会社合併をするメリット・意味とは?会社合併の種類や手続き、事例まで徹底解説!

合併とは、2つ以上の企業がひとつの会社となる手法です。

合併は、必ずしも独立した企業同士で行うわけでは無く、同じグループ企業同士で行われるケースもあります。

合併が成功すれば市場シェアで圧倒的に有利となる場合もあり、互いの強みを共有することで大きなシナジー効果が期待できます。

会社の合併を検討しているけれど、効果があるなら合併の方向で話を進めようかな。

しかし、合併にはかなりの手間とコストがかかり、すぐに経営統合が完了できるような方法と言えません。

合併の決断は慎重に行うことが求められます。

グループ企業同士なら環境や社風などの問題はクリア出来そうだけれど、他の企業との合併は難しそうですね。

この記事では、合併の種類とメリット・デメリット成功事例や合併の流れを解説します。

合併のメリットをザックリ言うと
  • 企業の合併には新設合併・吸収合併などの種類がある。
  • 合併は事業・業務や財務・会計や法務面で大きなメリットがある。
  • 合併・統合によるデメリットや注意点も多くある。
  • 合併によって大きなシナジー効果が見込める。
  • 合併・統合の際には取引先・顧客への配慮も必要となる。

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合併とは?

合併とは?

私の会社には子会社が複数あり、昨今の厳しい経済環境の中で合併の必要性を感じています。
合併の特徴について詳しく知りたいです。

こちらでは、合併とはどんな方法か新設合併・吸収合併について解説します。

合併とは

合併とは、2つ以上の会社を1つの会社に統合する形で進めるM&Aの手法の一つです。

合併は下記の様に幅広い目的で利用されます。

合併の目的
  • 他の会社を完全に取得する場合
  • グループ企業における組織再編
  • 業績不振の企業の救済措置

など

1つの会社に統合する手法なので、法人格の消滅を伴う会社が出てきます。

合併の場合、法人格が消滅してしまう会社を消滅会社と呼び、消滅会社から権利義務を引き継ぐ会社は存続会社と呼ばれています。

法人格の消滅を経るため、手続きは慎重に進められ、経営が統合されるまで1年以上かかるケースも多いです。

MEMO

合併とは2つ以上の会社が1つになる事であり、消滅する法人が出てくるため、手続きなどを慎重にしなければならない。

また、期間は1年以上要する場合もある。

新設合併

新設合併とは、合併で消滅する会社の持つ権利義務の全てを合併で新たに設立される会社が承継する方法です。

新設合併では、合併時に新しく設立する会社が存続会社となります。

新設合併の場合、合併を目指す全ての企業がいったん解散して、各会社の有する権利義務の全部を新会社へ移管する流れとなります。

このように、新会社を設立するので、会社設立の手続き・許認可申請、上場申請等が必要となります。

MEMO

新会社を設立した上で、企業同士が合併する方法であり、新会社設立の手続きが必要となる。

吸収合併

吸収合併とは、合併で消滅する会社の有していた権利義務の全部を合併後に存続会社が承継する手法です。

吸収合併では、存続する会社と消滅する会社の2つが出てきます

ただし、一方が勝ち組で一方が負け組になるというわけでは無く、交渉の際は当事者双方の納得できる条件を模索するのが主流です。

吸収合併では、吸収される方の権利等を既存会社がそのまま引き継ぐため、会社設立の手続き・許認可申請、上場申請等は基本的に不要です。

新設合併ほど煩雑な手続きでは無く、実際のM&Aでは吸収合併を行うケースがほとんどと言われています。

また、新設合併より登録免許税が安い点も、吸収合併が選ばれている理由と言えます。

MEMO

消滅する会社の権利義務を存続会社が継承する方法であり、吸収される会社は消滅する。

新設合併よりもメリットがあるため、M&Aでもよく使われる手法である。

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合併のメリット3選

合併のメリット

合併はいずれにしても、必ず法人格を失う会社が出て来るので、慎重に対応したいですね。
合併を行うメリットについて是非教えて下さい。

こちらでは、事業・業務、財務・会計、法務それぞれのメリットを解説します。

事業・業務のメリット

合併では、合併企業の事業・業務をそのまま引き継ぐことになります。

従業員を雇用する場合も同様で、再度雇用契約を結ぶという面倒な手続きも不要です。

合併では、権利義務が承継されることになるので、事業・業務にあまり支障は出にくく、事業・業務の共有化、合理化が図られます

新設・吸収いずれの場合も自社グループの再編が進み、事業・業務の効率化が期待できます。

MEMO

権利義務が継承されるので、事業・業務に支障が出づらく、従業員の再雇用に関する手続きも不要となる。

財務・会計のメリット

合併のタイミングで管理会計を導入すれば、業績の測定・評価がしやすくなります。

管理会計上のデータを基に、経営方針や事業方針を決定しやすくなります

また、合併により株価への影響を含む企業価値向上、信用力の向上で資金調達もしやすくなります

その他、各事業会社間で資金移動を行う場合、手続きやコストが掛かるものの、合併で同一法人となれば資金移動が容易になります。

MEMO

業績の測定や評価がしやすくなり、企業価値が上がれば資金調達も資金移動もしやすくなる。

法務的なメリット

財産や契約等をすべて引き継ぐ手法なので、法的には従業員の退職・再雇用契約を経ることなく勤務を続けられます

法律的な手続きも省略できるので、業務のモチベーションが下がることもないはずです。

また、合併では法人格が1つに統合されます。

合併当事者である黒字会社・赤字会社の間で損益通算が可能となります。

黒字会社からすれば適法に節税対策を図ることができ、赤字会社からすれば損失をカバーできるため、双方にとってメリットがあります。

MEMO

従業員の退職・再雇用契約をする手間が省けることと、黒字・赤字の損益通算が可能となるので、節税・損失カバーが可能となる。

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合併のデメリット

合併のデメリット

合併のメリットはなかなか大きいようですが、デメリットもあることでしょう。
合併を行うデメリットについて是非教えて下さい。

こちらでは、事業・業務、財務・会計、法務それぞれのデメリットを解説します。

事業・業務のデメリット

合併を行えば必要な関連業務が急激に増加します

合併の経験が豊富で、専門部署を立ち上げている企業でないなら、普段の業務の他、合併に関する業務も行う必要が出てきます。

そのため、合併による業務量の増加は、従業員に大きなストレスを生み出します。

また、合併で事業が統合されれば、業績に対する責任の所在が曖昧になるケースも気を付けましょう。

複数の事業が存在する場合、責任者の会社に対して抱く責任感が軽薄となる傾向も無視できません。

各事業・部門で数字を算出しながら、責任の所在を明確化させる必要があるでしょう。

注意

合併に伴う業務が増加される事や、事業統合による業績に対する責任が曖昧になる場合がある。

財務・会計のデメリット

組織再編で事業が統合されると、従来の事業単位での業績などの数字が把握しにくくなる傾向もあります。

そのため、各部門・事業の会計を整理するなどを工夫し、組織・事業単位で数字が把握できる仕組みを構築する必要もあるはずです。

また、合併したばかりでは、なかなか業績が安定しないこともあります。

コスト増・組織再編による業績不安定化で、合併直後は短期的に株価への悪影響のある可能性が想定されます。

合併のシナジー効果で株価上昇の恩恵を受けられるようになるまで、株主等へは合併目的や組織再編の方向性等について粘り強く説明し、理解を得る必要があるでしょう。

注意

これまでの事業単位での業績管理がしにくくなる。

合併直後は業績が安定しない可能性もある。

法務的なデメリット

特に新設合併の場合は、合併後も事業継続のため必要となる許認可をチェックして、所轄官庁への届出・新規申請を行うことが大切です。

この手続きを行わないと事業継続ができなくなるおそれもあります。

また、合併前に把握できなかった偶発的な債務が発覚する場合も考えられます。

偶発的な債務には簿外債務未払賃金などがあげられます。

このまま放置すれば、訴訟問題に発展するおそれもあり、発覚時に適切・迅速な対応が求められます。

注意

事業継承後も許認可のチェックをしなければいけない。

また、簿外債務や未払賃金などもチェックしておく必要がある。

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合併によるシナジー効果

合併によるシナジー効果

合併を行うデメリットは良く把握して起きたいですね。
統合の段階で課題に気づいても遅い場合もありますからね。
それでは、合併をした場合のシナジー効果についても知っておきたいです。

こちらでは、期待されるシナジー効果を解説します。

シナジー効果とは?

合併における「シナジー効果」とは、複数の企業を統合した結果、それぞれの価値を単純に合計するより、大きな価値が生まれることを指します。

シナジー効果にもいろいろあり、主に下記の5つの種類に分けられます。

シナジー効果の種類
  • 販売シナジー
  • 費用(コスト)シナジー
  • 生産シナジー
  • 投資シナジー
  • 経営シナジー

とはいえ、合併したからといって5種類全てのシナジー効果が得られるとは限りません。

5種類のシナジーについて

それぞれのシナジー効果をみていきましょう。

シナジー効果の種類
  1. 販売シナジー
  2. 費用(コスト)シナジー
  3. 生産シナジー
  4. 投資シナジー
  5. 経営シナジー

販売シナジー

販売シナジーとは、合併により互いの得意先・商品売り場・販売までの経路等を共有することで得られる効果です。

コストの節約効率的な面の向上が期待できて、更にブランドイメージの向上にも繋がることでしょう。

費用(コスト)シナジー

費用(コスト)シナジーでは、合併による統合で経営のスリム化・合理化を図ることができます

また、合併で企業の規模が大きくなると価格交渉力も高まります。

その結果、商品・製品のみならず消耗品・備品等の購入単価は下がり借入金に係る金利の低下も期待できます。

生産シナジー

生産シナジーは、生産に関する情報・ノウハウや設備を共有して得られる効果です。

合併企業が商品を共同購買し、本来の価格の値下げが期待できます。

販売元との価格交渉力が高まる点も強みです。

また、互いの研究開発のメンバーやノウハウ、特許等を共有が図られ、研究開発力が向上することもあるでしょう。

投資シナジー

投資シナジーは、研究・開発の情報やノウハウを共有し、コスト削減・技術を高める効果です。

それぞれの強みである技術・知識を共有する取り組みは、売上拡大事業充実化にも良い影響を与えます。

優れた技術を統合すれば、新たな商品開発・研究の発展が期待できます。

経営シナジー

経営シナジーは、経営の重要人物や管理者同士で交流を深め、ノウハウ・有益な考え方を有効活用する効果です。

もしも業務の異なる企業同士が合併すれば、互いのノウハウを共有、戦略的な観点から事業を見直すことができるはずです。

その結果、業績の改善や企業全体の活性化へ繋がることでしょう。

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合併の成功事例

合併の成功事例

大掛かりですが、合併を行う手法もイレギュラーな事例では無いということですね。
それでは、合併を行った事例も教えて欲しいです。

こちらでは、吸収合併・新設合併の成功事例をそれぞれ2つずつ紹介していきます。

三菱UFJリースが日立キャピタルを吸収合併した事例

リース事業が苦境を克服するため、経営基盤の強化・環境変化への適用力向上を目指し吸収合併した事例です。

  • 存続会社:三菱UFJリース
  • 消滅会社:日立キャピタル

合併の経緯

リース事業は長期化する低金利、リースをめぐる会計基準の変更等で、収益を得にくい事態が継続していました。

収益の挽回を模索する中、新型コロナウイルスが大流行して、国内・海外は大混乱に陥り、運営はかなり厳しいものとなりました。

そこで、三菱UFJリースと日立キャピタルは合併のための交渉を開始、2020年日立キャピタルが三菱UFJリースへ吸収合併されることになりました。

成果

この吸収合併で、ネットワークの効率的な相互活用が進み、およそ年間100億円の収益シナジー効果が期待できるとされています。

合併後の新会社(三菱HCキャピタル株式会社)で、市場の成長が期待できる欧米・中華圏へ向けて積極的に海外進出を図っていく予定です。

オリンパスが子会社を吸収合併した事例

経営資源の最適な配置・活用を目指し、子会社の吸収合併を行った事例です。

  • 存続会社:オリンパス
  • 消滅会社:オリンパスイメージング+オリンパス知的財産サービス

合併の経緯

大手電子機器メーカーのオリンパスは、同業界の熾烈な競争に勝ち残るため、2015年に子会社であるオリンパスイメージングとオリンパス知的財産サービスを吸収合併してグループ内の組織再編を実施しました。

再編を目的とした合併だったので、株式・金銭等の割当は行われていません。

また、親会社オリンパス側では簡易合併、子会社2社の場合は略式合併に該当し、株主総会も開催せずに実施されました。

成果

オリンパスイメージングとの合併では経営資源の最適な配置・活用が実現して、オリンパス知的財産サービスとの合併では知的財産権に関連した業務の効率化・機能の強化が図られました。

規模は大きかったもののグループ内再編を目指した合併なので、比較的煩雑な手続きを経ずに、経営統合が成功した事例と言えます。

富士ゼロックスが子会社を新設合併した事例

競争力強化を図り、持続的な成長を目指すため、多数の子会社の新設合併を行った国内事例です。

  • 親会社:富士ゼロックス株式会社
  • 子会社その1:富士ゼロックスエンジニアリング+富士ゼロックス開発機能の一部+新潟富士ゼロックス製造+鈴鹿富士ゼロックス+富士フイルムシステムズ→富士ゼロックスアドバンストテクノロジー
  • 子会社その2:富士ゼロックス竹松工場+富士ゼロックスイメージングマテリアルズ+鈴鹿富士ゼロックス+新潟富士ゼロックス製造→富士フイルムマニュファクチャリング

合併の経緯

富士ゼロックスでは厳しい経営環境下、競争力強化持続的な成長を目指すため、分散している開発・生産機能を再編・統合する必要に迫られました

そこで2010年、新設合併により「富士ゼロックスアドバンストテクノロジー株式会社」「富士フイルムマニュファクチャリング株式会社」を設立を目指しました。

開発系の富士ゼロックスアドバンストテクノロジー株式会社には、富士ゼロックスエンジニアリングを合併、それに加え富士ゼロックス開発機能の一部、新潟富士ゼロックス製造、鈴鹿富士ゼロックス、富士フイルムシステムズのハード・ソフトの開発機能を統合・集約しました。

一方、生産系の富士フイルムマニュファクチャリング株式会社には、富士ゼロックスイメージングマテリアルズを合併、それに加え鈴鹿富士ゼロックス、新潟富士ゼロックス製造の生産機能を統合・集約しました。

成果

この大きな新設合併により、開発機能・生産機能がそれぞれの統合され効率的な運用が可能となりました。

そして富士ゼロックスは、開発面の技術・開発力強化、生産面のコスト競争力強化を実現しました。

東洋製罐が海外企業を新設合併した事例

海外で発生した洪水被害の復興を進めるため、連結子会社3社の新設合併を行った海外事例です。

  • 親会社:東洋製罐
  • 子会社その1:WPI社(Well Pack Innovation Co., Ltd.)
  • 子会社その2:TPI社(Toyo Pack International Co., Ltd.)
  • 子会社その3:TAS社(Toyo Seikan Technical & Administration Service Center(Asia) Co., Ltd.)

合併の経緯

タイでは2012年に大洪水が発生、東洋製罐の連結子会社であるWPI社・TPI社・TAS社の3社が大きな被害を受けました。

この被害により、プラスチック製品の製造販売や、飲料用ペットボトルの製造販売等を営む3社は痛手を被ります

そこで、東洋製罐では迅速な復興のため共通機能の集約化・経営資源の効率的な活用を目指して同3社を新設合併しました。

成果

新設合併により期待された効率的な事業運営が行われ、飲料用ペットボトルの製造販売・受託充填事業は急激に回復しました。

その後も、タイ・周辺国の飲料市場の需要は順調に高まり、2018年にタイで90億円を投じて新工場建設されることとなりました。

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合併手続きの手順

合併手続きの手順

合併を行うからには、支障なく円滑に手続きを進めたいです。
そこで、合併の手順を是非教えて欲しいです。

こちらでは、合併の手続きの流れを解説します。

合併手続きの手順
  1. 合併契約締結
  2. 事前開示書類の備置
  3. 債権者に対する通知・公告
  4. 消滅会社の株券等提出公告
  5. 株主総会招集通知・反対株主等への通知
  6. 株主総会の決議
  7. 合併の効力発生
  8. 登記申請
  9. 書面の事後備置

新設合併・吸収合併の流れをみていきましょう。

いずれも基本的に同じ流れです。

第1段階|合併契約締結

合併の交渉相手方と契約を締結します。

第2段階|事前開示書類の備置

合併契約等の内容やその他一定の事項を記載した書類または電磁的記録を本店に備え置きます

新設合併なら、合併手続きを行う日から効力発生日まで備え置きます。

  • 新設合併:合併手続きの日~効力発生日
  • 吸収合併:(消滅会社)効力発生日、(存続会社)効力発生日~6ヶ月経過

第3段階|債権者に対する通知・公告

官報公告によって合併をすること、債権者が一定期間異議も述べることができる旨等を掲載します。

それと共に各債権者への各別の催告が必要です。

第4段階|消滅会社の株券等提出公告

原則として消滅会社が株券等を発行している株式会社である場合、効力発生日の1ヶ月以上前の日までに、株券等の提出公告・各株主等への通知が必要です。

株券発行会社でも、実際に株券を発行していない場合は、この手続きは不要です。

第5段階|株主総会招集通知・反対株主等への通知

株主総会を開催する場合、原則として総会日の1週間前、公開会社なら2週間前までに招集通知を発送します。

非公開会社でかつ取締役会非設置である会社ならば、定款で1週間よりも短い期間でも可能です。

1週間前に招集通知を発送する必要のある会社は、発送日~株主総会開催日まで、丸7日間が必要となります。

新設合併は消滅会社、吸収合併は存続会社・消滅会社とも、株主等へ、効力発生日の20日前に合併を通知または公告しなければいけません

第6段階|株主総会の決議

簡易合併・略式合併ならば、合併差損が生じなければ株主総会の決議は不要です。

原則として合併の効力発生日の前日までに、株主総会の特別決議による承認が必要です。

ただし、消滅会社が公開会社で、合併の対価が譲渡制限株式ならば、消滅会社の株主総会の特殊決議が必要です。

また、合併の対価が持分会社の持分のケースでは、消滅会社の総株主の同意が必要です。

消滅会社が種類株式発行会社なら、種類株式にかかる種類株主総会の決議も必要となるケースがあります。

第7段階|合併の効力発生

新設合併の場合は登記が効力発生要件なので、登記申請日に新設合併の効力が発生します。

吸収合併の場合は登記が効力発生要件ではないため、合併契約書で効力発生日と定めた日に効力が発生します。

第8段階|登記申請

効力発生日から2週間以内に、存続会社の変更登記・消滅会社の解散登記を「同時」にしなければなりません。

第9段階|書面の事後備置

設立会社または存続会社が株式会社の場合、合併効力発生日以後、遅滞なく法務省令で定められている事項を記載した書面または電磁的記録の作成が必要です。

効力発生日~6ヶ月間、会社の本店に備え置きます

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合併に関する注意点

合併に関する注意点

合併は多くのプロセスを経て進められ、かなりの時間を費やしますね。
それでは、合併のときに気を付けるべき点はあるのでしょうか。

こちらでは、合併に関する4つの注意点を紹介します。

統合作業で現場に負荷がかかる

合併では、2つ以上の企業の取り組み・システム・タスクまでを統合することになります。

そのため、統合作業で躓いてしまうと、事業の効率化どころか全体の事業活動が停滞する事態とつながります。

また統合作業では、システム統合等で、それなりにコストが発生することを事前に把握しておきましょう。

統合中の様々なトラブルを避けるためには、合併前に綿密な計画を立て、その計画を慎重に進めることが大切です。

もちろん、従業員の協力も必要不可欠です。

現場への負荷を可能な限り軽減する工夫を考えましょう

注意

合併によって、システムやタスクを統合することになるため、統合に関するコストや業務が大きな負担になる場合がある。

価値観の衝突

たとえ同じ目標を持ち合併に合意した企業同士でも、具体的な取り組み・価値観の異なる点は把握しておく必要があります。

価値観の違いで両者の対立が表面化、大きな壁にぶつかるケースもあります

このような対立を避けるには、互いのコミュニケーションを深めることが大切になるでしょう。

もちろん、経営者・管理者の方針の押し付けだけではダメです。

それぞれ従業員の意見も取り入れます。

公平性を意識しながらプロセスが進められれば、トラブルの発生時も冷静に対処できます。

それぞれ違う企業文化・企業風土で発展してきた企業です。

いきなり合併して大きなシナジー効果がすぐに出せるわけではありません。

互いにコミュニケーションを取りつつ、信頼の醸成に努めていきましょう。

注意

企業によって価値観や社風・労働環境などが異なるため、合併・統合に向けてお互いに歩み寄りが大事になる。

合併によるコスト

合併すれば、組織がシンプルとなりコスト削減効果が得られます

しかし、合併に至るまでの手続き・業務にかかるコストへ注意しましょう。

統合に掛かり得るコスト
  • 株主等への対応
  • 手続き等を弁護士等に依頼した場合の報酬
  • 事業継続に不可欠な設備・社内システムの整備
  • 双方の従業員の給与基準の統一

など

上記の様に、合併には様々なコストがかかります。

その金額は規模に応じてかなり異なるものの、数千万~数十億円に及ぶ場合があり、合併を行う際の資金調達が課題と言えます。

注意

合併を行う際には、様々な費用が掛かるため、合併にかかるコスト計算が必要になる。

シナジー効果を期待したつもりが取引縮小?

合併による経営統合が、支障なく円滑に進んだとしても意外な落とし穴が待っているかもしれません。

それは、合併当事者に重複した顧客取引がある場合です。

このケースでは、合併すると存続会社1社との顧客取引となります。

とすると、取引が縮小されるおそれも出てくるのです。

顧客取引を縮小されてしまえば、満足なシナジー効果は得られなくなります。

この事態を避けるためには、合併前に取引先へのあいさつ回り等をして理解の得られるよう心がけましょう。

全体として売上高が落ちないよう、しっかりと根回し等は行っておくべきです。

注意

取引先が重複している場合などは、取引先の立場で見ると売り上げが下がり得ることから、取引に影響が出る可能性もある。

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合併によくある質問

合併によくある質問

合併についてお聞きする内、いろいろな質問が出てきました。
いくつか質問よろしいでしょうか。

こちらでは、合併に良くある質問について解説します。

簡易合併・略式合併は楽?

合併では原則として、株主総会決議による合併契約の承認が必要です。

反対する株主が多いと、当然円滑なプロセスで合併が進められなくなります。

しかし、一定の要件を満たすなら、株主総会の承認を省略することが認められています

それが「簡易合併」「略式合併」です。

双方とも吸収合併の手続きを簡略化できます。

簡易合併と略式合併

(1)簡易合併

簡易合併は、消滅会社の純資産総額の割合が、存続会社の1/5以下であるときに活用できます。

規模の差が大きく、合併しても存続する企業・株主に影響が少ない場合に、株主総会の手続きが省略可能です。

また、簡易合併の場合では株式買取請求権が発生しません。

(2)略式合併

略式合併は、存続会社が消滅会社の議決権や支配権を90%以上の議決権等の高い割合で有しているときに活用される合併方法です。

すでに支配権が確定している合併ならば、株主総会の手続きが不要と判断されて省略できるのです。

簡易合併と略式合併が実施できないケース

いずれの合併方法も、会社や株主へ損害を与えてしまうのならば実施できません

合併は当事者の条件の合致していることが大切だからです。

そのため、簡易合併・略式合併は手続きがやや簡便でも、この方法がとれない場合もあることに留意しましょう。

合併の経験が無くて不安

合併が自社にとって必要であっても、未経験で交渉を進めるのは不安なことでしょう。

そんな場合は、合併の手続きに経験豊かな専門家の助力を検討しましょう

弁護士

法律の専門家であり、合併の場合は契約書の作成、各行政機関への届出・法的手続きを担当します。

何らかの理由で訴訟になった場合も弁護してくれます。

当然弁護士報酬は必要となります。

まずは弁護士事務所のホームページをチェックし、合併に関する手続き等の経験があるかどうかを確認しましょう。

経験豊富な弁護士なら、ホームページで詳しく内容が掲載されているはずです。

ただし、合併のプロセス全般のアドバイスをしてくれるわけではありません

トータル・サポートを必要としているなら、別の専門サービスを利用するべきです。

MEMO

法律の専門家であるため、契約書関係や訴訟関係には頼りになりますが、合併やその他に関するトータルサポートは期待できない場合がある。

M&A仲介会社

会社買収・合併等のM&Aサポート・サービスを提供してくれる会社です。

M&A専門の会社もあれば、経営コンサルティングの一環としてサービスを提供する会社もあります。

合併を行いたい相手方のマッチングや交渉サポート、クロージングまで対応してくれる仲介会社が多いです。

自社とは全く別の会社と合併を行いたい場合は、M&A仲介会社にトータル・サポートを依頼した方が無難です。

ただし、基本的にマッチング・サービスだけしか提供しない会社もあるなどサービス内容に差があります。

まずはM&A仲介会社に事前相談し、詳しいサポート内容を聞いてみましょう。

MEMO

合併をはじめとしたM&Aのサポートをしてくれる会社であるが、サポートやサービス内容は会社によって異なるため、サポート・サービス内容の確認が必要となる。

合併契約の後もかなり心配

スムーズに合併契約が進んだものの、統合の段階となって一気に問題が噴出することはあります

合併した会社同士の従業員間で反発が起きることも想定されます。

経営統合の際は慎重な対応が求められます。

しかし、グループ企業の再編で合併したわけでは無いなら、それぞれ企業文化が異なり戸惑うのは当然です。

その場合には、やはりM&A仲介会社からアドバイスを得て統合を進めた方が無難です。

M&A仲介会社の全てが行っているサービスとはいえないものの、経営統合プロセスのサポートを行ってくれるところもあります。

経営統合段階のサポート・サービスはオプションとなるケースが多いです。

合併交渉のサポートをM&A仲介会社にお願いしたなら、ついでに経営統合時のアドバイスも頼めないか聞いてみましょう

MEMO

合併後の事業統合などでトラブルが起こることもあるため、M&A仲介会社にサポートをお願いできるか確認しておくのも必要となる。

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合併 メリット|まとめ

合併 メリット|まとめ

合併を行えば非常に巨大な組織に成長でき、事業の効率はもちろん市場のシェアを大幅に占めることが期待できます

今後の競争にもかなり優位となることでしょう。

しかし、合併はこれまで見てきたように手間がかかり手続きも複雑です。

合併の際にトラブルが生じた場合の大きなリスクを考慮しなければいけません。

そのため、合併による大きなシナジー効果が見込めるかどうか、よく検討した上で決断することが大切です。

会社合併に興味をお持ちの方や、合併をお考えの経営者の方は、相談料無料のM&Aアドバイザーにご相談ください。

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