aを活用することで、後継者がいなくても事業承継が可能となる。

資金確保

資金確保の場合は、後継者問題や経営難というわけでは無いものの、より潤沢な資金を得て事業展開したい企業が、あえて大手企業の傘下へ入るためM&Aを利用するケースです。

ベンチャー企業や起業したての会社が、主にこの手法をとる傾向があり、この場合は「株式譲渡」という形でM&Aが行われる事が多いです。

これなら経営権は買い手に移るものの、売り手の会社がなくなるわけではないため、これからも従業員共々存続します。

M&Aに抵抗を感じない若手経営者の場合は、柔軟な資金確保手段として、この方法をとることが多いです。

MEMO

ベンチャー企業などが、資金確保のためにM&Aを行うことで、開発などに掛かる費用を確保する目的もある。

経営再建

経営再建のためのM&Aの場合は、売り手企業が経営再建のために、買い手企業に売却をアプローチするのが目的です。

売り手が、せっかく継続してきた事業を倒産という形で失うことは避けたいはずです。

債務の返済や従業員の再雇用も、経営者には頭を抱える問題として立ちはだかります。

経営再建をM&Aで解消できるなら、債務の返済はもちろん従業員の雇用を今まで通り続けることができるはずです。

売り手企業に独自の技術・特許・ノウハウがあれば、多額の負債に苦しんでいない限り、買い手候補がつかないということはあまりないはずです。

MEMO

売り手企業に独自の技術や特許などがある場合は、負債などが有っても買い手が付くこともある。

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買い手側のM&Aのメリット・デメリット

買い手側のM&Aのメリット・デメリット

M&Aは売り手も買い手にとっても、新たな事業展開や発展が期待できる手法のようですね。
それでは、買い手のメリットや気を付けるべき点についても知りたいです。

こちらでは、買い手にとってのM&Aのメリット・デメリットM&Aを成功させるためのポイントについて解説します。

M&Aのメリット

買い手にとっては時間や費用をあまりかけずに、新たな事業の拡大や人材の確保売り手の取引先や顧客を得られる点がメリットです。

もちろん買収価格は売り手が納得できる価格でないと、交渉は円滑に進みません。

そのため、買収価格と、一から新規事業を立ち上げたり、人材を確保したりするための費用とも比較検討しつつ、慎重な決定が求められます。

M&A交渉が成功すれば、売り手の保有する全店舗・従業員を手中に収めることができるため、自社の大きな成長が期待できる手法と言えます。

MEMO

時間を掛けずに、技術・人材・顧客・取引先などを手に入れることが出来る。

新規事業の立ち上げに掛かる費用と、M&Aに掛かる費用を比較しながら考える必要はある。

M&Aのデメリット

M&A交渉は必ず成功するとは限らない点です。

売り手との交渉自体は円滑に進んでも、交渉も佳境に差し掛かったころ実施する「デューデリジェンス」で、売り手の多額の負債や重大な法令違反等が発覚した場合、交渉自体を打ち切るケースも想定されます。

このデューデリジェンスは、買い手が売り手の財務・法務等を調査する作業のことです。

こちらの調査で深刻な事態が発覚すれば、M&A後に問題が発覚するよりも損失は少ないはずです。

また、損害が出たなら損害賠償も請求できるはずです。

しかし、これまでM&A交渉に費やしてきた時間は結局徒労に終わります。

交渉する相手によっては望まない結果となることも想定しておきましょう。

注意

交渉が美味くまとまらない場合もある。

買収する企業に大きな負債などが有る場合もある。

ポイント

買い手がM&A交渉を成功させるためのポイントは主に次の3点です。

ポイント
  1. 買収価格は慎重に検討を
  2. デューデリジェンスを徹底する
  3. M&A実行後も売却した側に配慮する

買収価格は慎重に検討を

買収価格は安く抑えたいのが買い手の心理ですが、あまりに低額で売り手に提示すれば、交渉を打ち切られてしまう可能性もあります。

なるべく企業評価に基づいた価格提示を行いましょう。

デューデリジェンスを徹底する

デューデリジェンスは、M&A後の買い手側の損失を未然に防ぐ措置です。

デューデリジェンスのための編成チームで対応したり、専門家に依頼したりして、売り手の隠れた負債を洗い出すことが大切です。

このプロセスを怠ると、買収後に期待したようなシナジー効果が得られないおそれもあります。

M&A実行後も売却した側に配慮する

M&A実行後も売り手と事業等を統合する際には、買い手側の都合だけで作業を続けることは避けましょう

売り手の経営者はもちろん、従業員の意見も聴きつつ執り行うべきです。

そうしないと、売り手側の反発を招き人材の流出を招く恐れがあります。

買い手側の傲慢な対応では売り手側従業員はもちろん、取引先・顧客の心も離れてしまいます。

買い手によるM&A実行後の売り手への心遣いが何より大切です。

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売り手側のM&Aのメリット・デメリット

売り手側のM&Aのメリット・デメリット

やはり売り手側のデメリットは心配なので、M&Aに臨む際は良く確認しないと。
売り手のメリットや気を付けるべき点について教えてください。

こちらでは、売り手にとってのM&Aのメリット・デメリットM&Aを成功させるためのポイントについて解説します。

M&Aのメリット

売り手側のM&Aのメリットは、後継者不在・経営不安・資金確保の問題が解決できる点です。

ただし、解決できるかどうかはM&Aの手法にもよります。

M&Aの種類については後述します。

また、希望通りの売却価格が得られれば、経営者はその売却益で、引退後に悠々自適の生活が送れることとなるでしょう。

もちろん、ご自身がまだまだ働きたいなら交渉の段階で希望して買い手の傘下で働き続けることも可能です。

もちろん、経営者ばかりが恩恵を受けるわけでは無く、従業員の雇用も継続され路頭に迷う事態が避けられます

MEMO

後継者不足による事業継続不能を解消することが出来る。

売却益で引退後の資金確保をすることも可能。

従業員の雇用を守ることも出来る。

M&Aのデメリット

買い手に経営権が移ってしまう点がデメリットです。

買い手側から命令等で事業運営が拘束されてしまうケースもあります。

M&A交渉の段階で【これまで通りに事業運営が可能か】【過剰な指揮命令は慎んでもらえるのか】などを良く話し合うことが大切です。

また、前述したようにM&A交渉も佳境となれば、買い手のデューデリジェンスが行われます。

この調査で外部に知られたくない、売り手側の内部情報も開示しなければいけません。

都合の悪い事実を黙っていると、それが発覚した後に買い手側から契約解除・損害賠償請求も行われるリスクがあります。

そこで、安心して内部情報を開示できるよう、事前に買い手側と「秘密保持契約」を締結しておくことが大切です。

注意

経営権が無くなることはデメリットになります。

買い手の調査によって社内情報が漏洩するリスクも考えられます。

ポイント

売り手がM&A交渉を成功させるためのポイントは主に次の3点です。

ポイント
  1. 売却価格は慎重に検討を
  2. デューデリジェンスに誠実に協力する
  3. タイミングを見計らい取引先や従業員にM&Aを報告する

売却価格は慎重に検討を

売り手としては、売却価格は高く設定したいところですが、法外な価格を設定しては買い手候補がいつまでたっても集まりません。

適切な企業評価を行い説得力のある売却価格を買い手に提示しましょう。

デューデリジェンスに誠実に協力する

買い手が行うデューデリジェンスには、誠実に協力することが大切です。

多額の負債を隠し、M&A後に発覚すれば賠償責任を負うリスクがあります。

タイミングを見計らい取引先や従業員にM&Aを報告する

その他、M&Aを行った事実について取引先や従業員に報告します。

基本的にM&A成立後に、取引先・従業員へ報告します。

なぜなら、M&Aへ臨む前に報告すると取引先の反発や、従業員が動揺することもあるからです。

しかし、M&A成立後いきなり報告すると、取引先や従業員とトラブルになると考えたら、M&A交渉も佳境に迫った時期に報告して、M&A成立後の準備をお願いするのも良い方法です。

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M&Aの種類と手順

M&Aの種類と手順

M&Aはいろいろな種類があるようですね。
その種類とM&Aを行う流れを知りたいです。

こちらでは、M&Aの種類とそれを行うためのプロセスについて解説します。

M&Aの種類

M&Aの手法は主に次のような方法が考えられます。

M&Aの種類
  1. 会社合併
  2. 買収
  3. 会社分割
  4. 資本提携

会社合併

売却会社と買収会社が合わさり1つの会社になる手法です。

新設合併・吸収合併があります。

  • 新設合併:売却会社と買収会社の両方が消滅し、新設会社に統合される手法。
  • 吸収合併:売却会社が消滅し、買収会社に吸収される手法。

いずれの場合も売却会社は消滅することになります。

買収

売り手の会社自体または売り手の事業を買い手側が買い取る手法です。

株式譲渡・株式交換・事業譲渡の3種類があります。

  • 株式譲渡:株式の所有権の移動で会社の支配権が移る方法。売却した会社はそのまま存続。
  • 株式交換:子会社から取得する株式の対価に関し、自社の株式を割り当てる手法。
  • 事業譲渡:売り手の会社の事業全部または一部を売却する手法。

会社分割

売り手の会社の複数ある事業を切り離し別の会社へ引き渡す手法です。

新設分割・吸収分割があります。

  • 新設分割:新設会社を設立、その会社へ事業の全部または一部を継承させる方法。
  • 吸収分割:売却会社の事業の全部または一部を、買収会社へ吸収させて譲渡する方法。

資本提携

広義のM&A手法です。

買収会社は経営権を取得しない範囲で、売却会社の株式を保有・出資します。

一般的には、一方だけが株式を持つ場合がほとんどです。

次の方法も資本提携に該当します。

  • 株式持ち合い:複数の会社が互いに相手の発行済株式を取得する手法。
  • 合弁会社設立:複数の企業が共同出資して経営する会社、「ジョイントベンチャー」とも表記される。

M&Aのプロセス

M&Aの手法は色々ありますが、契約成立までのプロセスは基本的に同じです。

M&Aのプロセス
  1.  M&A当事者が交渉開始:経営のトップ同士が会談
  2. 意向表明書を締結:買い手が売り手に対しM&A、買収価格を表明。ただし法的拘束力なし。
  3. M&A交渉を行い課題抽出
  4. 基本合意書を締結:M&A交渉の基本的な枠組が決まると、M&Aの方針・取引金額等を定め合意書を作成。こちらも法的拘束力なし。
  5. デューデリジェンス開始:買い手が売り手の財務・法務・人事・技術等で負債・法令違反等の有無を調査
  6. 最終契約書を締結:デューデリジェンスで問題が見つからなければ、最終契約書を作成し契約成立
  7. クロージング

大まかなM&Aの流れは上記の7段階と言えます。

話し合いが円滑に進めばわずか50日程度で成立することもあります。

しかし、基本的には3ヶ月~半年は掛かると見ておきましょう。

もちろん交渉が難航すれば1年かかる場合もありますし、双方の溝が埋まらず契約不成立もあり得ます。

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M&Aの成功事例とポイント

M&Aの成功事例とポイント

M&Aは売り手も買い手も、一長一短を良く把握して交渉に臨むべきですね。
M&Aの成功事例と成功したポイントが知りたいです。

こちらでは、M&Aの成功事例と成功したポイントを4ケース紹介します。

M&Aの成功事例とポイント
  1. 異業種の株式譲渡の成功例
  2. 海外進出で同業種の株式譲渡の成功例
  3. 同業種の事業承継の成功例
  4. 同業種の資本提携の成功例

異業種の株式譲渡の成功例

こちらでは「カブドットコム証券(現:auカブコム証券)」が「KDDI株式会社」へ株式譲渡を行った事例について解説します。

M&A当事者のデータ

  • 【売り手】カブドットコム証券(現:auカブコム証券):資本金約71億円→目標:経営を強固にしたい
  • 【買い手】KDDI株式会社:資本金約1,418億円→目標:新規事業を充実させたい

M&A経緯・成果

インターネット証券大手「カブドットコム証券」は、更なる顧客層の拡大と成長を加速するべく、その成果が期待できる買い手を探していました。

一方、KDDIは電気通信事業のみならず、グループとして進めている金融サービス業の拡充を目指して買収相手を探していました。

双方の利害が一致し2019年6月、KDDIはTOBを実施、カブドットコム証券は子会社化されauカブコム証券となりました。

成功のポイント

一見、電気通信業界と金融業界とは全く無関係のようにも思えます。

しかし、カブドットコム証券は、KDDIの通信契約を通じて保有している顧客の「ビッグデータ」を、金融分野で大いに活用できると考えました。

一方、KDDIは金融サービス事業を新たな成長の柱とし、インターネット証券大手であるカブドットコム証券を取り込むことで、スマートフォンの利用による、更なる金融事業の拡大を行えるようになりました。

たとえ異業種でも将来を見据えた事業展開で、互いに利活用できる得意領域を相手方に見出し、M&Aを行ったケースと言えます。

海外進出で同業種の株式譲渡の成功例

こちらでは、オーストラリアの保険会社である「Suncorp Group Ltd」が「第一生命ホールディングス株式会社」へ株式譲渡を行った事例を解説します。

M&A当事者のデータ

  • 【売り手】Suncorp Group Ltd:資本金不明→目標:経営を安定させたい
  • 【買い手】第一生命:資本金約3,431億円→目標:海外における市場シェアを拡大したい

M&A経緯・成果

オーストラリアの保険会社である「Suncorp Group Ltd」は、自社の資金力の充実を望み、買収してくれる保険大手を探していました。

一方の「第一生命」は、海外市場での利益拡大を目論み、海外の保険会社の買収するべくリサーチを行っていました。

資金力の充実を目指す売り手と、海外の足ががかりを探していた買い手の利害が一致し、2018年9月、「第一生命」は「Suncorp Group Ltd」の全株式を取得して完全子会社化しました。

成功のポイント

双方とも保険会社であるため、比較的M&Aし易い相手であったと考えられます。

「Suncorp Group Ltd」は、この買収で潤沢な資金を得て経営が安定、「第一生命」は海外市場へ影響力を高める結果となりました。

同業者間であっても一方的な買収とはならず、ウィンウィンの関係を目指したM&Aが非常に多いです。

同業種の事業承継の成功例

調剤薬局1店舗を構える経営者が後継者不在のため、運営する同業企業へ事業承継した事例です。

M&A当事者のデータ

  • 【売り手】A(調剤薬局1店舗の運営):売上1億円→目標:後継者問題を解消したい
  • 【買い手】B(調剤薬局を数十店舗の運営):売上非公開→目標:事業を拡大したい

M&A経緯・成果

売り手Aは、調剤薬局1店舗を運営、近隣には病院、その運営するグループホーム、リハビリステーション等が集まっており、その多くの医療機関・施設から処方箋を獲得していました。

しかし、経営は順調ながら経営者自身は高齢となり、後継者も見当たらないので、M&Aで事業承継に応じてくれる買い手を探していました。

一方、調剤薬局を数十店舗展開しているBは、売り手Aの店舗がある地域に事業展開したいと目論んでいました。

そこで、売り手A・買い手Bの利害が一致、事業承継が行われました。

成功のポイント

調剤薬局の場合は、同業者に事業承継されるからこそ、事業を行ってきて培ったノウハウや事業のそのものが継続します。

売り手Aの経営者にとって、これまで頼りにしてくれた患者さんたちへ、変わらずに保険薬が提供でき買い手Bにとっては希望する事業拡大エリアの足掛かりを得たことが成功のポイントと言えます。

同業種の資本提携の成功例

設備工事業を営んでいる売り手Aは、将来の後継者不在を見越して、事業拡大を目指す同業他社と資本提携した事例です。

M&A当事者のデータ

  • 売り手A(設備工事業):売上非公開→目標:来るべき後継者不在の解消
  • 買い手B(設備工事業):売上非公開→目標:事業拡大

M&A経緯・成果

公共事業等の管工事業を手掛けてきた売り手Aは、堅実な事業運営で評価を得てきました。

しかし、先代が急逝、事業を継いだ経営者は50代と若いながらも、後継者が見つからないリスクを危惧していました。

そこで、事業の安定的な継続・従業員の雇用維持のため、自社の買収先を探していました。

一方、買い手Bは事業拡大を目標に、社業歴が長く公共事業を手掛けた実績があり、ベテラン従業員が多い売り手を探していました。

M&Aのマッチングでお互いの利害が一致、売り手A・買い手Bは資本提携を行うことになります。

成功のポイント

後継者不在が理由と言うケースでは、前例のように「事業承継」を行う場合がほとんどです。

しかし、今回の売り手経営者はまだまだ若く、第一線で活躍できます。

そのため、買い手は経営権を取得しない範囲で、売り手の株式を保有・出資します。

このような協力関係を築く手法で合意できたのが成功のポイントと言えます。

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M&Aによくある質問

M&Aによくある質問

M&Aの説明を受けているうちに、いろいろ疑問点が出てきました。
いくつか質問よろしいでしょうか。

こちらでは、M&Aでよくある質問を2点取り上げます。

売り手・買い手だけで交渉を行う自信が無い

当事者双方または片方がM&A未経験者なら、交渉が円滑に進まないケースは考えられます。

更に片方がM&Aを盛んに行ってきた企業ならば、M&A未経験者が巧みにM&A経験者から不利な条件を提示され、納得のいかない契約を締結する羽目になるかもしれません。

その様な事が無いように、M&Aに詳しい弁護士等をたてたりM&A仲介会社から間に入ってもらい調整してもらう方法を検討しましょう。

M&A仲介会社へ依頼すればM&Aの相手方のマッチング、事前相談も行ってくれます。

ただし、M&A仲介会社によってはマッチングの機会だけを与え、あとは当事者のみで交渉するスタイルをとる業者もあります。

M&A仲介会社のサービス内容は良くチェックしておいた方が良いです。

また、気になるのはサービス料金ですが、M&A仲介会社によっては着手金や月額報酬、成功報酬等を支払うことになるので、事前に見積もりを出してもらいましょう。

売り手・買い手が報酬について、平等に負担する仕組みがとられていない場合もあるので注意が必要です。

なお、M&A仲介会社ではM&Aマッチングサイトを運営している業者がほとんどです。

サイトの登録だけなら無料になる場合が多いので、仲介会社と相談しながら自社を登録してみましょう。

MEMO

M&Aは当事者同士でももちろん出来るが、仲介会社などを間に立てる方が円滑に交渉が進む事が多い。

売却(買収)価格は同算定する?

実際のところ、売り手も買い手も希望価格は自由に設定できます。

売り手が中小企業の場合、過去3年間の営業利益の平均値をもとに、3~5年分(のれん代含む)を上乗せするのが一般的です。

のれん代とは、企業のブランド力・信用力等を表す意味を持ち、売り手の目印ともなる強みのことです。

しかし、売り手のどんな状況を基準として計算するかで評価額も変わってきます。

比較的メジャーな計算方法に「DCF法」「類似業種比較法」「時価純資産法」があります。

3つの計算方法
  • DCF法:業計画等から売り手の将来のフリーキャッシュフローを算定する方法
  • 類似業種比較法:株式市場・M&A市場の取引価額をもとに算定する方法
  • 時価純資産法:保有資産の時価総額と、負債の時価総額から企業価値を計算する方法

この様に計算の基となる「材料」が違っており、それぞれの算定方法で計算しても、同じ企業評価になることはまずありません。

また、企業としての歴史の浅い企業にとってはDCF方が有利な計算方法であり、老舗の企業にとっては時価純資産方が有利な計算方法になります。

そこで、どんな計算方法で算出したらよいかわからない場合や企業評価が面倒な場合は、前述したM&A仲介会社に算定してもらった方が正確な計算が期待できて楽です。

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M&A 目的|まとめ

M&A 目的|まとめ

M&Aは、売り手にも買い手にも、それぞれメリット・デメリットがあります。

そのため、どんなM&Aの手法なら自社のニーズに合った成果が期待できるのかを、よく検討してM&Aの交渉に臨むべきです。

もちろん、前述したM&A仲介会社の助力を受けつつ、両社が納得できるM&Aになるような話し合いが成功する秘訣と言えます。

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会社売却でも事業売却でも、検討しはじめたら最初に使うようにしてください。

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